ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

なんとか仕様書作成に何分というような標準作業時間を決める場合の問題点

2005-08-23 19:53:09 | 開発ネタ

 またまた、m_pixyさんのブログ「PM見習いの読書日記」のツッコミ?で申し訳ないんだけど。。

 やっぱ、下請け仕事中心のウィリアムのいたずらとしては、「うーん」と思ってしまうので、ちっとひとこと。

コメントにあった


、○○仕様書作成25分、××仕様書作成18分、みたいに決められて、ズレを発見する仕組みができあがっています。


 これ、いわゆるマネジメント理論の最初に出てくる、「科学的管理手法」の標準(作業)時間ですよね。テイラーが導入した。。で、それについて、ズレ(はい、簿記用語でいう差異ですな(^^)v)をもとめるっていうのは、原価計算の基本になってきますよね。

 で、これについて、最終的に納得してしまわれていますが、ちょっち問題ありっす。今回は、その話。




 この手法が利用できる前提があります。

(1)すべての作業が読めていて、作業が、中断されないこと
 →テイラーは、この標準時間を求める前に、仕事に対する作業分析を完璧に行っている。作業が読めない場合、この時間は、単なる目標時間になってしまう。

(2)作業が連続される場合、標準時間で行うことは、実は困難。
 「虹色ディップスイッチ」っていう、ゲームの本に書かれていたと思う。各部分についてクリアできるというゲームをいくつか並べて、実際にプレイしたら、おそろしく困難なゲームになったって話。つまり、連続して、ハイペースでこなすことは困難つーより、不可能。

 ということは、この手法で開発を行うには、仕様書作成からやるべきことが、すべて完璧に読めないといけません。




 で、すべて読める場合、このプロセスは、人間がやるべきでなく、機械化させるべきです。というのは、人間がやるには、危険性があります。

 その危険とは、(2)に指摘したことです。同じことをハイペースでやらせると、うまくいけば、経験が増えて、短時間でできますが、下手すると、ノイローゼになります。
 どんなにどんなにこなしても、まだまだ仕事がきて、それをハイペースでこなさないといけないんだから。。。オーバーアチーバー状態、その先にあるのは、「燃え尽き症候群」だあ!(ここ、なぜ、オーバーアチーバーになって、そうすると燃え尽きになるかは、心理学的な話になるので省略)

 てーことで、もし、手口が完全に見えているなら、自動化、ただし、大掛かりなプログラムをつくるんでなく、一部、アドホックなプログラムを寄せ集めるかんじで。。ウィリアムのいたずらの場合、こういうときは、Excelっすね(とかいって、結構手作業しちゃうけど。。こういうとき、正規表現を扱えるエディタなんかやawkとかが重宝するのかなあ??)

 てーのがよかったりする。




 一方、作業内容が固まってないのに、これは、このぐらいでできるだろうと類推して時間を決めた場合は、たいへん。

 その時間で、できないケースが続出する可能性あり。

 そうすると、その時間は無視されるか、目標時間となってしまう。

 目標時間となった場合、時間に終わらせるため、品質が落ちてくる。
 (よのなかそういうもんだ)

 そうすると、後工程が大変になる。潜在的バグの入る可能性あり。




 っていうことで、標準時間の導入は、工業製品の場合OKなんだけど(作業工程が見えているから)、工業製品の開発や、ソフト開発のような不確定要素が入る場合、ちがった管理方法をつかったりする(リアルオプションに近いような考え方。ここからメルクマークとかフェーズドアプローチなんかが出てくる。TDDの根拠を、お偉いさんに説明する場合に使う)。

 っていうことを、下請け会社は知ってても、発注元は、きっと、標準時間の導入、さらにそれが発展したFP(ファイナンシャルプランナーじゃないよ、ファンクションポイント)なんかで考えるんだろーなー。

 当然そこには、上記の危険が含むわけで、それへの対策も、下請けは、かんがえないといけないよねえ。




 あと、標準時間導入のためには、もうひとつ肝心なことがあって、そのことのネタを書こうと思ったんだけど、長くなったんで、このへんで
 結局、まえふりで終わってしまった(^^;)


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1次請け、2次請けの人が、3次の中小ソフトハウスに転職すると。。。

2005-08-23 11:33:31 | Weblog

 そうそう、1次請け、2次請けの人の話が出たので、そういう人の転職の話。
 1次請け(たいてい大手企業)、2次請け(大手の子会社)の35歳以上の人なんかが、マネージャーになって、3次の中小ソフトハウスに転職すると、問題が起こることがあります。




 というのは、1次請け、2次請けの人のマネージメント対象は、自社の人や、3次の中小ソフトハウスのマネージャーです。自社の人たちも、その人たちは、たいてい、中小ソフトを下請けに使っているケースがおおいです。

 つまり、1次請け、2次請けの人のマネージメント対象は、同じマネージャー職、同業者が中心となります。なので、マネージャーの感覚で、仕事が進むことが多いです。

 しかし、3次の中小ソフトハウスに転職すると、管理対象は、現場の人ないしは、4次請けの末端業者(=フリーなんかの、これも現場の人)です。そうすると、現場の感覚とマネージャーの感覚は、かなり違うことがあり、問題が起こることがあります。




 現場のマネージメントの場合、現場の人の能力は、かなり違います。
 したがって、指示を出すには、自分が、そのシステムを開発できる(少なくともやり方を1つ以上知っている)ことを前提として、その中で、なにを、担当してもらうかを決めるという形になります。

 つまり、現場の場合、

・やるべきことが、可能であることを読みきっている。
・なにをそのためにしないといけないか知っている
→結論として、自分が開発できる

ということになります。

 でも、マネージメントのマネージメントの場合、自分が開発できなくてもOKです。マネージメントさえできれば。。




 で、開発担当者と、マネージャーの感覚というのは、結構差がある。
 開発担当者だと、「キター」とおもって、これでいける!と思っても、マネージメントしかやってない人には、「大丈夫なの?」と思ってしまったり。。。

 まあ、ただ、このぐらいの差なら、考え方の違いなんで、感情論で済むんだけど、

 実際に、やばやばの開発になった場合、開発現場でまとめて抑えるということができず(というか、その方法論がわからない)変なところで、お客さんに報告して、現場めちゃくちゃにしてしまうこともありますよね。




 っていうことで、1次請け、2次請けの人が、3次の中小ソフトハウスに転職するっていうのは、あんまりいい方法では、ないかもしんないよ(プライドがずたずたにされるとか、そういう部分は、今回省略しております。機会があったら、そこのへんにも、ふれてみますが。。)


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