こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

真 相 糾 明

2011-11-27 08:08:45 | Weblog
自然エネルギーを導入するための高くなったコストを

電力会社に負担させことで

二酸化炭素の排出量を少なくする

などということは

できない

原理原則に反するからだ

いまではその負担を

電力会社が

すべての消費者へと割り当てている


この経緯は実に雄弁である


電力の安定供給を義務付けられている業界は

節電や自然エネルギーで

発電出力を減らすことが基本的にできない

交流には周波数という避けがたい成分がある

50ヘルツの周波数は

発電機の磁石を高速で動かすことで

得られる

その速さは一秒間で50回

一分間なら3000回転とその早さが決まっている


発電所では

発電機の回転数を

常に一定の

安定した状態に保っていなければならない


どんなに太陽電池が普及したとしても

それで

発電所の稼働率が影響を受けることなど

あり得ない

回転運動を

安定した状態で

続けている

というのが

発電機の宿命であるからだ


風力発電機は安定した回転数を維持できない

出力は風まかせ

太陽電池は日照の加減により

出力が変化するため

安定させた状態を保つことは

そもそも困難なのだ

消費者が電気製品のスイッチを切っても

その行為によって

巨大な発電機の回転量を変えることはできない


発電機が電流を生み出しているというのは

そこにある高い磁束密度と強い磁場とが

絶えず

回転することによって

大きな変化を

磁場中に

維持し続けることができているからなのだ


電流を生み出すための起電力は

磁束密度と磁場変化の割合で

一義的に決まる

これを電磁誘導の法則という


磁場変化の割合は

交流の場合回転数が規定する

50ヘルツの周波数をもつ交流電流で

電力が供給されている地域では

毎秒50回転という高速で

永久磁石が回っている

この速さは扇風機の最も強い風を生む回転数に

ひとしい

60ヘルツの地域なら

磁場変化とそれが生む起電力とは

20%高くなる


発電効率からみると

60ヘルツの方が優れている

つまり

電流と電圧が

それぞれ

より高くなっている

地場変化の割合が大きいと

起電力も増加する


直流電流が生む磁場変化は

交流のそれよりも小さい

このため起電力も低くならざるを得ない


長距離送電が可能になったのは

電圧を高くすることができる交流技術が進化した

その結果なのだ

それまでは蓄電池を直列につなぐ方法で

高い電圧を引き出していた

電池と名のつくものは

すべて

直流電源である

太陽電池

燃料電池

リチウムイオン電池



古典的な鉛蓄電池

など など


交流の送電ネットワークに直流電源を繋ぐには

そこに周波数を変えるための

特殊なデバイスを噛ませてやる必要がある

インバーターと呼ばれるその装置は

直流電流を高速でスイッチングさせることで

所定の周波数を生み出す

その速度は

周波数のもつ変化

つまり運動量の大きさに等しい


磁場変化は発電機だけでなく

変圧器の中に於いても生じている

電流は変化する磁場そのものであるからだ

アンペールはそれを右ねじの法則と呼んだ

電流は時計回りに磁場を変化させており

それが右ねじを締めるドライバーの運動方向と同じであることから

そう呼ばれている

電流のあるところには

変化する磁場が常時展開されている

ということなのだ


変圧器のコイルに交流電流を流すと

磁場を共有する別のコイルに

起電力が生じる

この磁場変化による起電力が

誘導電流を生み出す

誘導電源に起電力を発生させるには

消費者が電気製品のスイッチをオンにするだけでよい

その行為ひとつで

電気回路が求める消費電流だけが

変圧器の100ボルト側のコイルに

正確に誘導される

100ワットの電球になら

1アンペアの電流が流れ

400ワットの冷蔵庫なら

4アンペアの電流を流す起電力が誘導される

電力とは

電圧と電流を掛け合わせたその結果のこと

100ボルトの回路に1アンペアの電流が流れると

100ワットの電力を消費したことになる


問題は

この消費電力を消す節電という行為が

誘導電流だけを消して

それを生み出している高圧側の励磁電流を

そのまま流し続けさせている

というその点にある


消費者がどんなに節電に励んでも

発電所では

それにより

発電機の出力を減らすことができない



誘導電流を生むための磁場変化を体現する励磁電流を

コイルに流し続けていなければ

低圧側100ボルトのコイルに

電流を誘導することができない

消費者による節電は

回路に発生した誘導電流だけを消し去り

それを生み出している磁場変化の主体である

励磁電流を地下へと流し続けさせている

高圧の電流を維持するためには

送電線の終端部が

最も低い電位に接続されていなければならない

最低の電位とはゼロボルト

これは大地であることを意味する


省エネ節電と新エネルギーのすべては

火力発電所の稼働率に影響を及ぼすことが

つまり

できない

その結果

大気中の二酸化炭素濃度は増加し続け

温室効果は年々歳々高まっていかざるを得なかった

温暖化を防止するための対策は

何の役にも立っていなかった

ということになる

問題は単純なのだ

この事実にさえ文明は気づかない

業界が秘密主義を貫いているからだ

真相が露見したとき

電力会社はその責任をとらなければならない

国が被った損失は

原発事故の災害賠償の比ではない

電力業界は国と国民に対する告知義務がある

それを意図的に怠っていた


国を劣化させた要因の一つは

電力会社と業界が持つ隠蔽体質にホカナラナイ
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不 自 然 性 ②

