渦中の橋下市長が、昨日の「とくダネ」に「生出演」していた。
その中で彼が発する一言一言が、以前の発言と比べられていて、
それでも「私は当時であっても慰安婦が必要だったとは言ってませんよ」
などと必死に弁明する彼を観ていた小倉氏が
「最初からそう仰っていたら、我々も誤解せずに済んだと思うのですがね」
と言い、何とかその場を凌いだ。
「誤解」?そうだろうか。
どう言い繕っても「慰安婦」についての「橋下さん」の発言が
最初のものとは「違う」ということは、誰にでも判る。
1993年の「いわゆる従軍慰安婦問題について」と題した調査結果では、
「業者らが或いは甘言を弄し、或いは畏怖させる等の形で本人たちの意向
に反して集めるケースが数多く、更に、官憲等が直接これに加担する等の
ケースもみられた。」という記載があり、この調査結果を受けて、当時の
河野洋平官房長官が「慰安婦関係調査結果発表に関する官房長官談話(河野談話)」を
発表した。
この河野談話は、内閣官房内閣外政審議室の調査発表を受けて、「慰安婦の募集に
ついては、軍の要請を受けた業者が主として、これに当たったが、その場合も、甘言、
強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等
が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」
また「戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が
大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送
管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」と述べている。
橋下さんはこの河野談話を修正・撤回したいのだろうということは、問題となった
記者とのやり取りの全文を読んでも分かる。
・・・重要部分を抜粋・・・・・
「従軍慰安婦制度がなかったとは言いませんし、軍が管理していたことも間違いないです。
ただそれは、当時の世界の状況としては、軍はそういう制度を持っていたのも、厳然たる事実です。
にもかかわらず、欧米が日本だけを、だってそれは朝鮮戦争だって、ベトナム戦争だって、
そういう制度があったんですから、
でもなぜ日本のいわゆる従軍慰安婦制度だけが、世界的に取り上げられるかというと、日本は軍を使って
国家としてレイプをやってたんだというところが、ものすごい批判を受けているわけです。
僕はその点についてはやっぱり、違うところは違うと言っていかないといけないと思いますね。
ただ、慰安婦の方、意に反して慰安婦になってしまった方は、戦争の悲劇の結果でもあるわけで
戦争についての責任は、我が日本国にもあるわけですから、そのことに関しては心情をしっかり
と理解して、優しく配慮していくということが必要だと思いますけど、しかし違うことは違うと
言わないといけませんね。
戦争責任の問題だって、敗戦国だから、負けたというところで、こらえてこれはやっぱり受け
止めなければならないことはいっぱいありますけど、その当時、世界の状況を見てみれば、アメ
リカだって、欧米各国だって、植民地政策をやってたわけなんです。
だからと言って、日本国の行為を正当化しませんけど、世界もそういう状況だった。
そういう中で、日本は戦争に踏み切って、負けてしまった。やっぱりそこは、戦勝国としては
連合国としては、絶対に日本の負けの事実、それから悪の事実は戦勝国としては絶対にゆずれ
ないところだろうし、負けた以上はそこは受け入れなければいけないところもあるんでしょう
けど、でも違うところは違う。
認めるところは認めて、違うというところは違う。世界の当時の状況はどうだったのかってい
うのはやっぱり近現代史をもうちょっと勉強して、慰安婦っていうのをばーんときくとね、
とんでもない悪いことをやっていたっていう風に思うかもしれないけれども、当時の歴史をち
ょっと調べてみたらね、日本国軍だけじゃなくて、いろんな軍で慰安婦制度っていうものを
活用していたわけなんですよ。
そりゃそうですよ、あれだけ銃弾の雨、銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを
走っていくときにね、それはそんな猛者集団といいますか、精神的にも高ぶっている集団は
やっぱりどこかでね、まあ休息じゃないけれどもそういうことをさせてあげようと思ったら
慰安婦制度っていうものは必要なのはこれは誰だってわかるわけです。
・・・・・・・
ただ今のところはね、軍自体が、日本政府自体が暴行・脅迫をして拉致をしたという、女性
を拉致をしたというそういう事実は今のところ証拠で裏付けられていないので、そこはしっ
かり言っていかなきゃいけないと思いますよ。
ただ慰安婦制度についてね、意に反して慰安婦になった方に対しては、やっぱり僕は配慮は
しなければいけないと思いますけれどもね。
ただいわれなき事実、いわれなき評価については、根拠のない評価については、しっかり
言うべき所は言うと」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼の「敗戦国なんだから」「ケンカに負けた方が謝るのは仕方ない」などという論理は
実に幼稚で、政党に「維新」という名を好んで使う「時代錯誤」の思考が見てとれる。
「誰かを傷つけたとしたら」たとえ力で勝ったとしても、責任をとるべきことだし、
他の誰かも同じことをやっていようが、ちゃんと謝罪するべきだと、人として教わって
こなかったのだろうか。
彼の発言は、確かにケンカに負けた子供のように聴こえて仕方ない。
これまで公的な(メディアに取り上げられ報道される)場での
自身の立場を利用して彼が発言してきた言葉からは、彼の「他者を蔑む」
人間性が時折垣間見えて、どうにも好きにはなれなかったけれど
今回のことで少なくとも私にはそれが決定的に。
「とくダネ」では簡単に言葉に操られた小倉さん(笑)にもちろん私は期待など
していなかったけど、「彼(橋下さん)の根底には女性は男性の慰みものである
という意識があるのでは」と述べたゲストコメンテータの男性と菊川怜さんの感想には
