前回の続き、新国立劇場小劇場で見た、クシシュトフ・キエシロフスキ作「デカローグ Ⅳ ある父と娘に関する物語」について。
快活で魅力的な演劇学校の生徒アンカは、父ミハウと二人暮らし。
母はアンカが生まれた時に亡くなった。
父娘は友達同士のように仲睦まじく生活していたが、ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つける。
その中身を見たアンカがとった行動とは・・・。
父ミハウ(近藤芳正)が出張するので、娘アンカ(夏子)は空港まで見送りに来た。
親子はアツアツで、しばしの別れを惜しむ。
最後に父は「そうだ、電話代と部屋代を払っておいてくれ」
請求書は?
机の引き出しの中。
帰宅後、アンカは引き出しの中から大きな封筒を発見する。
父は、どうも、わざと彼女に発見させようとしたらしい。
だがアンカは目が悪いのか、よく読めない様子。
アンカは眼科医(近藤隼)のところに行き、視力検査を受ける。
医者は、彼女が20歳で〇〇大学の俳優コースに在学中と知って興味津々。
「息子の志望校だ」
どんな試験だった?
・・詩の朗読と・・・
何の詩?
T.S.エリオット。
エリオットかぁ、うちの息子にはやっぱり無理だな・・
検査表の下の方が F・A・T・H・E・R なので、アンカはファーザーと発音してみる。
じゃあ君は英語ができるの?
はい。
じゃあますますうちの息子じゃ無理だな。
でもどうしてファーザーと?
ちょっとした知能テストだよ。
アンカの部屋に恋人ヤレク(坂本慶介)が来るが、彼女はすげない。
オレ、何かした?
別に。・・・帰って。
父が帰る日、アンカは空港の寒い場所で父を待っている。
父が来ると、彼女はいきなり母の遺書を朗読し始める。
父はアンカの頬をはたく・・。
大学で、教授(近藤隼)がアンカとヤレクに演技指導中。
二人は王女とその恋人の役だが、アンカはなかなか役に入ることができない。
アンカは家で、机に向かい、何かの文字を何度も練習している。
その文字が奥のスクリーンに映し出される。
あの封筒の中には別の封筒が入っていて、そこには亡き母の筆跡で「私の死後開封のこと」「アンカへ」とかかれていた。
アンカ「どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」
父「お前が10歳になったら言おうと思っていた」
だけどお前はまだ幼過ぎた。
15歳になったら言おうと思い直した。
でもその時は遅過ぎた。お前は大きくなり過ぎていた。
(ここで当然ながら客席から笑いが起こる)
アンカ「今までパパは嘘をついてた!」
父「(18歳の時)、お前に初めて恋人ができた時、俺は何日も家を空けた・・」
実は、彼は娘を女として愛していて、その気持ちを吹っ切ろうとしていた。
娘もまた・・・。
アンカは19歳の時、妊娠したことがある、と爆弾宣言。
これには父もさすがに驚く。
二人は母の遺品の詰まったトランクを開ける。
実はアンカは、母の遺書を読んではいなかった。
父に見せたのは、母の字を、何度も練習して真似て書いたものだった。
実はミハウも、妻の遺書をまだ読んではいなかった。
二人はキッチンに行き、母の遺書を封筒ごと燃やす。
焼け残った紙をつまみ上げてアンカは読む。
「実はミハウは・・・」
「あとは燃えちゃった」
幕
だがどうしてこんな中途半端なことをする?
読みたければ読めばいいし、読まないつもりなら、完全に跡形もなく燃やせばいいんじゃないか?
まあ二人の揺れる気持ちが、こんなわけのわからない行動に現れているのだろう。
母の遺書のほんの一部ではあるが、その書き方から見て、ミハウがアンカと血がつながっていないことは明白なようだ。
これから二人はどうするのか。
名づけることの難しい関係かも知れないが、彼らの間には、ある強い感情が存在することは確かだ。
そしてそれは、他の誰にも否定したり責めたりすることはできないだろう。
周囲の人々からは奇異の目で見られるだろうが、彼らはお互いなしには生きられないようだ。
親子のこれまでの歩みが少しずつ明かされてゆく過程も面白い。
だがゴミ箱の蓋のところはくどかった。
ミハウがゴミ箱にゴミを入れて閉めるが、数秒たつと、なぜか蓋が自然と開いてしまう。
それが何度も繰り返される。
何度目かで、さすがに笑いが起きたけど、でもこれって面白いのか?