2011-11-20 07:27:34 | Weblog
原子力発電という手段を

世界各国が喜んで手放せるようにするためには

交流電流を高圧化して

遠くまで輸送しなければならない

というその必要性を

なくしてしまうことができることを証明すればよい

それを可能にするための方法が

いくつか

ある

その中から最も合理的なものだけが

生き残る


文明は結果として

エネルギーを効率よくとりだす方法を手に入れる

やがて温暖化は止まり

経済は反転し

繁栄に基づく平和状態が訪れる

そんな時代の到来を今へと早めるためには

災厄の種である原発を

速やかに

日本から先ず放擲してしまわなければならない


核にはそもそも温暖化を止める能力がない

火力発電を併用しなければ

電力供給を安定的に

成り立たせ置くことができない

原発の定期点検を行う時には

火力発電所の支援がなければ

電気エネルギーを存分に使えなくなる

定期点検の周期は13カ月

原発を導入したからといって

火力発電をなくすことまではできない


原発の導入を拡大するには

バックアップ用の火力発電も拡充しておかなければならない

原発を廃止するには

それを可能にするため条件を満たす必要がある

その手っ取り早い最もシンプルな方法とは

消費地の隅々にまで張り巡らされている配電線の起点に

100kwh程度の出力を持つ小型発電機を置く

ということである


50ヘルツの周波数の交流電流が流れている配電系統で

安定的に常時維持されている電力は

高圧側で6600ボルト

低圧側で100ボルト

この二種類の電圧を持つ其々の電流が

互いに異なったコイルを流れていく

コイル同士は絶縁されていて

繋がってはいない

この非接触という状態が

誘導電流を生みだすための条件になっている


高圧側を流れているのが励磁電流

その変化する磁場の影響を受けて

低圧側に発生するのが誘導電流

と呼ばれている変圧された電流である

この相異なった二つの電流は

直接触れ合うことがない

互いに離れていることで

相手側に

磁場を介して

電流を誘導することができるような関係を保っている

電圧の高い側のコイルでは起電力がポテンシャル状態で維持されており

電圧の低い側のコイルに誘導電流を発生させている

この誘導電流がすべて消えてしまうと

磁場の消失という変化が起き

それによって

逆向きに流れ出ようとする電流が誘導されることになる

これを負の誘導という意味で

逆起電力と呼ぶ

互いに異なった電流を誘導しあうという状態は

相互誘導と呼ばれ

スパークを伴った大きな爆発を引き起こす

そうなることを事前に避けるために

中性点接地という方法が

配電系統の変圧器の中で採用されている


要するに6600ボルトの出力電圧をもつ電源が

配電系統の起点となる部分に

一つだけあれば

電信柱を繋いでいる配電線を

どこまでも

延々と伸ばしていくことができる

ということなのだ

三相交流でも同じことである

電源を同期させ

位相を120度ずつずらすように配置すれば

共通の燃焼炉で複数の発電機を同期させることができる

回転軸を共有する発電機は

同じタイミングで異なった交流電流を発生させる


末端の変電所では6万6千ボルトの高圧の送電線から

6千6百ボルトへと減圧された配電線へと電流を分岐させ

10本の系統に電力を同時に分配することが既にできている

電力を10分割しているのだから

電圧は十分の一へと落ちるのだが

電流値は反対に10倍へと高まる


原発の代わりにこの変電所に小型の電源を一基だけ置くと

それだけで

10本以上の配電線に

6千6百ボルトを上回る電力を安定供給することが

可能になる

励磁電流を繰り返し再利用する方式は

誘導電流を何倍にでも自在に増やすことができるものとなる

それを可能にするのが励磁電流というものなのである

総ての変圧器と変成器とは

誘導電源という点では同じものなのだ

電磁誘導の法則を応用すると

原発を代替する小型電源の導入が容易になる


