こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

証 明 義 務

2010-02-27 20:49:30 | Weblog
国が目標と定めた二酸化炭素の削減率を

設定したその期限である2020年度までに達成するには

よほど

大胆な手を打たなければならない

現状での推移をみると

25%減らすことなど夢物語


これまでの実績では

削減効果は

まったく

観測されていなかった

この状況を突き破ることが

依然として

まったくできていないのが現実なのだ


さまざまな削減努力を続けてきたにもかかわらず

温室効果ガスの濃度は

一貫して

着実に増え続けていた

この現実をしかと見つめないかぎり

どのような優れた対策を講じても

有効な結果を得ることはできない


自然エネルギーの比率を増やしただけでは

二酸化炭素の排出量を減らしたことにはならない

電力会社の火力発電所の燃焼炉から実際に吐き出されている

温室効果ガスが

減ったということを数値で確認しなければ

二酸化炭素の濃度が希釈された

ということにはならない


温暖化が止ったことを証明するには

主たる原因者に於いて

効果の有無を検証させる必要がある
 
やるべきことは 

自然エネルギーの量的拡大などではなく

化石燃料の直接消費を減らす

ということただ一つのみ


その簡単なことが

いつになってもできないということなのだ

手段と方法の選択には

定められたものが用意されているという訳ではない

あらゆる対策が適用されてよい

ということになっている


太陽電池を導入した地域に

電力を供給している発電所の燃焼炉で発生させたCO2を

実効値で

どれだけ減らすことができたのか

という事実の確認を怠ったまま

クリーンエネルギーによる発電能力の合計だけを抽出し

その分だけ

温暖化の防止に寄与した

と勝手な判断を安易に下してはならない

その思い込みこそが過ちの源になっている


名目上の値をどんなに積み上げていったとしても

大気中の二酸化炭素濃度が増えていたのであれば

温室効果は着実に高められている

実効値で結果を検証確認することができていなければ

何の証明にもならない

ということ


太陽光発電への助成措置は

京都会議の前から既に実施されていた

その経過と結果とを確認せずに

太陽電池の普及を単に急いでみたところで

火力発電所の稼働率に影響を与えることなど

できるはずもない

真実はいたってシンプルなものなのだ


交流の高圧送電というインフラのままでは

電力消費を減らすという努力によって

燃焼炉を止める結果に繋げることは不可能なのだ

そんな仕組みになっているという事実を

電力会社は隠し続けている

電磁誘導の法則のもつ意味を正しく知っていれば

そのことが誰にでもすぐ分かる

変圧器の仕組みを知るということが

最も手っとり早く真相へと至る道


国連の環境部会がこの事実を知らずにいたために

効果のない対策を徒に重ねて

世界中で意味のない自然エネルギーの普及に

一斉に取り組むような展開になってしまったのだった

すべての電力会社が

交流送電の限界について

沈黙を守りつづけているからだった


正しい情報が与えられていなかったために

温暖化の進行を憂いていたひとびとは

消費する電気の量を減らせば

二酸化炭素の排出をその分抑制する効果があるだろう

という誤った認識を抱くようになったのだ

未来を憂うフロンティアたちが

太陽電池を自発的に設置するようになったのは

交流送電を成り立たせている仕組みを

理解していなかったからに他ならない


交流送電を成り立たせている法則について

きちんとした情報が

電力産業から国民に伝えられていたのであれば

再生不要エネルギーへの早期転換は

誠実な電力会社をもつ国から始まっていたはずである


太陽電池は蓄電装置と組み合わせて使わない限り

火力発電所の稼働率に影響を与える力を発揮することが

できない

その太陽電池の導入コストの償却を

電力会社におしつけることによって

自然エネルギーの普及を図ろうとするのは

企業の収益構造を悪化させるのみならず

財政支出をも劣化させて

装置メーカーの売上高を単に支援することにしかなっていなかった

二酸化炭素が減ったという事実を証明する根拠は

未だに確認されたものが何一つ存在していない


国が太陽電池の普及促進にどれほど力をいれようと

電力会社の燃焼炉はその影響をまったく受けない

景気が低迷して産業活動が低下した年にだけ

化石燃料の消費割合を減らす効果が認められるようになっていた

経済環境が改善すればするほど

電力分野で吐き出している二酸化炭素は

直接的に増加するという経過をたどるのだ


国が高邁な削減目標を高らかに掲げたところで

それを実現させるためには

