こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

判 定 基 準

2020-05-31 06:42:06 | Weblog
アレルギーという状態にあることを

抗原抗体反応と呼ぶことがある

細菌やウィルスなどの異質な因子

が体内に侵入したとき起きる

それは所謂

拒否反応として知られている


生体移植の時にみられる

拒絶反応も同じメカニズム

が引き起こす自己免疫系の暴走

として心臓移植などの際の

経過観察の要点のひとつ

となっている


侵略する側の病原体と

される側の生命体

との間で起きる

相克の戦闘

としてよく知られている


新型コロナウィルスによる死者

の数が日本では異様に少ない

という指摘がなされるようになっており

ミステリアスな事態

であるということについて

問題として提起されている


Xファクター(未知数)という表現で

多くの分野でさまざまに

取りあげられるようになってもいる

その候補の一つとして

BCG接種にかかわる何らかの相関

について確からしさの確認

が求められるようになっていた

早い段階でその可能性のあることが

話題となって広まった


地域固有の風土病という要素

も考慮しておく必要性も見逃せず

特定することのできない

なんらかの直接的

または間接的因子の影響の関与

を拭いきれなくなっている


木造建築の需要拡大という変化が

戦後復興期から日本で高まっていて

生育の早い杉の植林に

日本中が取り組むようになっていた

日本の山林は杉や檜なの常緑針葉樹

で占められるようになっていき

その偏った集中と分散が

スギ花粉症に感染する日本人

を大量生産する

という弊害を最近

頓に生みだす事態となっている


このスギ花粉によるアレルギー症状

が昭和三十年代以降

急速に社会問題化するようになっていて

現在ではそこにヒノキ花粉も加わった

夏の終わり頃には

ブタクサなどもアレルゲンとして加えられ

敏感な人ほど不幸なことに

一年中マスクの装備が欠かせない

という状況に追い込まれてしまった


アレルギーは人体にとって

異質な外部因子として認知されたアレルゲン

に対する人体に与えられている対抗措置

として機能する仕掛け

侵略を許さないためのこの抵抗運動を

血管やリンパ管の内部で

抗体を組織して最前線へと増派する

仕組みを起動させることとなる


この抵抗運動を生みだすのは

抗原が体内に侵入したことを

生命維持機構が察知したとき


抗体の一群が臨時招集され

徴兵制が急遽敷かれ

それが正しく機能したとき

免疫機能が賦活されることとなり

外部からきた異物である侵入者を

抹殺することで恢復を急ぐようにする

ための任務に着手する


いわば外部世界からやってきた侵略軍

に対する生命体防衛軍の戦闘

が細胞内部への入り口

を中心にして展開される

抗原抗体反応とされている


コロナウィルスは球形の乗り物の中に潜み

タンパクスバイクと呼ばれる突起を介して

細胞核内部へと侵入する

抗体はこの通路となっている

スパイクの入り口に蓋をして

ウィルスが核の内部に

入りこめないようにする


抗体保有者が二次感染しない

とされているのは

導入路を封鎖する機能が働くからだ


花粉症にみられるクシャミやハナは

外部因子を体外へと追い出すための

応急措置


ここを突破されてしまうと

細胞核内部への侵入を許し

ウィルスの増殖がはじまって

培養が急速に煤でしまう


RNAやDNAなどの

コピーによる再生産を通じて

ウィルスの自己増殖が

その段階で起動する

遺伝子情報を複製する過程で

遺伝子配列に

印刷ミスがよく起きる

mRNAが関わっている反応系では

このようなミスプリントがよく起きる

この変異した遺伝子が

DNAを複製するとき

さまざまな変異株となって出現する

ウィルスが変異して定まらないのは

印刷ミスが避け難いものであるからだ

そこにある塩基の

ひとつだけしかないその違い

が突然変異の生みの親


抗原の勢力より抗体の勢力が勝ったとき

病状は回復へと向かって遷移する

反対に抗原が勢力を高めたとき

病状は悪化して重篤化する


抗原が免疫システムのセンサー

に察知されることがなければ

抗体を徴兵する必要性は見送られ

なにごとも起きない

生命維持機能は

このようにして恒常性を維持している


抗体を組織した

体内の防衛隊が優勢

となれば自己治癒力で

遠からず確実に回復する

外敵である侵略軍の力の方が

優勢となってしまったら

病状は悪化して

最悪の場合死に至る


戦後の住宅需要に対応した

当時の植林ビジネスが

日本中の山林で実施

されるようになったことから

結果として花粉アレルギーを

日本人の多くが発症する時代

となってから既に長い時が流れた


この時代に花粉という異物に対する

恒常性維持機能が活性化されるようになり

さまざまな抗体を

体内に退役軍人として

待機させるようになっていた

有事に備える体制を

このようにして長年に亘り

紡ぎつづけてきた経過の関与

によって日本に致死率の低下を齎した

という見方もできるだろう


感染症対策として有効な方法は

ワクチンがそうであるように

無毒化した抗原を体内に移植することで

抗体を意図的に徴用する

という仕組みの造営が不可欠


PCR検査を100%実施することは

徴兵制のない国と同じ状態に

国民をおき

平和ボケ状態の国民を大量生産する

という行為と大同小異

感染機会を国家に擬えた生命体が失えば

応召する抗体を動員することはできない


ウィルスとの戦争は物理戦ではない

生命戦という特異性をもっている

だが軍事力を予め増強しておく

という必要性はなく

有事の際にだけ自発的に応召する

という仕組みの妙が働いている


感染をシャカリキになって忌避

しようとするそのPCR検査

という予防行為は

遅れて発生する二次三次感染者

を却って逆に高めてしまうこととなる

未感染者を温存する検査行為が

感染機会を先送りすることとなり

感染被害の増大へと却って結びつくと

ピークの山が複数できる


半島国家の下半分で今おきている

二次感染被害の拡大という傾斜は

PCR検査に勢力を集中させたその結果として

与えられたもの

感染被害を先送りしたという点で

極めて小賢しい対策でしかなかった

ということになるだろう


二次感染の被害を防ぎたいのなら

最初の感染者数を増やしてでも

抗体の非常招集を急いだ方が

免疫システムの機能が

正しく生かせるようになっていた


その方針を一定の管理下で

採用したスウェーデンと

ニュージーランドでは

予期していた以上の成果を収め

アメリカとブラジルでは

一定の管理下で

という条件が与えられていなかったために

ピークアウトするには程遠い

という状況であり続けている


既感染者の80%は自覚症状

らしきものがない

という共通の特徴をもっており

集団免疫を実現した

事例として報告されている


残された20%には

病状の悪化がみられ

その内のごく少数が亡くなっている

致死率は地域によって

バラつきがみられるものの

経済活動を停止しなければならないほど

その脅威は高くはない


ウィルスの正体が分かっていなかった

ということがPCR検査の是非

を必要以上に急がせた

隔離することは感染被害を減らすのだが

抗体の発現を逆に遠ざける

その弊害が韓国でいま

