今から50年前の今頃68年4月28日にOAされたのがウルトラセブ
ン30話・栄光は誰れのために。
プラスチク星人が登場するEPではあるが後にライダーマンの結城
丈二や電人ザボーガーの大門豊を演じる山口暁が、ウルトラ警備隊の
次期候補生という立場のアオキ隊員役でゲスト出演しており優秀では
あるものの野心家ゆえに身を滅ぼすというキャラを見事に演じていた。
ウルトラ警備隊は地球防衛軍極東支部のエリートで一般隊員達の憧
れの的であると同時に入隊希望者も多そうである一方、正体不明の風
来坊として登場しクール星人事件を解決させた功績から一気にウルト
ラ警備隊の隊員になったモロボシ・ダンはアオキのような優秀な隊員
にとっては何としても負けたくない相手だったろう。
そのアオキをマナベ参謀は将来的にウルトラ警備隊に入隊させるべ
くテストのような形で大規模な合同野戦訓練を計画するのだが、プラ
スチク星人は それに乗じて地球防衛軍全滅を企てており功名心に逸
るアオキは星人の存在を利用しようとする。
戦車部隊の指揮をするマグマライザーにアオキは発信機を取り付け
た事で星人の宇宙船は予想通り襲撃したばかりか乗員を殺害し、マグ
マライザーを乗っ取ったため戦車隊は実弾で攻撃を仕掛け防衛軍は甚
大な被害に。
そこで失策を挽回するべくアオキは手榴弾で戦車を撃破するものの
マグマライザーの砲撃で重傷を負う。
最終的に戦車の砲撃で失神したダンが意識を取り戻しマグマライ
ザーに乗り込んでコントロールを奪回すると、セブンに変身して星
人と戦い始め長時間の戦いの末にウルトラビームで焼き払う。
しかし骨だけになった星人は復活してダンを襲撃するのだが最後の
力を振り絞ったアオキの銃撃で倒され、自らの栄光のために仲間を犠
牲にした事を悔いながら息を引き取るのだった。
己の能力に自信を持ち過ぎているゆえに失敗するというのは第2期
ウルトラではウルトラマンと一体化したばかりの郷秀樹が有名だし、
ミラーマンの鏡京太郎やジャンボーグAの立花ナオキらに見られるパ
ターンだがアオキのキャラはその嚆矢ともいうべき存在だろう。
郷秀樹や立花ナオキらは主役ゆえに改心してリベンジに成功する
のだがアオキの場合はゲストキャラという事で命を落としてしまう
わけで、演じた山口氏があまりに好演していたので1話で退場させる
には惜しいキャラだった。