火力発電所を原発に置き換えない限り

不可能なことである

この交流送電の本質の成分を知らずにいると

効果のない温暖化対策を実行する目的で

国民の血税がただ無為に失われていく

という結果を延々と繰り返す


そんな経過が

十年以上も続けられている

助成措置がとられていなかった期間が設けられていたために

太陽電池の普及に後れを取った

ということになっている

助成廃止に圧力をかけていたものが誰であったのか

ということを知れば

問題のすがた形がより明瞭なものとなる


現実のもつ真の意味を知る者は

甚だ少ない

事実誤認がおきているということなのだが

その状態を放置していたこれまでの経過というものが

問題の所在を韜晦することになっていた


国家の財政状態が危殆に瀕しているときに

当事者である電力産業と

それを監督する官庁の部局とが

その損失について

相共に

沈黙を貫き通している

というありさま


ことここに至っては

黙っていることしか

もはや

できまい

逃げ道は もう どこにも残されてはいない


国は電力会社に

二酸化炭素の削減実績を

証明記録を添付して提出させる義務がある

その検証作業の実施を怠っていたからこそ

損失だけが大きく嵩むようになってしまったのである


国の財政収支を劣悪化させた理由の最大の要因は

環境問題に限定すると

紛れもなく

電力産業全体の振る舞い方と

それを生みださせた経緯とに

存する 
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自 業 自 得 ③

2010-02-20 09:43:11 | Weblog
温暖化対策の有望な方法のひとつとして

火力発電から原子力発電への切り替えが

いま真剣に検討されている


全体の約30%になっている原発を

これから

もっとふやして

60%を占めている火力発電所を

その分減らしていくと

日本が生み出している二酸化炭素の48%を

削減する効果が得られる

ということになる

電力業界だけで

ほぼ半分に相当する量の

二酸化炭素を吐き出しているのだから

火力を原子力に置き換えると

それだけで

国が目標として定めた25%を大幅に超える温室効果ガスの削減が

可能になる


核廃棄物の最終処分が

未だ

定まっていないということや

放射能の漏洩事故がおきない

という仮の前提条件を根拠として

原発をこれから大幅に推進していったとした場合

どのような変化が地球におきるのだろうか


見落としてはならない要素として

原発の発電出力が

一定の水準に保たれていなければならない

ということがひとつある

つまり

出力調整をすることができない

という制約が生み出すことになる

その

こと



顛末を

すべての国民は

知っていなければならない

ということ


30%の原発と火力発電所の約半分にあたる30%の燃焼炉

で生み出している電力は

出力調整をしないことが決まっている

ベース電源の発電機が作りだしたもの

需要の半減した深夜になると

供給量の方が上回る状態になってしまうのだ

そこで

電力会社では

深夜電力料金制度を導入し

ひとが寝静まっている頃に消えている

電力需要

の底上げを図らなければならなくなったのだった


電気料金を50%近くに値引きしてでも

発電した電力をカネに換えなければならない

というのがこの業界のおかれている立場

エコキュートを導入しても

その普及は状況を変える力にまでは達していない

需給バランスが相均衡するようになれば

供給価格を元の水準にまで戻すことが可能になる

深夜電力料金制度が生き残っているうちは

供給過剰の状態が続けられている

ということなのだ


すべてのエネルギー資源が

無償で手に入る訳ではない

資本の力学を成り立たせているのは

利潤を増幅させていくその変化が生み出す能力の



割引料金をいつまでも続けているのは

株主に対する背信行為に他ならない


温暖化を止めるために

原発を増やしたとしても

二酸化炭素が減る代わりに

消費されないまま地下へと直行する電力は

却って増大するだけになる

消費者が電気を使う使わないにかかわらず

接地電流は恒常的に発生している

だからこそ

オール電化にすることが必要であったのだ


10%の水力発電を差し引いて

残りの90%を原発に切り替えていったとすると

電力の受給ギャップは最大で45%にまで達する

日中と夜間の電力需要の乖離が

全国平均で約50%になっている

ということは

公表されている既定の事実

ベース電源の比率が65%になっているので

15%の電力が深夜使われることなく

そのまま地下へと落ちていく結果になっていた


その内の3%は

水力発電で再利用するための電力として

無理やり消費されるようになったのだったが

