ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

トヨタ式カイゼンがソフト開発で利用できるなら、このブログのヒット率は、もっと低いと思うけど?

2005-10-28 14:41:20 | Weblog

 先のどのブログの、トヨタと富士通の違いについて、

まず、カイゼンについての意識あわせ。

ここに出ている、トヨタ式のカイゼンの説明を基準に考える。
(このサイトにした理由について、別に深い意味はない。目に付いたから)

 それは、こんなかんじ
・個々の仕事の中身を誰もが分かるように「標準化」した上で
・問題点のチェックと改善を繰り返し
・仕事の質の向上をはかる
・この手法で業務の無駄を徹底して排除する

→このムダを、トヨタは、7つあげている(ってとこまでの説明はないが)。

ふつう、カイゼンっていうと、こんな感じの説明で、いいと思う。




 で、ここで問題なのは、トヨタは、車を作っている会社だってこと。

■■ 車を作ってる会社の場合
 一般的に、車をつくるために、どういう作業が必要か、っていうのは、わかるんだとおもいます。工程間に矛盾はないんじゃあないでしょうか?だから社員が考えれば、今やっている作業が必要かどうかはわかる。=標準化が可能な段階にきている。



■■ ソフト開発のばあい、

 ソフトを開発するのに、どういう作業が必要かっていうことに、矛盾がきてしまっているのよ。
 =まだ標準化が可能な段階ではない。標準を決めるための戦略を考える段階。

 その1つが、O/Rマッピングなんだけど、それを、単に、O/Rマッピングツールを使えば解決しますよ。っていうことに、「しちゃってるのよ!」

 ソフト業界っていうのは、そういう業界なのね。CRMを行うにはCRMソフトを導入すればできるのよ。ERPをするには、ERPソフトを導入すれば。。テストの品質を上げるにはJunitで、生産性をあげるにはXPやアジャイルなんでしょう。きっと。

 で、そのソフトを導入すると、どう変わるのよ。。。?
 O/Rマッピングの問題点は、なんで、ツールを導入すると、どうして解決しちゃうわけ?
 まさか、クラスになって、オブジェクト指向にあうから・・とかいったら目からビーム!
 オブジェクト指向とDOA的に行うRDB開発のどこにミスマッチ(インピーダンス)を生じて、それは、なぜ、このツールで解決するのかを説明しなきゃダメでしょ。
 じつは、そうすると、ツール導入しても、これだけでは、解決しないはずなのよ。
 で、それについては、長くなるので、今回は省略(気が向いたら、今度書く)


 なんで、現実的にいうと、ある作業を行うことが、適切かどうか、その作業を積み重ねれば、本当にソフトができるかどうかは、わからない。
 現在は、ある考えでいくと、システムを全部読みきった人が出てきて、その考えに従ってやるか、もしくは、だらだらーと開発して、だらだらーと時間をすごし、だらだらーの品質で、だらだらーっと終わるというかんじ(読みきってない場合、これでいい!という点が分からないので、こうなる)

 なんで、今の段階では、適切な標準化の考え方が見出せない。

 その証拠に、このブログのヒット数がある。テストのときの内容を示したとき、ものすごいヒット数だったんだけど、それは、テスト項目の出し方の標準化がないから、みんな、興味あってみてるんでしょ。もし、標準化できているものなら、そんなの、誰も見ないもん。




 さらにもうひとつ。「仕事の中身を誰もが分かるように」というのは、そんだけ、仕様書を書き込まないといけない。

 昔の仕様書は、こうだったんだけどね。

 今の仕様書は、やる人によって違いが出る。というか、リファクタリングという名のもと、違うことをみとめている。

 つまり、トヨタのカイゼン方式がいいのなら、
   「仕事の中身を誰もが分かるように」標準化しないといけない。

 しかし、今のXPなどの開発方法論を採用すると
   できたものをリファクタリングする。
つまり、いろいろ手を加える余地はある。
   一通りに標準化できない

 っていうことになる。

 はい!トヨタファンの、XP派のあなたが、ここでツッコミを入れるのが目に見えるので、先回りして言ってあげましょう。じゃあ、あなたのやりかたで、上司の人が、「ここのコーディング●●分」と、ぎりぎりの時間を指摘してきたとします。リファクタリングできますか。時間ないんですよ。

 無駄を省くというのは、そこまでいっちゃいます。

 動く、ぎりぎりのライン、かつ1通りの方法をやれる時間しかくれません。それがムダのカットです。その場合、リファクタリングの余地はないです。1通りの時間しかくれてませんから。

 つまり、今の開発論っていうのは、ぎりぎりの時間でやることを想定していない。
 むしろ、人生にゆとりをもっちゃってる。まちがっても、コーディングしてる隣で、ストップウォッチ片手に、時間を計ってるやつはいない(時間の目標や区切り、管理はあるよ。でも、ストップウォッチを持った人はいないでしょ)。

 でも、カイゼンをかけると、ぎりぎりの時間でやることを求められる。ここで、問題が起こる(カンバン方式にも絡んでくるんで、この問題を、ちゃんと説明するのは難しかったりするので、今日は省略)。




 さらに、誰にも分かるほど説明するとなると、膨大な仕様書を作成することになる。

 その作成手順を下手間違うと(手作業でやったりすると)、死ぬほど大変になる。

 今は、その項目抽出、仕様書作成、テストドライバ作成、テストデータ作成、ソースコード作成までの結構多くの部分が、自動生成されたり、何も考えずに機械的に作業できる(というのを、元請けは知らないかもしれんが)。

 ただ、この手始めに行う雛形づくりは、結構試行錯誤だったりして、意外と標準化されない
 (というより、標準時間を求められない。雛形をつくって、あ、このタグが必要ジャン!っていうことで、ソースに追加していく形なので)

 これを全部手作業に置き換えれば、確かに標準化されるが、今度は、莫大な作業になる。
 さらに、その機械化する手順をしらないと、品質も落ちる。

 つーもんだいが、じつはあるのよ。。。


P.S そのうちさあ、自動生成も、自「働」生成(ニンベンのついた自働化)とか、書くようになるのかねえ(^^)v


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富士通が生産性向上のため、トヨタのカイゼン手法を取り入れ、下請けをカット、作業時間を管理する?

