こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

要 素 抽 出

2010-05-30 07:37:55 | Weblog
地球の温暖化という現象を

誰も

未だ

止めたことがない

温室効果ガスは減るどころか

増え続けている

この現実を受け容れるところから

始めなければ

有効解は得られない


温暖化を防止するための対策は

これまでたくさんの方法で実施されていた

だが

その効果はゼロだった

温室効果ガスの90%を占める二酸化炭素の濃度は

大気中で増加し続けていた

海が取り込んだことで上昇した水温の平均値は

約0.1℃

という報告が日本の気象庁からだされたばかり

この値を大気に適用すると

30℃に相当するということだ

海水の表面温度を0.1℃上昇させた保温効果は

そのすべてを大気が取り込んだとすれば

300倍の増幅効果を発揮する

ということになる


温暖化をこれまで止めることができていなかったのは

問題の本質を見ようとせずに

対症療法で乗り切ろうとしてきたからだった

二酸化炭素を実際に減らしたいのなら

化石燃料の消費を減らせばよい

この認識は ただしい

化石燃料とされている炭素系資源は

主に石油と石炭

天然ガス など


自動車のエンジンはガソリンなどの石油系燃料でピストンを動かし

直線運動を円運動へと換えることで

推力を取り出している

輸送分野で二酸化炭素を減らすには

エンジンの比率を下げ

モーターの比率を上げればよい


現在はその中間の段階にあたる

ハイブリッド方式が主流になっている時代

エンジンとモーターを併用するモデルなので

ガソリンの消費割合は

ほぼ半減する

ガソリン1Lあたりの走行距離は

つまり

倍増する


モーターだけで自動車が走るようになれば

内燃機関がそっくり要らなくなる

このため

移動そのものに関する限り

二酸化炭素の発生は ない

電気エネルギーを移動体に備蓄しておくためには

蓄電ユニットが必要だ

充電するために

車を長時間止めておかなければならない


電気を備蓄するデバイスは電池という直流電源

急速充電すれば停止している時間を節約することが

できる

だが

その行為は

電池の劣化を早めて

寿命を短くする

つまりコストアップと引き換えなのだ


電力業界では交流の長距離送電を実施している

このため

需要が大幅に減る真夜中でも

一定の送電を常時行っていなければならない

交流電流には周波数という成分があり

プラスとマイナスを切り替えている周期を

常に安定した状態に保っていなければならない

という制約が ある


要するに出力調整ができない

という基本的な条件に拘束されているのだ

これは

交流電流がもつその避けがたい宿命である

消費者が頑張ってどれほど節電したとしても

時間を遡って

発電所の稼働率に影響を及ぼすことなど

できることでは ない


一旦電流となったものは

使わない限り

その総てを地中へと捨てなければならない

交流送電という方式には

壮大な無駄が ある


太陽電池や風力発電でも

交流送電のネットワークに連携させれば

その能力を活かせなくなる

末端で発生させた電流には

源流にあたる発電機の出力を調整させる能力がない

発電機の出力を調整する方法は

回転数を減らすことに限られる


周波数変動を犠牲にすれば出力調整は可能なのだが

その行為は電力の品位を落とすだけでなく

電力会社の送電義務を大きく逸脱させ

電気事業法に抵触するという

経営の根幹にかかわる重大な結果を招く


電気は水やガスとは違って

止まっていることが絶対にできない

高圧の長距離送電という方法から離れない限り

電力分野が生み出している二酸化炭素は

増加し続けて止まらない

景気の低迷期にだけ

電力会社では発電する電力量を抑制することができる

だが

景気拡大期にはその反対の経過が生まれでる


温暖化がこれまで一向に止まろうとしなかったのは

二酸化炭素を実際に減らす実効ある方法をではなく

計算上で減らしたと勝手に認定してきた無効な対策を

採用してきたためであった

発電で消費した化石燃料が

節電で取り戻せるとしたその理由に

合理性はまったく ない

既存のインフラをできるだけ延命させておく効果だけを

引き出してきた

温暖化はその対価として

