79年夏・星稜ー箕島延長18回

 79年8月16日の第4試合で行われたのが、選抜優勝の
箕島に星稜が挑んだ一戦だ。
 私といえば、野球部の盆休みも前日で終わり地獄の
夏練習が再開されていた。
 この日のカードでは第3試合の池田ー中京戦が注目
カードだったので、携帯ラジオを持って行っていたの
だが練習終了後にスイッチを入れると池田が5-2で勝っ
ていた。
 第4試合は箕島ー星稜戦、箕島断然有利という予想
だったのでラジオもつけずに帰途についたが、友人宅に
寄り道したのだった。
 有利といわれた箕島だったが、星稜が押し気味に試合
を進め4回表に遂に先制する。
 だが箕島もすかさずその裏にエンドランでチャンスを
広げて追いついた。
 18:00前になったので帰宅して夕食を食べるが、食事
中もTV観戦を続けた。
 この年から第1試合開始が8:30になっていたので第4
試合がナイトゲームになるケースが減っていたが、プロ
野球中継が19:30に始まるまでに(79年まではナイター
中継の放送開始時間が19:30だった)間があるので、なる
べく高校野球には長引いて欲しかったのだ。
 希望どおり延長戦は12回まで1-1のまま進む。
 ところが12回に箕島のエラーで星稜が勝ち越し、その
裏の箕島は8番から。あっという間に2アウトになったが
迎えるのが嶋田宗彦、何かやりそうなヤツだと思ってい
たら初球をレフトへHRを放ち同点に追いつく。
 その後16回まで試合は進み、16回表に星稜は8番の山下
のタイムリーで3度リード。
 箕島の攻撃は今度は4番から。
 4番、5番が討ち取られ6番の森川もファーストへファウル
フライを打ち上げる。
‘終った’と思った瞬間に星稜の1塁手の加藤が、人工芝の
切れ目に足を取られて転倒し落球。
 打ち直しとなったが、森川はここでレフトへ同点HRを放つ。
 嶋田ならまだしも、まさか森川が・・・・・と驚きの一発だ。
 この頃にはプロ野球中継も始まっていたが、さすがにこん
な極上の名勝負の結末を生で見れなかったら悔いが残ると思
い、チャンネルは替えなかった。
 結局18回を迎えた時点で「この回で決着が付かなかった場
合は明日の第1試合で行ないます」という場内アナウンスが、
あって場内大拍手。
 18回表に星稜が1アウト満塁のチャンスを作るが無得点。
 その裏に箕島は、1アウト1,2塁から5番の上野がサヨナラ
タイムリーを放ち決着をつけた。
 すばらしい激闘に、プロ野球中継にチャンネルを替える気
にもならなかった。
 
 因みに8月16日の高校野球は劇的な事が多い。
 例えば73年には江川卓が雨中の押し出しサヨナラに泣いた
作新学院ー銚子商戦が行なわれ、81年には工藤公康が強打の
北陽から三振を取りまくり、延長12回にサヨナラHRで決着が
ついた名電ー北陽戦。
 鹿児島実が、土壇場で同点2ランを打たれながら延長12回で
振り切った鹿児島実ー高知商戦は90年。
 天理が連覇の夢を3ランHR一発で絶たれた佐賀学園ー天理
戦は91年。
 昨年も前半大量リードを許した今治西が、徐々に追い上げて
逆転し追い付かれたものの延長13回に2点を勝ち越し‘勝負あっ
たと思われたが、その裏に日大山形が3点をあげて逆転サヨナラ
勝ちを収めた試合も8月16日だった。
 劇的で面白い試合がこれだけ1日に集中している日があるのも
珍しいと思う。
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