二次感染被害を高め始めているようだ


第一ボタンを掛け間違えると

最後になるまでそのことに気づかない


徴兵制を敷いているその国で

非常招集を事前に避けて満足し

安心していたことがとても訝しい

抗体を非常招集せずに済ませたそのことが

却って二次感染の被害拡大に結びつくからだ

感染予防の成果を誇っているその姿の様は

何とも名状しがたいものを発信している


日本の場合

生育の早い杉を積極的に植えてきた

過去の林業政策が

後に杉花粉症患者を急増させ

アレルギー反応という

侵略因子と恒常性維持機能とが

鬩ぎあうという花粉症を蔓延させた

この経緯は新型コロナウィルス

の特徴的な経過の相とよく似ている


抗体の動員に成功した

背後の事情を考慮すれば

感染症による死亡者の少なさ

という日本の場合の特殊性について

幅広く解釈するための余地

が多分広がる

免疫システムの仕組みと

自然治癒力の相関性

を考慮すると

雑菌に晒されている環境下で育つ

ということが抵抗力

の増加を身に着けるための自然の措置

となっているようだ


アフリカで懸念されていた感染爆発

が未だに起きていないというその事実

についても考慮しておく必要があるだろう

歴史的な環境因子の関与

も視野にいれておかなければ

有効な解釈とそれによる正しい判断

を生み出すことは

つまりできない
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循 環 機 能

2020-05-24 07:34:15 | Weblog
カネは天下のまわりもの

常にそれが移動することによって

経済を成長させている

一か所にながくとどまっていなければ

使われる度毎に価値を生む

通貨の供給量を高めることが

GDPの増加圧となって作用する


この性質をもつということを

別の表現で

流動性と呼んだりする

貨幣を大量に供給したそのあと

回収することを怠っていると

過剰流動性と呼ぶことになる

その好例となったのが

リーマンショックの原因とされた

世界規模のドル余り現象だ

経済史に残されたそれ

は過去に対する警告

の意味を持つメルクマール


国内で貨幣が活発に循環しているとき

経済は力強く進み続ける

活気の関与が景気の循環

を加速して

富を生みだす能力を高める


この経済の好循環が

何かの都合で失われると

そこにできていた経済の成長

と発達が同時に止まり

力強くGDP成長率を高めていた

正のメカニズムは一瞬で失われる


それに気付いたときにはもう

手遅れ

どうすることもできない

消えたリンケージ

が復活することは当分なく

インフレ経済はデフレ化して

長期間縮み始める

日本ではその状態がもう

三十年以上に亘って続いている


経済の長期的低迷は

インフレ経済を成り立たせていた

仕組みの喪失が引き起こす


沈滞するようになった経済メカニズムは

消費意欲を抑制するよう国民にはたらき

企業は設備投資に慎重となって

逡巡と躊躇とを繰り返し

ついには市場から撤退する


インフレ経済を成り立たせている

消費意欲が旺盛で活発な国家なら

政府の懐は税収の増加で毎年大いに潤い

国民は可処分所得が高まるがままに

大胆な消費行動へと突っ走る


経済成長を推し進める当事者

となったその全員が等しく機能するようになると

インフレ型の生産構造を

その変化が盛り立てることとなる


デフレ経済に陥ってしまうと

消費行動には慎重とならざるを得ず

抑制的な観念に国全体が囚われる

インフレ経済が復活すると

産業活動は改めて活発化することとなり

国民が求めるものを

生産し供給することが可能になる


需要が満たされている時代には

この欲求が希薄となり

消費意欲を掻き立てる動因は失われ

上昇曲線は緩やかな低下を示す


消費者の可処分所得が高まると

増えた収入が消費意欲を刺激して

生活の質を向上させるための

底堅い需要を生じさせる

そこに高い供給圧力がかると

企業がアイデアを製品化し

使い勝手の改善が促され

供給圧力は更に高まって

作れば売れるという変化が起きる

経済は活気を取り戻し

労働者に対する所得配分

を一層向上させるようになってゆく


これが可処分所得の増加となり

国民の消費意欲を更に高める

このような循環が定着すると

経済の成長は盤石なものとなり

税収は自動的に増え続け

消費意欲の高まりが

経済を更に力強く前進させる


高度経済成長期には

インフレ型の経済循環が成り立っていて

加熱した景気を冷やす目的で

政策金利を引き上げる措置

が例外なくとられる


インフレ経済になっているか否か

を見極めるためには

金利の上昇が随伴しているかどうか

を確認すればよい

物価の上昇がみられていても

金利の上昇が伴っていなければ

リンケージは成立しない


インフレ目標を設定していながら

金利上昇の圧力を消してしまうと

インフレサイクルに破綻が生じ

循環型経済から推進力が奪われる


失われた三十年の意味

をまったく知らずにいた政府と国会は

財政を劣化させたその原因を

調査したことが一度もない

改善点に気付かなければ

有効な対策を講じることは

不可能


情勢判断を誤って

債務規模を急増させた政府は

金利の上昇を極端に嫌い

回避しようと腐心し続けていた

インフレ目標を設定していながら

金利を上昇させることを忌避し

消費税で対応しようと企てた


巨額の借金を抱え込んだ債務者

となったる政府にとって

返済義務の負担を増やす金利上昇は

避けなければならない

という絶体条件となっていた

このため長期金利の指標となる

十年もの国債の市場価格を

高めるための誘導目標を設定し

売れ残りとなる長期債

の発生を防ぐ必要に迫られた


発行済の国債が全量消化されれば

取引価格が上がる理由は発生しない

適用される金利を抑制する効果

が人為的に引き出せる

という事情がインフレ目標の実現

を意図せずに遠ざけさせた


財政負担が過大となった政府にとって

インフレ目標を設定したところで

金利の上昇を忌避

しなければならない以上

インフレ目標を達成することは

どうみたところで最初から不可能


脱デフレ経済を成り立たせる

とした政府の根拠は

七年以上経った現在になっても

まったく実現されていなかった

アベノミクスの失敗の根本的な原因

がここにあったからだった


経済の再活性化を急ぐためには

所得水準の向上

が真っ先に起きていなければならない

可処分所得の増加が

需要を高めつづける因子となったとき

供給が滞って遅れると

ものの市場価値は高められ

通貨の流通価値は相対化して

反対に下落する


このデフレから脱却するためには

インフレ経済に切り替えればよい

のだが

インフレが実現すると金利も上がるため

それは借金で維持されている政権に

それはできない


政府の債務規模は着実に膨らみつづけ

制御することができない経済環境に

長期間閉じ込められている状態へと陥った

膨張する債務規模が

軽微なレベルに戻っていれば

インフレへの転換に特段の問題は

起きない

だが債務残高が膨大となった現状で

政府に政策金利をインフレ型に誘導する

という選択肢は残されていなかった


消費財を贖うための資金を

日銀が国民に配布する

という形式に変更する

という措置をとるだけのことで

通貨発行権を最大化する道

が簡単に啓ける


ウィルス対策として採用された

定額給付金の支給措置

