東京多摩借地借家人組合

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固定資産税の上昇を理由に 地代大幅値上げ請求相次ぐ

2024年11月13日 | 法律知識
 立川市柴崎町に住む借地人のSさんは、10月に入り、これまで年額11万5131円だった地代を、今年の1月分~12月分まで、年額に19万8990円に改定すると地主が通知してきました。
 Sさんは組合に相談し、以下の文書を地主に提出しました。「地代改定のご案内を受け取りました。主な理由として固定資産税の上昇を上げておりますが、改定額は現行地代の1・7倍超の大幅な値上げであり、何故にこれほどの地代を値上げするのか全く理解できません。固定資産税の上昇が、具体的にいくらなのかも示されず、値上げを判断することはできません。当方が納得できる地代値上げ理由を明らかにされなければ、1・7倍超もの値上げは認められません」。
 今年に入り、各地で同様の大幅な地代値上請求が起きています。立川市錦町の借地人のHさんは、地主が変わり、月額2万4000円だった地代を来月から月額5万円に値上げすると言われました。地主は底地買い(地上げ屋)です。
 地代家賃など賃料は、貸主と借主が協議して決めるもので、貸主が一方的に請求しても値上げ請求は認められません。借地借家法では貸主の請求が納得ができなければ、借主は「相当と考える」金額の賃料を支払い、貸主が受け取らなければ、法務局に賃料を供託することができます。
 貸主は賃料の増額を認めてもらうには、調停の申し立てを行い、調停でも決まらなければ裁判に訴えるしか方法はありません。裁判で値上げを決めるには、かなりハードルが高く、2倍や3倍もの大幅な値上げは値上げをする根拠が必要です。
 貸主が値上げを請求されても、値上げの根拠を求め、根拠のない値上げ請求は、頑張って拒否しましょう。
なお、法務局に賃料を供託するには、貸主の受領拒否が必要です。供託についてのやり方や供託書の書き方など組合にご相談ください。なお、固定資産税を調べるには多摩地域は市の課税課です。(多摩借組ニュースより)
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物価に見合う生活保護基準を 「黙っていたら死んでしまう」 全国32団体が会見

2024年11月13日 | 法律知識

 研究者や弁護士らからなる生活保護問題対策全国会議など全国32団体は12日、厚生労働省内で記者会見を開き、物価高騰を踏まえて2025年度の生活保護基準の大幅な引き上げを要望しました。同基準引き下げ違憲訴訟の岡山、埼玉両県と東京都の原告らが参加し、実態を語りました。

 岡山地裁では10月28日に原告勝利の判決。しかし国は11月8日に控訴しました。会見で、原告の男性(74)は「(勝利判決に)10年間のたたかいが報われたと思ったが、(控訴を受け)たたかい続けたい」と発言。埼玉の原告の男性(58)は「10年間
の裁判で原告が何人も亡くなっている。行政には血の通った、人間味のある判断をしてほしい」と訴え、東京の原告男性(50代)は
「食費、水光熱費の異常な値上がりで追いつめられている」と強調しました。
 東京都内で難病を抱えて生活保護を利用する女性(50代)は、知人の生活保護利用者の高齢女性が熱中症で亡くなったとして、
「私はエアコンが壊れ、扇風機だけでなんとか猛暑を生き延びた。黙っていたら死んでしまう。いま(実態を)言わないといけない」
と会見に参加した思いを語りました。
 要望書では、24年9月の消費者物価指数をもとに、生活保護利用世帯の家計を試算。実質的に購買力を維持するには25年度の生活扶助基準額について、単身世帯で13%、複数世帯で12・6%の引き上げが必要だと結論づけました。
 また、国の生活保護基準の設定方法を改め憲法25条が定める「健康で文化的な生活」を維持し得る保護基準に向けた再検証を求めました。
 岡山の原告弁護団の則武透弁護士は、1960年に東京地裁で生活扶助の低さが憲法25条1項違反だとの判決を勝ち取った「朝日訴訟」を紹介。一審判決後に国が日用品費を47%引き上げたとして「政治判断をすれば今すぐにでも保護基準引き上げは可能だ」と語りました。
 同日会見前に、32団体は厚労省で同省担当者に要望書を手渡しました。
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