先日扱ったウルトラセブン33話・侵略する死者たちは異形の敵が
登場しないEPだったが、シャドウマンと呼ばれる敵を操っていた
黒幕の侵略者は最後まで謎のままだった。
このEPの脚本は怪奇大作戦や帰ってきたウルトラマンのメイン
ライターの上原正三で、この頃になるとセブンのメインライター・
金城哲夫はマイティジャックに携わるために作品が減り上原正三や
市川森一らの作品が増えるのだが一方で経費削減のため予算のかか
らないストーリーを作らざるを得なくなったとの事。
そのセブンまでの上原正三作品を見ていると意外に多いのが姿を
現さない侵略者のEPである。
氏のデビュー作品はウルトラQのボスタング編で宇宙エイ・ボス
タングを送り込んできたのは戦争好きといわれるキール星人という
事になるが、星人の事はルパーツ星人・ゼミの口から語られるだけ
で実際の姿は登場しないのだ。
続くウルトラマンでは金城哲夫との共作となった多々良島編の怪
獣無法地帯とキーラー編の2本のみだが、セブンになるとチブル星
人編から始まり共作を含めると11本を担当している。
そんな中で氏が担当したユートム編や恐竜戦車編にシャドウマン
編、そして原作は虎見邦男氏ではあるがリッガー編の4本は黒幕が
異形の姿を現さないわけである。
敵の正体が分からないというのは凄く不気味で侵略意図も分かり
づらいわけだから後々まで引くというのは大人的には大いに楽しめ
る一方、子供にしてみるとヒーローとの直接対決をはじめとした胸
のすくシーンが見られないため今ひとつ面白味がないし商業的にも
キャラクターグッズの販売につながらないというマイナス面がある。
第2期以降は最後まで敵の姿が分からないような内容のEPが
殆ど見られなくなったのは対象年齢を子供にしているからではな
いかと思われるし、特にミラーマンに登場したインベーダーが当
初は会話すらしなかったのが途中からしゃべるようになり最後は
異形の姿でミラーマンと対峙するようになったのを考えると子供
向けには謎の敵は不向きだという事だろう。