この電源が化石燃料を消費するものであったとしても

大規模火力と比べてみれば

その有効性は際立って高まる

小さな電源でありながら

広大なエリアをカバーする電力を

一本の配電線だけで輸送することができるのだから

電灯用電力なら

単相交流の配電線が一本だけあればそれで十分なのだ


一次エネルギーの供給源となる発電機は

回転機型のモデルであることが望ましい

安定した周期と波の形とが常時保てる

この小型発電機を配電系統に繋いでやると

高圧の送電線が要らなくなる

大規模電源も必要がない

この簡単な仕組みへと切り替えることが

エネルギー問題を最も早く解決へと導く

同時に環境問題と経済問題にもけりがつく


原発を廃絶するためのヒントは

身近な所にあった

電信柱を繋いでいる電線を調べていけば

誰でも最適解へと辿りつく

配電線の接続の仕方にみられる不自然性は

秘密を解くためのおおきなヒント
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市 場 統 合

2011-11-13 07:59:51 | Weblog
ドル経済圏がどんどん大きく広がっていくことによって

利益が得られるのはどこか


それを考慮しなければ

正しい判断を下すことはできない


ドルの発行権をもたないその他の国では

自国通貨を売って

ドル資本から

為替市場を通じて

必要なグリーンノートを買わなければ

生産の要であるエネルギー資源と

防衛のための兵器を

輸入することができない


エネルギー資源を調達しようとする行為は

自国通貨を外国籍の資本へと売り渡すこと

ドルの需要を引き上げてその通貨価値を高める

自国通貨の価値は反対に低下する

通貨交換という行為は相対的な関係の上に築かれている

ドルを求めて値を下げた国の通貨は

高くなったドルの価値を活用させ易くし

ドル資本に有利な条件を与えるものとなる


獲得した外貨の使い道がその国の市場にあるのなら

ドルによる再投資の循環が成り立つ

有利な投資先が見当たらない国では

ドルの円滑な供給がおきない

世界中で通用するドルを

その国の中でしか使えない通貨へと替えることに

合理性はないからだ

魅力のない通貨と市場をもつ国は

エネルギー資源と兵器を輸入するために

売り渋るドル資本に対して

高いドルを買わなければならない

決済通貨としてドルの持つ便利さは

輸出する国にとって

見逃しがたい成分なのだ


TPPは太平洋を共有する地域で

市場を統合しようとする試み

意義はある

だが

ドルが基軸通貨となっている限り

メリットがあるのはアメリカのみ

その他の国では市場の拡大という疑似餌に釣られた魚のように

もがき苦しんで

保有資産を

ドルの供給者すべてに

引き渡さざるを得なくなる


市場統合を目指す意思があるのなら

その前提条件として

基軸通貨をドルではなく

どこの国にも属さない

人工の通貨を創出してからにするべきだ

中立の通貨を公平な条件でやり取りするのは

交易の基本

アメリカが言い出したことを

無批判に受け入れてはならない

決断を急がせるその手法は

詐欺行為の予告

真実を悟られたくない者が使いたがる手口

そのことに思いを致す国があっても

よい


表層の部分に囚われていると

問題の本質が見えなくなる

ドル経済圏の拡大を目指すアメリカの立ち位置を俎上に載せず

貿易の自由化を

頓着なしに目指すことが

食料自給率の一層の低下をもたらす

という皮相な部分へと

問題が収斂している

この意味のすり替えにさえ気づかないのは

どうしてなのか


アメリカとドル資本とは

ドルの供給事業で利益を世界中から得てきた

その結果

産油国以外の殆どの国で

財政赤字を悪化させ

付加価値税を高めなければならなくさせた

若者の失業率は増加し

治安は悪化した

犠牲者の中には米国民も含まれる

貧困の蔓延は

ドルの供給国の国民にも

貧困を強要した

99%の持たざる者と