2005-10-28 11:43:06 | Weblog

 日経コンピューター2005年10月31日号(「迫りくるヨドバシ・ショック」の号)16ページのニュース&トレンドに書いてある。富士通の「下請け」、孫請け、さらに下の請けのひとは、チェックかもかも。

 でも、上の記事、意味通じないよねえ。。。うん??

 ということで、まず、上の記事を、できるだけ、文章を引用するカタチ(主観を入れないで)かきます(以下、斜体が引用部分)




■■ 概要
 富士通は10月から、開発パートナー企業の生産性向上の支援に乗り出した。トヨタ式のカイゼン手法を導入してパートナー企業とともに業務のカイゼンを進めるのが骨子だ。

■■ 理由
「このままでは顧客が満足する価格と品質を維持できなくなる」
しかし、いままでは
「パートナー企業には、自助努力を期待するだけだった」
その結果
下請け企業に発注するようになり、品質チェックが甘くなるといった問題が起きるケースがあった
ので??、
それを食い止めようと事業部門単位で支払い単価を上げたいと思っても」
  ↓
支払い単価の決定権がない
そこで、

■■ 結論
下請けを使わなくても利益が出せるように生産性を上げてもらうことが不可欠

■■ 結論を実現するための手法
無駄のないワークスタイルを提示する
具体的には
(1)タバコを吸ったりトイレに行く時間を、1時間半ごとに10分設けた休憩時間に限定した
(2)個別の作業内容にかかった時間や、作業に取り掛かるまでの待ち時間を独自のツールに入力してもらう
(3)待ち時間が減らせるかのアイデアを出し合う
(4)目だった成果を上げたチームは表彰する

以上

興味がある方は、ぜひ、日経コンピューターの記事をみることをお勧めしますです。
1ページしかない記事ですので。




 つーことで、作業管理をするみたい。そうすると、m_pixyさんのブログ「PM見習いの読書日記」でたびたび取り上げられるような、こまかく作業にわけて、時間で管理するっていうのも、今後、どんどんやられていくんだろうね。

 でも、これ、変ですよねー。
 論理つながらない。

 下請けをカットするなら、下請けのやっている仕事を吟味して、カイゼンするのがふつう。
 下請けは、今、ウィリアムのいたずらが、このブログで指摘しているように、各種自動生成ツールを使って、がんがんやっている。
 これを、仕様決定から結びつけることと、テスト仕様をきれいに出すこと、テスト自動化っていう方向に持っていくのが普通で、そうすると、下請けのノウハウを形式知にすることで、まさに、このブログのやってること。

 つまり、生産性を向上するには、

 「ウィリアムのいたずらのブログをみんなよむこと」

 っていうのは、冗談にしても、下請けの仕事のカイゼンということになる。つまり、ボトムイアップ(実際は、ミドルアップダウンという手法)をとる。

 ところが、これって、トヨタのやり方なの?を、押し付けてるだけでしょ。。
 トップダウンで。。
 (トップダウンで、やり方を決めて、ボトムアップでカイゼンしろと??)

 で、そのやり方でやると、なぜ、下請けがいらなくなるの??

下請けを切って、タバコを吸ったりトイレに行く時間を、1時間半ごとに10分設けた休憩時間に限定しても、開発する、ステップ数は、かわんないんだよ!
 (つーか、増える。下請けを切ったら、下請けが使っている独自ツールを使えなくなるので、その部分は、ハンドコーディングになるから。今、ツールはだいたい、10倍程度の生産性があるので、それを、もろに組むことになる)。




 これは、こう解釈しない限り、理解できない。

 下請けは、救いようのない馬鹿である。
 だから、彼らに任せると、品質が低下する。彼らから学ぶことは、何一つない。
 彼らは、品質を低める元凶であり、切るべきだ!!

 だが、パートナーは違う。優秀である。
 きっと、彼らは、日本を代表するトヨタのすばらしいやり方をやれば、カイゼンして、よくなるにちがいない。なので、トヨタのやり方を教えよう。

 つまり、富士通本社は優秀、下請けは馬鹿っていう、エリート意識構造。

 こう考えると理解できる。多分、そうなんだろうな。。




 ところが、これ、下請けが馬鹿か利口かに関係なく、実は、このやり方、問題がある。

 もし、トヨタと富士通が同じ構造なら、トヨタのやり方を、富士通がやれば、成功するかもしんない。でも、まったく違う部分があったら、同じやり方をやっても、うまくいくとは限らない。

 で、同じなのかというと。。。

 「下請けを切る」のであれば、実は大きな違うが出てしまうんだな。
 そのため、作業管理だけでは、むりなのだ。。。




 っていうはなしは、長くなるので、覚えていたら、別の記事で。 


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