貴景勝が強くなったのは貴乃花の教えのみではない

 横綱&大関陣が高齢になり始めている大相撲界で次期大関の呼び
声が最も高い1人が、昨年の九州場所で優勝した関脇・貴景勝だと
いうのは衆目の一致するところだろう。

 何せ昨年の九州場所を13勝2敗で優勝し初場所も優勝争いをして
の11勝4敗で、秋場所の9勝を含めると3場所通算33勝を挙げて
いる事から大関の声もあったのだが秋場所の9勝が響いて見送られ
た形だ。

 ご存知のように貴景勝は貴乃花部屋の力士で秋場所後に貴乃花部屋
が閉鎖された事から、千賀の浦部屋に移籍した直後の九州場所で優勝
した事で貴乃花贔屓のマスコミからは基本を作った貴乃花の手柄的な
書き方をしているのを見て妙な違和感を覚えた。

 たしかに貴景勝を新弟子の頃から猛稽古で鍛えたのは貴乃花だが、
果たして貴乃花の教えのみで優勝できたのかは疑問だったのだ。

 貴乃花部屋のモットーで出稽古禁止というのがあるだけでなく、
稽古は四股やてっぽうにぶつかり稽古が中心で申し合いすらやらせ
なかったらしい。

 これは千賀の浦部屋に移った時に貴景勝が‘これだけ申し合いを
できるのは嬉しい’と語っていた事から分かったものだが、出稽古は
おろか申し合いもないというのは力士にとっては辛いものがあるだ
ろう。

 確かに四股やてっぽうに ぶつかり稽古は相撲の基本だから、基本
をみっちりやる事で貴乃花部屋の力士達が土台がしっかりしている
というのは間違いない。

 しかし実戦である申し合いや出稽古をやらないというのは‘稽古場
横綱’といわれるような稽古場では強い一方、実戦になると今ひとつと
いう力士を作り出しかねないわけで先日引退した横綱・稀勢の里が大
関や横綱への昇進が遅れたのは先代師匠だった隆の里が貴乃花と同じ
く出稽古禁止を厳命していたというのが理由の1つだと思う。

 隆の里が出稽古を禁止したというのは他の部屋の力士との馴れ合
いを嫌ったというのが最大の理由だろうが、自身が所属していた二
子山部屋は先代の貴ノ花をはじめ2代目・若乃花や若島津らがいて
出稽古しなくても稽古相手には不自由してないという側面がある。

 ちなみに貴乃花がいた頃の二子山部屋も3代目・若乃花や貴ノ浪
に安芸の島、貴闘力などの上位力士がいた事からコチラも出稽古の
必要はなかっただろう。

 何の競技でもそうだが最近は手の内を隠す秘密練習よりも多くの
実戦を積んだ方がレベルが上がるのが実証されており、相撲界でも
朝青龍や白鵬らのモンゴル勢だけでなく千代の富士なども稽古相手
を求めて出稽古に励んでいた事を考えると四股やぶつかり稽古など
の基礎練習だけでは そこそこ強くなっても実戦では難しいというの
が最近のセオリーになっていると思うのだ。

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