こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

九 点 一 々

2010-04-24 19:21:22 | Weblog
同時多発テロと呼ばれることとなった最初の破壊活動は

アメリカだけを

その攻撃の対象として

実行されたものであった


その後 他の国々でも

自爆テロがおきるようになったのは

アメリカの呼び掛けに応じ

多国籍軍を構成する派遣部隊として

その国の政府が

大義のないイラク侵攻作戦に加わったからであった

イラク戦争が始まる直前まで

フランスとドイツでは

アメリカの攻撃には正当な理由がない

という事実を

機会あるごとに繰り返し指摘しており

明確な態度で

アメリカの野望に

政権が入れ替わるまで終始批判的でありつづけた


この両国では

テロによる報復活動は

一切起きていなかった


アメリカを支持した主な国の首都

ロンドンとマドリッドでは

公共交通機関を狙った同時多発テロが実行され

多数の犠牲者を出した

テロ組織が問題としているのは

アメリカという国だけだったのだが

その枢要な支援国も

敵だと看做されるようになっていった


先進諸国をイラク戦争へと巻き込むことによって

アメリカはリスクを分散させながら

テロ組織を孤立させようと謀っていたのだったが

アメリカの戦略が奏功することはなかった

米軍の駐留期間を徒に引き延ばし

戦費を調達するための手段となっていたWTIを

高値へと誘導することにより

エネルギー資源のコストを5年に亘って高め続け

国際経済に大きなインフレ圧力をかけるという結果を引き寄せた


原油市場が高騰すれば

決済通貨であるドルの需要は増加する

市場でドルがダブつかないように

過剰流動性を速やかに回収する仕組みがつくられていたため

基軸通貨の発行権は

アメリカの戦闘能力を高めさせただけでなく

安全保障全般を維持するための資本としても使われた


世界は

ブッシュ共和党政権が続いていた期間を通じて

資源価格の高騰に苦しめられていたのだった

大統領の交代が確定的になったときを境にして

WTIは共和党の制御から解放され

急速に低下する状況へと転じている

その後政権がオバマの民主党に代わってからも

戦闘要員の増強が実施されており

更に

アフガニスタンへも派兵することとなったため

戦費を追加調達する必要に迫られ

原油相場は再び上昇するようになったのだった


資源価格はこの軍事展開が実施された頃から

上昇を再開することとなったのだ

アメリカは二正面作戦をとるよう迫られ

原油上昇に伴って需要を高めたドルの供給事業で

必要な戦費を確保せざるを得なくなっていった


米国民が増税を極端に忌み嫌うということは

医療保険制度採択の時にみられた顛末を

思い起こせば納得がいく

オバマに批判的な勢力が俄かに台頭するようになり

社会(茶会)問題化するようにさえなっているほどなのだ

オバマ政権は一期だけの短命で終わる

そんな可能性がきわめて濃厚になってきた


湾岸戦争でアメリカに栄誉を齎したパパブッシュが再任されなかったのは

公約違反の増税を実施したからであった

ブッシュジュニアは増税に依存しない戦費調達法を編み出したのだが

米国民は進展のない長期化した戦闘に倦み

オバマを支持する姿勢を急速に強めていくこととなったのだった

その新大統領が増税に結び付く医療保険制度の導入を決めたことから

保守本流を構成していた層が

新政権に反旗を翻すようになり

中間選挙で国民の意志をみせようとする形勢が

このところ俄かに強められるようになっている


アメリカというシステムを支えている米国民の意志が

社会主義化に反対し

増税につながる変更を許容しない

という認識で統一され

旧来の保守勢力が

財政赤字を膨張させる政策の実施に異を唱え

大統領を強制的に交代させる運動を

このところ急速に強化させている


アメリカが財政破綻をものともしない身分である

ということを承知しているのは

政権の中枢にあるごく少数に限られる

ドルの発行権がもつその絶大な効能を

国民に向かって語ることはできない

それは政権政党の上部構造だけが共有してきた

特別の権利

公然の秘密であった

説明できない特権を担ったというその微妙な立場が

米国民による政権交代圧力の源泉に

これからなろうとしている

まことに皮肉な経過が生み出されているというべきか


世界の信頼に背いてきたアメリカという名のシステムは

自国民にさえ真実を伝えることを拒まれている

