8月21日 第88回全国高等学校野球選手権大会決勝で、早稲田実業が初優勝を飾った日。
第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は、昨・2006(平成18)年8月20日及び8月21日に阪神甲子園球場で行われた、駒大苫小牧高校と早稲田実業学校の試合である。8月20日の試合は延長15回で決着がつかず、翌21日に再試合が行われた。
毎年8月に、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で約2週間の日程で行われる全国高等学校野球選手権大会、通称「夏の(高校野球)大会」、「夏の甲子園」、は、同じ甲子園球場で春に行われる選抜高等学校野球大会が、出場校は、選考委員会によって定められるのと異なり、各府県ごとの予選を勝ちあがってきた代表校で行われる。この試合は、地方大会、全国大会ともに一敗も許されないトーナメント方式を勝上らなければならず、非常に厳しいものである。この大会への全国の参加校は現在約4000校以上あるといわれ、この大会で優勝するということは、4000高の頂点に立つということになる。したがって、この夏の甲子園での試合には、1933(昭和8)年の第19回全国中等学校優勝野球大会の東海代表・中京商業学校(愛知県、現・中京大学附属中京高等学校)対兵庫代表・兵庫県立明石中学校(兵庫県、現・兵庫県立明石高等学校)の延長25回に及ぶ熾烈なな試合が有名で今でも語り草となっているが、その他にも数々の球史に残る名勝負が行われてきた。(夏の高校野球の球史に残る試合参照)
昨・2006(平成18)年8月20日及び8月21日に行われた「駒大苫小牧対早稲田実業決勝延長15回引き分け再試合 」も、その中に含まれる近年まれに見る名勝負であった。
第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は、1931(昭和6)年から1933年(昭和8)年に中京商業学校(現・中京大学附属中京高等学校)が成し遂げた夏・3連覇という大記録を、史上2校目、73年ぶりに達成しようとした駒澤大学附属苫小牧高等学校と、投手の斎藤佑樹を中心に、1980(昭和55)年荒木大輔を擁して以来、27年ぶりの決勝進出で、初優勝を狙う早稲田実業学校との対戦であった。8月20日、甲子園球場には、試合開始3時間前から観客が長蛇の列をなし、13時試合開始時には早くも満員札止めとなった。そして、試合は駒大苫小牧の田中将大投手と早実の斎藤佑樹両エースが譲らず1対1のまま延長15回を迎えた。5万人の観衆がまだ日差しの強いスタンドを埋め尽くしたままの15回2死、駒大苫小牧の遊撃手が早実の後藤が打ち上げた飛球を掴んで、規定により、第51回大会(1969年)松山商(愛媛)対三沢(青森)以来の37年ぶり史上2回目の決勝引き分け再試合が決まった。試合時間は3時間37分であった。両投手の投げた球数は3回途中から救援した田中が165球、先発の斉藤が178球。これで、翌21日に投げれるのか、そして、報われるのか?。「3連覇がかかっているなんて最初から頭に無い」と田中投手。「今日で高校野球は終りのはずでしたが」と斉藤投手。2人の投手が続けた共通の言葉は「もう1試合できるのうれしい」だった。しかし、両校のエース、田中も斉藤も既に体力の限界を超えていただろう。
37年ぶりの決勝再試合は、21日(月)午後1時開始。甲子園球場では平日ながら、早朝から多くのファンが列を作り、予定より70分早い午前8時50分に開門した。開門時人数は2100人で徹夜組が49人。同9時27分には中央特別自由席が売り切れ。神戸海洋気象台によると同10時半現在の神戸地方の気温は30・8度。先発投手は、駒大苫小牧が前日に続きエース田中を温存し、菊地が、早実は4連投の斎藤が先発した。試合は、1回に1点を先制した早実が優勢に試合をすすめ、4連投の斎藤は9回に2点本塁打を浴びて1点差にまで迫られたが、駒大苫小牧を4-3で振り切り初優勝を飾った。斎藤は13三振を奪い、延長を含む6試合連続完投を無四球で飾った。駒大苫小牧は、73年ぶり2校目の3連覇を果たすことは出来なかった。
試合展開を見ると、初回表、駒大苫小牧は三者凡退。早実の斎藤が上々の滑り出しを見せた。 1回裏、早実は内野安打と四球などで二死一、三塁とし、中前適時打で先制を奪った。ここで、駒大苫小牧は、早くも菊地に代わって温存していたエース田中が登板し後続を打ち取った。斎藤は178球を投げた前日にも劣らぬ力投で、3回まで3人ずつで仕留めた。この好投に打線も応え、早実が終始リード、後半斉藤が連投による疲れからホームランを浴びたものの1点差で競り勝った。田中・斉藤両エースともに既に体力の限界を超えていたといってもいいかもしれない。試合の展開を結果を見て、「もしも・・・」などと言うことを言ってはいけないのだろうが、田中が先発で投げていたら・・・。駒大苫小牧は、後半追い上げたが、結局初回に取られた”1点”を最後まで取り返すことが出来なかったのは悔やまれるのではないか。
熱戦を繁栄してテレビの中継や特集番組も視聴率が好調だった。20日の試合、特にNHK関東地区の視聴率では1998(平成10)年横浜が松坂大輔投手を擁して優勝した際の27・9%を上回るこの10年間で最高となったという。入場者も止まらず21日は内野席が午前11時29分には売り切れ、無料の外野席も試合前からほぼ満員となった。
