今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

博多人形の日

2007-08-02 | 記念日
今日(8月2日)は「博多人形の日」
博多人形商工業協同組合が博多人形誕生400年を記念して、2000(平成12)年に制定。「は(8)かたに(2)んぎょう」の語呂合せだとか。
博多人形は、福岡県の伝統工芸品の一つ。福岡市博多地区で作られてきた。現在では博多地区外でも多く製作される。
「博多」は、現在の福岡市の別称ともなっているが、九州北部筑前国に築かれた博多湾に面する港湾都市であり、古代からの歴史を持つ。古く「那津」(なのつ)「荒津」(あらつ)「筑紫大津」と呼ばれていた博多湾は、797(延暦16)年に完成された『続日本紀』において「博多大津(博多津)」と記されているのが見出される。「ハカタ」の語源は、「土地博(ひろ)く人・物産多し」という言葉から「博多」、大鳥が羽を広げたような地形から「羽形」、海外へ出る船の停泊する潟から「泊潟」、射た鶴の羽が落ちたとして「羽片」(鶴の墓は太宰府榎社[ えのきしゃ、別称:榎寺] にある)、切り倒された大樹の葉が舞い落ちたので「葉形」などの説があるそうだ。
江戸時代に黒田氏が入国し那珂川を挟んで城下町福岡を築き、博多と福岡の二極都市の性格を持つことになる。明治時代には博多・福岡をまとめて1つの市、福岡市として市制施行されて現在に至り、博多の地名は博多区として残っている。
博多人形の発祥には諸説があり、陶師(すえし)の中ノ子家、博多祇園山笠の小堀流山笠人形の流れを汲む白水家、瓦職人の正木宗七(惣七)の3説が有力とされていたが、現在では学術的研究が進み、1600年代に博多の町で陶師を営んでいた中ノ子家より転業した中ノ子安兵衛・吉兵衛親子と、小堀流山笠人形の流れを汲む白水家との複合的要因が最も有力とされているそうだ。私にはよく分からないが、その説明については、以下参考に記載の「博多人形・有田焼など日本美術伝統工芸のジャパンアーツ・博多人形」に記載のものがわかりやすいので興味のある方はそちらを見られると良い。
いずれにしても、博多人形は、3説の人形が母体となって生まれたものが、江戸時代後半には名工達の活躍により業界は活況を呈し、全国に流通するようになった。明治になりパリなどの国際的な博覧会で高い評価を受け、日本を代表する人形として「博多人形」の名で知られるようになり、海外へも輸出されるようになり、現在では100名近い作家達が、伝統を活かした作品を制作しつづけているという。この、「博多人形」という名は、内国勧業博覧会で博多から「素焼人形」を出品したとき、博覧会から褒賞を授与されたが、その褒賞状に銘題「博多素焼人形」の「素焼」の二文字が抹消され、単に「博多人形」とだけ記されていたのがきっかけで、「博多人形」の呼び名が公称となったそうだ。(博多人形の説明などでは1890〔明治23〕年第2回大阪内国勧業博覧会とあるが時期については何かの誤り?博覧会参照)
福岡を代表する民謡といえば、「黒田節」と「正調博多節」だが、那珂川の西の福岡では、黒田藩五十二万石の城下町で「黒田節」が、東の町人の町・博多ではこの「正調博多節」が、花柳界を中心に歌われてきたといわれている。
正調博多節の一節に、「博多に来るときゃ一人で来たが、帰りゃ人形と二人連れ」「博多人形に思いを秘めて 贈る私の胸の内」と歌われている。
私も、仕事でよく福岡には出張していたし、最後は5年ほど福岡に住んでもいた。その関係で、「黒田節」「正調博多節」も聞いたことがあるが、「黒田節」は酒の席でよく歌ったが、「正調博多節」はなかなか難しい歌なので私などには歌えない。歌詞、曲、説明などは以下参考の「正調博多節」また、「Web博多もん博多民謡集(曲と歌詞一覧)」を見られると良い。
博多人形は大別すると主に、美人もの、歌舞伎もの、能もの、風俗もの、道釈もの(道教や仏教の人物像)、童もの、節句ものなどがある。普通の土人形は、上薬がかけてあって、表面がガラス状に”ツルッ”としていて見た目はきれいだが、少し、冷たい感じを受けるが、多人形は薬を使わずに素焼きに着色しているので、落ち着いた感覚の美しさと暖かみのあるのが持ち味であり、白くてきめの細かい肌合い等も特性といえるだろう。
ただ、私の趣味である骨董品など扱う店に行くと、同じ人形類の中で、博多人形は、余り評価されていない。何でも、新しいうちは良いのだが、古くなっても余り味が出てこないというのである。その点、私も同じ様な感じを持っている。そのせいか、福岡によく行っているし住んだこともあるのに博多人形を買ったことはない。三体ほど持っているが、それは皆もらい物である。その中では、冒頭に貼付の画像のものが好きである。博多芸者の人形だが、白い顔に黒い着物が素敵だ。この人形は、私の結婚祝いに貰ったものだが、くれた人の話では、買った店の人が博多人形は、「黒い色が綺麗でいいですよ」と言っていた聞いている。確かに、黒の色に深みがあって綺麗。飽きのこない人形ではある。
(画像は、博多人形)
参考:
博多人形 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E5%A4%9A%E4%BA%BA%E5%BD%A2
日本の伝統的工芸品 館
http://www.kougei.or.jp/index.html
博多人形商工業協同組合
http://www.hakataningyo.com/index.htm
博多人形・有田焼など日本美術伝統工芸のジャパンアーツ・博多人形
http://www.j-arts.co.jp/2006/09/post_23.html
平成13年度福岡市指定文化財 陶造地蔵菩薩坐像(作者 正木宗七幸弘 )
http://www.asahi-net.or.jp/~ri5t-mk/13nendo/jizobosatu.html
博覧会 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A
「博覧会から見えるもの」
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/tenjikai/tenjikai2003/index.html
正調博多節
http://senshohamada.hp.infoseek.co.jp/minyou/minnyou-seicho-hakata.htm
Web博多もん博多民謡集(曲と歌詞一覧)
http://homepage2.nifty.com/mistaker/minyou01.htm
図書カード:「博多人形」著者名: 竹久 夢二 
http://www.aozora.gr.jp/cards/000212/card46440.html