こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

因 果 応 報 ②

2009-06-28 06:23:46 | Weblog
平和状態の実現を遠ざけていたもの

それは

ドルという名で呼ばれている世界の通貨



その発行権を活用することができた

アメリカと呼ばれている国にあった行動規範

及び

防衛に関する抜きがたい

強迫観念などの相互作用のアマルガム


基軸通貨となったドルの発行権をもつ国には

通貨価値の制御を可能にする権能が賦与される


現在の通貨システムでは

ドルの発行権をもつ国であるアメリカには

世界中の国々から

ドルを求めて資本が集中する

アメリカに富の一極集中がおきているのは

石油消費国の通貨が

ドルを求めてアメリカへと押し寄せてきたからだった


需要が高まっているときに

供給がなされなければ

そのもののもつ価値は 

増大する


ドルを切実に求める国ができているのは

石油の決済がドル建てになっているから

エネルギー資源である石油を買うためには

決済通貨であるドルを調達しておかななければならない

アメリカに

世界の富が尋常ならざる速度で集積するようになったのは

金本位制から一方的に離脱した

1971年夏から後に起きたこと


ドルを求める資本がアメリカへと一斉にやってきたため

アメリカはドルを大量に供給しなければならなくなったのだ

需要を超えた供給があれば

ものの価値は下落する

基軸通貨となったドルの価値は

マネーサプライを調節することで

米政府の意向により

為替市場を自在に制御することができるようなものになっている

その役割を果たしていた組織が

ドル資本と呼ばれていた一群

所謂国際金融資本という名で呼ばれているグループ


石油消費国からの外貨がドルを求めて為替市場へと殺到すれば

ドルの価値は 瞬時に高まる

ドル高という状態は

アメリカにとって輸入条件を有利にする程度の効果しかない

だが

ドル安なら

世界中が欲しがっている米国債の債務負担を

値下がりしたその分だけ

間違いなく引き下げる

要するに

アメリカの借金はドル安政策の履行で軽くなるのだ

基軸通貨であるドルは

金の裏付けがなくても

ドルショックで

アメリカが自在に青天井で発行できる通貨となっていた

基軸通貨というものは

国際需要を円滑に満たすものでなければならない

アメリカがドルの発行量を抑えれば

即ち

ドル高という為替市場が実現するのだし

反対に

ドルの供給を過剰なまでに拡大すれば

ドル安という為替相場を演出することができる

ドルの発行量を決定するのは FRBの裁量ひとつ

石油価格がWTIで高騰すると

決済通貨であるドルの需要は自動的に拡大する

米政権は 

ドルの追加発行が必要になると

WTIの相場を高値へと誘導する慣例が作られていた

高騰と下落のサイクルを

ドル資本の投資判断で機能的に制御し

その経過をファンダメンタルズの結果であるとして

米政権は事あるごとに 喧伝していた


このドルの発行権を恣意的に使い

世界の保安官という役割を果たしてきたのが

歴代の米政府

ひと頃はイデオロギーの対立が極まって

一触即発という剣呑な状態になっていた国際関係は

1985年秋のドル安政策を合法化するための会議で

ドルが高くなり過ぎることのないよう

先進五カ国が協調して

市場介入するという合意を成し遂げた

このプラザ合意と呼ばれるイベントの後になってから

国際市場の動向はアメリカが意図した通り

双壁の一方であった

ソ連型の緩慢な計画経済圏に対し

致命的な差を付ける打撃を与えることとなったのである

資本の論理は

その後六年で

共産主義を自己崩壊させるまでの状態へと追い詰めた

世界地図からソ連の名が消えたのは

1991年暮れのことである


その前に東西ドイツが先に統一され

その後

ロシアが誕生したことによって

ドル経済圏は急速に拡大することになったのだが

その恩恵を受けたのは

二期八年続いたクリントン政権ではなく

後を襲ったブッシュ・ジュニアと呼ばれる最悪の政権であった

アメリカの財政は政権移行時に

大幅な黒字をブッシュ新政権へと引き継いだのだが

ブッシュ・ジュニアは9・11の報復として

その資本を軍事力の拡大で

あっという間に使いきってしまったのだった


イラクで戦闘を開始したのは

その後になって起きたこと

ありもしない大量破壊兵器の存在を理由とした

単独行動主義と呼ばれている一方的な攻撃が始まったのは

テロ組織を山中へと追い詰めて置きながら

呆気なく取り逃がした一年ほど後のこと

アフガニスタンのはげ山に

テロ組織の領袖を追い詰めて置きながら

優秀なことで知られる米軍が

重篤な症状を抱えていた病人と

年老いた宗教指導者とを

揃って捕縛することができなかったのである


テロ組織の脅威を米国民に知らしめておけば

米国民の報復意欲を一つに束ねて

テロの撲滅へと仕向けることが容易にできる

それには

テロ組織が生き残っている

という危険な状況が維持されていなければならなかった


