高橋由伸は人工芝の犠牲者

　8月28日に今シーズン初めて1軍に復帰した高橋由伸だったが、 1打席
入っただけで腰の手術を受けるためリタイアしたらしい。　

　もともと98年に入団した頃から腰痛持ちとは言われていたが、ここ数年の
故障の多さには驚いていたし このままでは選手寿命が終わってしまう可能
性まで出てきた。

　マスコミが あまり扱わないのだが、高橋の度重なる下半身の故障は人工
芝が原因なのかもしれない。
　以前ジャンクスポーツというバラエティトーク番組にめざましテレビの
‘今日のワン公’をもじった‘今日のワンコウ’というコーナーがあった。

　これは有名アスリートの母校自慢で第1回が東北高校で、第2回が桐蔭
学園だったのだ。
　驚いた事に桐蔭学園は横浜市内にあるにも拘わらず全国的にも強豪の
サッカーやラグビーは天然芝の練習グランドを2面づつ持っているらしい。
　そんなワケで野球部もご他聞に洩れず、両翼100ｍの練習グランドが2面
あり 1面は東京ドーム払い下げの人工芝グランドというもの。

　桐蔭学園がある横浜地区の主要試合は人工芝球場の横浜スタジアム
だから、練習から人工芝で行えば人工芝に慣れるという事だろう。
　ただし人工芝は みなさんご存知のように下が固いアスファルト、　当然の
ように足腰に負担がかかるのでNYヤンキースにFA移籍した松井秀喜は
膝を痛めた98年から‘天然芝でプレーしたい’と常々球団の上層部に
アピールしていたようだ。

　高橋は1年からレギュラーだったので人工芝で1年から練習していれば
足腰に負担がかかるので、腰痛持ちと言われていたのも仕方ないだろう。　

　考えてみれば桐蔭学園OBのプロ野球選手は高木大成や関川浩一ら
ケガが多いイメージだが、人工芝で若い頃から練習していたゆえの故障
多発かもしれない。

　人工芝の被害者は高橋だけでなく阿部や二岡なども人工芝が原因と
思われる下半身のケガが多いし、売り出し中の若手・坂本勇人もオール
スター前に背中の張りを訴えて欠場したが これも人工芝の影響では
ないか？

　野茂英雄がLAドジャース入りした頃はMLBの球場も人工芝球場が、
かなりあった。
　しかし98年にアリゾナが開閉式の天然芝ドーム球場を造った後から
シアトルのセーフコフィールドなど開閉式の天然芝ドーム球場に造り替えら
れていった。

　アリゾナと同じ年にできたタンパのトロピカーナフィールドが今シーズン
限りで取り壊され開閉式の新球場になり、東京ドームのモデルになった
ミネソタのメトロドームも今シーズン限りで来シーズンからアウトドアの球場に
するという。
　こうなると人工芝球場はトロントだけになった。

 　日本の球場はアメリカのマネをしているケースが多いの
だから、そろそろ広島のマツダスタジアムをスタンダードにした
天然芝球場や開閉式の天然芝球場を主流にするべきだろう。　

　そうでないと高橋由伸のような いい才能を持ちながらケガで
泣く選手が後を絶たないのではないかと思うのだ。