1%の持てる者との乖離が決定的となり

温和な多数派の反乱が

アメリカを起点として

今年

ついに始まった

夏が終わろうとする頃のことだった


資本の論理に翻弄されてきた文明は

エネルギー資源とドルとを手に入れるために

貧困と温暖化による自然災害の増加に苦しめられるように

なった


原因を突き止めることができたとき

病は癒える

対症療法で急場をしのいでも

傷口から出血が続いていると

貧血を経て

最終的に失血死へと至る


経済構造から公平性を奪っていたものを消し去ることが

有効な止血剤となる

新設の地域共通の通貨として

ユーロが既に有効に機能している

ドルでもなくそしてユーロでもない新らしい基軸通貨を

市場統合を目指す各国は

真っ先に導入しておかなければならない


いまの基軸通貨の発行国に恣意的行動を許しているのは

ドルを買ってきた国すべて
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信 用 経 済

2011-11-06 07:36:42 | Weblog
金融システム全体のどこか一箇所に

信用不安が予告なく生まれると

システムのすべてが円滑に機能しなくなる

信用という実態のない概念で

資本の移動が維持され

大きな利潤を

金融機関へと与えているこの時代に

深刻な問題が唐突に露われてでた


価値の指標とされていた金という物質のもつ量的制約が消え

経済成長に大枠を嵌めていたタガが外れたことにより

資本の移動と拡大が青天井になった

転換点となったものは

ドルショックと呼ばれている

機を画すことになったその変化

金本位制からアメリカが一方的に離脱したことで

一夜にして

金という物質が価値の基準ではなくなった


この時から資本は価値の裏付けなしに

世界のいたるところへと

自在に浸透していくようなものになっていった

基軸通貨の発行国であるアメリカは

その直後

二度にわたって起きた石油ショックで

需要が高まったドルの供給を増やさざるを得なかった

地下資源の取引を決済するには

基軸通貨とされているドルで行わなければならない

アメリカの通貨であるドルがあれば

あらゆる人が

あらゆるものを手に入れることが

簡単にできた


ドルショックと石油ショックとは

十年に満たない期間で集中的に起きた変化であった

1971年には金本位制が撤廃され

1973年には第四次中東戦争が起き

それが第一次石油ショックへと繋がった

1978年にはイランで王政を倒す革命が成立し

第二次石油ショックが引き起こされた


石油の価格は更に高騰し

決済通貨であるドルの供給量は

連動して必然的に増加した

ドルが過剰流動性を身につけたのは

この時期のことである

ドルの供給圧力を受けたアメリカは

価値をどんどん高められた基軸通貨の発行を迫られた

ドルの通貨価値は短期間で急騰し

その調整を急いだアメリカは

G5を招集して

協調介入でドルの供給を増やしたのだった

1985年秋のことである


この協調介入は長続きせず

代わりにドルを供給する窓口となっていた金融機関が

ドル資本に融資する形でドルによる海外への投資を促した

その結果貿易黒字を続けていた日本の円が買われるようになり

ドルの過剰流動性は一旦希釈された

かのようにみえた


途上国などの経済成長に伴って

石油の需要が増え続けていたことから

ドルの需要も連動して増加することとなった

世界の市場にはドルが余って滞留するようになり

当時のFRBは政策金利を引き上げて

過剰流動性を回収しようと努めていた

この期間

アメリカの政策金利は頻繁に変化している

余っているドルの有効な投資先として

プラザ合意以降

日本の不動産市場がその対象に選ばれた

狭い国土に大勢の国民が犇めいている状態は

土地価格の上昇を促す

不動産投資は絶対に値下がりしない安全な投資である

と内外ともに信じられていた

土地神話が生まれ出たのはこのような背景があったからなのだ

日本の経済は土地と不動産に対する

