レアル・マドリード、ファビオ・カペッロ監督解任

　今日の新聞に「レアルマドリードのカペッロ監督解任」という
記事が載っていた。
　スーパースター軍団のレアルだったが、3年続けて優勝を逃して
いたのだが、これを建て直し一時は６あった勝ち点差を逆転して
の優勝だけに前回優勝しながら解任されたような事はないだろう
と思っていた。
　しかし「カペッロのサッカーは面白くない」という悪評が常に
ついていたので‘ひょっとしたら’とは思っていたのだ。

　理由はイタリア人のカペッロは「優勝するためには負けない事
だ」というポリシーで指揮を取るタイプ。
　確かに結果重視主義のイタリアでは褒められるのだろうが、勝
つと同時にスペクタクルまで求められるスペインのビッグクラブ
ではそうはいかない。
　実際「カペッロのサッカーは面白くない」というのがスペイン
全土でのカペッロ評だ。
　
　あまり野球と比べてはいけないのだが、元ライオンズの森昌彦
監督などはこのタイプ。
　負けないスタイルでチーム作りを推し進めた結果、黄金時代を
築いたが「森の野球は面白くない」と評判は悪かった。
　それでも優勝して解任という事はまずなかった。

　スペインでは勝つだけでなく、攻撃的に攻めまくって観客を魅
了しながら勝たないといけないという体質がある。
　特に宿命のライバル・バルセロナは、勝利とスペクタクルの両
面を追っているので世界中にファンがいる。
　レアルもバルサほどではないが、「勝つだけではダメ」という
ポリシーは持っている。
　そのポリシーをカペッロは否定するのだ。
　カペッロはサッカーとは結果が全て、という信念の下に監督を
しているので自分のスタイルを崩そうとはしない。
　だからスーパースターのベッカムを先発から外すなどの荒療治
を行うのだが、ファンにしてみれば不満が残るのだ。
　スター選手を使いこなせなかったカペッロはそれだけでも解任に
値するというのがスペイン全土のファンの感覚だ。
　
　お互いに頑固者同士で意地を張り合った結果がチームを優勝させ
ながらも解任という苦い結果になってしまった。