明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

解散の憲法学

2014-11-18 08:30:14 | 時評
どうやら、本当に年末総選挙になりそうですね。
憲法は衆議院の解散をどう規定しているのでしょうか? 何も書かれていない自衛隊よりはましですが、憲法は衆議院の解散について、誰がどういう場合にするかはっきりしたことを書いていません。
細かい議論は専門書をみてもらうとして、政府解釈と憲法学通説は、7条の天皇の国事行為のなかに衆議院の解散があり(3号)、国事行為には内閣の助言と承認が必要だから、実質的には内閣が衆議院を解散するとします。衆議院議長が解散詔書を読みあげますが「憲法7条3号により~」って言うでしょう。それから衆議院の解散権限は内閣です。よく言われる総理大臣の権限ではありません。逆らえば罷免されますから閣僚は普通は反対しませんが。
じゃ内閣は好きなように衆議院を解散できるのか? 法的にはイエスです。ただ、与党は多くの場合衆議院で過半数の議席を持っているでしょうから、それを失うリスクがある解散を乱発することは考えにくい。重要法案などに野党が一致して反対して国会が動かなくなったときなどに国民の判断を仰ぐというのがよくあるケースです。今春亡くなった丸山先生は授業で、たとえ解散権が濫用されても国民が意見表明する機会が増えるのだからそんなに問題ではないでしょうと仰っていました。
逆に解散すべきなのに与党が議席を減らしたくなくて解散しないとき-第2次安倍政権誕生以前はこちらのほうが実は多い-の歯止めは衆議院議員の任期満了です。4年経てばいやでも選挙。4年が現在では長すぎるという意見はありえます。
必要もないのに衆議院が解散される危険はあるが、そのときは国民が正しい判断をすればすむこと、というのが憲法学者の考え方です。マスコミが書くように今回の解散に大義がないとすれば、国民は政府・与党にお灸をすえられるのでしょうか?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小金沢連嶺 | トップ | 卒業生と紅葉 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時評」カテゴリの最新記事