題名と大きくかけ離れた感じの映画でした。「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描くサバイバルドラマ。白鯨と人々の大海原での戦いを・・・
と、想像していたのですが、確かにそう言うシーンはありますし、怒れる白鯨は凄まじい迫力でスケール的にも圧巻です。しかしそれが全てではありませんでした
乗組員の少年であった老人が頑なまでに口を閉ざしていた漂流生活の秘密が次第に解っていくと言う、謎解きにも似た展開で緊張感の糸が切れることがありません
生活の為に捕鯨船に乗る男たち、海では過酷な日々を送り、そして鯨を見つければ生死を懸けた鯨との闘い。。 鯨も仲間を守るため挑んでくる
鯨の油を採るシーンでは「昔はああやって鯨から油が採れたんだ~」と・・しかし、生臭いだろうな・・・
鯨の反撃が始まり巨大な白鯨に船を見事に壊され生存した乗組員の漂流が始まる。 ここからがこの映画の本題でした。
遭難してからは何とか見つけた無人島でしばらく過ごすが、島の洞穴で見つけたものは・・・この島の近くは船は航行しないと判りこの島で死を待つか
一縷の望みをかけて修理したボートで再度、荒海に乗り出す者たち。 どの場面でも、自分ならどうするだろう? 余りにも過酷すぎて答えが見い出せない
更に長い時間を漂流しているうちに食物も無くなってくる・・・仲間たちの 『死』 その時意を決して食べたのは・・・
ラスト、名誉欲に駈られて居た船長が船乗りとしての矜持を取り戻した事、主人公を始めとする乗組員のその後の人生がテロップで流れます。
このテロップでより深い余韻を感じさせます
シーシェパードが怒り出しそうな場面がありますが大丈夫?
実話に基づき〝生きる〟事を描いた凄まじい内容の作品でした。 時間が経つに連れジワジワと響いて来るのでは無いでしょうか? ★★★★