高校野球・大分県代表が勝てないのは

 神村学園の優勝で幕を閉じた今年の春季高校野球九州大会だが、
最近の九州の勢力図を見ると大分代表の低迷が目に付く。

 昭和40年代は津久見が九州勢唯一の春・夏での優勝を飾っている
だけでなくベスト8も1度あるし、ライバルの大分商も春夏通じて
3度のベスト8に入っているだけでなく夏の甲子園での初戦敗退は
3度というように九州勢のエース的な存在だった。

 それが最近の10年間では07年の楊志館と09年の明豊がベスト8
に入ったのが最高で、11年夏に明豊が初戦を突破した後は5年連続
初戦敗退だし春に至っては12年の別府青山以来出場がないのだ。

 更に負け方も12年の杵築が常総学院に0-14、13年は大分商が
2-8、15年は明豊が仙台育英に1-12、昨年は大分が中京に4-
12で敗れており最も競ったのは14年に大分が日本文理相手に6回
まで2-2の2-5での敗戦だから大いに残念な話。

 ここまでの低迷は強かった頃の強化法のノウハウを今でも引き
ずっているのが原因ではないか?

 例えば昭和40年代に3度ベスト8に進出した時の監督を迎えた
大分商が97年の春夏に出場した時には割り当てられた練習時間
では飽き足らず更にグランドを探して練習をしようとしたし、
投手に至っては連日200~300球の投げ込みを平然としていた
事が話題になっていた。

 しかも監督は‘高校野球の理想のスコアは1-0なのに最近の
高校野球は点が入り過ぎるし、長打が出過ぎで野球が乱れてい
る’と語るなど昭和スタンダード全開のコメントをしていた。

 いろんな価値観が認められている現在では大分商のスタイルも
チームカラーとしては面白い存在ではあるが、春夏共に初戦を突
破したものの2勝できないでは説得力がない。

 それだけではなく00年夏に出場した中津工はエースの長谷川が
0-1でリードされた8回に脱水症状から足を痙攣させ降板したの
だが、脱水症状に陥った原因として‘水を飲むとバテると思った’
というコメントをしていたのには驚いた。

 投手本人が仮に水を飲むとバテると考えていても監督をはじめ
とした指導的立場の人間が強制的にでも水を飲ませなければいけ
ないのだが、脱水症状を起こした当人だけでなく指導者達も同じ
考えでいるとしか思えない。

 おりしも3年前の中学の体育実技本にはうさぎ跳び以外にも90
度以上膝を曲げるスクワットや、完全に体を倒す腹筋運動なども
含まれていたし投手の球数も中学までは70球が限界とされている
時代になっている。

 たしかに昭和の成功体験は貴重だろうが時代が変わると共に
教え方のスタンダードも変わるのだから、指導者達もアジャス
トする必要があるし時代のスタンダードから外れた練習法では
絶対に勝てない。

 それを考えると大分県の高校野球を強化するには鍛治舎 巧
監督のような優れた人材を他県からでも招聘するぐらいでなけ
れば直せないのではないだろうか。


 

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