今年の高校サッカーは総体で市船橋が優勝したものの高円宮杯と
高校選手権では青森山田が優勝し、2冠を達成すると共に秋田商を
越える最北地域優勝となった。
つまり日本で最も寒い地域にあるチームが優勝したわけで‘北国
=寒くて雪が多いので不利’という図式が あって雪国のハンデを克服
しての優勝といわれたものだが、黒田剛監督は雪国の環境を生かし
ての練習の賜物と語っていたのを聞いて思い出したのが高校野球の
駒大苫小牧の優勝だ。
青森山田は12月から3月上旬まで大雪に見舞われるものの雪か
きをせずに雪の上で練習する事で強靭な足腰と精神力ができたと
いわれているが、駒大苫小牧も積雪の中でもあえて雪かきをして
練習する事で足腰が鍛えられ雪上ノックの副産物として内野手は
自分より右側に飛んだ打球をスライディングしながら逆シングル
で捕るスタイルを完成させた。
高校野球ではゴロを体の正面で捕る基本に拘り過ぎるところが
あり、逆シングルで捕れば確実な自分の右側に飛んだ打球を敢え
て正面に回り込もうとして弾くプレーを嫌というほど見てきた。
ところが雪上ノックでは滑ったりするので正面に回りこむより
スライディングしながら捕る方が確実なので結果的に逆シングル
キャッチが市民権を得たし、夏の甲子園2年連続優勝&3年連続
決勝進出と結果も残したので日本の内野手の逆シングルアレルギー
解消に向かったのではないか。
逆シングルは送球の流れの中でボールを捕れるのでMLBでは
正面の打球でも体を開いて逆シングルキャッチをするのが主流に
なっているし、最近は日本でも打球が鋭くなっているので内野の
守備位置も深くなっており正面に回り込んで取っても間に合わな
いためMLB同様に逆シングルキャッチは必須になっていた。
にも拘らず広岡達郎をはじめとした守旧派のOB達は正面で捕
る事を宗教の如く主張していたのだが、駒大苫小牧の連覇あたり
から高校野球で逆シングルの縛りが解けていったので それが波及
した形ではないか。