テロの対象とされてきた唯一の国に

自らの安全保障を依存している日本の姿は

テロ組織の目に

どのような有様として映しだされているのだろうか

日本を先制攻撃しなければならない

とする動機とそれに足る資本を有する国家は

見当たらない

正当な理由なく特定の国を攻撃することは

できない

合理性に欠ける先制攻撃は

仕掛けた国を敗者にする

ベトナム戦争がそうであったように

また

イラク戦争がいま

そのアメリカを追い詰めているように


軍事力を拡大することに熱心であり続けてきた国は

軍拡のための費用を

ドルを売って獲得した利益を充てることで

直接的にも間接的にも

賄ってきた

ドルを買った国が貧しさを強要されるようになったその一方で

いつあるかわからない敵からの攻撃に備えて

最新兵器の開発に血道をあげているアメリカが

世界中に不具合の種を撒きちらしている

ということになるだろう


アメリカを先制攻撃しようとする国など

どこにもない

防衛することに資産と労力をつぎ込んで

当座の危機を回避することに

おおわらわ


アメリカの敵は

いまや

テロ組織と呼ばれる民間の意志

その集合体だけなのだ

国家間の戦闘は

不利益と損失とを同時に発生させ

破壊とそれによる犠牲者を残すだけ

戦争をはじめるための動機そのものが

すべての国には

一様に欠けている

経済成長を急ぐには

敵を作ってはならない

不在の敵に備えている必要など

まったくなかったのだが

恐怖症にかられているアメリカには

軍産複合体性を強化するという選択肢しか残されていなかった


敵対しようとする国家が不在となった現状では

テロ組織からの攻撃があった方が

アメリカは防衛予算を増やすのに

都合がよい

安全保障の必要性が増せば

アメリカに依存したがる国は増加する

日本はその最適な見本という役割を体現する国になっていた
 

理由なく攻撃を仕掛ける国など

存立し得ない

防衛目的で威圧的な態度をとる

というのが関の山

防衛努力を拡大するように仕向けていたのは

体面を保つ必要に迫られたアメリカの思惑

それ以外の何ものでもない


既存の枠組みというものは

とても大きな危険に

満ちたものになっている 
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学 習 効 果 ①

2010-04-17 11:16:14 | Weblog
基軸通貨の発行権をもつ国は

絶対に

財政破綻という状況に陥ることがない

その通貨発行権を有しつづけている限り

資本の供給に事欠くことがないからだ


現状を例にとると

ドルの発行権をもつアメリカは

財政赤字や貿易赤字



どんなに膨らんでいっても

必要且つ十分なドルを

自分自身で

勝手に

発行することができる能力を

身に備えており

いつでも行使することができる身分にある


財政破綻が起きるには

資本の供給が止められた場合に限られる

これは

国家であろうと

企業であろうと

個人であろうと

等しく

同じことなのだ

唯一の例外が

アメリカ

という名のシステムをもつ国


ドルが足りなければ

印刷して増やすまでのこと

発行し過ぎて余らせたドルがでないよう

国際金融資本という勢力にそれを回収させ

特定の国の通貨を買わせていくと

アメリカの望むドル安政策を実施しながら

海外のあらゆる資産を買収し

尚且つドルの新規発行が随時可能な状態を導ける

ドル資本と呼ばれる一群の勢力は

このバックグラウンドを利用して

最大効率で

投資行為を成立させてきた

富裕化する国と貧困化した国とは

因果律で結びつけられている


ドルの通貨価値を裏付けていた基準が

金から石油へと切り替えられたときから

アメリカが繁栄する一方で

急速に資産の流出が進む国が生れ出るようになったのだった

貧困化する現象が世界的にみられるようになったのは

ドル・ショックから後の時代になってから

70年代の中頃から顕著になっていた南北問題は

石油と武器を買ってきた国々から

固有に備わっていたその資産を奪い去り

軍産複合体性を肥育させるための資本へと置き換えられていった


アメリカが過剰供給したドルを強制的に売りつけて得た外貨で

海外の資産を買収し

可能なものは輸入して利益へと換えていった

ドルの過剰流動性をドル安政策でさっさと処分してしまえば

輸入量は単純に増加していく

アメリカの貿易赤字はこのようにして肥大していったのだった