が将来やってくる経済再生

のヒントとなるだろう


今までは国債を発行して

政府が債務を背負う

という格好になっていたために

債権と同額の債務が発生し

政府がその返済を優先させずに

先送りし続けた

ということが

債務の総額を1150兆円規模へと

三十年間で押し上げた


その期間は平成年間の三十年

と正確に重なっている

この期間にとられた政策判断の拙さが

積もり積もって

莫大な規模の借金となって

政府財政へと残された


その一方で日銀が国債を買い取り

国家の債権に受取利息を上乗せさせる

という行為が累々として続いている

過大な規模となった債務の総額は

国に返済の義務を負わせていながら

日銀や年金 保険などの

それぞれの分野に於ける

債権総額に利息を加えて

おおきく膨らんでしまっている


公的債務の総ては政府の責任だが

債権の総ては投資家の利益となって

国内に還元される

このため政府の債務は国民の債権

となって反映される

利息という付加価値がそこに加わり

国家の借金は国民の利益

となってバランスすることになっている


損失を生んだことにはならないため

国民が返済義務を負う

という理解は正しくない

偏って誘導された思い込みに過ぎない

従って正しい認識とは到底いえない

債権者の93%が国内投資家で占められていて

外国籍の投資家は7%に限られる

国債の売れ残りがでないように処理すれば

債券価額は安定して金利は下がり

インフレ経済の実現にとっては

逆効果となっていた


高くならない金利はインフレを拒絶する

政府がアベノミクスに力を入れても

日銀と国内投資家がこぞって

国債を買い支えているのだから

長期金利の上昇に結びつく惧れはない

経済の低成長が長期化したのは

金融当局と政府判断の幼児性

が定着させたものなのだ

国民が政府の負った債務の返済

に務めなければならない

という理屈は

はじめから成り立っていなかった


利払いが実施されているのなら

債券の劣化は問題とはならない

返済する必要が切迫しなければ

国債の投げ売りは起きない

最悪の場合を想定しても

日銀が全量を買い取れば

金利の上昇は回避できる

支払い利息も得られるので

却って安心だ


日銀の収益で債務整理に充当すれば

貸し方と借り方とが平衡する仕組み

が相殺を可能にする

政府の借金は日銀の収益と等しく

国民が返済を気に病む必要など

最初からなかった


思考力を失った似非エコノミストたち

が根拠なく政府債務の返済は

国民の義務だと勝手に解釈し

その方向へと意図的に錯誤した


何と愚かで阿呆なことであることか

国民の多くも

すっかりそう思い込まされていることに

まったく気づかない

健全な思考力がありさえすれば

簡単に分かっていたことを

未だに正しく理解することができていない

消費税を高めたい勢力が

事実関係を国民に

正しく伝えてこなかったからである

問題認識能力を高めるための教育が

国のご都合主義で

成り立っていなかった

ということなのだ


公然の秘密をそれと指摘しなければ

消費増税を実行して

政府が可処分税収を高めることが

容易にできるようになっている

10%の消費増税が

経済成長率を引き下げたその矢先

折悪しく感染症がパンデミックへと発展し

世界中の経済システムが

急停止する事態となった


そこで定額給付金の採用を決断し

国民に配布することが決められた

政府は想定外の案件処理

が増やされたことによって

対応が追い付かなくなり評価を下げた

各種の給付金の支給決定も当然ながら

赤字国債の発行で賄うこととなり

財政負担の急増が

国家の経済発展を阻害する

という国民の不安を却って高めた


ピンチはチャンスの譬えのように

パンデミックとの遭遇が僥倖

となる機会を連れてきたと解釈できる


政府日銀が通貨発行権を

最大活用することにより

国債を発行しなくても

増刷した紙幣を公平に配布することは

問題なく可能

金利の発生も起きない

この方法なら

債務を発生させずに

経済を賦活させることができるだろう


必要のない国債発行に拘っていた

ということが政府債務を

堆く積み上げさせたという訳だ

紙幣を印刷する能力を高めるだけで

国民が使うためのカネが

世の中に出回るようになり

一万円札が手から手へと渡るごとに

同額の価値を生みだす機会をただ増やす


同じ一万円札でありながら

それが人手に渡るたび

一万円の価値を重畳させて

無条件で増やす効果は絶大であり

経済の成長にとって

計り知れない効力を発揮する


一万円札一枚が

百人の手で時間を変えて使われたなら

それは百万円の価値を創出した

ということができるからである


通貨価値は国内市場で

均一であることから

誰にとっても一万円は一万円の価値となる

それが人の手を介する機会がある度に

その通貨としての価値は積み上がって

富となる

消費が数多く発生すればするほど

国の経済を潤して豊かなものにする


このサイクルを止めるのは

カネの流れを断ち切ること

銀行やタンスに

大量の現金をしまい込んでいる人は

国家の経済をカネの回らない状態

へと突き落とていることに関心がない


富を生みだす能力をもちながら

自らの誤った判断でカネを死蔵し

経済を上昇サイクルから追い落とし

通貨と物品の交換手段としてしか

みてこなかった


経済成長の醍醐味を

自らの誤った判断で否定する行為

を意味する

カネを回す動力源のない社会体制は

成長する機会を放棄して

自己崩壊するだけとなる

ソ連が91年のクリスマスに

自己崩壊した実例が

既に成り立っている


ひたすら資本を貯めこんで

己の資産が増加したことを確認して

安堵するひとびと

がインフレ経済に背を向けていた

ということがデフレ循環へと

経済を呼び込んだ

その欲望の深さが

国家経済の仇となって

今に残された事実を観るがよい


経済の潤滑性能能力を高める

ということが

カネの回る社会を実現し

消費を適度に高めながら

経済成長を誘導し

小康型の社会体制を実現する

キッカケとなるだろう


人民元の発行権を最大化したことによって

中国はたった三年で日本を追い抜き

世界第二位の経済大国へと成り上がった

この実例が既に成り立っている以上

その理由について

当否を争う意味はない

今のところ誰も考えたことがない

ことは経緯の記録から夙に明か


この国には高い教育を受けていながら

判断する能力を失っていることに気付かない

半端な知識人たちが三十年間で

雨後の筍のごとくそこら中で

幅を効かせるようになっている

要するに

教育投資の失敗が

いま

アベノミクスに祟っている

といってよい


指導体制に思考力が残されているのであれば

経済問題と環境問題とは

同根の問題であることが

理解されていた筈なのだ


問題認識能力が世界中で不在となった

ということが

パンデミックで経済を錆びつかせ

市場原理で新自由主義を蔓延らせてきた

過去の失敗を詳らかにする

その有意義な契機となったのは

得難いチャンスの到来だった

と顧慮くする機会が

近い将来きっと訪れることだろう





知識の量的拡大は

智慧の不在に異ならず

思考力の劣化となって顕れる
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顛 末 の 三

2020-05-17 07:05:16 | Weblog
シニョレッジ(通貨発行権)