私も深く頷いた。
その中で彼が発する一言一言が、以前の発言と比べられていて、
それでも「私は当時であっても慰安婦が必要だったとは言ってませんよ」
などと必死に弁明する彼を観ていた小倉氏が
「最初からそう仰っていたら、我々も誤解せずに済んだと思うのですがね」
と言い、何とかその場を凌いだ。
「誤解」?そうだろうか。
どう言い繕っても「慰安婦」についての「橋下さん」の発言が
最初のものとは「違う」ということは、誰にでも判る。
1993年の「いわゆる従軍慰安婦問題について」と題した調査結果では、
「業者らが或いは甘言を弄し、或いは畏怖させる等の形で本人たちの意向
に反して集めるケースが数多く、更に、官憲等が直接これに加担する等の
ケースもみられた。」という記載があり、この調査結果を受けて、当時の
河野洋平官房長官が「慰安婦関係調査結果発表に関する官房長官談話(河野談話)」を
発表した。
この河野談話は、内閣官房内閣外政審議室の調査発表を受けて、「慰安婦の募集に
ついては、軍の要請を受けた業者が主として、これに当たったが、その場合も、甘言、
強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等
が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」
また「戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が
大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送
管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」と述べている。
橋下さんはこの河野談話を修正・撤回したいのだろうということは、問題となった
記者とのやり取りの全文を読んでも分かる。
・・・重要部分を抜粋・・・・・
「従軍慰安婦制度がなかったとは言いませんし、軍が管理していたことも間違いないです。
ただそれは、当時の世界の状況としては、軍はそういう制度を持っていたのも、厳然たる事実です。
にもかかわらず、欧米が日本だけを、だってそれは朝鮮戦争だって、ベトナム戦争だって、
そういう制度があったんですから、
でもなぜ日本のいわゆる従軍慰安婦制度だけが、世界的に取り上げられるかというと、日本は軍を使って
国家としてレイプをやってたんだというところが、ものすごい批判を受けているわけです。
僕はその点についてはやっぱり、違うところは違うと言っていかないといけないと思いますね。
ただ、慰安婦の方、意に反して慰安婦になってしまった方は、戦争の悲劇の結果でもあるわけで
戦争についての責任は、我が日本国にもあるわけですから、そのことに関しては心情をしっかり
と理解して、優しく配慮していくということが必要だと思いますけど、しかし違うことは違うと
言わないといけませんね。
戦争責任の問題だって、敗戦国だから、負けたというところで、こらえてこれはやっぱり受け
止めなければならないことはいっぱいありますけど、その当時、世界の状況を見てみれば、アメ
リカだって、欧米各国だって、植民地政策をやってたわけなんです。
だからと言って、日本国の行為を正当化しませんけど、世界もそういう状況だった。
そういう中で、日本は戦争に踏み切って、負けてしまった。やっぱりそこは、戦勝国としては
連合国としては、絶対に日本の負けの事実、それから悪の事実は戦勝国としては絶対にゆずれ
ないところだろうし、負けた以上はそこは受け入れなければいけないところもあるんでしょう
けど、でも違うところは違う。
認めるところは認めて、違うというところは違う。世界の当時の状況はどうだったのかってい
うのはやっぱり近現代史をもうちょっと勉強して、慰安婦っていうのをばーんときくとね、
とんでもない悪いことをやっていたっていう風に思うかもしれないけれども、当時の歴史をち
ょっと調べてみたらね、日本国軍だけじゃなくて、いろんな軍で慰安婦制度っていうものを
活用していたわけなんですよ。
そりゃそうですよ、あれだけ銃弾の雨、銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを
走っていくときにね、それはそんな猛者集団といいますか、精神的にも高ぶっている集団は
やっぱりどこかでね、まあ休息じゃないけれどもそういうことをさせてあげようと思ったら
慰安婦制度っていうものは必要なのはこれは誰だってわかるわけです。
・・・・・・・
ただ今のところはね、軍自体が、日本政府自体が暴行・脅迫をして拉致をしたという、女性
を拉致をしたというそういう事実は今のところ証拠で裏付けられていないので、そこはしっ
かり言っていかなきゃいけないと思いますよ。
ただ慰安婦制度についてね、意に反して慰安婦になった方に対しては、やっぱり僕は配慮は
しなければいけないと思いますけれどもね。
ただいわれなき事実、いわれなき評価については、根拠のない評価については、しっかり
言うべき所は言うと」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼の「敗戦国なんだから」「ケンカに負けた方が謝るのは仕方ない」などという論理は
実に幼稚で、政党に「維新」という名を好んで使う「時代錯誤」の思考が見てとれる。
「誰かを傷つけたとしたら」たとえ力で勝ったとしても、責任をとるべきことだし、
他の誰かも同じことをやっていようが、ちゃんと謝罪するべきだと、人として教わって
こなかったのだろうか。
彼の発言は、確かにケンカに負けた子供のように聴こえて仕方ない。
これまで公的な(メディアに取り上げられ報道される)場での
自身の立場を利用して彼が発言してきた言葉からは、彼の「他者を蔑む」
人間性が時折垣間見えて、どうにも好きにはなれなかったけれど
今回のことで少なくとも私にはそれが決定的に。
「とくダネ」では簡単に言葉に操られた小倉さん(笑)にもちろん私は期待など
していなかったけど、「彼(橋下さん)の根底には女性は男性の慰みものである
という意識があるのでは」と述べたゲストコメンテータの男性と菊川怜さんの感想には
私も深く頷いた。