東京多摩借地借家人組合

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敷金を少額訴訟で取り戻す 管理会社が家主の代理人 本当の家主を調べ直接訴える

2016年10月05日 | 敷金と原状回復
 組合ニュースNO556号(7月15日号)で紹介した八王子市のSさんは今年の4月にアパートを退去して以降、管理会社のS社(本社立川市高松町)から敷金15万2千円を上回る41万5496円の原状回復費用と称する修繕費を請求され、5月に組合に相談し、組合を交えて上記管理会社と交渉してきましたが返還に応じないために、Sさんは八王子簡易裁判所に敷金返還を求め少額訴訟を起こしました。
 賃貸借契約書には、管理会社が賃貸人代理となっており、物件所有者名に家主の名前しか書いておらず、Sさんは法務局に行って家主の住所を調べ、少額訴訟の訴状を組合の援助を受けて作成し、7月に八王子簡易裁判所に提出し受理してもらい、9月15日に裁判が行われ、当日は組合の細谷事務局長も証人として参加しました。

 少額訴訟は、小さな法廷で裁判官、司法委員、原告のSさん、被告の家主が向かい合い、法廷の後ろに組合役員、管理会社の担当社員が立ち会う形で行われました。家主は管理会社に任せっきりで、証拠として出してきた写真など説明ができず、管理会社から説明を受ける状況で、裁判官からも事前に打ち合わせを行って参加するよう注意を受けていました。

 裁判官は、家主側の提出した修繕箇所の見積書及び写真を見ながら、1カ所ごと原告・被告に質問し、Sさんは賃貸住宅に16年住み続け、家賃も更新料も1回も遅れることなく支払ってきたことや、2階が雨漏りしした時も管理会社は修理らしいことを何もしなかったことなどを説明しました。

 裁判官から打ち合わせをするので休憩し、休憩後は司法委員を交えてSさんと家主だけ呼ばれ、和解の話し合いを行いました。Sさん側で破損させた箇所や残置したエアコンの処分代、クリーニング費用などをSさんが負担し、敷金15万2千円のうち家主が10万円を返金する案を提示し、裁判所の案をSさんも家主も認め和解が成立しました。
 Sさんは立会い時に奥さんが管理会社の見積書にサインしたり、請求金額の一部6万円を管理会社に送金するなど大変不利な状況でしたが、裁判では管理会社の請求はほとんど退けられました。Sさんは「法務局の調査や裁判など初めての経験で勉強になりました。敷金も予想以上に戻り、あきらめないで少額訴訟を起こしてよかったです」と語っていました。(東京多摩借組ニュースより)

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