水力の発電単価を最も高いものへと押し上げてしまった

貯水池をもう一つ作らなければならなかったからである

エコキュートで

幾許かの深夜電力の需要を満たす外は

すべての電力が

有効利用されずに

接地点から地中深くへとただ落ちてゆく

さだめ

交流送電のこれが宿命である以上

原発の増設が生む電圧の上昇で

接地電流を単に増やして

地球に吸わせる電荷量を拡大する経過をとる

世界中で原発の導入が促進されると

この星が吸収できる電荷は

いつか

どこかで飽和する状態となるはずだ


地球が吸い込むことになる電荷がこのまま

これからもどんどん増えていくのであれば

どういう変化がこの星におきるようになるのか

というそのことを

前以て

いまから

点検しておく必要があるだろう


炭素資源の大量消費が

二酸化炭素濃度を高めさせ

温暖化を募らせてきたこの現実が夙に確定しているように

需要を超える電力を供給し続ける原発の増設が

地球を

最終的に

電気の星へと換えてしまうことになっていくだろう

物理的な量が

勝手に消えてしまうようなことはおきない

水の惑星そのものが

大きなひとつのコンデンサ


交流送電は接地をとることによって
 
そのシステムを成り立たせているという

特異なモデル

変電所ごとに接地して

大電流を二次的に誘導発生させているのだからこそ

定格電流を大きな損失なしに

高圧で

遠くまで輸送することができるようになっている


接地がとられていなければ

大量の電力を

大きな損失なしに

遠くまで運び届けることは

できない

二酸化炭素を増やすのも

捨てている電流の量を増やすのも

共に

文明が行き着いた最も近い岸辺であった

一方は温暖化という現象を導き

他方は負荷平準化という問題を深刻化させている

国と業界が後先を考えずに

効率を優先させてきたことによって

引き起したその結果だったのである


経過と経緯が既に分かっていることを

承知して

それを続けていってはならない

気候の変動は

地球からの

厳重な

最後通告

であった


火力と原発のどちらを選択したとしても

それは

自業自得となる行為

生命が大きく失われるような状況になったとしても

後の祭りというものなのだ 
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冤 罪 事 件

2010-02-13 10:25:28 | Weblog
認識の拙さというものが

事実誤認という不正な結果をみちびく


警察は犯人の逮捕を急ぐあまり

真相を十分に確かめもしないまま

拙速をものともせず

犯人と思しき人物を速やかに特定し

集めた証拠に基づいて

容疑者の逮捕へと至る


真実を闡明する役割を放棄してでも

犯人を

速やかに割り出し

拘引する理由をつけて

取り調べを急ぐ

さながら

狩猟犬の如き役割を果たしているのが

刑事事件を担当する部門


真実の究明を韜晦してでも

容疑者に仕立ててきたた過去の冤罪の数々を

これまで

たくさん生み出してきた事実を収録した記録が

書籍として残されているほどなのだ


警察が用意したお膳立ての体裁が整っていれば

検察はその調度に

合理的と思われる補強を施し

最終的に引き出した

犯人しか知らない事実を

自白として採用し

事件の全容を揺るぎなきものに固めた上で

絶対的な証拠だとして

法廷での審理に臨んできた


刑事裁判では検察の起訴を受けて

法廷が事実関係を審理することになっている

その手続きが

予断の介在を許すものであったとき

犯行の必然性に関する検証を超越して

犯罪の結果だけを

事実として

直接

確定させるという展開が

これまで

多くの冤罪を生み出してきた

原因が分かっているにもかかわらず

同じレベルの過ちを繰り返すことこそが

問題だったのである


不十分な証拠で犯人を逮捕した警察が

もっともらしい

あらすじを拵えて

その展開を前提とした証拠の補強を

検察が行った上で

動機を解明した積りになっていた

この確信が誤りに満ちたものであったとき

真相は

目を光らせた状態で

藪の中に潜みつづけることになる


裁判官の判断能力がどんなに優れたものであったとしても

事実を証明する証拠の一群に整合性が備わっていなかったのであれば

深層に埋もれたままの真実を

見出すことはできず

したがって

下される判決は

検察があらかじめ想定した通りのものとなる

量刑に違いを持たせることがある程度のことで

犠牲者は

シナリオにそった刑に服さなければならない

ということになっていた


冤罪事件のおそろしいところは

無実のひとが犯人とされるからだけではなく

死刑が執行されてしまった場合さえあった

という事実が複数あるからなのだ

その経過が

別にいる真犯人を

