不具合を生み出しているその濫觴を探っていくと
アメリカという国がもつ
基軸通貨の発行権へとたどり着く
それを自在に活用することを可能にするドル経済圏の拡大と
発行し過ぎて余らせた過剰流動性を希釈するための方便
であるところのドル安政策とを併用することにより
アメリカ国民は
租税負担を課せられることなしに
世界最強を誇る軍事力を保有する身分となっただけでなく
過剰消費を当然視する立場を獲得するようになったのだった
ドルが基軸通貨として通用することができていた期間
つまり
戦後の60年を通じて
アメリカの積み重ねてきた膨大な借金は
印刷能力の限界が規定する程度の
米国民にとって取るに足りないものとなった
債務の清算なら新刷のドルで
いつでも自在に返済することができ
既発のドルなどは
速やかに回収して
世界中の国々へと
民間の投資行為によって売りつけてしまうようにすると
二重の利益が同時に得られるようになっていた
市場に大量のドルが放置されたままであると
その通貨価値は毀損する
過剰流動性となったものを制御下で減らしていくと
ドルの価値を損なわずに
充分な量の新規発行が可能になる
原油高を演出してドルの需要を増やせば増やすほど
アメリカは基軸通貨の供給益で潤う
最近では原油相場に牽引させない方法で
ドルの新規発行がなされている
マネーサプライを公開できないほどまでに
その発行量は6年に亘って増え続けている
このような見えない仕掛けの上で国際経済は動いている
ドル安政策というものは
アメリカがドルの発行権を維持拡大するために必須となる措置なのだ
市場でダブついているドルを速やかに回収し
それを外国に売りつけることによって得た外貨で
その国の土地や企業
固有の資産などを次々に買収し
運用益を肥え太らせた上で
速やかに利潤を回収することができるようになっている
元本まで還流させるようになった国から
貧困状態へと落ちていく
これがドル資本がやってくると
国が貧しくなるという理由であった
米政権がこの方策をとることによって
ドルの過剰流動性を希釈することができるようになっただけでなく
アメリカが背負い込んだ借金の総額まで
減らすことさえ可能にした
という結果が残されている
ドル安政策を推進するための組織は
米系の国際金融資本と呼ばれている
所謂 ドル資本という一大勢力のことである
世界中で大量に余っているドルを回収して
特定の外貨とそれを自在に交換する
それが日本である場合なら
円ドル相場と呼ばれるものとなる次第
ドル資本がドルを安売りすればするほど
円の価値は勝手にどんどん高められていく
その対策として実施されていたのが
為替介入という俗称をもつ手法であった
ドル資本に買われて高くなり過ぎた円を売って
安くなり過ぎたドルを買うと
円の価値は元の状態近くにまで下げられる
ドル資本と呼ばれる民間組織が誘導した円高ドル安という状態を
政府日銀の意を受けた代理の組織が
財務省の短期証券を銀行に押しつけて得た資本で
ドル買い介入を実行することにより
円安という状態を復元するという慣例が85年以降につくられた
プラザ合意の後になってからのこと
ドル売りはファンダメンタルズの結果としておきたもの
と
米政権はこれまで一貫してそう説明してきた
ドル安政策という名称には
それが政策として機能しているという事実が
はしなくも
示されている
ドル安政策に対抗するには
ドル売り圧力以上の円を
大量に供給してやらなければならない
それには
欲しくもないドルを必要以上に国が買わなければならない
という経過を受け容れることを強制されることになっていた
その結果が1兆ドルに達する外貨準備高になったのである
国が保有するドル建ての資産の90%相当が
アメリカの公債へと化けていく
ドル安政策が続けられている限り
在外資産を取り戻す機会はやってこない
ドルを売って改めて円を買わなければならないのだから
自らの手で回避したはずの円高を再現してしまう
という意味のない結果を引き寄せることになるからだ
ドル安政策の攻勢を受けてドルを強制的に買わされた国では
米国債の保有残高を徒に増やし
それをアメリカの国内市場へと
預けっぱなしにしておかなければならなくなるのだ
時の経過と供に
ドルの通貨価値は値下がりを続けていくため
ドル建ての在外資産の価値は放置しておくだけで目減りしてしまう
1ドルが360円だった時代に買った米国債の価値は
今では90円の価値でしかなくなってしまっている
四分の一にまで減っているのだ
その分
アメリカの負った負債は75%も圧縮されることとなったのである
ドル資本がやってきた国では
買収工作が進められ
獲得した収益は
三か月周期でアメリカ本国へと帰ってゆく
その国の市場ではその分だけ