文明が負うことになったもの


その結果が海水の保温効果というデータとなった

ということなのだ

エネルギー産業の利益は

生命の不利益にひとしい

問題の本質は

ここに

ある 
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行 動 原 理

2010-05-22 11:45:49 | Weblog
2008年秋におきた最初の金融危機では

ドルを基軸とする経済システムがゾンビ状態となり

ドルを中心とする通貨全般のメカニズムが

見掛け上かろうじて永らえることとなった

国際経済の趨勢に関与してきた当事者は

システムが身に付けたその不死性を真実として受け取り

己の幻視には疑いをもたず

文明に のちのち 災いをもたらすことになる制度を

保守保全することに努めてきた

その弊害が いま

至る所で顕在化するようになっている


ギリシャの財政悪化の暴露を起源とするユーロ危機では

国際市場全体に

大きな影響を既に及ぼしている

ドルを中軸とする

通貨交換のメカニズムに潜む問題を棚に上げ

単なるユーロの問題

へとそれをすり替えて本質を韜晦しようとしている

根源にあるのは

ドルの属性である

過剰流動性そのものなのだ

ここを見損なってはならない


基軸通貨をどこの国の通貨でもない

偏りのない標準通貨へと改めなければ

ドル資本によるマネーゲームは

富者を成り立たせる側の階層である

貧者を徒に拡大させるのみ

貧困の蔓延による破壊活動の圧力は

ドルの供給国と

需要国との間にできている落差が生み出したもの

ドル資本の収益率の高さは

外資を受け入れた国からの富の流出を経て

豊かさを取り上げていったその結果に等しい

貧困の原因はアメリカのドル安政策の実施にあった


基軸通貨の役割を果たすものは

ローカル通貨であってはならない

ドルの発行国であるアメリカの繁栄は

ドルを買ってきた総ての国の通貨が支えている

通貨システムのもつ基本的な欠陥を見ずに

経済の動向を即断するのは

できている問題をより複雑なものにする


経済成長率の高い国では

そこにやってきた資本が国内市場に止まり

再投資の循環があらたな資本を呼び込む

という発展的な展開をとる

日本では86年から90年四月までの

バブルの最盛期がその時代に当る

経済成長率の低い国では

ドル資本は再投資という循環へと向かわずに

利潤の速やかな還流を引き起こす

その国で回るはずの資本は

本国へと速やかに召喚され 

経営スタッフと投資家へと分配される

ドル資本を受け入れた国の経済成長は

それにより失われる


このプロセスは投資ではなく

過剰発行されたドルの押し売りに過ぎない

ドル安政策は

ドルを強制的に売りつけるためのもの

投資家の姿でその国を訪れ

その国の通貨価値を勝手に高める

投資効率が低くても

ドルの過剰流動性が高まれば高まるほど

ドル安政策の実施は必要条件となる


外資がドルを押し付けてその国の資産を買収すると

中央銀行は為替市場に介入して

ドルを買わない限りその国の通貨は

どんどん高められていくばかり

ドル安政策では最終的にアメリカの公債までが

その販路を拡大するという効果を発揮する

外貨準備高とは

国が保有するドル建ての資産総額のこと

高い外貨準備高を持つ国は

米国債を大量に持つ債権国であるのだが

その在外資産を取り戻すことはできない

その行為はドルを売って自国通貨を買うことを意味し

ドル安政策を自ら率先して実施するという結果を招く

取り戻すことのできない債権はアメリカに繁栄をもたらし

外資を受け入れた国の経済から流動性の厚みを奪う


資本が還流する局面ではドルに戻す必要があることから

その国の通貨が売られて

ドルは必然的に高くなる

高くなったドルで下った外貨を改めて買うと

今度はドル安という結果が再び現象化する

こんなことを繰り返してきたために

アメリカへの富の流出が世界中でおきるようになり

貧困がすすむその一方で

テロ志願者を中東で増やすという結果になっていた

これら一連の経過のもつ意味がみえていないと

ドルを基軸通貨としておくことの有害性は分からない


通貨交換のメカニズムに潜む欠陥から

経済に関心をもつすべての人は

眼を反らせ続けている

防衛力を裏付けている軍産複合体性を強化するために

基軸通貨の発行権を恣意的に用いると

