ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

著書より「本当の幸せをつかむ心のレッスン」

2022-04-16 20:27:13 | エッセー

大和書房 1998年8月発行)ハウツウ本がほとんどですが、数少ないエッセーでした。

※   褒めてくれる友人はとても大切

 私の尊敬する友人に、同人誌を主宰するIさんがいます。

彼女とはある新聞の投書欄がきっかけで、知り合いましたが、何故か波長が合いそれ

以来、ずっと親交が続いています。Iさんは長年幼稚園の先生をしていましたが

大分以前に退職し、同人誌をつくかたわら、短歌などを楽しみ、今は悠々自適に暮ら

しています。私より大分年配のIさんは今では、ホンネで話せる友人の一人で、カウン

セラー的な存在な人と言っても良いほどです。

 

 Iさんはなかなかの名文家で、ある新聞の投書欄の常連です。

私は彼女の主宰する同人誌に、何年か投稿していたことがありました。

その度に「イキイキ弾んで明るい」「まるでバラのように華やか」など、いつもやさ

しく批評してくれました。お調子者の私がすっかり舞い上がったのは言うまでもなく

彼女の言葉があったからこそ、私は今本が書けるようになったのかも知れない、と感謝

しています。会ってからすぐに彼女は「あなたは少女というより、私が教えた幼稚園児

のよう。私の前を歩いていた女の子が、突然振り返ってニコッと笑いかける。あなたは

そんなイメージの人ね」と言われました。自分の幼児性をズバリ指摘されて、内心ギクリ

としたことも忘れません。

Iさんは練馬区に住んでいて、彼女の住むアパートの周りには、大きなキャベツ

畑になっていて、周りには農家が点在しています。そのため新鮮な野菜が手に

入るそうです。お料理好きで上手なIさんは、私が遊びに行く前日から鰹節や昆布

でだしをとり、手間と時間を十分かけたお料理を、御馳走してくれます。

食卓に並んだ真心のこもった手料理は、とてもよそでは味わえない絶品ばかり

ですが、野菜が大好きな私にとって、とても嬉しく何時も最高のおもてなしをして

下さったのだと感謝できました。

 ずっと独身を通してきた彼女は、人柄のせいか、友人がとても多く、悩みや

グチ話など、いろいろな人が相談に訪れるようです。「さんざん話してから、明るい

顔をして帰る人を見ると、これも人助けになるかと思うのよね」と、やさしく笑って

います。私にとってIさんは、人生の先輩として、憧れでありまた目標でもあるので

そんな友人がいることを、とても幸せだと思っています。

◆その友人は大分以前に亡くなりました。「愛別離苦」という言葉もありますが

長く生きれば生きるほど、辛い別れを経験しなければなりません。

ホントは一番先に死にたかったのに・・・これが人生なのですね。

 

 

コメント
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