日本や中国などの貿易黒字国に過剰発行したドルを押し付けると

円高や元高が直ちにおきる

日本では公的機関が非公式に為替市場に介入し

高められた円の通貨価値を

大量のドルを買うことによって

以前の水準近くへと引き下げる努力が

繰り返し行われるようになっていた

中国でも同じ経過がおきていたのだが

人民銀行では介入という方法ではなく

水面下で

通貨価値の調整作業が行われていた

その手法というのも

高められた人民元の価値を引き下げるために

大量のドルを買うという共通の戦術であった

この経過は中国の外貨準備高を

日本のそれへと三年程度追いつかせただけでなく

その後一年足らずの間に抜き去って

世界一の規模にまで高めさせる結果を生みだした


為替の交換レートを復元するために

買い進められてきたドルの使い道が限られていたために

その殆どがアメリカの公債を購入することに充てられた

中国では弊害の持つ意味を悟り

米政府の裁量で決済できる債券を購入するのではなく

最新兵器の購入費用へとそのドルを転用する

という経過が最近顕著になってきた

中国に軍拡するよう促していたのは

他ならぬアメリカのドル安政策だったということなのだ


アメリカは

ドルの過剰流動性を消すために

ファンダメンタルズの結果として外貨高を誘導し

そこで

ドルを新規に追加発行することができるようになっただけでなく

米国債の人気までが上昇するように仕組んでいた

アメリカが背負いこんだ債券販売に基づく累積債務の残高は

増加する一方で減ることはなかった

だが

帳簿上で利払いがきちんと行われていさえすれば

債権の償還を求められることはなかった

ドル建ての債権を取り戻そうとすると

一旦回避したはずの自国通貨高という現象を

自らの手で

再現してしまうことになっていたからである


アメリカが永年抱え込んできた双子の赤字は

米政府にとって

痛くも痒くもないことなのだ

ドル経済圏の拡充というプロセスは

アメリカの優越性をより高めるために

世界中の国を犠牲にすることによって

軍事力を常に最大化させておくという目的をもつ

堅固な土台となるはずのものであった

そのためのツールとなっていたのが

FTAを前提とするWTOと呼ばれる枠組み


ドルを中心軸として発展してきた経済システムが

一般に経済学と呼ばれるようになったのだったが

公平性に欠けた経済理論で構築された砂上の楼閣であったことから

2008年秋の金融危機では

呆気なく

その脆弱ぶりを露呈してしまうこととなったのだった


ドルの果たしてきた役割と

その功罪を判定する時期がきている

71年のドルショックから

今年の夏で40年になる

未来へと向かう道の門を開く前に

善と信じてまい進してきた一連の過去が

産み落とした醜いものの正体を

世界各国は

刮目して

見定めておく必要というものがあるはずだ

軍拡と貧困

そして

環境異変とが同時進行するというこの状況は

明らかに異常である


誤謬の種は足下にある

過去の失敗は進化のための踏み石

歴史に学ぶことができたとき

不具合は消え

遠ざけられていた繁栄が

いとも自然にやってくる


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換 る 枠 組

2010-04-10 10:02:40 | Weblog
世界は

あたらしい価値

の存在に気が付いた


核兵器をもつ

ということが

そのまま

核攻撃を受けるリスクにつながる

という

負の部分に

ようやく

着眼するようになったからである


これまでは核攻撃を実施した国が

過去の事実によって威圧し

核の更なる拡散を防いでいる

と思われていた

だが

結果は核をもとうとする国を増しただけのことであった

この粗末な経過というものが

次なる核保有国を生む母胎

になろうとしはじめていたその矢先に

価値の転換がおきたのだ


アメリカに恫喝されたことのある国では

こぞって核を持たざるを得なくなっていた

核兵器をもつことによって

既に

アメリカと対等の関係になった国では

結果として

アメリカを譲歩させる方法を

難なく手に入れた

世界はこれを現実として理解した

この経過が産み落とされたときから

文明は多くのことを学んできた


この先例に倣えば

どの国であっても

アメリカの核を怖れる理由はなくなり

安心して

対等な外交々渉を

可能ならしめる関係を築けるようになる

ということ


核保有に関する罰則を強化しても

