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大人たちとキャンプで2日間を過ごし、
雨中のプログラムでクタクタな小学6年生。
「しんどくなってからが、さらに強くなるための稽古の始まりだ!」
重たい荷物を持って雨の中、約2.5kmの道を歩いて未開の山での野営へ。
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「あと2時間で日が暮れるから、それまでに拠点を確保して火を起こそう!雨天時の野営はどう?」
「最高だよ!」
習ったロープワークを駆使してタープを張り、
雨天時のたき火をするために、自然にあるものと持参したものを合わせて様々な創意工夫する少年。
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メタルマッチでワセリンを塗ったコットンを火口にして火をつけ、杉や小枝を順番に並べて、その熱で乾かすように周囲をやや大きめの木で囲み、火吹き棒で息を吹きかけながら火を育てていく。
「雨の中のたき火はどう?」
「最高だよ!」
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真っ暗の山に、レジャーシートの屋根と雨音が奏でるBGMを聴きながら、たき火を前にして泥だらけの手でおにぎりやウインナー、チーズ、ビスケットを焼いて食べる。
「美味しい?」
「最高だよ!」
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どんな勉強をしているのか?
何に興味があるのか?
どんな事を考えて生活しているのか?
そんなことをたき火を囲みながら話す。
「世界がもし100人の村だったら」という本に興味があり、話が膨らんだ。
少年曰く現在の小学校の授業ではSDGsというテーマがあり、様々な問題があることを学ぶようだ。
「正直、将来は不安だよ。みんなそう思っているよ。」
知ることは大切だけど、一面的に知ることで気持ちが落ち込み、未来を悲観して、心が病んでしまう子供もいる。(現にパーソナルトレーニングの一環で不登校や引きこもりのサポートも行っている)
「前提として、人生を楽しんでいるのかな?地球を愛おしいと思っているのかな?」
「えっ?どういうこと?」
「難しい話や正論も大切だとは思うけど、まずは自分の人生が楽しいと思ったり、地球を愛おしいと思うのが大事かなって思って。だって、こうしてたき火したり、山を歩いたりして、楽しいと自然にありがとうってなるでしょ。自然は地球の一部だから、地球を大切にしようという気持ちが自然に芽生えていくよね。」
「そうだね。そう考えるとたき火は最高だから、自然を大切にしたい!そのためには地球も大切にしたいと思えてくるね!」
私が世界を旅して見聞きしてきたことに興味を持ってくれた少年。
「もう寝るね」
近くに張ったテント。地面はでこぼこで、マットの代わりにレジャーシートを敷き、寝袋代わりに防寒シート。
数分後にはすぐに寝息が聞こえてきた。
やってくる物事を最高だよ!と受け止められるのと、どこでも寝られるのはタフに生きていくための重要な能力。
翌朝、道なき道を歩き山を登り下界へ。
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今度は中学校で最高だ!!
おしまい。