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絶対音感・相対音感その2

2004-10-18 23:55:51 | 調律師の仕事
今日行った仕事先のピアノの先生宅に、2歳になる女の子が居るのですが、絶対音感の通信教育の教材を取り寄せて、始めることにしたそうです。
その先生自身は絶対音感を持っていなくて、娘には付けさせたいとの考えから。
それで色々興味深い話を聞いたのですが、そもそも相対音感の方が絶対音感より賢い聴き方であって、音楽教育を早めに始めてしまって相対音感が先に着き始めちゃうと、絶対音感をつけるのは難しいそうなんですね。
絶対音感があった上で音楽やるのは、非常に便利であることは確かなんだけど、幼児期の音楽教育とのバランスは大変微妙なわけです。

日本でもここ10数年くらい、バイエルの問題点が語られていますが、バイエルはハ調(C)やト調(G)のように、黒鍵を使わないか非常に少ない、鍵盤の中央しか使わない曲ばかりを時間をかけてやるうちに、黒鍵アレルギーになりがちで、幼児向けの教材に適さないと。
欧米ではずいぶん前から、あまり使われなくなって来ているそうですが、日本は西洋音楽が遅れて入ってきた分、古い教え方に固執している傾向があるそうで。
それで、色々な調の曲に幼い頃から親しむ教え方が少しずつ広まりつつあります。
ところが、絶対音感の訓練中に早くから沢山の調を体験させると、絶対音感が根付かないのだそうです。

どうも、相対音感を育てようとすることと、絶対音感訓練は、幼児期にはぶつかる面が多いようで疑問を感じました。
もちろん、普通にピアノを習いながら付いてしまう人もいるし、非常に個人差があることなんだけど。
とにかく絶対音感さえ幼児期に付けておけば、音楽の才能が伸びる、その可能性を与えてやれるというのは間違いで、訓練後楽器の練習には興味を示さずに音楽から離れてしまうケースも多々あるように聞きます。

私自身は、早くから自然と相対音感が付くような環境で育ったことを両親に感謝しています。
絶対音感訓練を受ける機会がなかったことについては、残念に思う気持ちはあまりないですね。

この問題は、さらに勉強して書けるようにして行きたいと思ってます。


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