「ようかん」という言葉は日常言い慣れているものの漢字で書くとなると、ちょっと難しい。パソコン多用で困ることはないが新聞を読んでいて、あらためて気づかされた。和菓子の研究をしている人の寄稿記事によると、菓子の移り変わりのなかで劇的に変化したものの一つに「ようかん」があるという。漢字の意味もそこにあるのだが遠い昔、僧侶によって中国から伝えられたこのお菓子。中国では<その字の通り、「羊」の肉が入った「羹(あつもの)」(熱い汁物)の料理>だったとのこと。しかし、僧侶は肉が食べられないので<小豆や小麦粉などで肉に見立てて作った>これが日本の「羊羹」の始まりというわけである。室町時代に「砂糖羊羹」と書いた文献があり、今につながる甘いものに変わってきたらしい。新聞は、好きなのと時間があるので丁寧に読んでいると時々、こうした雑学めいた拾い物に会える。たまたま、寄稿された人が勤める某和菓子屋さんの羊羹をいただいた。想像もつかない素性を思い浮かべてひと口、日本茶とともに今日も新聞をじっくりと。(「羊羹」の歴史は朝日新聞2017年3月15日「リレーおぴにおん―甘さと日本人」より引用)