今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ロカビリーの日

2005-02-08 | 記念日
今日(2月8日)は「ロカビリーの日」。
1958(昭和33)年、有楽町の日劇(現、有楽町マリオン)でウェスタンカーニバルが開かれた。このコンサートは、全国の若者を熱狂させ、以後「ロカビリー旋風」を巻き起こした。
敗戦後、日本は、明治以来第二の「文明開化」を迎えたといえる。
中でも、アメリカは最大のモデルとなり、政治、社会、文化のあらゆる面で、日本人はアメリカを模倣した。1946(昭和21)年6月から週間朝日に、1949(昭和24)年には朝日新聞で連載された漫画「ブロンディー」など、そこに描かれたアメリカの豊かな家庭と明るい、民主的な過程のあり方は戦後の家庭の手本となって、恋愛、結婚、家庭のあり方まですべてを含めてアメリカ的な生活様式を取り入れていった。
音楽の面では、戦後、ジャズやウエスタン、マンボなどさまざまなアメリン音楽があふれ出し、若い世代をの心を惹きつけていたが、そのような世相の中で、ジャズ喫茶といわれるものが蘇生した。当時の音楽界の主流は、春日八郎や三橋美智也、石原裕次郎や歌謡界の女王美空ひばりたちであった。
こうした既成の枠から外れた若い歌手たちが、ジャズ喫茶でロカビリーを歌っていた。ロカビリーは、ロックンロールにヒルビリー(カントリー&ウェスタンをよりビートを強調したもの)をミックスした新しい音楽で、その新しい音楽と歌い手を一部の若いファンが熱狂的に愛していた。戦後流行ったジャズは下火になっており、次の若者の音楽は、これだと目をつけ、仕掛けたのが、後にマダム・ロカビリーと呼ばれる渡辺 美佐(現渡辺プロダクション会長)である。彼女は、「ACB」「テネシー」」といったジャズ喫茶で歌っていた歌手を集めて、1958(昭和33)年2月、東京・有楽町の日劇で「ウエスタン・カーニバル」を開いた。(ウエスタン・カーニバルと言っても、中身は殆どロカビリー・ロックンロール)これが、予想もしない大盛況。余りの熱狂で舞台に駆け上がり失神する女性まで現れたほどであった。この興行には1週間で4万5000人の若者が集まったという。
ロカビリーは、この「第1回ウエスタン・カーニバル」で、一気に火がつき、ミッキー・カーチス、平尾昌章、山下敬二郎ら、後に「ロカビリー3人男」と呼ばれる歌手を一躍スターダムにのしあげた。この後、興行は次々に打たれ、9月には、ロカビリーの元祖とも言えるポール・アンカも来日し、ブームに拍車をかけた。それは、単に音楽界の出来事にとどまらず、社会現象として新聞や週刊誌を賑わせ、第2回には(水原 ひろし、井上 ひろし、守屋 浩)の「三人ひろし」(水原弘が歌謡曲へと移った後は守屋浩が入る)。第3回には坂本 九などの多くのスターを登場させ、当時の伝統的な歌謡曲に対抗するものとしての市民権を得た。
あの「上を向いて歩こう」で有名な歌手坂本九は16歳の時にロカビリー歌手としてデビュー。第3回日劇ウェスタン・カーニバルで新人賞を獲得し、そしてこの頃急激に普及し始めていたテレビにも積極的に進出した。ニキビだらけの顔がトレードマークとなり、その親しみやすい庶民性と相まってたちまち茶の間の人気者となったが、この「アイドル」という言葉が一般的に使われるようになったのは、この坂本九の登場からと言われているそうだよ。
昭和33年というと、私が社会人となった年である。当時、私がよく行ってた大阪・難波のジャズ喫茶・・・名前は良く覚えていないが、「ACB」であったと思うのだが、にきび面の歌の上手な男の子が、「グッドタイミング」の歌を歌っていたのを思い出した。それが、坂本九とわかったのは少し後のことである。ポール・アンカの「ダイアナ」や「ユー・アー・マイ・デスティニ(君は我が運命)」も良く歌ったな~。
大ヒットした「ダイアナ」は、もともとロカビリーでもない曲だが、これをロカビリー歌手、山下敬二郎が日本語訳で「ダイアナ」として歌っていたよ。またびっくりは、故美空ひばりさんである。あの人、マンボが流行ったときには、「お祭りマンボ」を歌っていたが、ロカビリーが流行ると早速「ロカビリー剣法」(昭和33年)などというものを歌っている。どんなものでもすぐに取り入れ、自分の歌として歌ってしまうのは凄い。流石日本一の歌謡界の女王だったよな~。
1958(昭和33)年・・・これから、日本が飛躍的経済発展を遂げようとするときの出来事であった。私にとっても、忘れられない青春の時代である。
(画像は、「You Are My Destiny(ユー・アー・マイ・デスティニ=君は我が運命〈さだめ〉」ジャケット。)
参考:
ロカビリーがやってきた。
http://www.ringohouse.com/cover_folder/03.vol_2.html