‘賢い戦い’をできなかったU‐20日本代表

「惜しかった」のか「完敗」なのか?U-20W杯、影山ジャパンの最後の屈辱。

 5月23日にポーランドで開幕したサッカーU‐20W杯で影山
雅永監督率いる日本代表は、ベスト16で韓国に0-1で敗れて
大会を終えた。

 試合は中5日の日本に対し中3日の韓国は前半を守りに徹して
後半勝負で臨んで来た中で日本は攻め込みながら得点を奪えな
かったばかりか、84分にはミスから先制を許し以後もチャンス
を作るものの決めきれずに韓国の術中に嵌る形で0-1で逃げ切
られた形になった。

 この結果を見ると日本が勝ち抜けない象徴的な形になったと
思ってしまうし、死のグループといわれたグループBを突破で
きたのに本当にもったいない話。

 今回の影山ジャパンはメンバー発表から久保建英らがA代表に
招集されるなど制限があったし、ケガ人続出でエクアドルやメ
キシコにイタリアとのグループステージに臨む事になっていた
のだから決勝ラウンド進出すら危ぶまれていたのだ。

 それをエクアドルとの初戦を1-1の引き分けに持ち込むと2
試合目のメキシコ戦では3-0で完勝し、ほぼ決勝トーナメント
進出を決めた。

 ところが最終戦のイタリア戦では引き分けでも2位通過なのを
‘勝って1位でトーナメント進出’とベストメンバーで臨んだが、
PKを失敗するなど得点が奪えず0-0の引き分けで2位通過とな
ったのだ。

 ただでさえケガ人が多いのにグループステージで活躍していた
田川亨介と斉藤光毅がケガで離脱するアクシデントまで発生した
わけで、U‐20のベストメンバーを揃えた韓国相手に2日多く休め
るアドバンテージが救いという形だった。

 優勝するにはグループステージ3試合と決勝トーナメント4試合
の計7試合で最後の4試合は全勝する必要があるのだが、一方でグ
ループステージ3試合は余力を残して勝ち上がる必要があるわけで
特に6つのグループの3位4チームまでが勝ち上がれるシチュエーシ
ョンでは今回の日本のように1勝1分ならば3試合目は負けない限り
確実にトーナメント進出は可能だ。

 それを考えると3試合目のイタリア戦は主力を温存しターンオー
バーする必要があるのだが、監督以下選手達は先述したように‘イ
タリアに勝って1位通過’を合言葉にベストメンバーで勝ちに行くと
いう無謀な戦いを挑み引き分けただけでなく負傷者まで出すという
最悪の結果になったのだ。

 日本では‘優勝するには全勝で’という意識があるようで12年ロン
ドン五輪女子の佐々木ジャパンや、昨年の西野ジャパンのように勝
ちにいく姿勢を見せないと非難の的になってしまう。

 今回のU‐20日本代表のメンバーもキャリアがないので全試合を
勝ちに行きたいのだろうが、そこを冷静な判断で抑えられるのは
監督しかいないにも拘わらず一緒になって全力で勝ちにいかせた
影山監督の責任は重いし煽ったマスコミも同罪だ。

 日本がW杯で決勝トーナメントを勝ち抜けないのは代表メンバー
やスタッフだけでなくマスコミまでが全試合勝利を要求するし、引
き分け狙いなど論外という論調で煽る事こそ元凶ではないか。

 そういった意味で‘なぜイタリア戦で主力を休ませなかった’とい
う批判ができないマスコミの罪は重いと思うし、日本代表の活躍を
期待するなら‘負けなければOK’という試合を許容する事から始まる
のではないだろうか。

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