を活用することができた政府

は労せずして経済を成長させることとなり

国家による繁栄を築きつつ

莫大な富を

それによって手に入れることが

可能となる


この事実に気付いたアメリカが

ドルの発行権を最大化して

豊かな国になったのと同じように

人民元の通貨発行権を活用

することができた中国共産党政府が

アメリカを追い落とす勢いで

金満国家へと成り上がり

資本力で防衛力を強化しながら

領土と領海を拡大して

覇権を手中のものにする

ための行動に逸早く着手した


ブレトンウッズ体制下で

通貨発行権を活用することができていた

アメリカのドル

が世界中の市場で

機軸通貨として流通するようになったあと

至る所でドルを滞留させるようになり

変動相場に移行してからというもの

通貨交換の場となった為替相場を通じて

機軸通貨としての多大なる妙味

の意味を体感として理解した


この手法を応用展開していきながら

次第に洗練させていったことから

現在の地球規模化した市場経済下でも

覇権を握ったことで得た所与の権能

を活用することができ

国際経済を牽引するその役割を果たすよう

基軸通貨となったドルの供給権

を握ったアメリカが

保安官としての任務

の履行を正当化して

確立していた軍産複合体制に

その任務の遂行を引き受けさせ

国際平和に寄与する

とアメリカがそう世界中に思い込ませた

時代がかつて成り立っていた


エネルギー資源の決済通貨となったドル

の一斉供給を世界がアメリカへと求め

ドルの通貨価値がその頃急増したために

ドル高外貨安となった変動相場で

双子の赤字を抱え込んだアメリカは

G5を急遽招集して

ドル売りの一斉介入に踏み切った

所謂プラザ合意のことである


日本では85年後半以降

ドルの大量流入が発生し

急速な円高状態となったことにより

輸出産業は大打撃を蒙った

反対に資本の大量流入もおきたため

海外から押し寄せてきたドルが急増し

買われた円を日本市場で再投資する

必要性が俄かに生じた


それがバブル経済を発生させたこととなり

加熱し過ぎたバブル経済を懸念した政府与党が

善と信じて最悪の結果を日本へと引き込んだ

これがバブル経済を崩壊させたその起源

その後の失われた十年を二十年へと引き伸ばし

アベノミクスの失敗で

ついに失われた三十年まで確定させてしまうほど

この国の指導体制は愚かであった


バブル経済の破綻の起源は

90年四月一日に施行された

不動産融資に対する総量規制

バブル経済の発生機序に無関心だった

すべての日本国民が憂慮していた

加熱し過ぎたバブル景気を

国家が抑制しようとして

法案を急ぎ成立させ

針をバブルに突き刺したのだったが

誰もその意味に気付かなかった

ここで生じた初動の遅れが

その後いつまでも日本経済を苦しめることとなる


当時バブルを演出していたメカニズムに無知

だったすべての国民が

事実関係を理解しておらず

相変わらず投資行為に明け暮れする生活

を大いに楽しんでいた

このことが損害の規模をより大きなものにした


海外の投資家は既に資本を移動させていたために

損害を被る前に資産の確保へと奔り

知らなかったのは日本人だけだった

ということが後処理の着手に失敗させ

96年度の予算で漸く対応策を実施した

このとき生じた不作為の三年

とそれを含む無知のままの七年

という期間の関与が失われた十年

へと結びつき

それが現在まで続いている


大きく膨らんだ泡に針孔を空け

国会の成員すべてが関わって

ぶっ潰してしまったというそのことが

バブルの崩壊に気付かなかった国民

に損失を抱え込ませることとなる


海外投資家勢力となっていた一群は

過剰流動性の仕向け先

をタイへと変更し

バーツ危機を意図的に誘導しようとしたのだったが

問題の本質を認識していたタイ政府の判断で失敗し

強烈なバーツ売りを浴びせたものの

バブル経済をタイで発生させることには失敗した

その後過剰流動性の運用で

巨利を得ていた同じ投資勢力は

余勢を駆って韓国市場で

過剰流動性の運用を試みたものの

再び失敗して

朝鮮半島の下半分を

IMFの管理下に置くという経過を残した


こうした経済事案に関わる変化のはすべて

にドルの過剰流動性が関わっていた


供給し過ぎて余らせたドル

の行き場を模索していたアメリカが

オバマ民主党政権の時代に

その仕向け先を中国へと統一し

ドル安政策を中国大陸で大々的に行ったのは

人民元の通貨価値を高めるための戦略が

ドルの大量流入を中国大陸で引き起こす

ことが分かっていたからだった

その頃から過剰流動性の有望な仕向け先

として中国を利用できると

アメリカはそう思い込んでいたようだ


アメリカがプラザ合意後

日本でやった行為

とまったく同じ方法で

余ったドルを中国市場へと

繰り返し再投資していったことにより

ドル余り現象の有害性を希釈しながら

積み上がったドル資産を用い

世界市場全域でビジネス展開していた

あらゆる組織が行動方針を統一し

中国市場でドルの組織的な安売り

を発生させて

人民元の通貨価値を執拗に高めようと

企てていた痕跡が残されている


共産党政府に圧力をかけるためのこの措置は

日本でドル安政策を有効化した実績をもち

中国でも応用展開することが可能だ

とアメリカが踏んだことによって

過剰流動性を希釈しながら

新市場の創出を誘導することに使える

と確信させた


世界最大の生産基地を中国に作りだせば

同時に世界最大の消費市場もついてくる

という見通しを世界中に拡散させた


ドルを手段とするアメリカの投資勢力は

日本市場でバブル創出に関わって

多くのことを学びとり

中国でも同じ手法が使えるだろうと

多寡をくくっていたフシがある

状況証拠となった記録が

ニュースメディアに分散状態で残されている


このような文脈を経た上で

中国共産党政権が

押し付けられたドル安政策に対抗しようとして

人民元安政策を積極的に推し進めた

ということが

中国をたったの三年で

日本を追い越して世界第二位の

債権保有大国へとのし上がらせた


既存の機軸通貨となっていた

ドルに代わる新しい機軸通貨を

人民元で代行し

中華思想を前提にした世界市場の再編

を人民元で推進するための

伏線とする多くの戦略が

当時熱心に練り上げられていた


覇権を握るための基礎となる

プラットフォームをAIIBに

作り出させはしたものの

人民元の通貨価値を支えているのが

現状でドルとなっている以上

人民元がドルの後を襲って

