ピエール ド ロンサール (1524-1585)
老い果てて,あなたが......
老い果てて,あなたが,夕べの灯をともし、
炉ばたに座り,糸を操ったり,紡いだりしながら、
私の詩を口ずさんで,感嘆して言うことだろう、
「ロンサールは讃えたのだわ,美しかった頃の私を」
その時に,仕事に疲れ,はや、うとうとと
まどろんでいても,その言葉を聞きとめ、
私の名の響きに目を覚まして,永遠に讃えられた
あなたの名を祝福しない侍女は、いないだろう。
だが,私は,もう土の下,骨もない亡霊となり,
ミルテの木の下陰にやすらっていることだろう。
あなたは、暖炉のほとりにうずくまる老女になっていて、
私の恋と、あなたの騎慢な仕打ちを、悔やむことだろう。
生きよ,私を信じるならば,明日をたのまずに、
今日この日から摘むがいい、生命の薔薇を。