東京多摩借地借家人組合

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借地人が地主に対して建物買取請求権を行使できるのはどんな場合ですか

2006年08月31日 | 借地借家の法律知識
(Q)私は借地をし、その上に自分の建物を所有していますが、借地人は地主に建物の買取を求めることができるという話を耳にしました。この買取請求というのは、どのような場合にできるのでしょうか。

(A)建物買取請求権は、借地契約が更新されない場合は、借地人が借地契約によって認められた権原にもとづいて建築した建物、その他土地に付属させた物を、地主に対して、時価で買い取るよう求めることができる権利です(借地借家法13条、旧借地法4条2項)。この権利は、借地人が地主に対して、買取を求める時価(買取を求めた時点での相当な価格)での売買契約を強制的に成立させてしまうもので、地主には、買取を拒否する自由は与えられていません。

●建物買取請求権を行使できる場合
1、借地人が建物買取請求権を行使できるのは、「借地契約が更新されない場合」です。
①借地権が消滅したものの、契約の更新がないことが必要です。借地権が消滅する場合の一つは、借地期間が満了し、地主がその更新を拒絶することに正当な事由がある場合(旧借地法4条1項)です。次に、借地権の消滅後に借地人が土地の使用を継続したものの、地主が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当な事由がある場合(旧借地法6条)も、これに含まれると解されています。さらに、借地人が、地主の借地契約の更新を拒絶する申し出に正当事由が備わっているか否かを問題にすることなく、地主の請求に応じて明渡しを承認した場合にも、建物買取請求権が生じるとされています。

2、このように、建物買取請求権は、借地契約が期間満了により終了することを前提としています。そこで、普通借地権に関し、借地借家法が適用される平成4年8月1日以降に締結された借地契約については、現時点においては、建物買取請求権が発生するような契約はないと言えます。

3、建物買取請求権は、借地権が更新されることを前提に、更新されない場合に認められることを前提に、更新されない場合に認められることを前提としています。そこで、借地契約が、借地人の債務不履行で解除された場合、または借地契約の期間中に合意解除された場合には、買取請求権は発生しないのが、判例です。

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