所期の効果は得られなかった

制裁というその方法では

逆の結果

つまり

核の保有を急がせただけだったのだ

望ましからざる結末だけが

現象化する

という循環へと嵌り込んでしまっていたのだ


核が

安全保障を成り立たせる唯一の手段

と考えられているかぎり

これら一連の経過の持つ意味を知る国家は

これからもっと増えていく

核の廃絶は

絵に描いた餅

という現実を単に補強するのみ

という顛末が繰り返し訪れる

核は

反米国家の必需品になろうとしていた


この旧世紀が生み出した理に欠ける認識は

平和の実現をまさしく遠ざけていた

不正な理念は

夙に限界に達していたのだ

問題の所在が那辺にあったのか

ということを調査した末に

新たな方法が模索されるようになり

核保有国だけが核攻撃の対象となる

という合理的かつ有効な枠組みが

漸くつくられるようになったのだった

この選択は

これから世界の様相を変えるきっかけとなり得る


しかしながら

既に核をもっている国から

核を取り去る効果はゼロなのだ

アメリカが怖れているのは

核による報復の連鎖

という可能性


平和本位制は

核保有国が不利になる条件で機能するメカニズム

核弾頭が一発でもそこに存在しているのなら

資源を消費しないエネルギーシステムを購入するには

高い交換比率で

所定の決済通貨を求めなけれならない

譲渡契約そのものが成り立たなければ

低廉なエネルギーを手に入れることは

できない

高いエネルギーコストで経済成長を促すことは

できない


核爆弾の数が問題であるという訳ではない

非核保有国と同じ条件で未来のエネルギーを手に入れるには

核の完全なる不在を

自ら立証しなければならない

ということなのだ


軍事予算の比率がゼロになっている国を基準として

平和に対する寄与度が通貨交換の場に反映される

というのが

あらたに導入される予定の

健全な

通貨交換という枠組みのあるべきすがた


軍事費と核を共にもたない国だけが

最も有利な

条件で

環境負荷のない

最も優れた

エネルギーの自給自足体制を

最も早く

その国に確立することができるようになるだろう


そのシステムを供給する拠点をどこに置くか

ということが残された当面の課題

文明にとって

最終選択の機会を

誤った認識によって狂わせてはなるまい

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温 存 療 法

2010-04-03 11:16:30 | Weblog
有効解が何かということを

人類が見出すようになった

とき

ひっそりと静まりかえった地球の姿ではなく

活気にあふれた美しい惑星の姿が

この太陽系に現れる


遠い目標とされていた

恒久平和の実現が

目前のものとなる

そんな時代がついに

地上へとやってくるのだ


平和本位制という枠組みは

あらゆる国から軍事予算の項目を

最終的に

消し去ることを目標としている


温暖化を惹き起さない低廉なエネルギーモデルの国際取引は

既存の通貨メカニズムの上で実行されてよいのだが

このシステムを漏れなく行き渡らせるには

特定の国を対象から外してはならない

誰でも自由に

このエネルギーシステムを導入する

ことができるようになっていなければ

エネルギー・ルネッサンスの意味がない


違いがあるのは

交換レートの比率だけ

現在の枠組みでは

需給バランスで通貨価値が決められている

現行制度はドルを基軸通貨とすることによって成り立っており

当該通貨の発行量の推移によって

過剰流動性を一方的に募らせていくという弊害を生み出した

08年秋の金融危機はその果てに産み落とされたもの


ドルという名の通貨への偏りが導いた不具合をなくすためには

第三の通貨を速やかに創設し

真に公平なやり取りを通じて

国際間の決済が行われるようにしていく必要がある

環境負荷のないエネルギーシステムの供給権を持つ組織は

新設の決済通貨を供給するその決定権を留保する


このあたらしい仕組みは

石油の価値で裏付けられたドルに代わって

低廉で優良なエネルギーで

第三通貨の価値を裏付けるためのもの

通貨交換の場で重要な指標となるのが

国家予算に占める国ごとに異なる軍事予算の割合

軍隊と兵器を持つことを完全に放棄したコスタリカを例にとると

原価と諸経費に加えて

若干の利益だけで供給が可能になる

ということ


その他の国では軍事予算の規模に応じて

