ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

やっぱり恋しいあなた

2024-11-02 09:22:13 | エッセー
 インテリでなかったし、ルックスも好みでもなかった。
でも、夫は私に一目惚れしてくれたらしいが、私も会うたびに好きになって
いった。当時商店経営の跡取りの長男で、両親、出戻りの姉と未婚の姉と
弟3人、しかも同居はその時代でも最悪の条件だった。
 知り合ったのは19歳、その3か月後プロポーズされ家族に紹介された。
継母は少々反対したが、兄一人しかいなかったので(賑やかな家庭で楽し
そう)と、半分遠足へ行くような気持ちで何の打算もなく、その1年後に
結婚した。

 現実はそう甘くはなく、虐められた訳ではないが、神経が人一倍細かった
私はその頃まだなかった病名「心身症」になった。寝込んだことはないが
通わなかったのは精神科と小児科だけ、絶えず医者通いが絶えなかった。
 (でもその経験が心理カウンセラーとして、大変良い経験になった)
 それから約やく70年、月日は恐ろしいように早く流れ、私は末期高齢
の独身になった。でも・・・私は思っている、「夫を選んでよかった」と。

 子育てしながら修行時代の30・40・歳代は、幸運なことにまるで
雲の上のような先生方と何人もお知り合いになり、直接ご教示を受けた。
 でも、有名な先生方より「人間的には一番夫を尊敬できた」
何故なら、我儘で天真爛漫、自己主張が強く、目立ちたがり、そんな私は
夫の影響を受け随分変わったから。今自分で言うのもナンだが、思いやり
優しさ、感謝の気持ちは強く、向上心が強く、まじめで誠実になった。

 そんな私をずーと見守って成長させてくれた。一人なった今、まるで
保護者のようだった夫の、存在の大きさを感じている。
 昔の写真を見ると、夫はいつもこんな目で私を見ていた。
今朝毎日一緒に食事している夫の写真に、胸が痛くなりながら「またきっと
会えるわよね」と言った。
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