この人気、優勝を狙う両校の歴史的な試合に有るだけではなく、両エースの人気も凄かった。中でも、早実の斎藤選手がマウンド上でしばしばタオルハンカチで汗を拭う姿が、「さわやかだ」「奥ゆかしい」とネットや女性週刊誌などで凄い話題となり、彼は「ハンカチ王子」と呼ばれるようになった。これまで、高校野球の選手が、「見た目」で話題になった例は荒木大輔や定岡正二などの先例もあるため特に珍しいことではなかったが、今のマスコミの取り上げようはi異常なほどに大きく、本大会終了後も「ハンカチ王子」への注目が集まることになった。
そのおかげで、高校卒業後の今年2007(平成19)年、斎藤は早稲田大学野球部に入学、斉藤のいるところ「ハンカチ王子」を一目見ようとファンが押し寄せた。そのようなことをプレッシャーともせず、4月、東京六大学野球春季リーグの開幕戦(東大戦)で1年生ながら開幕投手を務め勝利投手となり、東京六大学野球春季リーグ6月に開催された第56回全日本大学野球選手権大会で、斉藤は2回戦・準決勝・決勝の3試合に登板。準決勝・決勝では2日連続して先発を務め各1失点で後続につないで2勝を記録、大会最高殊勲選手に選ばれている。そして、7月に米国で開催された第36回日米大学野球選手権大会の日本代表に選出され勝利投手となった。また、田中も東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、今では、 プロ野球選手(投手)として、野村監督から「ウチのエースだもん」といわれるくらいに活躍している。また、「もし」の話であるが、田中が慶応大学に入っていたら、早慶戦は大フィーバーし6大学野球がプロ野球の人気を喰っていたかも知れないね~。兎に角、第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は忘れられない試合であった。
画像は決勝戦15回裏、右:最後の打者の飛球を見上げる駒大苫小牧田中投手。左は最後の打者を三振に仕留めガッツポーズする早実斉藤投手左。2006年8月20日写真。朝日新聞より)
参考:
斎藤佑樹 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%89%E8%97%A4%E4%BD%91%E6%A8%B9
スポーツナビ | 野球
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/hs/06summer/data/result/game16.html
早実 優勝の軌跡 : 高校野球 : スポーツ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/hsb06/sojitsu/
第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は、昨・2006(平成18)年8月20日及び8月21日に阪神甲子園球場で行われた、駒大苫小牧高校と早稲田実業学校の試合である。8月20日の試合は延長15回で決着がつかず、翌21日に再試合が行われた。
毎年8月に、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で約2週間の日程で行われる全国高等学校野球選手権大会、通称「夏の(高校野球)大会」、「夏の甲子園」、は、同じ甲子園球場で春に行われる選抜高等学校野球大会が、出場校は、選考委員会によって定められるのと異なり、各府県ごとの予選を勝ちあがってきた代表校で行われる。この試合は、地方大会、全国大会ともに一敗も許されないトーナメント方式を勝上らなければならず、非常に厳しいものである。この大会への全国の参加校は現在約4000校以上あるといわれ、この大会で優勝するということは、4000高の頂点に立つということになる。したがって、この夏の甲子園での試合には、1933(昭和8)年の第19回全国中等学校優勝野球大会の東海代表・中京商業学校(愛知県、現・中京大学附属中京高等学校)対兵庫代表・兵庫県立明石中学校(兵庫県、現・兵庫県立明石高等学校)の延長25回に及ぶ熾烈なな試合が有名で今でも語り草となっているが、その他にも数々の球史に残る名勝負が行われてきた。(夏の高校野球の球史に残る試合参照)
昨・2006(平成18)年8月20日及び8月21日に行われた「駒大苫小牧対早稲田実業決勝延長15回引き分け再試合 」も、その中に含まれる近年まれに見る名勝負であった。
第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は、1931(昭和6)年から1933年(昭和8)年に中京商業学校(現・中京大学附属中京高等学校)が成し遂げた夏・3連覇という大記録を、史上2校目、73年ぶりに達成しようとした駒澤大学附属苫小牧高等学校と、投手の斎藤佑樹を中心に、1980(昭和55)年荒木大輔を擁して以来、27年ぶりの決勝進出で、初優勝を狙う早稲田実業学校との対戦であった。8月20日、甲子園球場には、試合開始3時間前から観客が長蛇の列をなし、13時試合開始時には早くも満員札止めとなった。そして、試合は駒大苫小牧の田中将大投手と早実の斎藤佑樹両エースが譲らず1対1のまま延長15回を迎えた。5万人の観衆がまだ日差しの強いスタンドを埋め尽くしたままの15回2死、駒大苫小牧の遊撃手が早実の後藤が打ち上げた飛球を掴んで、規定により、第51回大会(1969年)松山商(愛媛)対三沢(青森)以来の37年ぶり史上2回目の決勝引き分け再試合が決まった。試合時間は3時間37分であった。両投手の投げた球数は3回途中から救援した田中が165球、先発の斉藤が178球。これで、翌21日に投げれるのか、そして、報われるのか?。「3連覇がかかっているなんて最初から頭に無い」と田中投手。「今日で高校野球は終りのはずでしたが」と斉藤投手。2人の投手が続けた共通の言葉は「もう1試合できるのうれしい」だった。しかし、両校のエース、田中も斉藤も既に体力の限界を超えていただろう。