流動性の厚みが失われ
市場は枯れる
これが貧困の原因になっていた
カネの回らなくなった枯れた市場では
企業が収益を増やす機会は与えられない
企業の活力が衰えれば生産性は減り
国民の所得も減る
消費市場は低迷の螺旋階段を下る一方という状態になる
それが デフレ
税収も当然低下することになる
国民の困窮は
歴代の政権がドル資本を呼び込んで
その流出を放置放任していたことによって引き起したものに相違ない
経過が意味するその実態を知ろうともせずに
米政府に率先して迎合してきた結果
国民の暮らしは次第に追い詰められていくようになったのだった
問題のもつ本質の成分が見えてくるようになったなら
有効な対応方法を導くことができるだろう
おきている事態そのものを理解することができなければ
処置を講じる必要性に気づくことはできない
ファンダメンタルズの結果を改善させるためには
ファンダメンタルズを生み出している分子を用いて
対等な交渉で対抗することができるようにしなければならない
ドル売り圧力を受けた国家が
通貨交換の仕組みに関与するようになったからこそ
取り戻すことのできない外貨準備高を積み増して
その価値を大きく減らす
という粗末な結末が与えられるようになったのだった
マニュアルに当たらなければ判断できなくなっていた知識階級が
この状況を導いたといえるだろう
この世の中は
教科書のない問題だらけ
考える力を養おうとしない教育からは
不具合の因縁に関心を持とうとしない学生が再生産されるのみ
批判精神のないところに
優れた指導者は育たない
教科書に頼らずに正しい判断を導き出すためには
知を統合し
高い蓋然性に基づいた有効解を選択することができなければならない
起きている事実の意味とその背景を知るということは
正しい判断を得るための第一歩
判断ができるようになったら
決断は容易だ
交流送電と太陽電池とが野合するその趣きのもつ意味に気がつけば
温暖化を止める健全な方法の所在を探ることができるだろう
候補の中から経済効果の最も高い方法を選び出し
その実現に専念するだけで
問題であったものは
カタチを失ってその場から身罷る
軍縮が成るのはその効果のうちの一つに過ぎない
貧困から解放された人類は
生産性を高めて
新たな文明を育みはじめる
おくれて見出された究極のエネルギーシステムは
アメリカが生み出した不合理の一切を
止揚するものとなる
アメリカという国がもつ
基軸通貨の発行権へとたどり着く
それを自在に活用することを可能にするドル経済圏の拡大と
発行し過ぎて余らせた過剰流動性を希釈するための方便
であるところのドル安政策とを併用することにより
アメリカ国民は
租税負担を課せられることなしに
世界最強を誇る軍事力を保有する身分となっただけでなく
過剰消費を当然視する立場を獲得するようになったのだった
ドルが基軸通貨として通用することができていた期間
つまり
戦後の60年を通じて
アメリカの積み重ねてきた膨大な借金は
印刷能力の限界が規定する程度の
米国民にとって取るに足りないものとなった
債務の清算なら新刷のドルで
いつでも自在に返済することができ
既発のドルなどは
速やかに回収して
世界中の国々へと
民間の投資行為によって売りつけてしまうようにすると
二重の利益が同時に得られるようになっていた
市場に大量のドルが放置されたままであると
その通貨価値は毀損する
過剰流動性となったものを制御下で減らしていくと
ドルの価値を損なわずに
充分な量の新規発行が可能になる
原油高を演出してドルの需要を増やせば増やすほど
アメリカは基軸通貨の供給益で潤う
最近では原油相場に牽引させない方法で
ドルの新規発行がなされている
マネーサプライを公開できないほどまでに
その発行量は6年に亘って増え続けている
このような見えない仕掛けの上で国際経済は動いている
ドル安政策というものは
アメリカがドルの発行権を維持拡大するために必須となる措置なのだ
市場でダブついているドルを速やかに回収し
それを外国に売りつけることによって得た外貨で
その国の土地や企業
固有の資産などを次々に買収し
運用益を肥え太らせた上で
速やかに利潤を回収することができるようになっている
元本まで還流させるようになった国から
貧困状態へと落ちていく
これがドル資本がやってくると
国が貧しくなるという理由であった
米政権がこの方策をとることによって
ドルの過剰流動性を希釈することができるようになっただけでなく
アメリカが背負い込んだ借金の総額まで
減らすことさえ可能にした
という結果が残されている
ドル安政策を推進するための組織は
米系の国際金融資本と呼ばれている
所謂 ドル資本という一大勢力のことである
世界中で大量に余っているドルを回収して
