ウルトラマンガイアEP22・石の翼

　XIGのレスキュー隊員達の重厚な人間ドラマだったEP9 ‘シーガル飛び
立つ’に続いての太田愛作品。
　千葉参謀と甥っ子の弘希との心温まる交流が描かれ、困難が立ちはだ
かっても未来を夢見る力を持って進む事の大事さを教えている。

　冒頭に根源的破滅将来体の全貌を掴めないG.U.A.R.Dに不満を持つ
国の代表を千葉参謀が‘国際的な結束が崩れたら根源的破滅招来体には
対抗できない’と説得するシーンがある。
　千葉参謀の仕事はXIGの指揮だけでなく、こうした国際的な交渉の窓口
にもならないといけない。
　ある意味、XIGの指揮より大変かもしれない。

　その息抜きとして天体望遠鏡を携えて甥っ子の弘希を訪ねるが、3年前に
与えた一回り小さ目の天体望遠鏡・ボイジャー 1号を弘希は公園にある
石の翼の所に埋めていたのだ。
　埋めた理由を‘空にはもう恐ろしいものしか現れない。地球を滅ぼそうと
するもの、根元的破滅招来体しか現れないから’と言う。　

　望遠鏡の名前のボイジャーとは77年に実際に打ち上げられた惑星探査
機の名前だが、千葉参謀は弘希に

‘根源破滅招来体は確かに存在する。それが私達の現実だ。
　それを受け入れる為に君はそらを見るのを止めたのかもしれない。
　現実を受け入れ、大人になっていこうと考えて。
　だが弘希、君が空を見るのを止めた時に君が無くしたもの、本当に失った
ものは何だ？’

と言う。

　その頃、雷雲が急激に大きくなって東京へと向かってきた。
　そして雲の奥にワームホールが現れ中から雷獣パズズが出現しピース
キャリーとチームライトニングが出撃する。
　チームライトニングがパズズを攻撃している最中に住民の避難誘導が
行われていたが、パズズが放つ雷で電波障害が発生。
　通信機能がマヒしているのでジオベースの避難誘導部隊同士の連絡が
できず大混乱を起こす。
　そこで会談場所へと向かっていた千葉参謀が立ち寄り、混乱する誘導
部隊の車に近づいて地図を広げて的確で迅速な指示を送る。

　一方ライトニングのミサイル攻撃も電波誘導ができずに命中しない。
　そこで我夢はEXで出動すると梶尾らにチーム・クロウが見せた手で合図を
送る方法で命中精度を上げる事に成功。
　住民の避難誘導完了の信号弾が上がったのを見届けた千葉参謀だが、
弘希を見つける。
　石の翼の所に埋めたボイジャー1号を掘り出そうとしていたのだ。

　そこへパズズの雷撃が迫るが、石の翼から出た光でシャットアウトされる。
　ただし石の翼は砂となって消えてしまった。
　次の一撃が2人に迫るが、今度は現れたガイアがシャットアウト。

　パズズの雷撃でガイアは倒され蹴り飛ばされつつも、最後は至近距離
から放ったクァンタムストリームでようやく倒した。

　事件が終わった夜、弘希は千葉参謀と石の翼があった公園にやって来て
もう1度ボイジャーの話をしてもらうのだった。