イラク戦争がテロとの戦いという名目で行われていた事実は

その間の事情をよく物語っている

米軍をイラクに長期駐留させておくためには

ドルを大量に発行することができていなければならない

どの国もアメリカにドルを融資できる財政状態にはなかった

そこで

原油相場を五年の永きに亘って高め続け

ドルを大量発行しながら

市場でダブついたドルをFRBに金利を引き上げさせて回収し

ドル資本へとそれを引き継ぐことによって

日本や中国の資産を買収するための手段としてきたのだった


ドルを売りつけられて望まないレベルの円高となった日本では

為替相場を元の水準へと戻すために

円売りドル買いを頻繁に実行しなければならなかった

日銀が買った大量のドルは

米国債を買うための資本として専ら使われている

その総額のことを 外貨準備高という名称で呼ぶならわし


ドル安攻撃を仕掛けられた国では

否応なしに米国債の保有が増えるのだ

これが

米政権に議会の承認を省いて

自由に使える軍事予算を与えていた手口であった


平和を実現しようとすればそれが簡単にできたアメリカでは

その努力を怠って防衛予算の拡大を図るための具体的な脅威として

テロ組織の殲滅という新たなテーマを実行するようになったのだ

ドルの発行量を最大化したことによって

イラク戦争が遂行されていた間に

ドル余り現象が世界市場に蔓延するようになっていった

その結果としてドル経済圏に与っていたすべての国では

ドル建ての在外資産を無価値なものへと貶めることとなったのである

信用収縮という正反対の結末を国際経済が与えられたのは

アメリカの思惑に無批判な姿勢で従っていた先進諸国の指導者たちに

正しい判断ができていなかったからである

金融危機を起源とする地球規模の不況は

100年に一度という莫大な損失をドル経済圏へともたらした


ものごとの本質を観ることができなければ

災いがすべての当事者へと降りかかる

政治指導者の罪は 投票した国民全体で負わなければならない


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弗 安 政 策

2009-06-20 07:28:10 | Weblog
石油に代わる新しいエネルギーを得た者には

世界を平和へと導く役割がやってくる

その組織が属する国には

世界の経済を左右する権能が賦与される

文明がこれから遭遇するラストチャンスを手に入れるのは

どの地域のどんな国なのだろうか


未知のエネルギーを得てそれが可能になるとする確率は

きわめて 低い

熱核融合炉は いつまでたっても

50年先の実現という目標を縮められないままである

共同開発から離脱する国が一つでもあれば

壮大な国際プロジェクトは振り出しへと戻される

大電力を中央で管理する制御方式は

交流の高圧送電の継続を絶対的に必要とする

交流送電は 変電所を電流が通過しようとするとき

電圧を変えた電流を 地場から誘導で生み出す方式をとっている

このプロセスでは

一次側高圧電流が磁場を形成するための励磁電流となり

そのままコイルを経て地の底へと消えてゆく

その代り

誘導電流があらたに生まれ出るという仕組み

地球が吸収する電流は 増えるばかり

惑星の磁場は 次第に強められていき

温暖化とは別の 新たな課題となって文明をやがて襲うことだろう


現状を眺めると

石油資源を制御する立場にあるアメリカのドルが

基軸通貨として世界中で流通するようになっている


ドルショック以降

金本位制から一方的に離脱したアメリカは

金に代わる価値の代表として

石油を選んだ

これが

後に石油・ドル本位制と呼ばれる通貨システムを築くことになる


ドルの発行権をこうして反転強化させてきたということが

アメリカという国を世界の保安官へと押し上げた

これで世界が平和になったかというと

決してそんなことはなかった

世界を二分していた一方の雄となっていたソ連と対峙するために

アメリカは 戦後基軸通貨となったドルの発行権を用いて

軍事力の拡大へと奔ったのだ

均衡していた戦力が平衡状態を失うと

力による優劣の差が明白になる

政治指導者たちは国の安全を保障するために

どちらの陣営とも

軍事予算の増大へと傾いていかざるを得なくなっていた


これが

軍拡を止まらないものにし

核を拡散させる展開から

21世紀の今日でも 抜け出せなくしている


20世紀の不幸は

平和状態を確立するために

軍事力を増加させなければならなかったという歴史の必然に

ある

85年秋のG5から急速に進んだ資本の移動

ドル売りを手段とする外国資産の買収

即ち 協調介入によるドル安政策の実施 が

プラザ合意として

市場経済と計画経済との間に当時できていた埋めがたい溝を

急速に拡大する結果をはしなくも生みだすこととなったのである


経済成長を結果としてナオザリにした共産圏の連邦国家は

呆気なくその後6年で自壊することとなったのだ

1989年の晩秋にはベルリンの壁が先に崩れ去り

1991年の暮れには コムニズムの失敗が明確となった


ソ連が地図上から消え去ったあとも