第二の機軸通貨となろうとしても

それは無理

下位の通貨に機軸となる条件は

本質的に備わらない


外貨準備としての裏付けとなる担保

が希薄なままであるのなら

そもそもドルにとって代わろうとすること自体

明らかな不遜であろう


中国がもっているのは巨大な消費市場と

5Gがつくりだす

濃密で迅速なネットワーク機能

そのためのインフラ基盤としての

プラットフォームが成り立っていなければ

覇権を握ることは

そもそも不可能


人民元を大量に供給する能力があるにせよ

活用しなければ中国が望む覇権の掌握

は実現しない

債権を増やすことができなければ

すべての国を中国の意向に従わせる

ことはできない


生産設備を中国大陸から移せば

経済機能は円滑に回る能力をたちまち失う

消費市場がどれほど巨大な規模に成長できたとしても

生産財と資本財がそこに不在であるのなら

市場に中間財が積み上がる

ようなことはおきない


原油相場のこのところの急落は

中間財としての原油備蓄が重荷となったことにより

先物市場でマイナスの価格をつけた

日本で起きたバブル経済の消滅は

土地を仕入れて一定期間放っておけば

市場価格は勝手に値上がりしていき

不労所得を簡単に堪能できたことが

できなくなったことが引き起こした

総量規制で新規の借り入れができなくなった

からである


急いで売ることがつまり損となる

バブル時代の共通理解

当時が一般化したことによって

売り物が手控えられていたところに

購入希望者が増えつづけ

売却を希望する売り手も減り

土地の希少価値を時代が高めた


売却時点での価値を

売り控えが高める

という循環が定着するようになり

投資が投機へと発展していった

こうして最終的にバブルの膨張が

勝手に走り出してしまったのだった


原油相場ではいま

これとはまったく反対の状態となっていて

価格調整をするための緩衝装置が機能せず

これ以上中間在庫を膨らませることが不可能

という状況へと陥った

これが原油先物相場に

マイナスの取引価格を成立させた


何でもそうだがバッファが機能不全になると

なりたっていた循環がたちまち反転し

負の相乗効果を全体へと押し付ける


そこで損失を蒙った欲の深い連中が

変化の意味に気付かないまま

投資意欲を高めた状態となり

原油生産能力の保持

がマイナスとなる仕組みを生み

調整が必要となる結果となった


バブル経済を成り立たせているその背後には

必ず調整用の中間財の関与

という項目が必須条件となっている

バブルの崩壊を予見したなら

メカニズムの破綻を

中間在庫のバッファがどう防ぐのか

という要素を考慮しておくことが

最も必要な措置となる

ここが分かっていなと

巨額の損失を蒙らざるを得なくなる


だがその判断が不健全なものであったなら

欲の深さが災いし

所望の成果は何一つ

得られない


これは商取引や教育の現場などの

競争社会全般でも

往々にしてみられる

とても一般的な法則に過ぎない


人民元の大量供給を大々的にやっていながら

正当派経済学者が懸念しているインフレは

中国市場でおきたことが一度もない

この点でMMTの認識レベルは

既存の経済理解を

はるかに凌駕したレベルとなった

MMTを批判した正統派一同が

如何に蒼古たる経済理論にしがみ付き

判断を

これまで大きく誤ってきたことか

日本で実施されているアベノミクスも

同じ結果を

これから引き受けることだろう


通貨発行権を適切に応用すれば

定額給付を何度行っても

問題はなく影響もない

但し

国債をそこに関与させると

金利を受け容れることとなり

それがインフレ要因となることがある

やるべきことは

国債の増発などではなく

日本銀行券の単なる増刷

ということでなければならない

日銀が通貨供給量を監視することに徹し

行政が税収として

流動性を回収するというメソッド

が将来採用されるようになるだろう

MMTからMMMへとシフトする

という変化が世界を救う

可能性が出現してきた


国債の形式を踏んだ

という過去の誤った経済政策のすべてが

財務体質を劣悪化させた

その張本人

通貨価値は予め決まっていて

支出がなければ

利益はなく

消費がなければ

経済成長もない

という事実を知っていてよい頃だ


通貨価値は当該国に於いて

常に一定であることから

誰が支払ったとしても

買い手の利便は

売り手の利益

という関係を成り立たせる

これを繰り返す行為の連鎖が

富を生みだすその根源

通貨が人の手を経る毎に

利益と利便が発生し

経済が回る世の中になってゆく


これこそが経済を知るための

本質的与件

百円玉を失くしたら

持ち主にとっては単なる損失だが

国家にとっては

数万倍以上の利益創出の機会喪失

という結果を招く

資本の滞留は損失しか生みださない


その昔 鎌倉幕府の役人で

青砥藤綱というヒトが

自宅へと戻るその直前に

銅銭十文一枚を

滑川に落としたことがある

そこで松明を五十文で贖わせ

水中を捜索して回収した故事が

碑文となって

旧宅近くの川べりに建てられた

差し引き四十文の損と笑われたということなのだが

このたった一枚の銅銭が

人手に渡る度毎に十文の価値

を繰り返し生むこととなる

消費者にとっては便益を

売主にとっては利益を

それぞれ同時に与えることになる

例え少額であったにせよ

貨幣が存続する以上

それが人手を移動する度に

価値を生みだし

富として蓄積される

このため

貨幣を減らすことなく流通させることこそが

繁栄の礎であることを

八百年前の時代に

よく認識していた人物が日本にいた

ということにエコノミストは

謙虚になって学ぶ必要がある筈だ


お金のことをお足

と呼ぶ習慣が残されたのには訳がある

当時生活していた人々が

現在の正統派経済学者より

通貨価値の移動がもつその意味

について

より深い認識をもっていた

ということを青砥藤綱が

鎌倉時代に証明していた

ということになる


JR横浜線の中山駅の近くに

鶴見川が流れている

青砥という名の橋がそこにある

多分この辺りが

彼の領地だったのではなかろうか

墓は金沢区の寺にあるとされるが

鎌倉幕府の記録に彼の名が見えない

ということが実在の人物ではない

とする異見を残した



※この部分については以前、この欄外に既述しておいたものがある
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顛 末 の 二