大手を振って街を闊歩させてしまうことを許し

事実認定を誤ったために

犯行を行った者を放置したままにする

という危険な結果を生みだす行為になっていたからであった

冤罪事件で最も注意するべきことは

マスコミの報道がどれほど権威筋に偏ったものになっていたのか

という傾斜を国民が知るということにある


足利事件では

検察が法廷で正式に謝罪を表明したことにより

この度

ようやく結審することとなった

冤罪である事実が認められたことによって

犠牲となったひとの無罪が

来月正式に宣告されることが確定したのだ


この種の事案では

警察と裁判官にも罪がなかったということにはならない

ことと次第によっては

権力組織による誣告罪

が成立し得るケースなのだ


当然ながら捏造されたストーリーを検証せずに

権威からの情報をそのまま鵜呑みにしてきたマスコミの罪は

決して軽くない

その事実を

これまで 誰も指摘したことはなかった

この事件に関しては

一部のメディアが

問題点をかねてから指摘していたのだったが

その他の報道機関は

おしなべて

冤罪の可能性についての報道をしようとしなかった


警察がもつべき健全性がもしそこに残されていたのなら

不十分な証拠を根拠にして

送検することはなかったであろう

検察にそのとき公平性がもし保たれていたのであれば

起訴するようなことはなかったであろう


今国会を賑わせている政治と金の問題では

検察が直接立件を試みたケースであった

結果として三名の有罪が確定したのだったが

マスコミがストーリー展開を図っていた大物を

追い詰めるだけの証拠を集めることが

ついに

できなかった

その所為で

報道機関が準備していた予定原稿は

結果として

大量に

お蔵入りとなり

野党の一部が今尚遠吠えをして

一向に鳴きやむようすをみせないという状況が続くようになった

国民は

そんな国会のありさまを毎日のように見せられる日々に

うんざりしている

マスコミにバイアスがかかっていることが明白になっているとき

報道されたその内容を真実だと思ってはならない

錯誤は

ひとを殺して憚らないことがある


事実関係の認定を誤ると

スケープゴートとなる無辜の犠牲者を生み出すことになるだけなのだ

そして

その代わりに

ほんとうの犯人に免罪符を与え

第二の被害者生み出してしまうことにさえなっていく

再犯の危険性を温存したまま

事件を徒に風化させてしまったのでは

何のための

警察

検察

法廷

そして

マスコミだったのか

という

組織としての存在意義を疑わざるを得なくなる


事件を報道してきたマスコミ各社の姿勢には

冤罪が確定的となった頃から

忸怩たるものを感じさせるものがないではなかったのだが

冤罪の本質により深く切り込む姿勢というものが

相変わらず見受けられなかった

マスコミの健全性を

国民によりはっきりと

見せつけて姿勢を矯す

その必要性が

未だ残されているように思われる

過去の報道姿勢を振りかえり

反省するべき事柄に対しては

率直な姿を

メディア各社は今後示してかなければなるまい


日本全域に貧困をもたらした嘗ての与党勢力は

検察が訴追をあきらめた後になっても

騒ぎつづけている

吠えることに熱中する前に

まず

自ら反省する姿勢を

国民の前に示すべきであろう

それから攻勢に転じるのであれば

国民のこころに訴えかける力が備わる

やるべきことを蔑にしたまま

攻勢に転じることを急ぐと

いかにも空疎な内容が

そのまま伝わってくるだけの結果となる

世間を狭くするのは

ひとのもつ ビヘイビア

反省していない者は

一切の顧慮を受けることができない


謙虚さを失った権威的な存在ほど

始末に困るものは ない 
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乗 数 効 果

2010-02-06 10:57:00 | Weblog
鎌倉市内を流れる

滑川を河口から遡っていく途中の住宅街の入り口近く



決して目立たない

石碑が

ひっそりと佇むようにして建っている場所がある


浅い川にかかっている橋のたもと

川底は岩になっており

往時も今も変わりがないと思われるほど

浅い川である

渡渉すれば数歩で対岸へと行きつく


鎌倉に幕府がおかれていた頃のある晩

青砥藤綱という名の官僚が

その川に十文の銅銭を落とした


供の者に五十文でたいまつを購わせ

川底を探して

落とした十文銭を探し出したという故事が

太平記にある

ということを司馬遼太郎が書いていた


ミクロ経済では差し引き四十文の損失となる話なのだが

マクロ経済では合計六十文の流動性が市場の流通を刺激した

と看做される話でもあった

藤綱がもっていた元の資本である十文銭は

その後多くの人の手に渡ることによって

