近くのスーパーに行く道は、人通りもあまりなく、車などほとんど走っていない。
その道に面している一軒の大きな家は植物が沢山あり、ことに春先はことのほか
美しい。私はその道が大好きでのんびりと歩いていて、空を見上げたら雲がとても
きれいだったので、何枚かスマホで撮っていた。すると前から来る女性が私に何か
合図していることに気づき、びっくりしてよく見たら、「後ろから車が来ているから」
というサインだった。
最近は余程でなければ、クラクションを鳴らさないのが常識らしいが、私は運転
していた人をイラつかせていたのだ。すぐに端により一礼したら、車は私の脇を通り
ぬけて走って行った。滅多に車が通らない道でも、気をつけなければと改めて感じた。
私は昔突発性難聴炎になり緊急入院し、それ以来一日も欠かさず自分で創った
「耳のトレーニング」を長年している。あれほどひどかった耳鳴りはほとんどなくなり
耳は良くないけど、かすかな物音にはかなり敏感なほうだ。
でも、それなのに後ろから近づいてくる車の気配には、まったく気付かなかった
のは、明らかに老化現象で、これからもっと気をつけなければと、心を引きしめた。