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またまた音感の話、などなど

2004-10-25 22:58:16 | music
文字ばっかりじゃ、華やかさに欠けるだろうと、トップにセルフ写真を置いていたものの、来るたんびに同じ写真見せられるのも迷惑かと思い、トップは普通に更新ページにしました。

さてさて、なぜ私が音感の話を書きたがるのかと言うと、調律師は絶対音感で仕事をしていると勘違いしている人が、あまりに多いからなのです。
ピアノの講師クラスでも、そう思ってた人がいるというくらい。

先日も、友人と飲んでてそういう話になって、絶対音感じゃないんだよ、って話したら、じゃあ相対音感?と言われてしまって、それも違うんだよね。

調律師が仕事の時に聴いているのは、音程そのものではなくて2音を同時に鳴らしたときに発生する「うなり」なのです。
ユニゾンやオクターブだったらゼロにする、中央の音階作りでは法則に基づいて微妙な「うなり」を作るという作業で、音を合わせるための聴き方は音楽的な聴き方とは別の世界なんです。
だから、ピアノを習ったことのない調律師もいますし、あまり弾けなくても調律の勉強は出来るんですよ。

そもそも日本でピアノが急激に普及したのは、高度成長期でありまして、それまでは学校以外では超お金持ち・上流の人しか持てない物だった。
その時代には調律師はピアノ作りの職人さんの下で徒弟制で仕事を覚えていくもので、学校や養成所なんてなかったわけです。
ピアノを弾く方々と、職人さんの世界は当然クラスが違っていたわけで、ピアノを習い続けた末に調律師を目指すというのは、かなり少数だったと思います、ましてや女性は皆無に近かった。
高度成長でピアノ保有世帯が急に増えたら、当然技術者が足りなくなって、一時期は3年先まで予定が埋まっている調律師もいたそうですが、そのころはメーカーもアフターサービスが完全にはこなせてなくて、ユーザーにもピアノの管理の知識が広まっていないし、昭和40年代のピアノには一度も調律したことがないままのヤツなんかがたまにあって、仕事を始めた当初はビックリしたものでした。

それで養成所や学校がどんどん出来て、今はESPみたいなポピュラー系の専門学校にまでギタークラフトやミキシング・エンジニア科と並んで調律科が出来る時代になりました。
女性の調律師も増えたし、今、この仕事を目指す人はピアノが好きで習った経験もあるという人が多いかと思うけど。
調律師歴25年のワタクシにとっては、隔世の感がありますよね、なんせ私が調律の勉強を志した頃は、女性お断りのところもありましたし。

なんだか、どんどん話が横道にそれましたが、そういうわけで調律師が音楽的な意味で音感が良いとは限らないのです。
バンド方面の知人などでも調律師と知ったら、「だから音感が良い」などと思い込みで決め付けたり構えたりする人が多々いるけど、やれやれまたか・・・と思います。
逆に、「調律師さん」だからベースは趣味だろうと決め付けられるのも、イヤだよね。確かに、演奏で生計立てるには至ってないけどさ。
肩書き?で決めるんじゃなくて、音を聴いて評価して欲しい・・・。
調律師歴より、ベース歴のほうが長いのだし。

ますます話が転がりまくり、まとまらない文で、読んでくださった方、すみませんm(__)m
カテゴリもどっちにすれば良いのか、分かんなくなっちゃった。

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