2020-05-10 07:47:25 | Weblog
エネルギー資源の調達確保

ということが大前提となっている

経済システムの成長と拡大

を円滑に進めるための決済通貨

として機能している

基軸通貨となっている

ドルの供給量

が70年代に二度起きた

石油ショックと呼ばれる事変

を境にして増えつつけ

所謂ドル余り現象を

世界中の市場に於いて惹起させ

80年代になると

ドルの需要水準は一貫して高まり

世界規模のドル高

という現象へと発展していった


過剰流動性を既に身に着けていた

ドルの発行国であるアメリカが

通貨価値を制御するために

市場でダブついるドルを

速やかに回収しておく必要があった


ドルが余っている状態では

新規のドルを発行することは固よりできず

ドルの供給がアメリカの富の源泉

となっている以上

市場に放置したままだと

ドルがダブついた状態で余りだし

想定できないほどの

極めて有害な経過を

金融システム全体に及ぼしかねない

ドルに与えられていた優越性

を失うのみならず

収支バランスの観点からも

アメリカを不利にするのは

自明となっていた


ドル余り現象の有害性はその後

リーマンショックが

いみじくも証明してみせた通り

大きな変動を国際経済全体

に与えた事実が08年

に確定している


FRBが当時

政策金利を頻繁に変更し

即日実施していたのはこの調節

が目的だった


ローカル市場で滞留したままのドル

が別の市場で流用されてしまうと

ドルの供給益を

アメリカが末永く享受する

ことはできない

ドル需要の水準が大きく下がれば

ドルの発行益そのものも

一瞬で失われてしまうことになる


そこで機動的に金利を引き上げて

ドルが北米大陸へと

還流するよう仕向けることで

ドルを国際市場全域に遍く

しかも繰り返し供給することが

可能な状態を維持できる

つまり

ドルの通貨価値をリフレッシュする

ことが絶対的に必要な措置

となっている


ドル金利をFRBが独善的に高めると

金利差目当てのドル買いが発生し

過剰流動性を銀行口座へと回収でき

その後再投資のための資本調達

を効率化することにも役立った


過剰流動性を速やかに回収しておけば

ドルの通貨価値は市場に於いて

維持される

ドルの通貨価値が

必要以上に高められてしまうと

工業国であると同時に

農業国でもあるアメリカの輸出総額は

強い下押し圧力をまともに受け

貿易収支を悪化させることになる


そこでかねて計画していた行動

を実行に移すべく

G5を急遽招集したように装って

強いドル売り圧力を

協調体制をとることによってかけ

一斉に執行するための合意

を出来レースとして成立させた

この新たなドル安政策の即日実施

はその後プラザ合意と呼ばれるようになり

折に触れて

世界中で引用されることとなってゆく


アメリカ以外のG5は

手持ちのドルを積極的に売る

という一斉介入を行わざるを得なくなり

ドル以外の通貨への投資誘導

を積極的に推し進め

ドル売り圧力を一際高めていったのだ


このステージで選好されたのが

日本のローカル通貨である

円という名の通貨であった

1985年夏がの終わる頃の

経済史に残る画期となった

それは出来事


急激な円高状態がそこから続くようになり

政府日銀は理由のない円高

という表現で実態に潜む真相を

長期間覆い隠す姿勢をとりつづけ

自らと国民とを同時に謀る

という経過がその後も

頻繁にみられたという記録を残した


日本の輸出産業はこれにより

大いに疲弊し

経済体制は淘汰圧力を強く受け

貿易黒字の異常な積み上がり

という状況をこの段階で

鎮火させる結果を生んだ


このアメリカが仕掛けたドル安政策



買われた円の通貨価値は

更に高まり

政府は表向き隠密裏に

為替介入を何度か実施したものの

その効果は何度やっても

たった一日しか続かなかった


この時大量に買われた円は

株式市場へと真っ先に流れ込み

その後M&A市場へも波及していった

これにより株価の変動要因が新たに生じ

投資意欲はより一層高まった


同時にかつてドルだった出自をもつ

外資保有となった大量の円は

不動産市場にも流れ込み

バブル経済と呼ばれる巨大な市場を

外資の集中的流入が生み育て

国内投資家の動意を誘って

急速に資本市場の厚みを増し

大いに活性化を促して

急成長と急拡大とを加速した


日本の土地は絶対に値下がりしない

という土地神話が当時

日本中に根付いていたことから

そこに着目した経済評論家

と一括りに呼ばれていたアドバイザーら

が群れをなし

不動産投資を煽りに煽るという

時代がこうして生み落された

国内投資家のみならず

市井の人々までもが

不動産投資に熱狂し

より深くのめり込んでいき

この経過がバブル崩壊後の被害

を一層大きなものにすることとなる


日本市場でバブル経済が発生し

急速に拡大していったということが

ノンバンクを叢生させ

借り入れ金が富を生む

という理解が定着して

バブル崩壊へと繋がってゆく

仕入れた土地を少しの間もっていれば

黙っていても高値で売れた

そんな時代が五年つづいたものの

90年四月になって破裂した

この変化が緩やかなものだったために

多くの投資ゲーム参加者が

バブル経済が破裂していたこと意識せず

すでに破たんしていたにも関わらず

新規の投資に励んでいた

ということがバブル崩壊の回復を

一入遅らせることとなったのだ

欲の深さが災いとなった

その好例がバブル経済の

発生機序と崩壊過程に

傷跡となってのこされた


金融機関は土地という担保を得て

安心して融資合戦を行った

仕入れた土地やマンションの価格が

極端な例では日ならずして倍に増え

資本力を高めたことに味を占め

欲を膨らませた投資家のすべてが

土地を担保に新たな仕入れを急ぐ

という行為を蔓延させ

大都市を中心に

不動産価格を熱狂状態

で押し上げるという展開が

日本中で観測された


これがバブル経済崩壊後に

不良債権の巨大な山として残され

日本経済に重くのしかかったまま

その後の経済復興を

三十年以上に及んで

長く苦しめることとなってゆく


銀行は四つのメガバンクへと

統合再編され

公的資本の強制的注入が

貸し剥がしを強行させて

返済を銀行に急がせた

貸し渋りに遭った企業は

金融機関を見限って

内部留保に逃げ場を求め

同時にリストラを行って

固定費を圧縮することで

負担を減らす行為へと

例外なく傾いた


労働環境は大きく劣化し

再雇用された労働者は

賃金の強制的な低下を強いられ

少子高齢化を推し進めつつ

消費市場で活気を失ったまま

消費税まで賦課されて

苦しめられた


その原因となったのが

バブル経済を軟着陸させようとして

不動産融資の総量規制

を行った国会全体の失明

という共通現象の出来であった

これこそが教育の高度化

が生んだ最大の失態

を現実化させたその結果

の正体


失われた三十年という

不必要に長い無駄な時代を

日本経済へと植え付けた

当のそのもの


この三十年間の間に積み上がった

政府債務の総額は

200兆円に過ぎなかったものを

いま振り返ってみれば

1150兆円へ膨張させた

債務負担を軽くしようとして

10%へと消費増税を実施したその直後

