今から50年前の今日68年9月15日に放送を開始したのが怪奇
大作戦で、第1話の壁ぬけ男がOAされている。
仏像や宝石などを予告して盗む怪盗・キングアラジンは警察に追
い詰められると壁や地面にめり込むように消してしまうため、科学
捜査研究所・SRIが出動し最終的に正体が元天才奇術師の一鉄斉春
光だったというのが判明。
壁抜けのトリックも背景の色に同化する特殊繊維とスプレーで、
人間の目をごまかしていたというのが分かりSRIが乗り込むと逃走
した春光は鉄箱に逃げ込んで湖底に沈んで水圧に押し潰されるとい
う最期を遂げた。
怪奇大作戦はブームが怪獣から妖怪に移った事により円谷プロが
ウルトラセブンの後番組として製作したもので、かつて円谷英二監
督がガス人間第一号や美女と液体人間などのジャンルを膨らませた
形の作品だった。
ただし‘怪奇’とはいうものの怪人や妖怪が登場するのではなく
科学を悪用した犯罪を科学捜査研究所SRIのスタッフが暴いていく
というスタイルで、犯罪を犯した者の心の闇こそ‘怪奇’といった
解釈でのタイトルになっていたし実際に「科学を悪用して犯罪を犯
す者と、正義と科学を守る者の対決を描く犯罪ドラマ」という番組
テーマになっている。
見た目はキングアラジンが徐々に壁や地面に めり込んで行くシー
ンなど最初に見た時には怪人モノか?と思ったりするが、実際は単
なる人間が科学的なトリックを使って起こした犯罪というパターン
だったので大人が見るには面白い一方で怪獣や侵略宇宙人の話に慣
れていた子供達にとっては辛いものがあったのではないか。
ただし回が進むにつれて怪奇大作戦のドラマ性はクォリティが高
くなっており、円谷プロの作品の中でも有数の名作ではないかと思
うのだ。