アメリカは軍事予算を縮小する道を選ばず

戦闘能力の質を高める方向へとシフトした

軍産複合体性ができあがっていたことから

経済成長を急げば

防衛力が自動的に高まるというシステムが

自由主義諸国の経済成長を促すようになっていた


軍拡基調が一向に改まらないのは

ドル経済圏そのものが

アメリカに富を集積する構造をもち

ドルの発行権に合理性を与えるために

WTIで原油価格を変動させることによって

ドルの需要水準を制御してきたこれまでの歴史がもたらしたもの


米政権が一貫してとり続けていた

ドル安政策には

ブレトンウッズ体制から連綿と続く歴史が

関与している



原油相場が高騰すれば

決済通貨であるドルの需要は その分だけ高まる

ドルを供給しなければ ドル高外貨安の状態になる

ドルの価格を安値へと誘導するには

発行し過ぎて市場に滞留しているドルを

どこかの黒字国に売り付けてしまえばよい

原油相場以外の市場でドル売り活動を推進すれば

ドルの追加発行が青天井で可能になる

そして

外貨高 すなわち ドル安が実現するというメカニズム


ドルの追加発行が可能である限り

アメリカにはドルの供給益が

いろいろな形で積み上がる


ドル安政策の実行に欠かせないのが

国際金融資本という名で呼ばれる組織

破局の直前まで 

FRBが公定歩合をきめ細かく上げ続けていたのは

市場でドルを滞留させることなく

速やかに回収する必要性があったからである

回収したドルを国際金融資本へと預け

ドルの価値が高い状態の時に特定の外貨を買わせると

ドル安外貨高 という状態が簡単に実現したからだった


ドルの通貨価値が下がっていれば

ドル建ての債権の価値も下がるため

アメリカの債務はドルが安くなったその分だけ

圧縮されて小さくなる


アメリカの借金は

ドル安政策を続けている限り

時とともに小さくなっていく仕掛け

ドル売り活動の結果

為替市場に介入した外国の中央銀行は

買い取った膨大な額のドルの処分に事欠き

米国債を大量に購入するように導かれていった

こうして議会の承認を経ずに

米政権は独自の判断で勝手に使える巨額の資本を手に入れてきた

資本調達の方法は たくさん用意されており

投資機会がなくても 

ファンダメンタルズの結果として

強引にドルを売りつける手法が一貫してとられるようになっていた


この資本は国内市場を賦活するために使うこともできれば

財政以外の広範な分野で

巨額の支出項目を政権に即決させるという機能性を帯びていた


ドル経済圏の強化とその拡大を目指す一連の政策は

国際市場全体を活発化させるだけでなく

実在しない敵からの攻撃意欲を喪失させる効果がある

と 広く信じられていた


国際市場で最終的に起きていたことは

ドル余り現象がサブプライムローンを破綻させる契機となり

世界を軍拡競争へと追い詰めながら

軍需産業に市場規模の拡大という報酬を与えたその一方で

エネルギー資源を求める貧しい国に対しては

石油の代金をドルで決済するよう強制し

獲得したローカル通貨を手段として

投資買収活動を強化することとなったという事実などが

雄弁に物語っている


ドル資本が投資活動を行った国は

確実に貧しくなるのだ

南北問題が際立つようになったのは

石油の価値が金の上位に収まったドルショックの後になっておきたこと


ドル資本の決算は 年四回

世界中にドルを売りつけて獲得してきた収益は

三か月以内にその総てがアメリカ本国へと送られる

眠っている無駄な資本など 損失以外の何物でもない

資本の論理は 遊ばせておく金の存在を認めない

こうして

その地域の市場で回るはずだった巨額の資本が

大挙して米本土へと還流していったのだ

ドル資本による投資の対象となった国では

短期間で資本の厚みを失って

まわるべきカネが市場から消え去る

という事態へと陥る結果だけが待っていた


日本のマーケットの現状をみれば

その症状が顕著であるということがすぐ分かる


理非善悪を超越した歴代内閣がのとってきたこれまでの政治姿勢は

国民の暮らしと財政状態とを 

1990年四月から

すっかり劣化させてしまうこととなったのである

戦後一貫して

アメリカの言いなりになっていたという過去の事実からは

政府内閣自らが

国民のもっていた豊かさを取り上げる実行主体となっただけでなく

金融危機を起源とする国際経済の収縮による

世界同時不況を生み出すという結果の実現に与ることとなった

という経過のあり様がよく伝わってきたものだ


政治の急速な劣化は 国と国民をいま

大いに苦しめている

問題というのは

なお自覚のないままの政治家とその認識能力の欠如にある


労働環境の急速な劣化という現実を見

その経緯を具に知ることができたとき

はじめて

バブルを潰す目的で行った政策判断の誤謬と

その後

外資導入を決定した内閣が犯した罪の深さというものを

誰もが 卒然として理解するようになるだろう 
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革 命 前 夜 ①

