J開幕3戦、未だ得点ゼロの鳥栖。空回りする攻撃陣に光明はあるか?
2月23日に開幕したサッカーJリーグだが地元のチームである
J1の鳥栖は開幕から3連敗、J2の福岡も1分2敗と苦戦中で特
に堅守を誇っていた鳥栖は開幕戦のホームでの名古屋戦で0-4と
守備が崩壊するなどJ1の18チーム中唯一勝ち点が取れず得失点
-7で得点も0と最悪のスタートとなっている。
鳥栖は昨シーズン中盤から大負けし降格のピンチに陥ったのを元
スペイン代表で得点王のフェルナンド・トーレスを獲得してから持
ち直し何とかギリギリでJ1残留を決めた形で、今シーズンは懸念
されたトーレスの流出もなく周囲とフィットするだろうから昨年の
ような事はないだろうと思われていただけに‘まさか’の感は強い
一方で‘やはり’という思いもある。
というのも昨シーズンまでの鳥栖は豊富な運動量をベースにした
スタイルで失点を防ぎカウンターから一気に得点するというスタイ
ルだったのが、スペイン人監督を迎えてポゼッションに拘るテクニ
カルなスタイルにモデルチェンジしたのが影響しているのではと考
えたのだ。
Jリーグでは昨シーズン神戸が元スペイン代表のイニエスタを獲
得したのを皮切りにダビド・ビジャらを加えてバルセロナのような
スタイルを標榜して大いに話題になっているし、リーグ連覇を果た
した川崎もポゼッションを重視するスタイルでポゼッション志向が
強くなっている。
そこで鳥栖もトーレスがいるからかスペイン人のルイス・カレー
ラス監督を迎えてポゼッション志向にモデルチェンジしている感が
強いようだが、こういったスタイルは積み重ねが大事で実際にトー
レスが前線で孤立する場面が目立つ。
トーレスのような得点感覚に優れたストライカーがいると昨年ま
でのように豊富な運動量でプレッシャーをかけてボールを奪うと、
一気に前線のトーレスにボールを送りシュートを打たせるというス
タイルが有効だとは思っていた。
ただし鳥栖はスペインのようなパスをつなぎポゼッションを高め
て行くスタイルを目指しているようで、そうなるとトーレスにパス
を出す選手の存在も必要になるわけだが今のところ鳥栖には見当た
らないのが現状だから前線でトーレスが孤立するというシーンが目
立つようになるだけでなく豊富な運動量をベースにした固いディフ
ェンスという長所まで殺している。
更なる進化を目指すには積み上げてきたものを崩す覚悟は必要だ
し現在の鳥栖はモデルチェンジの副作用が出ているとは言えるが、
あまり負けが込むとJ2落ちという最悪の事態が待ち構えるし開幕
間もないとはいえ1点も取れてないというのは問題だろう。
とりあえず代表戦が行われるブレーク期間中に何とか立て直して
欲しいのだが果たして・・・