今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

雷記念日

2005-06-26 | 記念日
今日(6月26日)は「雷記念日」
930(延長8)年6月26日、京都・愛宕山から黒雲がわき起こり、閃光一閃、轟音とともに平安京の清涼殿に落雷があり、大納言の藤原清貴が亡くなった。この年の6月は長期間日照りが続き雨が降らず公卿たちが清涼殿に集まり雨乞いの論議が行われていたときである。大納言、藤原清貫は胸を裂かれて即死、紫宸殿でも3人が雷に蹴殺(しゅうさつ)されるなど、5人が死亡したという。このことにより醍醐天皇は病気となり、朱雀天皇に譲位したが、一週間後に崩御する。この落雷は政治的な策略によって太宰府に左遷され、そこで亡くなった菅原道真のたたりであるとされ、道真の霊は火雷天神と恐れられた。そして、当時流行していた御霊信仰や雷神信仰と結合して、彼の霊を祭神とする天神信仰が京都・大宰府を中心に起こった。
京都・北野天満宮に伝わる『北野天神縁起絵巻』(国宝)には清涼殿の落雷の場面が描かれている。雷神の清涼殿襲撃場面は2回ある。最初の襲撃では、髪を逆立て、目をむき、大口を開けた赤鬼と、菅原道真を大宰府へ左遷した張本人、藤原時平が抜刀し、対決する場面が描かれている。この雷神こそが、道真の怨霊だった。
私たちの祖先は、山や木や岩、あるいは風や火や水といった自然の現象の中に神の存在を感じて畏れ敬っていた。そして部族の者達が飢え苦しむことの無いように、農耕や狩猟や漁業の収穫をそうした自然の神に祈った。これが天神様の原型であった。農耕民族にとってとりわけ大切なのは雨で、その雨を降らす雷様を、古代人は「天神」として崇拝していたのである。つまり、天神は、もともと、地神(くにつかみ)に対する天神(あまつかみ)の総称で住天の神をさす。道真以前にも北野には天神が祀られ(「続日本後紀」)、藤原基経は毎年、北野の雷公に年穀豊穣を祈っている(「西宮記」)。天神信仰とは、古くからあった農耕祈雨と深く結びついた雷神信仰であったのである。後に、天神が牛を聖物としたのは、殺牛祭神と関係があるのだろう。
兎に角、この落雷が道真の霊が成仏できないでいることに原因があるとされ、その霊をなだめるために、やがて、道真の霊が天満大自在天とか太政威徳天(だいじょういとくてん)と尊称されるようになると、あらゆる災難をもたらす悪神たちを支配する神だと考えあられるようになり、そして、災難をおこす、悪神を統御している道真を祀ることで、もろもろの災難から逃れることが出来るのだとされた。そして、道真を祭神とする天神信仰が流布するとともに、日本各地の天神は、天満大自在天天神の眷属だと考えられるようになり、道真はそれらの天神を支配統制する神として各地に歓請されるようになったという。(「国内神明帳」)
昔の人は雷を、雲の中にいる神様や魔物が暴れているものだと思っていた。
しかし、科学が発達した現代では、雷は自然現象のひとつであることが判っているが、なぜか電力会社が「落雷情報」を提供しており、調べてみると、雷の電流は、非常に大きなエネルギーであり、送電線などに落雷があった場合,送電線がショートすることがあり、大量の電流が流れてしまうため、そのままにしておくと、電気を送るための設備が壊れてしまうため、落雷を直ちに検出して。変電所の遮断器で回路を切離すことで、被害を防ぐ必要があるからだそうだ。(東北電力HPより)
そういえば、昔は、雷による被害での停電が多かったが、最近は、ないな~。去年は、台風23号の塩害で5時間くらい停電になったが・・・。
昔から、「地震・雷・火事・おやじ」が怖いものの代表であったが、やはり、あの雷のゴロゴロと腹に響く大きな音は怖いね~。ただ、この頃の「おやじ」は、怖いというより、やさしくなったというか、少なくとも「威厳」は感じられなくなってしまったな~。
菅原道真に関する記念日には、この「雷記念日」のほか、天神の縁日 毎月25日 。左遷の日 1月25日など がある。「左遷の日」については、私のこの1月25日のBlogでも取り上げたので見てね。ここです。
つけたし:今年は空梅雨で、雨が降らず、困り者。雨を降らす雷神様にお願いしなきゃ~ね。
(画像は、落雷の様子。東北電力雷情報より)
参考;
「御霊神」の誕生(2)・・・9殺牛祭神
http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/genbunronshu/25-2/itoh.pdf
国内神名帳
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/atabis/newpage3.html
西宮記(古写本)
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~tsubota/chrono/seikyuu1.html
雷情報リンク集【HIR-NET提供】雷リンク
http://www.hir-net.com/link/weather/thunder.html