2009-06-13 07:50:44 | Weblog
あたらしい電気自動車のコンセプトが先般公開されたことにより

自分のもつ運動エネルギーで 

自家発電しながら走りつづける移動体が

近い将来 

この星のどこかに登場するようになる


そのとき


世界を代えるきっかけとなる変化が

ドル経済圏の中に生まれ出るだろう

革命的な変化は

電気自動車の完成を待って

その後 急速に進みだす
 

すべての移動体には

利用されていないエネルギーが

たくさん残されている


移動する物体には

慣性エネルギーが潜在化された状態で帯動している

それが車輪で動くものであれば

回転の運動エネルギーが

顕在化した部分で 円滑な移動を可能ならしめている


回転するものがそこにあれば

電流を生みだす発電機にすることができるのだ

古くから風車や水車が回るその力で

小麦などの穀物を

粉にするための動力として使われていた


現代では

水力発電や風力発電などのように

電流を生み出すためのシステムとなって普及している

水力発電では

交流送電の黎明期から 永年発電実績を積んできた

風力発電では 

温暖化防止対策の一つとして採用され

自然エネルギーの普及に 大きく貢献しているほどである


回転する機構が電力源そのものであるということは

誰もが知っていることである


車輪のある移動体は

その回転する力を運動エネルギーとして利用している

それが乗用車であれば 

四つついているタイヤが回ることで

移動を円滑に推進する仕組みを成り立たせている

これは 風力発電装置と同じものが
 
自動車には昔から四台も備わっていた 

ということ


この回転する運動エネルギーを

一度も有効利用してこなかったという未開の文明が

温暖化する一方で

一向に止まろうとしない地球の現状を生み出した

輸送分野で排出した二酸化炭素の割合は

一貫して30%弱という水準を保っている


車輪の回転に秘められた運動エネルギーから

電流を引き出せるように改造してやるだけで

ガソリンを消費せずに 

オイル交換もいらない

どこまでも走ることができる電気自動車を

文明が製造することは

何年も前に 

できていた


未利用エネルギーが移動体にも潜んでいたということを

文明がもし察知していたのなら

石油をめぐる様々な異変が

起きるようなことはなかったであろう


イラク戦争も起きていなければ

原油の高騰も また 起きず

マネーサプライを当局が公表できないくらい

ドルが増発されるような事態にも陥ってはいなかった


過剰流動性をもつドルの濫発で

無秩序な市場創出を図ったということが

ウォール街の相場を高値へと誘導することに寄与し

更に

サブプライムローンのデフォルトまでを生みだすこととなったのだ

原油高の高騰が更なる投機マネーの流入を呼び

昨秋ついに

金融システムの不備を突いて

信用収縮を惹起させることとなり

世界同時不況を勃発させることとなったのだ


ドルを濫発してもアメリカ経済がインフレにならなかったのは

ドル安政策がうまく機能していたからであった

市場でドル余り現象が顕在化しても

余ったドルの多様な仕向け先が 予め用意されていた

ドル通貨そのものが

投資のための手段となるように以前から配慮されていたのである

濫觴を辿ると

85年秋のプラザホテルでのイベント

そして

71年夏のドルショックへと行き着く


すべての投資行為は

ファンダメンタルズとして

鍋の中の濃厚なスープとなるのだ

渾然一体となった資本の味は

アメリカを過剰消費社会へと変え

政府と国民とを陶然とさせていたのだったが

ドル需要国に対しては

資本の流出を生み出す根本原因を与えることとなったのである


世界中からアメリカへと集まってきた外貨は

余ったドルを世界中に分散し 

更にもっと多くドル消費国へと捨て去ることを可能にした

ドル安政策の結果として

アメリカは己の債務残高を一貫して軽減していく一方で
 
