東京多摩借地借家人組合

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借地権活用セミナー開催 

2024年09月27日 | 法律知識
 東京多摩借組は、最近借地人の高齢化に伴って、借地上の建物が空き家になることの心配の相談が組合に寄せられいていることをから、「借地権活用セミナーを9月14日立川市女性総合センターで組合員11名が参加して開催しました。講師は、生活協同組合・消費者住宅センターの大関副理事長が担当し、ケースタディとして①地主が借地権を買い取った事例、②借地権譲渡を断念した事例、③地主が優先的買受権を行使した事例について、具体的に説明を行いました。
 地主が借地権を買い取った事例の共通点として、借地人と地主と比較的に良好な関係にある。地主が土地活用を生業としている。土地の形状がほぼ成形である。用途地域は近隣商業地域で土地活用が容易である等があることが説明されました。
 借地権譲渡を断念した事例では、借地が公道に未接道であり、建物の管理が悪く老朽化している。買受人が見つかったが、地主に払う譲渡承諾料、増改築の承諾料等多額の費用が発生し、譲渡を断念。借地人は借地権売却を諦め、地主が建物の解体費用を負担することで借地明渡しに合意しています。
 地主が優先的行使した事例では借地権譲渡の借地非訟手続きを行い、地主が土地明渡しの訴訟を起こしたが敗訴し、地主は借地の買受優先権を行使し、借地権の譲渡ではなく地主が借地権を買い取ることで和解が成立しました。
 事例報告後、活発な質疑応答が行われ、借地権の相続人は被相続人から生前に借地の経過や地主とのやり取りなど把握しておくことなどが重要であると講師からアドバイスがありました。

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