今日(2月16日)から、所得税の確定申告が始まる。
わが国の個人所得税の歴史は、明治20年に創設された所得税から始まる。当時は、免税点が高く最高税率も3%と低いもので、納税者の数も12万人足らずにすぎず、その税収の国税全体に占める割合いも2%にもみたなかったという。その後、明治32年と37年の税率の引き上げ等に伴いその税収のウエイトも徐々に増し、大正8年には国税の20%を超えるまでになる。その後、大正15年の税制改正で、所得税が直接税の中枢に据えられ、更に昭和15年の税制改革では、分類所得税と総合課税との併用方式が採用されるとともに、現在の給与所得に相当する「勤労所得」について、源泉徴収制度が導入されるなどの改正が行われた。そして、第二次世界大戦後の昭和22年に、それまでの賦課課税制度を申告納税精度に改めるとともに、包括的所得概念に基づく総合課税を基調とする制度が導入され、給与所得に係わる年末調整制度もこの際に導入された。申告納税制度と包括的概念に基ずく総合課税を基調とする課税のあり方は、シャウプ勧告を受けた昭和25年の税制改正でより鮮明に打ち出され、その後は、利子・配当等や株式に係わる譲渡益、土地の譲渡益に対する課税方法を巡って、様々な改正が繰り返され現在に至っている。
わが国では、ほとんど全ての国税について、申告納税制度が採用されており、その所得税収の大部分は申告によるものではなく源泉徴収によるものである。年間総給与所得が2000万円以下の給与所得者で、給与に係わる源泉徴収義務者によりその年の最後の給与が支給される際に年末調整が行われることによって、給与に係わる年税額が精算される(所法190)。
そして、このような給与所得者のうち、給与以外に他からの給与や所得が限度額以外のものは、所得税の確定申告をする必要がなく(所法121-1)、年末調整で適用を受けることのできなかった雑損控除や医療費控除などの適用を受けるために確定申告を提出するだけとなっている。このため、現在就労人口の大部分を占める給与所得者の大半が確定申告をせず、年末調整により所得税を確定しているのが実情である。だから、先に述べた確定申告を要するものだけが、今日から、確定申告をすることとなる。
今年の確定申告では、税制改正により平成16年分以降、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」を重複して適用を受けることができなくなっていることを知っておく必要がある。又、昨年は、新潟県中越地震や台風による風水害などにより大きな被害があった。被災された方は、災害にあったときの所得税の減免措置として、被害を受けた資産が住宅や家財等の生活用資産である場合には、所得税法の雑損控除か、災害減免法による所得税の減免措置があり、いずれか有利な方を選択できます。これらの申告漏れで損をしないようにしようね。以下の 国税局のHPをよく見てください。
毎年、確定申告の時期になると税の「公平」さの問題が思い起こされる。
現在の税制度では、源泉徴収されるものと申告により課税される個人事業者との間に「クロヨン」(サラリーマン9割、自営業者6割、農業所得者4割)などと言われる不公平感の問題があるといわれている。
多くのサラリーマンは自ら確定申告することができず、勤務先から毎月所得税を源泉徴収され、ほぼ100%の所得を捕捉されているのに対して、自営業者の所得の正確な捕捉がされていないことによるものだろう。しかし、このようなことに対する給与所得者の不満の声も最近は余り聞かれなくなった。何の改善もされないことからの諦めの境地からなのだろうか・・・?