米国債の追加発行を可能にする

ドルの需要水準全体を引き上げ

外国政府とその中央銀行に

ドルを大量に買わせるための合理的な理由を与え

余ったドルを押しつけながら

米国債を大量に買わせるよう仕向けたのである


国際収支の黒字国を 見掛け上の債権保有国として放置し

外貨準備の残高を徒に高からしめていったのだ


その一方で

国防費の増加を促すために 

ありもしない敵からの攻撃をイメージさせ

南北問題に代表される貧困の拡大を
 
同時平行的に派生させてきたのだった


全体が100となっている系では

一方の増加は 他方の減少を意味する

アメリカの一方的な繁栄は

貧困化する国の拡大を前提としてなりたっていた


米政権とFRBが

ドルをもっと濫発したとしても

市場機能がその結果として
 
過剰発行して余らせたドルを速やかに回収し

それを外国の資産を買収するための手段として使うことができたのだ

ドル資本に外貨を買うように仕向けてやるドル安政策をとり続けていれば

様々な再投資活動に

ドルのもつ本質である過剰流動性そのものを

世界中に振り分けていくことが可能な状態になる

そんな仕組みが
 
かねてからドル経済圏の底には予め構築されていたのだった


アメリカがことあるごとに

為替相場の変動を

ファンダメタンルズの結果だと言い張っていたのは

米政府が為替操作を行っていないということを

同盟諸国に対し証明してみせる必要というものがあったからだった


ドルの発行権を活用するためには

原油相場を決定する市場である WTI で

取引価格の上昇が起きていれば よい

それには

需給のひっ迫感をマスコミにリークし

投資資金の流動化を促してやる必要というものが
 
あったのである


アメリカのローカル市場に過ぎない小規模なWTIなら

僅かな投資資金を集中させるだけのことで

価格の高騰を容易に誘導することができる

WTIのシェアは 世界市場全体の3%以下の規模に過ぎない

この小さなマーケットに

世界中から資本が集中するようになるというだけで

原油相場は簡単に大きく変動してしまうことになる

破局の直前には そんな経過が記録されているのである


ドル安政策と原油高とは 

二つで一つとなる戦略なのだ

アメリカがどんなに借金を重ねたとしても

債務不履行に陥らないのは

ドルの発行権をもっているからだ

アメリカに資金を貸すところがなくなったとしても

米政権は 困らない

借りる必要性そのものが

まったくなかったからである

ここに基軸通貨のシニョレッジをもったことの優位性が

顕れている

基軸通貨として地球全域で通用しているドルは

アメリカが望めば

必要なだけ すぐ簡単に手に入るようなものなのだ


発行済のドルを再投資してきた勢力が

いわゆる

国際金融資本と呼ばれる組織であった

ドルを再利用するための複数の手法を

あらゆる市場で展開してきたのだったが

昨秋の金融危機で その多くが淘汰されてしうこととなった

生き残った組織が

ドル安政策の実行役として

再び

国際市場へと登場する機会がやってきた


原油価格が最近上昇に転じたという変化は

その予兆だったのである


ガソリンも電力会社の電気も共に必要としない

自分で発電しながら走る稀有な能力をもつ電気自動車は

充電するために停車している時間さえゼロにし

いつまでも

どこまでも

走り続けることができるもの


この低廉な価格で買える環境型の移動体が市場投入されると

ドル安政策の続行は次第に困難なものとなる

不公平な制度であるアメリカ型資本主義経済というものは

温暖化の停止とその後の環境の回復の実現と共に

その終焉を 

やがて

静かに迎えることとなるだろう
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虚 偽 虚 妄

2009-06-07 08:12:11 | Weblog
二酸化炭素濃度が増加し続けるというこの現実を

人類がやむなく受け容れる気になるのは