ヒトヒト感染するコロナウィルスによる

パンデミックと遭遇し

感染拡大を避けるために

経済メカニズムを急停止させ

対策として導入した複数の給付金

を支払うための財源の調達を

赤字国債の増発で賄う

という覚悟を決めたそのことが

財政劣化をこれから一層加速する


問題の根源は

1990年に施行した

不動産融資の総量規制以外に

ない

89年10月の定例閣議で決定し

90年四月一日施行となった

バブルつぶしの対策が

己に向かう切っ先となって作用した

膨張圧力は収縮圧力となって解放され

かくも長き不遇の時代を

国会の不明が国民へと押し付けた


ドルで円を買っていた海外の投資勢力は

90年一月の大発会で株価を急落させ

バブルの崩壊に備えた資本移動を

その段階でスタートさせていた

背景を知らずにお祭り騒ぎで

大いに盛り上がっていた

国内投資家のすべては

バブルが潰れている事実を見ようとせず

強気の戦略をとりつづけ

96年になっても

起きている事態の意味を

計り兼ねていたほどだった


霞が関と永田町が

それと気付いた92年には

既に三年の月日が経っていた

このとき生じた初動の遅れが

不作為の三年と呼ばれ

それを含んだ失われた十年が

経済通の間で

その後話題とされることとなる


最初の十年では

消費税が5%となり

次の十年で8%へと引き上げられた

デフレを決定づけたのは

5%となったその時代


知識階級の全員が

バブル経済を破裂させた動因

となったものの本質を見失っており

インフレ経済が反転していたことに

その後も長い間気づけなくなっていた

他者を排除するための知識は

現実の課題と遭遇すると

役に立たない

重要なのは

深く考えるためのその力


思考力を失うと反省を反故にする

フィードバックが機能しなければ

問題の本質を剔抉することは

できない

国会の成員すべてが

平然として己の罪を

意識せずあたかも他人事のようにして

眺め暮らしていたために

失われた三十年が平成年間と

かさなっていたのだったが

無関心でありつづけていた


無知ほど怖いものはない

教育の高度化は

知識階級から思考力を奪い

膨大な知識を得るための教育投資が

国の劣化を早めただけ

という極めて不毛な現実を

当事者のすべてが

自らの手によって植え付けていた


悪い時には悪いことが重なるもので

最悪のタイミングで

コロナウィルによるパンデミック

がこの惑星へと齎され

誰も避けることのできない災厄が

既存の枠組みの正当性

を否定して未体験ゾーンへと

人類を突入させることになる


元はと言えば

ドルのもつ特性である

過剰流動性の日本市場への上陸が

バブル景気で金融勢力を勢いづかせ

市井の投資家までが増長するに及び

あたかも日本がナンバーワン

であるかのような表現で

意味のない飾り付けを施され

アメリカの特権である

ドルの供給事業を推進してきた

結果としてのドル余り現象を

日本市場に定着させ

バブル景気を誘導しておきながら

それが破裂した後

過剰流動性の仕向け先を

タイバーツへと切り替えた

状況を正しく認識していたタイ政府

が余ったドルである過剰流動性

の受け容れを拒否し

報復としてドルの供給を

意図的に阻害されておきたのが

バーツ危機


この波及効果で韓国経済は行き詰り

IMFの支援を受けて

国民が苦しんだ

市場で余らせたドルがその後

向かった先が中国大陸だったのには

相応の理由があるのだ


巨大な人口と広大な消費市場が

世界の資本をそこに惹きつけた

労働賃金の安さと高い労働意欲が

その後中国に資本を

大挙して移動させる動因となり

アメリカはドルの過剰流動性を

希釈しながら

優良な投資先となるよう配慮を加え

世界の生産基地へと中国を押し上げていく

オバマ民主党政権によって

中国市場に資本を集約するトレンド

を高め

中国共産党政府をたった三年で

世界第二位のドル資産保有国へと

押し上げてゆくこととなる


農業国だった中国を

巨大な消費市場を有する

金満国家へと押し上げたのは

過剰流動を押し付けた

そのアメリカがもつようになった


【ダークサイド】


米中間の現在の対立の根本は

この時の資本移動を目的とした

融和政策の実施に他ならない


中国を経済大国から

軍事大国化させたのは

他ならぬ当のアメリカに他ならない

自らの目論見の失敗によって

壁際にいま

トラムプ共和党政権が

追い詰められる事態へと

行き着いただけのこと

必然的展開というものなのだ


両大国の反目と確執は

機軸通貨のドルの処理

を巡っておきたもの

その原因となった原油価格は

パンデミックの影響を受け

いまでは大幅に値崩れしてしまい

往時の面影を失っている


原油の価値が下がれば

決済通貨としてのドルの需要は

連動して応分に低下する


ドル余り現象がおきなければ

貧富の差の拡大

はこれほど急速に進行しない


欲の深い大国同士が

機軸通貨の身分を巡って

鍔ぜり合いをやっている場合

では最早なかろう
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顛 末 の 一

2020-05-03 06:05:01 | Weblog
現時点で

機軸通貨となっているドル

の発行権を握っているアメリカは

通貨の発行量を制限されない

という大枠の規制から

解放されている


金本位制から71年夏に

一方的に離脱したことによって

それまで天井だったものが消えてなくなり

無制限にドルを発行することが

できるようになったからである


それは戦後復興を実施するための

プログラムとなっていた

ブレトンウッズ体制という枠組みが

終戦の一年前である44年夏に

合意成立していたからだった

大型爆撃機による空襲が

一層激しくなっていき

13ヶ月後の45年八月には

ヒロシマとナガサキに

原爆が相次いで落された

戦後復興を急ぐ必要が

そうさせた


ドルの関与が必要不可欠の条件となり

すべての国がドルでの決済

を通じて交易するようになった

このため

ドルの需要が多くの市場で高まると

その供給を減らすことが

できなくなるという変化に

アメリカが襲われた

何故なら

ドルの供給不足は

ドルの通貨価値を

必要以上に

押し上げてしまったからだ


この事実は

あらゆる取り引きに

例外なく当てはまることだった


希少価値にプレミアムがつく

のとそれはまったく同じこと



インフレは通貨価値の一方的下落

のことなのだが

その本質は

必要な物資の供給の過不足

という状態が原因となっていた


直近の事例となったベネズエラ

のハイパーインフレは

アメリカの影響力を排除しようとした

現地政権が

流通の結節点となっている

税関に於けるものの出入り

を制御したことによって

発生したその結果生じさせたもの


現地通貨ボリバルは

数百万パーセントのイハイパーンフレ

を引き起こしたその一方で

ドルで決済する場合なら

支障なく取引が成立していた


この反対となるプロセスである

需要の減退は

いうまでもなく

デフレを意味するものとなる


成長しようとする経済に

需要の抑制という変化

が強いブレーキをかけ

資本の需要創出

を凍り着かせることとなる

ものが売れないときに

投資しようとする