しつこくてくどい。私だったらカットする箇所です。
十戒の第4戒は、「あなたの父母を敬え」。
快活で魅力的な演劇学校の生徒アンカは、父ミハウと二人暮らし。
母はアンカが生まれた時に亡くなった。
父娘は友達同士のように仲睦まじく生活していたが、ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つける。
その中身を見たアンカがとった行動とは・・・。
父ミハウ(近藤芳正)が出張するので、娘アンカ(夏子)は空港まで見送りに来た。
親子はアツアツで、しばしの別れを惜しむ。
最後に父は「そうだ、電話代と部屋代を払っておいてくれ」
請求書は?
机の引き出しの中。
帰宅後、アンカは引き出しの中から大きな封筒を発見する。
父は、どうも、わざと彼女に発見させようとしたらしい。
だがアンカは目が悪いのか、よく読めない様子。
アンカは眼科医(近藤隼)のところに行き、視力検査を受ける。
医者は、彼女が20歳で〇〇大学の俳優コースに在学中と知って興味津々。
「息子の志望校だ」
どんな試験だった?
・・詩の朗読と・・・
何の詩?
T.S.エリオット。
エリオットかぁ、うちの息子にはやっぱり無理だな・・
検査表の下の方が F・A・T・H・E・R なので、アンカはファーザーと発音してみる。
じゃあ君は英語ができるの?
はい。
じゃあますますうちの息子じゃ無理だな。
でもどうしてファーザーと?
ちょっとした知能テストだよ。
アンカの部屋に恋人ヤレク(坂本慶介)が来るが、彼女はすげない。
オレ、何かした?
別に。・・・帰って。
父が帰る日、アンカは空港の寒い場所で父を待っている。
父が来ると、彼女はいきなり母の遺書を朗読し始める。
父はアンカの頬をはたく・・。
大学で、教授(近藤隼)がアンカとヤレクに演技指導中。
二人は王女とその恋人の役だが、アンカはなかなか役に入ることができない。
アンカは家で、机に向かい、何かの文字を何度も練習している。
その文字が奥のスクリーンに映し出される。
あの封筒の中には別の封筒が入っていて、そこには亡き母の筆跡で「私の死後開封のこと」「アンカへ」とかかれていた。
アンカ「どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」
父「お前が10歳になったら言おうと思っていた」
だけどお前はまだ幼過ぎた。
15歳になったら言おうと思い直した。
でもその時は遅過ぎた。お前は大きくなり過ぎていた。
(ここで当然ながら客席から笑いが起こる)
アンカ「今までパパは嘘をついてた!」
父「(18歳の時)、お前に初めて恋人ができた時、俺は何日も家を空けた・・」
実は、彼は娘を女として愛していて、その気持ちを吹っ切ろうとしていた。
娘もまた・・・。
アンカは19歳の時、妊娠したことがある、と爆弾宣言。
これには父もさすがに驚く。
二人は母の遺品の詰まったトランクを開ける。
実はアンカは、母の遺書を読んではいなかった。
父に見せたのは、母の字を、何度も練習して真似て書いたものだった。
実はミハウも、妻の遺書をまだ読んではいなかった。
二人はキッチンに行き、母の遺書を封筒ごと燃やす。
焼け残った紙をつまみ上げてアンカは読む。
「実はミハウは・・・」
「あとは燃えちゃった」
幕
だがどうしてこんな中途半端なことをする?
読みたければ読めばいいし、読まないつもりなら、完全に跡形もなく燃やせばいいんじゃないか?
まあ二人の揺れる気持ちが、こんなわけのわからない行動に現れているのだろう。
母の遺書のほんの一部ではあるが、その書き方から見て、ミハウがアンカと血がつながっていないことは明白なようだ。
これから二人はどうするのか。
名づけることの難しい関係かも知れないが、彼らの間には、ある強い感情が存在することは確かだ。
そしてそれは、他の誰にも否定したり責めたりすることはできないだろう。
周囲の人々からは奇異の目で見られるだろうが、彼らはお互いなしには生きられないようだ。
親子のこれまでの歩みが少しずつ明かされてゆく過程も面白い。
だがゴミ箱の蓋のところはくどかった。
ミハウがゴミ箱にゴミを入れて閉めるが、数秒たつと、なぜか蓋が自然と開いてしまう。
それが何度も繰り返される。
何度目かで、さすがに笑いが起きたけど、でもこれって面白いのか?
しつこくてくどい。私だったらカットする箇所です。
十戒の第4戒は、「あなたの父母を敬え」。
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