五年以上先の はなしになりそうだ


しばらくは

世界中で

有効だと信じられている太陽光発電の

量的拡大に勤しむ日々が 営々と続けられるだろう

どんなに太陽電池を世界中にたくさん普及させていっても

大気中のCO2濃度は

確実に 上がり続けていく

減るなどということは 

絶対に

おきない


これまでが まさしく そうだった

これからも おそらく そうだろう

実効の不在は 雄弁である


問題の所在が見えていないと

尤もらしい手を打って

それでうまくいくはずだ

と 思い込み

効果の有無を確認することなく

牢固たる方法に縋りつく

他の選択肢があっても

それに益々気づけなくなっていく


根拠なき確信は 虚妄

人類は 自らが陥ったこの現実を

未だに理解することが

できない


温暖化する一方という状況が現実にありながら

それが

一向に改善されていないにも関わらず

信じた方法が間違っていたのかも知れない

と疑ってみることさえ 一度もしなかった

実効がなかったというその理由を辿っていけば

そこに待っていた真実と

すぐにでも出会っていたはずだったのだが


誤った認識をそれと知らずに抱き続けていると

望ましい結果は

間違いなく

得られない

反対に

望ましからざる結末を 

手に入れてしまうことになる

不具合に充ち満ちているこの現況こそが 

その雄弁な証拠なのだ


温暖化は 間違いなく 

止まらずにこれからも悪化する

この経過を ひたすら 続けていく道を文明は選択した

道理がないものは いつになっても実現しない

妄想と決別しなければ 衰弱の果ての死が待っている


発電で消費した化石燃料が

節電を行えば応分に減る

という理屈は どうみたところで

成り立たない


止めておくことができない交流電流を

節約しても

余らせた電流をただ地の底へと捨て去るだけのこと

変化し続ける要素である周波数をもつ交流電流が

もし 止まってしまったのなら

周波数もまた 存続することができなくなるからだ

これは

交流電流のもつ鉄則



太陽電池が生み出した余剰の電力を

電力会社が有効利用するためには

トランスから下流の部分で

電力消費という需要が 

同時に発生していなければならない


トランスの高圧側コイルを流れる電流の電圧は

低い地域では 6600ボルト

高い地域では 7700ボルト

もあるのだ


この巨大な差で作られている電圧の壁を

太陽電池が生んだ100ボルトの電流は

乗り超えていかなければならない

66倍の電圧を獲得することができた電流のみが

電力会社の配電系統に

逆潮流を生み出すことができるものとなり得る

電流を成り立たせるためには そこに電位差が設けられていなければならい



トランスに逆流を可能にする二次コイルが設置されているのなら

自然エネルギーの有効利用は 確かに可能だといえるだろう

だが

トランスの二次コイルが

6600ボルト以上の高圧を生み出しているとする証拠は 

どこにも ない


電力会社は余剰電力を買い取るだけではなく

その電力が有効利用されたことを

データで証明するべきである

理に合わないことは

その一切が不合理と呼ばれる


電力会社が対価を支払っているという理由だけでは

それが

有効利用されたということにはならない

損を承知で買い取らざるを得ない状況が与えられていたのなら

経済原則に反することは起こり得る


国民が余らせた電力が 他で有効利用されていたのであれば

二酸化炭素が増え続けていたのはどうしてなのだろうか

思考力を涵養してこなかった知識偏重型の教育制度は

このような

単純な事実をみようとしない階級を大量に生み出した

温暖化の悪化と国民生活の劣化との間には

紛れもない相関が存在する

ここに気づくことができなければ

子供たちの未来は 自動的に

消え去るのみ

選択を誤ってはならない 
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