2月26日紀伊国屋ホールで、ロナルド・ハーウッド作「コラボレーション」を観た(演出:鵜山仁)。
かの名作「ドレッサー」の作者が、作曲家リヒャルト・シュトラウスの生涯を舞台化した作品。英国で2008年に初演された由。その日本初演。
オペラ「アラベッラ」完成後、次のオペラの題材を探していたシュトラウスは、当時大人気だった作家シュテファン・ツヴァイクに台本執筆を依頼する。ツヴァイクは他の仕事をいくつも抱えていたが、シュトラウスに懇願されて折れ、二人は手を組むことになった。曲折を経てついにオペラ「無口な女」が完成する。しかし当時はナチス台頭の時代で、ツヴァイクはユダヤ人だった・・・。
冒頭から、気丈な妻に頭が上がらないシュトラウス(加藤健一)がおかしい。「無口な女」のアイディアを聞いてひらめきを感じるシーンなども楽しい。あの「ばらの騎士」を書いた作曲家が、実はこんな人間味溢れる親しみ易い人物だったとは!
「こんなセリフに音がつけられるかい。ここは音楽無しで語られるべきだ」というシュトラウスの言葉に我が意を得たりと思った。
去年「アラベッラ」を観た時感動したことで、その時のブログにも書いたが、「アラベッラ」の中にも一箇所そういう所があるのだ。
シュトラウスの妻パウリーネ(塩田朋子)が肝のすわった女性で、ナチス高官に怒鳴りつけられても一歩も引かず怒鳴り返すエピソードなども興味深い。
シュトラウスの息子の嫁がユダヤ人だったので、孫2人もユダヤ人と見なされ、ナチス当局はシュトラウスを脅す。かくて両者は協定を結び、作曲家はナチス政権に心ならずも協力することになる。戦後、そのことで彼は非難される。
ツヴァイク役の男優はセリフ回しがよくない。最初、わざと外人ぽく発声しているのかと思ったほど。でもユダヤ系とは言え母国語のドイツ語で話しているはずだから、もともと発声に問題があるのだろう。発声の練習をしたらどうだろうか。
ツヴァイクは神経質な男だったようだ。ナチスから逃れてブラジルまで行ったのに、そこでもまだ捕まる危険性があったのだろうか。それとも疲れ果てて絶望してしまったのだろうか。彼は元秘書で妻となった女性と共に自殺する・・。
ツヴァイクと言えば私にとっては何よりもまず評伝「マリー・アントワネット」の作者だったが、彼がシュトラウスと組んでオペラを作っていたとは知らなかった。
かの名作「ドレッサー」の作者が、作曲家リヒャルト・シュトラウスの生涯を舞台化した作品。英国で2008年に初演された由。その日本初演。
オペラ「アラベッラ」完成後、次のオペラの題材を探していたシュトラウスは、当時大人気だった作家シュテファン・ツヴァイクに台本執筆を依頼する。ツヴァイクは他の仕事をいくつも抱えていたが、シュトラウスに懇願されて折れ、二人は手を組むことになった。曲折を経てついにオペラ「無口な女」が完成する。しかし当時はナチス台頭の時代で、ツヴァイクはユダヤ人だった・・・。
冒頭から、気丈な妻に頭が上がらないシュトラウス(加藤健一)がおかしい。「無口な女」のアイディアを聞いてひらめきを感じるシーンなども楽しい。あの「ばらの騎士」を書いた作曲家が、実はこんな人間味溢れる親しみ易い人物だったとは!
「こんなセリフに音がつけられるかい。ここは音楽無しで語られるべきだ」というシュトラウスの言葉に我が意を得たりと思った。
去年「アラベッラ」を観た時感動したことで、その時のブログにも書いたが、「アラベッラ」の中にも一箇所そういう所があるのだ。
シュトラウスの妻パウリーネ(塩田朋子)が肝のすわった女性で、ナチス高官に怒鳴りつけられても一歩も引かず怒鳴り返すエピソードなども興味深い。
シュトラウスの息子の嫁がユダヤ人だったので、孫2人もユダヤ人と見なされ、ナチス当局はシュトラウスを脅す。かくて両者は協定を結び、作曲家はナチス政権に心ならずも協力することになる。戦後、そのことで彼は非難される。
ツヴァイク役の男優はセリフ回しがよくない。最初、わざと外人ぽく発声しているのかと思ったほど。でもユダヤ系とは言え母国語のドイツ語で話しているはずだから、もともと発声に問題があるのだろう。発声の練習をしたらどうだろうか。
ツヴァイクは神経質な男だったようだ。ナチスから逃れてブラジルまで行ったのに、そこでもまだ捕まる危険性があったのだろうか。それとも疲れ果てて絶望してしまったのだろうか。彼は元秘書で妻となった女性と共に自殺する・・。
ツヴァイクと言えば私にとっては何よりもまず評伝「マリー・アントワネット」の作者だったが、彼がシュトラウスと組んでオペラを作っていたとは知らなかった。
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