ばか

はどこにもいない


物の価値を引き上げるメカニズム

は供給の不足がそもそもの原因なのだ

供給が過剰なら

買い急ぐ理由はない

インフレを望んでいながら

デフレ状態から抜け出せずにいた経済を

なんとか変えようとして

アベノミクスが実施された

経過と結果は現実が示した通り

無駄な時間と損失の増加だけが

国民へと残された

当否判断する余地は

夙にない


経済成長にとって欠かせない

エネルギー資源を

石油消費国が大量に輸入するためには

産油国が指定する通貨

で決済する義務が生じる

機軸通貨であるドルの必要性は

ここにあった


経済成長を急ごうとする国が

石油の輸入量を増やせば

必然的にドルの調達を

増やさなければならない

ドルの需要を押し上げるのは

原油相場の上昇と

経済成長を急ぐ圧力の高まり

が組み合わさった相乗効果


産油国が認めない通貨での決済なら

石油の調達は実現しない

そこで世界中の石油消費国が

こぞって為替市場で自国通貨を売って

ドルを買うようになったのだった


ドルと外貨を交換するためのインターフェース

となっているのが

国際金融資本と呼ばれている組織

ユーロが誕生する前までは

ドル資本という名称で語られていた

ドルを供給するための

民間資本による国際的な

通貨交換を円滑に行うための

相場形成の反応場


ドルを供給する側の国際金融資本が

外貨の価値を値踏みして

交換レートが定まる


その決定権はドル需要国にあるのではなく

ドルを供給する側の組織

である国際金融資本の側にある

生産性の高い

つまり投資効率の良い国の通貨は

ドルの供給を生業とする彼ら

にとって

とても魅力的にみえている


ドルを売り渡す代わりに

手に入れた外貨を

ローカル市場へと投資する

一定の利益がそこで得られる

このため

高い利益を得ることが確約されている

成長性の高い国の通貨

が彼らにとって意味のある価値

として認識される


成長率の低い農業国の通貨は

彼らにとっては魅力がなく

買いたたかれて価値を失う

という憂き目に遭う


成長性が見込まれるローカル市場では

ドルで運用するよりも

ローカル通貨で運用する方が

効率よく利益を確保することができる

そこでローカル市場で稼いだ収益を

外貨の通貨価値が高められている

タイミングで

量を調節しながら売却すると

より多くのドルを

少ない外貨で効率よく買い戻すことが

可能となる

通貨交換を取引量で調節しながら

効率化と最大化を図りつつ

収益の合理的確保を通じて

獲得した富を

北米大陸へと集約しながら積み上げる

これがドルを商う彼らの草刈り場


国際金融資本が権利として味わっている

その醍醐味は

ドルを売った時点で利益がでる

ということに留まらず

買い取った外貨を

ローカル市場で運用して利益を増やし

外貨の価値を高めた上で

相対的に値下がりしているドルを

効率的に買い戻す

という行為を経て

三重の利益を短期間で積み上げる

その豊かなる妙味にある


ドルと外貨を交換する往復のそれぞれで

不労所得は勝手に積み上がり

獲得した外貨を合理的に運用して

当該国の市場から富を吸い上げ

ドルへと戻して北米大陸の資本市場へと

それを堆く積み上げる


これこそが基軸通貨に与えられている

巨大な特権のその一部

機軸通貨の供給権を持つ組織は

三重の利益を通貨交換の場と

ローカル市場のそれぞれで

同時に確保する権利が

与えられているという訳だ


この特異な隠された能力は

ドルの通貨発行権を持つアメリカ

に固有の特権なのだ

ドルの供給権を握っているのは

世界市場で牛耳をとっている

国際金融資本というカテゴリー

で括られている

資本集約機能をもつようになった

組織の群


彼らがドルを介して得ている富を

大量に生みだしつづけている

世界市場が常態化している以上

アメリカへと向かう富の偏在は

これからも果てしなくつづく

彼らが一旦ドル売りに奔れば

ドル安外貨高とならざるを得ず

差益となるか

差損となるかは

運次第

そこで予知と予測の能力が

ものを言う


損失が確定し

約束した配当義務を

果たせなくなっても

利益を誘導するチャンスは

繰り返しやって来る

一喜一憂することなく

投資機会の到来を見定める

というのが彼らのスタンス


ドルの供給権を握っている

国際金融資本が

国際間の取り引きに関わる

ということが

アメリカのもつ通貨発行権を

補強するのみならず

その権能を縦横無尽に発揮すること

を許す


70年代に二度あった石油ショックでは

石油の価値が急増し

決済通貨としてのドルの需要も

同じ比率で増加した

イラク戦争では

増税で失敗したパパブッシュに代わって

八年後に大統領となった

ブッシュジュニアが

WTIの市場価格を引き上げて

2008年末まで相場の価格形成を

高めつづけさせていた

いうまでもなく

長期化した戦費を

市場から調達すためである

このときのイラク戦争が

市場原理の価格形成を大きくゆがめ

新自由主義経済

と形容されていた枠組みを

最終的に追い詰めた


この経緯に無関心でありつづけていた

国際社会とグローバル化していた市場経済は

原油価格が高値安定したことで

執拗に高められてきた

エネルギーコストの増大に苦しんだものの

決済通貨としてのドルの需要

をより一層急増させた


こうしてドル余り現象が

地球規模化した市場主義経済を

過剰供給したドルで水浸しにする

という経過の事実が確定した


イラク戦争がつづいていた間

ドルの需要は一貫して高まり続け

過剰流動性は洪水のように

世界市場に溢れかえるようになっていた


過剰流動性を高めたドルを警戒し

北米大陸へと呼び戻そうとして

その方法を誤って失敗を導いた


それがサブプライムローン

による同時多発したデフォルトだった

低所得層に不動産を

大量に販売するための条件となっていた

五年間の低利融資期間が終わった時

債務不履行が大量発生してしまい

膨大な焦げ付きを発生させた


過剰流動性を米国内に呼び戻した筈の

ストラテジストたちが

国際金融資本を利用して

市場で大量に余っているドル

を回収して不動産投資へとそれを振り向け

過剰流動性の回収と

新規市場の創出を同時に図ろうとした

そのアザとさが災いし

リーマンショックを引き起こし

世界規模の金融危機へと

繋げてしまった

というのが経緯のあらまし


上昇していた不動産価格は

下落というフェーズを減ることなく

一気に潰え去ったのだった


イラク戦争は08年冬に

アメリカの敗北に終わったのだが

リーマンショックはその同じ年の秋

のことだった

まことに因果は巡るものである


それまで信用でなりたっていたドル経済圏は

たった一夜で機能しなくなり

金融システムが一瞬で

凍結状態へと陥った


世界各国はドル経済圏に

どっぷりと漬かっていたため

ドルの調達がまったくできなくなった

この危機を救ったのが

G20の創設だった

就中中国共産党政府のバックアップ

が大きく効いた


だがこの後の顛末が

新たな問題を引き起こすこととなり

現在の対立する米中関係

の母体となってゆくこととなる
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