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水仙…花言葉「自己愛」
(花の詩集)新川和江 ワーズ・ワース/前川俊一訳
谷や丘の上を漂う雲のように 私はひとりさまよい歩いていた。そのときふと目にしたのは 金色の水仙の大群が湖のほとり、木立の下で そよ風におどるさま。
銀色にひしめいて ひかりまたたく星屑のよう彼等は入り江のふちにそって 目路のかぎりつらなっていた。
一目見てざっと一万の花が 頭をふり立て陽気におどっているのだ。
まわりの波もおどっていた。しかし彼等の歓びようは きらめく波を上回っていた。
このように楽しげな連中に出逢っては 詩人も心うかれざるを得ない。
私はただ見とれていたが、その眺めがどのような富を私にもたらしたか、気づかなかった。
というのは、茫然と、また思いに沈んで 臥しどに身を横たえるとき
彼等は孤独のよろこびである 内心の眼にひらくのだ。
すると私の心は歓びにあふれ 水仙とともにおどるのだ。
(花の詩集)新川和江 ワーズ・ワース/前川俊一訳
谷や丘の上を漂う雲のように 私はひとりさまよい歩いていた。そのときふと目にしたのは 金色の水仙の大群が湖のほとり、木立の下で そよ風におどるさま。
銀色にひしめいて ひかりまたたく星屑のよう彼等は入り江のふちにそって 目路のかぎりつらなっていた。
一目見てざっと一万の花が 頭をふり立て陽気におどっているのだ。
まわりの波もおどっていた。しかし彼等の歓びようは きらめく波を上回っていた。
このように楽しげな連中に出逢っては 詩人も心うかれざるを得ない。
私はただ見とれていたが、その眺めがどのような富を私にもたらしたか、気づかなかった。
というのは、茫然と、また思いに沈んで 臥しどに身を横たえるとき
彼等は孤独のよろこびである 内心の眼にひらくのだ。
すると私の心は歓びにあふれ 水仙とともにおどるのだ。
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