入院していると、よほど暇なんだねと言われそうですが(そのとおりです、笑)通園バスを運転していたのに、園児の確認を怠り死亡させた元園長が責任を問われるのは当然です。違和感あるのは、登園しない園児の欠席を保護者に確認しなかった元担任女性も同様の罪に問われていること。
たしかに彼女が保護者に電話などすれば、園児が死なずにすんだ可能性は結構高いでしょう。でも普通は、欠席の確認を怠っても園児は死にません。 . . . 本文を読む
といっても春闘の話ではありません。ここでも何回か取り上げた同性婚訴訟。初めて控訴審(高裁)の判決があって、期待どおりの違憲判決。ここまでは予想の範囲と思いますが……
裁判所としては初めて、憲法24条1項にも違反すると判断しました。24条1項は、婚姻は「両性」の合意に基づくとか「夫婦」は平等など、結婚が異性間であることを前提としているように読めるので、これまでは、同性婚 . . . 本文を読む
今朝の朝日新聞のインタビューで、朋友・小川秀世弁護士が、近く再審が始まる袴田事件について語っています。
初めて聞いた話としては、半世紀以上前に死刑判決になった第一審でもう少しちゃんとした弁護活動がされていれば……という点。袴田さんが拘留されて「自白」に追い込まれた19日間に、弁護士は3回合計37分しか接見していないそう。
あとは、警察がまさか捏造なんて&hellip . . . 本文を読む
世間は、ジャニー喜多川氏による性加害問題でもちきりですね。毎度、法学者はそんな細かいことにこだわるのかという話題ですが。
性加害の償いに関して、ジャニーズ側が「補償」といい、マスコミのほとんども「補償」と伝えていることに法律家は超違和感を覚えます。補償じゃなく賠償じゃない?
普通の人にとっては、被害をお金で償うんだから同じようなものかもしれません。でも法律の世界では別概念。犯罪や過失(たとえば . . . 本文を読む
各地で争われていた、同性婚否定の現行法制は憲法違反か?の裁判の判断が出そろいました。福岡地裁では、同性愛者が結婚による利益を一切認められていない現状は、個人の尊厳を尊重する憲法24条2項に違反する状態との判断です(ただし今後の対応は国会に委ねるとも)
私は同性愛者に異性愛者と同等の結婚を認めないのはおかしいという立場から、同性婚を制度化すべきと考えます。でも違憲といえるか、特に日本の裁判所はおと . . . 本文を読む
9年前、静岡地裁の再審開始決定から動き始めた袴田事件、5年前の2018年、東京高裁で再審を認めない決定に驚いたが、回り道の末、前進の方向のよう。
今日、差し戻し後の東京高裁で、再審開始を認める決定。有罪の決め手とされた5点の着衣については捏造で、捜査機関による可能性が高いと踏み込んだ。
地元TVで、再審開始決定を受けて、姉のひで子さんやわが朋友・小川弁護士の笑顔とうれし涙が印象的。祝福のショー . . . 本文を読む
議員定数格差が最大2.08倍だった2021年の衆議院総選挙について、最高裁は合憲判決を下しました。
正直よく分からない理屈です。いったんちゃんとした定数配分枠組みを決めたら、その後の人口移動で多少格差が拡大しても仕方ないってこと!? しかも反対意見は行政法学者の宇賀裁判官だけで、この訳の分からない理屈にほぼ全裁判官が賛成したのも驚きです。
これでは、国会に対して「そんなにやらなくて良いよ」とい . . . 本文を読む
北東北の山や街を歩いている間に、最高裁が驚天動地の判決を下しました。日本でも、各報道機関が大きく扱っています。
人工妊娠中絶は女性の権利と認めた半世紀前のロー判決と、ある程度の中絶規制は許容するものの州の規制が不当な負担にあたれば違憲とした30年前のケイシー判決を真っ向から否定する判断です。
保守派5裁判官の法廷意見は、ロー判決とケイシー判決がいかに間違っていたかを延々と論じています。申し訳あ . . . 本文を読む
20年近く前だったと思いますが、経済学者の畏友ℕ氏が「アメリカで1990年ころから犯罪が劇的に減少したのは、中絶が自由化されたおかげなんだよ。知ってた?」 「それって、富士山が〇月××日に爆発するって類の話じゃないんですか?」と返したら、かなりむっとしたご様子で、翌日、何やらいうアメリカの権威ある経済学雑誌に載った論文が送られてきました。
経済学の英語は法学の英語より易し . . . 本文を読む
人工妊娠中絶はアメリカの世論を二分する熱いテーマのひとつ、基本的にリベラル派は女性の中絶の自由を擁護し、保守派は規制を容認したり果ては嬰児殺と同視して禁止すべきとします。
日本の憲法と同様、合衆国憲法にも中絶をどう扱えとは書いてありません。半世紀前までは、中絶が許されるか禁止されるかは各州議会の判断に委ねられていました。南部や中西部では規制されている州が多かった。
それを一変させたのが1973 . . . 本文を読む