海外から押し寄せてきた投資で急拡大

急成長することができた

それを日本ではバブル経済と呼んだのだ


協調介入したG5を構成する国では

手持ちのドルを市場に投入し

自国通貨の価値を引き上げざるを得なかった

有効な投資先のなかった国ではバブルは起きず

不動産取引で富を生み出していた日本市場でだけ

バブル経済がドル資本と

国内の経済評論家たちとによって

急成長する状態が続くようになっていた


バブル崩壊後の日本経済は低迷を続け

失われた十年を

倍の二十年へと増やしただけだった

対策を講じなかった訳ではない

有効ではない対策に国家予算をつぎ込んだということが

かくも長い経済低迷を国民に強いている

現状を分析する能力が

政策立案者のすべてに欠けていた

優れた判断能力を政治家がもっていながら

それを活かす正確な情報が

当時も今も存在していない


この期間を通じてドルの流入は一貫して続いていた

円へと向かう見かけ上の擬似的な投資が

ドル資本の真の狙いを曖昧なものにした

貿易黒字を続けている日本の通貨であれば

買われて高くなっても誰も怪しまない

せいぜい経済実態を反映していない

という遠吠えを毎回促すだけで沙汰やみとなる


米政府とドル資本のメリットは

世界中の市場に供給した原油の決済資金であるドルから

過剰流動性を消し去るということにあった

円高ドル安がファンダメンタルズの結果である

と説明できているうちは

ドル余り現象を生み出している基軸通貨の発行権を

最大化することが可能になっている


余っているドルは

通貨の移動を手段とするビジネスに群がる組織に回収させ

貿易収支を黒に偏らせている日本市場で吸収させてしまえば

平衡状態が導き出せるし

過剰流動性を洗濯して

汚れのないドルへと戻すこともできる

というアメリカにとって都合のよい仕組みを生み出していた

一方的に買われて通貨価値を高められてきた円は

ドルの過剰流動性を消すための

マネーロンダリングと同じ効能を得させるための犠牲を

日本というシステム全体に与えるものになっていた


信用経済は価値の基準を金から石油へと変えたことにより

ドルの流通量を制限なく増やし

基軸通貨としての信任を高めていった

地下資源の消費を促しただけでなく

結果として温室効果を高めた上

ドルを買ったすべての国に対して

その市場が生み出した利潤を奪う

という経過を等しく残すものとなった

財政赤字を強要するサイクルは

このようにして地表へ災いを連れてきた

国内市場でまわる筈の流動性が希薄化すると

その国の税収は減り

財政はすなわち悪化する

ドルの発行益はアメリカの軍産複合体制へも及び

最強の軍事力を誇るアメリカは

常に最先端の兵器で防衛能力を高めることが可能になっていた

ミリタリーバランスに引っ張られて

軍事予算を増やしていったその他の国の財政は

相乗効果で

より早く悪化していかざるを得なかった


殆どの国では

国債の発行で不足する税収を補う必要に迫られ

軍事予算を持つすべての国の財政収支が赤字を募らせていった

だが

信用経済を成り立たせていたシステムが機能しなくなると

資本の移動は次第に困難なものになる

根本的な原因はローカル通貨であるドルをその状態のまま

基軸通貨として機能させてきた

というこれまでの経緯にある

世界の富は悉くアメリカを目指す

この偏りがアメリカを含むすべての国の財政を悪化させ

貧困を急がせて

テロリストを量産する循環を生み出している

富の使い方をアメリカは誤った

防衛力の維持拡大と

再投資にだけ関心を向けてきたからだ

取り上げた利潤の一部を還元してこなかったということが

市場を枯らすという

実に拙い経過を意図せずに生み出している


資本の論理は信用の喪失により

崩れ去る直前へと追いつめられた

対症療法では問題を解決することができない

財政破綻の瀬戸際にある国は

ひとつだけではない
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