さまざまな利益を生み出す資本として復活し

松明を売った商人の手に渡った五十文は

店に利益を与えただけでなく

その後も

資本としての効用を末永く発揮するものとなる

時系列で資本が生み出す増大効果を総称して

乗数効果と呼ぶ


土地神話が牽引する不動産取引が生み出したバブル経済では

この乗数効果がさまざまな分野にまで行き渡り

日本経済を

アメリカを凌ぐほどまでに急成長させることとなった

日本に急追されたアメリカでは

Japan as No.1

というシニカルな標語を以て対応したほど

その圧力は驚異的なものとなっていた


土地が売れると住宅の建築が促進される

住宅が建ったらインテリアとエクステリアの需要が増える

什器や食器も新しい物が買い求められ

車も売れれば

各種の消費財の需要までが一斉に高まるようになっていく


低迷する経済環境の下では

乗数効果は広がっていかずに

単発で終わることになる

ダイナミズムを生み出す何らかの方策と併用しなければ

消費が消費を生む展開を市場に導くことはできない


大量の国費を投入しても

投資効果はその時だけのものでしかない

歴代の内閣の行ってきた公共投資の数々に

有効性がまったくみられなかったというのは

経済実態とそのもつ意味とを理解していなかった為政者が

誤った政策を導入実施してしまったことによっておきている

日本の財政赤字が1000兆円に接近するようになったのは

政治指導者の不明にこそその原因があったことなのである


バブル経済になったほんとうの理由を知ることなしに

対症療法で乗り切れると勝手に判断し

不動産融資の総量に大枠をはめ

流動性の循環を断ち切って

その意味を悟ることが数年の間できていなかった

霞が関の官僚たちは

言葉少なに界隈をおろおろと歩き回り

所在なさと景気の急変の前になす術がなかった


そんな時代がしばらく続いたのちに

実績のあるケインズの理論を蒸し返して

公共投資に国費を大量投入する決断をしたのだったが

状況の変化を数値化していなかったために

安易に過ぎた対策を

六年ほど経ってから後追いで実施することとなったのだった

それが日本の財政収支をただ加速しただけで終わり

この国からあれほど叢生していたケインジアンが

一斉に霞が関周辺から消えうせるという奇妙な顛末だけが残された


日本経済は失われた十年と呼ばれた永い期間を

理由を特定することもなく

ただ過ごしていた

この不作為に満ちた期間の存在が

この国の経済を長期間低迷させ

最終的に貧困率を高めるという粗末に過ぎる結果を

生みだせたその一因になっている


日本の貧困率を上昇させた原因となった小さな種は

85年のプラザ合意のときに胚胎し

90年四月のバブル崩壊ののち眠りから覚め

95年の80円を切る仕組まれた急峻な円高を経て

ドルの過剰流動性を希釈するための方便として

円を買ってドルを強制的に売りつけ

外貨準備高を100兆円規模にまで高めながら

その後

イラク戦争を継続するための戦費を調達する市場として

日本と中国が割り当てられたことにより

国民に負担を強いた結果として

産み落とされたものなのだ

呱々の声は国民が呻吟するその叫びであった

中国の経済成長率がドル資本の調達金利を上回っている限り

資本の海外流出はおきない

これが日本の貧困と中国の繁栄の間にある差の成分であった


当初から米政権のいいなりになって憚らなかった旧与党政権が

国と国民に困窮という状態を

自覚なく押しつけていた

ということなのだ

状況の悪化に気付いた国民が

先に政権選択の舵を切ったことによって

この国はようやく健全性を取り戻す過程へと入ることができたのだった


経済の再生は

エネルギーの復興がなったときにだけ成立する

要諦は

環境負荷のない健全で優良なエネルギーを

いつ

手中のものにするか

ということにあった

その一事に日本の命運がかかっているのだが

その事実を知る者は甚だ少ない

地球全体の行く末もその時に決る

経済合理性に優れたエネルギーの創出は

これまでにない規模の乗数効果を

世界中の市場へと波及させいくものとなるだろう




※北条氏に仕えた青砥藤綱の実在性は一部に疑問視されているのだが、その墓が当時から横浜市の金沢区にあったことから、歴史的にみてその存在を疑う余地はない。同じく緑区の中山駅の近傍にある鶴見川の一帯には、青砥という地名が今も町名として残されている。
経済に関する深い洞察と認識だけでなく、人としてあるべからざるほど優れていたということが、その実在性を否定する要因として作用したように思われる。生い立ちは伝承の形で残されているのだが、公的資料にその名がみられないからといって、実在を俄かに否定することは慎むべきではなかろうか。
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