37年ぶりの決勝再試合は、21日(月)午後1時開始。甲子園球場では平日ながら、早朝から多くのファンが列を作り、予定より70分早い午前8時50分に開門した。開門時人数は2100人で徹夜組が49人。同9時27分には中央特別自由席が売り切れ。神戸海洋気象台によると同10時半現在の神戸地方の気温は30・8度。先発投手は、駒大苫小牧が前日に続きエース田中を温存し、菊地が、早実は4連投の斎藤が先発した。試合は、1回に1点を先制した早実が優勢に試合をすすめ、4連投の斎藤は9回に2点本塁打を浴びて1点差にまで迫られたが、駒大苫小牧を4-3で振り切り初優勝を飾った。斎藤は13三振を奪い、延長を含む6試合連続完投を無四球で飾った。駒大苫小牧は、73年ぶり2校目の3連覇を果たすことは出来なかった。
試合展開を見ると、初回表、駒大苫小牧は三者凡退。早実の斎藤が上々の滑り出しを見せた。 1回裏、早実は内野安打と四球などで二死一、三塁とし、中前適時打で先制を奪った。ここで、駒大苫小牧は、早くも菊地に代わって温存していたエース田中が登板し後続を打ち取った。斎藤は178球を投げた前日にも劣らぬ力投で、3回まで3人ずつで仕留めた。この好投に打線も応え、早実が終始リード、後半斉藤が連投による疲れからホームランを浴びたものの1点差で競り勝った。田中・斉藤両エースともに既に体力の限界を超えていたといってもいいかもしれない。試合の展開を結果を見て、「もしも・・・」などと言うことを言ってはいけないのだろうが、田中が先発で投げていたら・・・。駒大苫小牧は、後半追い上げたが、結局初回に取られた”1点”を最後まで取り返すことが出来なかったのは悔やまれるのではないか。
熱戦を繁栄してテレビの中継や特集番組も視聴率が好調だった。20日の試合、特にNHK関東地区の視聴率では1998(平成10)年横浜が松坂大輔投手を擁して優勝した際の27・9%を上回るこの10年間で最高となったという。入場者も止まらず21日は内野席が午前11時29分には売り切れ、無料の外野席も試合前からほぼ満員となった。
この人気、優勝を狙う両校の歴史的な試合に有るだけではなく、両エースの人気も凄かった。中でも、早実の斎藤選手がマウンド上でしばしばタオルハンカチで汗を拭う姿が、「さわやかだ」「奥ゆかしい」とネットや女性週刊誌などで凄い話題となり、彼は「ハンカチ王子」と呼ばれるようになった。これまで、高校野球の選手が、「見た目」で話題になった例は荒木大輔や定岡正二などの先例もあるため特に珍しいことではなかったが、今のマスコミの取り上げようはi異常なほどに大きく、本大会終了後も「ハンカチ王子」への注目が集まることになった。
そのおかげで、高校卒業後の今年2007(平成19)年、斎藤は早稲田大学野球部に入学、斉藤のいるところ「ハンカチ王子」を一目見ようとファンが押し寄せた。そのようなことをプレッシャーともせず、4月、東京六大学野球春季リーグの開幕戦(東大戦)で1年生ながら開幕投手を務め勝利投手となり、東京六大学野球春季リーグ6月に開催された第56回全日本大学野球選手権大会で、斉藤は2回戦・準決勝・決勝の3試合に登板。準決勝・決勝では2日連続して先発を務め各1失点で後続につないで2勝を記録、大会最高殊勲選手に選ばれている。そして、7月に米国で開催された第36回日米大学野球選手権大会の日本代表に選出され勝利投手となった。また、田中も東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、今では、 プロ野球選手(投手)として、野村監督から「ウチのエースだもん」といわれるくらいに活躍している。また、「もし」の話であるが、田中が慶応大学に入っていたら、早慶戦は大フィーバーし6大学野球がプロ野球の人気を喰っていたかも知れないね~。兎に角、第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は忘れられない試合であった。
画像は決勝戦15回裏、右:最後の打者の飛球を見上げる駒大苫小牧田中投手。左は最後の打者を三振に仕留めガッツポーズする早実斉藤投手左。2006年8月20日写真。朝日新聞より)
参考:
斎藤佑樹 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%89%E8%97%A4%E4%BD%91%E6%A8%B9
スポーツナビ | 野球
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/hs/06summer/data/result/game16.html
早実 優勝の軌跡 : 高校野球 : スポーツ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/hsb06/sojitsu/