明日の風

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高校授業料無償化と奨学金返済

2010-04-15 09:35:00 | 時評
朝日新聞に高校授業料無償化に割り切れない気持ちという趣旨の投書が立て続けに掲載されています(9日と14日)。その要旨は、自分や孫は高校授業料が有償だったころ困難な境遇のなか奨学金を借りて進学したけど、現在さほど余裕がない暮らしの中で、奨学金を返済したり税金を払っている。それが高校授業料無償化にも回るのは……
私も大学・大学院と奨学金を借りてその総額は約400万円でした。30年近く前の400万円ですから現在の貨幣価値なら1,000万円近いでしょう。返済は楽ではありませんでしたが、まだ何者でもない私に無担保でこんな大金を貸してくれた日本育英会に感謝こそすれ、返済を恨みがましく思ったことはありません。そりゃ借金や税金がチャラになったら良いなと思うことは全くないと言ったら嘘になりますが、少なくとも公の場で言うべきことではないでしょう。
子ども手当だって子だくさんのわが家にあったら凄い額(笑)になったでしょうが、これから子どもを産み育てようという人たちの支えになれば、そんな感情は小さな問題です。何か良いことを始めるときは、過去にその恩恵を受けられるはずだった人にも配慮せよ、なんて言い始めたら何もできなくなります。
もちろん高校授業料無償化や子ども手当という政策自体の適切さには異論はあり得ますし、現在大変な状況の方に新たな政策的手当をという議論は自然です。しかし、両者は絡めて論ずる話ではなく、なかったころに大変だったからを理由に、これから良くなることに対して異論を唱えようというのには疑問を感じます。
こんな投書を一度ならず採用した朝日新聞の真意を勘ぐりたくもなります。最後に、奨学金の貸与額(たぶん何百万円)に比べれば高校授業料無償化は微々たる額(年間12万円)では?というのは余計な突っ込みでしょうか。
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