特定の外貨とそれを自在に交換する
それが日本である場合なら
円ドル相場と呼ばれるものとなる次第
ドル資本がドルを安売りすればするほど
円の価値は勝手にどんどん高められていく
その対策として実施されていたのが
為替介入という俗称をもつ手法であった
ドル資本に買われて高くなり過ぎた円を売って
安くなり過ぎたドルを買うと
円の価値は元の状態近くにまで下げられる
ドル資本と呼ばれる民間組織が誘導した円高ドル安という状態を
政府日銀の意を受けた代理の組織が
財務省の短期証券を銀行に押しつけて得た資本で
ドル買い介入を実行することにより
円安という状態を復元するという慣例が85年以降につくられた
プラザ合意の後になってからのこと
ドル売りはファンダメンタルズの結果としておきたもの
と
米政権はこれまで一貫してそう説明してきた
ドル安政策という名称には
それが政策として機能しているという事実が
はしなくも
示されている
ドル安政策に対抗するには
ドル売り圧力以上の円を
大量に供給してやらなければならない
それには
欲しくもないドルを必要以上に国が買わなければならない
という経過を受け容れることを強制されることになっていた
その結果が1兆ドルに達する外貨準備高になったのである
国が保有するドル建ての資産の90%相当が
アメリカの公債へと化けていく
ドル安政策が続けられている限り
在外資産を取り戻す機会はやってこない
ドルを売って改めて円を買わなければならないのだから
自らの手で回避したはずの円高を再現してしまう
という意味のない結果を引き寄せることになるからだ
ドル安政策の攻勢を受けてドルを強制的に買わされた国では
米国債の保有残高を徒に増やし
それをアメリカの国内市場へと
預けっぱなしにしておかなければならなくなるのだ
時の経過と供に
ドルの通貨価値は値下がりを続けていくため
ドル建ての在外資産の価値は放置しておくだけで目減りしてしまう
1ドルが360円だった時代に買った米国債の価値は
今では90円の価値でしかなくなってしまっている
四分の一にまで減っているのだ
その分
アメリカの負った負債は75%も圧縮されることとなったのである
ドル資本がやってきた国では
買収工作が進められ
獲得した収益は
三か月周期でアメリカ本国へと帰ってゆく
その国の市場ではその分だけ
流動性の厚みが失われ
市場は枯れる
これが貧困の原因になっていた
カネの回らなくなった枯れた市場では
企業が収益を増やす機会は与えられない
企業の活力が衰えれば生産性は減り
国民の所得も減る
消費市場は低迷の螺旋階段を下る一方という状態になる
それが デフレ
税収も当然低下することになる
国民の困窮は
歴代の政権がドル資本を呼び込んで
その流出を放置放任していたことによって引き起したものに相違ない
経過が意味するその実態を知ろうともせずに
米政府に率先して迎合してきた結果
国民の暮らしは次第に追い詰められていくようになったのだった
問題のもつ本質の成分が見えてくるようになったなら
有効な対応方法を導くことができるだろう
おきている事態そのものを理解することができなければ
処置を講じる必要性に気づくことはできない
ファンダメンタルズの結果を改善させるためには
ファンダメンタルズを生み出している分子を用いて
対等な交渉で対抗することができるようにしなければならない
ドル売り圧力を受けた国家が
通貨交換の仕組みに関与するようになったからこそ
取り戻すことのできない外貨準備高を積み増して
その価値を大きく減らす
という粗末な結末が与えられるようになったのだった
マニュアルに当たらなければ判断できなくなっていた知識階級が
この状況を導いたといえるだろう
この世の中は
教科書のない問題だらけ
考える力を養おうとしない教育からは
不具合の因縁に関心を持とうとしない学生が再生産されるのみ
批判精神のないところに
優れた指導者は育たない
教科書に頼らずに正しい判断を導き出すためには
知を統合し
高い蓋然性に基づいた有効解を選択することができなければならない
起きている事実の意味とその背景を知るということは
正しい判断を得るための第一歩
判断ができるようになったら
決断は容易だ
交流送電と太陽電池とが野合するその趣きのもつ意味に気がつけば
温暖化を止める健全な方法の所在を探ることができるだろう
候補の中から経済効果の最も高い方法を選び出し
その実現に専念するだけで
問題であったものは
カタチを失ってその場から身罷る
軍縮が成るのはその効果のうちの一つに過ぎない
貧困から解放された人類は
生産性を高めて
新たな文明を育みはじめる
おくれて見出された究極のエネルギーシステムは
アメリカが生み出した不合理の一切を
止揚するものとなる