確定申告をする必要のない多くのサラリーマンは、知らない間に、給与より税を徴収されており、それが継続しているために、税に対する無関心・不感症が伺える。もし、給与所得者の源泉徴収の制度を廃止し、給与所得も全て確定申告することになれば、その税負担(社会保険料や地方税も含めて)の大きさに、愕然とするはずである。
この機会に、一度、自分の所得からどれほどのものが徴収されているか見直してみたらどうか・・・そうすれば、徴収している側の政治家やお役人のやっていること、税金の使われ方などに対しても、もう少し監視の目が向けられるであろうし、怒りの声も起こるのではないかと思うが・・・?兎に角、私は、台風23号の影響による屋根の修理代ぐらい控除してもらえるように確定申告に行ってこよう・・・。
参考:
国税庁ホームページ
http://www.nta.go.jp/
所得税等確定申告等情報 目次
わが国の個人所得税の歴史は、明治20年に創設された所得税から始まる。当時は、免税点が高く最高税率も3%と低いもので、納税者の数も12万人足らずにすぎず、その税収の国税全体に占める割合いも2%にもみたなかったという。その後、明治32年と37年の税率の引き上げ等に伴いその税収のウエイトも徐々に増し、大正8年には国税の20%を超えるまでになる。その後、大正15年の税制改正で、所得税が直接税の中枢に据えられ、更に昭和15年の税制改革では、分類所得税と総合課税との併用方式が採用されるとともに、現在の給与所得に相当する「勤労所得」について、源泉徴収制度が導入されるなどの改正が行われた。そして、第二次世界大戦後の昭和22年に、それまでの賦課課税制度を申告納税精度に改めるとともに、包括的所得概念に基づく総合課税を基調とする制度が導入され、給与所得に係わる年末調整制度もこの際に導入された。申告納税制度と包括的概念に基ずく総合課税を基調とする課税のあり方は、シャウプ勧告を受けた昭和25年の税制改正でより鮮明に打ち出され、その後は、利子・配当等や株式に係わる譲渡益、土地の譲渡益に対する課税方法を巡って、様々な改正が繰り返され現在に至っている。
わが国では、ほとんど全ての国税について、申告納税制度が採用されており、その所得税収の大部分は申告によるものではなく源泉徴収によるものである。年間総給与所得が2000万円以下の給与所得者で、給与に係わる源泉徴収義務者によりその年の最後の給与が支給される際に年末調整が行われることによって、給与に係わる年税額が精算される(所法190)。
そして、このような給与所得者のうち、給与以外に他からの給与や所得が限度額以外のものは、所得税の確定申告をする必要がなく(所法121-1)、年末調整で適用を受けることのできなかった雑損控除や医療費控除などの適用を受けるために確定申告を提出するだけとなっている。このため、現在就労人口の大部分を占める給与所得者の大半が確定申告をせず、年末調整により所得税を確定しているのが実情である。だから、先に述べた確定申告を要するものだけが、今日から、確定申告をすることとなる。
今年の確定申告では、税制改正により平成16年分以降、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」を重複して適用を受けることができなくなっていることを知っておく必要がある。又、昨年は、新潟県中越地震や台風による風水害などにより大きな被害があった。被災された方は、災害にあったときの所得税の減免措置として、被害を受けた資産が住宅や家財等の生活用資産である場合には、所得税法の雑損控除か、災害減免法による所得税の減免措置があり、いずれか有利な方を選択できます。これらの申告漏れで損をしないようにしようね。以下の 国税局のHPをよく見てください。
毎年、確定申告の時期になると税の「公平」さの問題が思い起こされる。
現在の税制度では、源泉徴収されるものと申告により課税される個人事業者との間に「クロヨン」(サラリーマン9割、自営業者6割、農業所得者4割)などと言われる不公平感の問題があるといわれている。
多くのサラリーマンは自ら確定申告することができず、勤務先から毎月所得税を源泉徴収され、ほぼ100%の所得を捕捉されているのに対して、自営業者の所得の正確な捕捉がされていないことによるものだろう。しかし、このようなことに対する給与所得者の不満の声も最近は余り聞かれなくなった。何の改善もされないことからの諦めの境地からなのだろうか・・・?
確定申告をする必要のない多くのサラリーマンは、知らない間に、給与より税を徴収されており、それが継続しているために、税に対する無関心・不感症が伺える。もし、給与所得者の源泉徴収の制度を廃止し、給与所得も全て確定申告することになれば、その税負担(社会保険料や地方税も含めて)の大きさに、愕然とするはずである。
この機会に、一度、自分の所得からどれほどのものが徴収されているか見直してみたらどうか・・・そうすれば、徴収している側の政治家やお役人のやっていること、税金の使われ方などに対しても、もう少し監視の目が向けられるであろうし、怒りの声も起こるのではないかと思うが・・・?兎に角、私は、台風23号の影響による屋根の修理代ぐらい控除してもらえるように確定申告に行ってこよう・・・。
参考:
国税庁ホームページ
http://www.nta.go.jp/
所得税等確定申告等情報 目次