平和を導くためのコストを上乗せされることになる

経済発展を急ぐには

軍事費を率先して削減するよう努めなければならない

軍事大国であればあるほど

このエネルギーを手に入れる条件はより高まっていく


温暖化を止める効果を正しく引き出すには

再生不要エネルギーを採用する以外に

残された有効な道は

ない

原子力発電は効率的であるが故に

需要の減った深夜でも意味のない発電を行っていなければならない

燃料電池は高価で扱い難い水素を資源とするものであるため

経済合理性に著しく欠ける

知られざる副作用として

水素の酸化物である水の絶対量を増やすことになり

大気を次第に湿潤化させながら

雲の密度を高め

降水量を増加させていく

地球そのものを

最終的に

水没させてしまうのだ

これがが水素エネルギーシステムの本質にあるもの

天然ガスは

炭素と水素からなる化合物

温暖化を進める二酸化炭素と

水素の酸化物である水蒸気を

大気中へと同時に放出することによって

低気圧を発達させ

ゲリラ豪雨を世界各地で生み出すような状況を導いた


温暖化を止めるためには

資源に依存しない電気エネルギーが取り出せるようにしたら

それでよい

決して不可能なことでも

難しいことでも

ない

問題の所在を知れば

いとも容易な仕事なのである

発電機の仕組みを知っていれば

それが電磁誘導の法則によって

電流を生み出している

という事実とであう

問題は回転運動を与えるための一次エネルギーをどうするか

という一点のみに絞られていた

重要なのは磁場変化


この製品が普及するような時代には

経済を成長させるための必須のデバイスになる

ということが

誰にでも理解されるようになっているだろう

要するに

繁栄を獲得するためには

兵器を手放さなければならない

ということに尽きるのだ

地球を健全化するための条件は

これひとつ

旧弊なエネルギーモデルにしがみついている国は

経済成長から見放され

相対化されていくことによって

より早く衰えていく


ドルの過剰発行を継続するために

石油価格を高値へと誘導していくという現状が生み出され

それがこれからも放置されたままになっているのだとすると

ドル余り現象を再び募らせていくことになる

市場でだぶついているドルを

速やかに回収する必要により強く迫られるようになるからだ

そこで過剰発行されたドルを用いて

人民元や円

その他の国の通貨を

国際金融資本に買い占めさせていく

という経過が生み出されることとなったのだった

このように原油相場を高値へと誘導していくと

アメリカはドルを

新規に

いくらでも発行することができるようになる


ドルの通貨価値を引き下げるドル安政策を

アメリカは

ファンダメンタルズの結果だとして

説明する機会あるごとにそう断言してきた

ドル資本がやってきた国で

経済成長率が

ドルを調達するその金利より低くなっている国では

外資による投資で資本量が増やされても

利潤の回収がそれ以上早く進むようになるため

国内で流通する資本量は

次第に薄っぺらなものとなっていく

国内の市場で回るはずのカネが

逐一ドルへと戻されて還流していくため

その国の産業は全般的に活力を失っていき

国民は所得水準の一方的低下に喘ぎながら

デフレを進める負のスパイラルを強めていった


ドル安政策の推進が決まった85年秋から

円はドル資本によるドルの安売り攻勢を受け

理由のない円高に見舞われるようになっていった

その対策として円を売ってドルを買わざるを得なくなったことから

買い取ったドルで米国債を購入する仕儀へと陥ったのだった

国が買ったドルの総額のことを

外貨準備高という

要するに

ドルを過剰発行してきたアメリカという国のシステムを支援するために

決して取り戻せないドル建ての資本を

塩漬けにしたまま放置しているというのが

ドル安政策を仕掛けられた国が強制される状態なのだ


ドル資産を処分することは可能なのだが

それを円に戻すことはできない

アメリカ国内で循環する資本となるばかり

ドル資産を円転しようとすると

回避したはずの円高が

政府日銀自らの手によって

再現されてしまうことになるのだから


不具合の根源は

石油・ドル本位制を拡大してきた国際経済の在り方そのもの

の中に潜んでいる


平和本位制への変更は

歴史の必然

というべき事象なのである 
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