ドルの通貨価値の根拠になっている石油の価格を

次第に高値へと誘導していくことになる

ドルの需要を任意に高めるということは

原油相場を制御する能力をもつ政府にとって

きわめて容易なことなのだ


ドルの需要を高め続けてきたその果てに

ドル余り現象を生み出して

サブプライム・ローンを大量に焦げ付かせ

リーマン・ショックを導いた

国際経済はこの時

死んだはずだった

損失の確定を認めようとしなかった国際社会は

G20を急遽開催して

アメリカという名のシステムを取り急ぎ延命させた

これが国際経済をゾンビへと換えてしまった


ドル経済圏はこれからも

健全な成長発展を遂げることはできない

与信能力を失った金融システムには

経済ダイナミックスがはたらかない

国家の債務不履行が今後増加するようになれば

IMFだけでは対応することが やがて できなくなる

安全保障体制はドルの発行権の増枠によって

これまで維持されてきた

それは貧困化することとまさしく引き換えであった

世界中がドルを基軸通貨とすることに合意してきたことによって

ドル経済圏は死すべき時に死に損ない

ゾンビと化すことになったのである


国際経済を健全なものへと戻すには

基軸通貨に中立性というものが担保されていなければならない

IMF体制を解体して

あたらしい基軸通貨の発行と

その流通を統合的に管理する制御系を

急いで樹立するという必要がある

対応が遅れると

被害はもっと

もっと甚大なものとなる

問題を知っているだけでは

何もおきない 

その意味を悟った時にだけ

ただしい行動が生まれでる 
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迷 惑 な 話

2010-05-15 13:51:38 | Weblog
国家の経済政策に教科書というものは 

ない

判断の当否を決めるのは

結果

判断するための基準が消えてから

久しい

赤字国債の発行が当然視されるようになり

誰もそれを訝しく思わなくなった


指針と思しきものは



確かにあった

だが

いまは

ない

経過の記録さえ

採られてはいなかった

マニュアルが通用しない時代なのだ


羅針盤のない航海は

危険なもの

誤った決断の数々が

膨大な額の債務をこの国にもたらした


国際化した信用経済というものがもつその危うさを

人類が察知した最初のイベントは

2008年10月の

リーマンショックであった

国際金融資本の一郭が突如として消滅した

あのとき の こと


金融危機の発端となるトリガーを引かせたのは

サブプライムローン市場が引き起こした大量のデフォルト

相互信頼で成り立っていた金融市場は

この債務不履行の決定により

たちまち与信能力を失い

互いの疑念があらたな疑念を生ぜしめるという循環へと陥った

資本の移動を

いっときだけではあったが 

完全に停止させてしまったことがある

このときの応急処置が効いている間に

将来を見通した対策を講じるべきだったのだが

何にどう手をつけてよいのかということさえ

分からないまま過ごしていたのだった


金本位制からアメリカが

夏のある日

一方的に離脱する決定を下したことによって

金の裏付けがなくても

通貨価値を保っていることができるようなシステムが導入され

その結果

経済規模は急速に拡大した


自由主義経済が到達した突出した繁栄と

共産主義経済が獲得した

行列と割り当てによる分配との違いが

明暗の差をより一層際立たせたことにより

ソ連型の計画経済と呼ばれる方式は

その後内部から崩壊していく過程へと突入していくこととなった


1971年八月のドルショックと

1991年々暮れのソ連消滅との間には

丸21年にという時の経過が必要であった

国際経済はこのあとドルを基軸とする枠組みで統一されたのだったが

ドルの発行益で軍産複合体性を強化してきた共和党政権は

ソ連の代わりとなる新たな敵を

別途

作り出す必要に強く迫られていた


パパブッシュは当時

イラク大統領フセインにクェートへの軍事進攻を唆し

図に乗って

隣国を占領してしまったイラク軍兵士を追い払うための戦い

いわゆる

湾岸戦争で戦闘能力の高さをアピールする絶好の機会を得

米軍のもつ優越性を世界に知らしめた

だが

それは米国民に増税を押し付けることでもあった


民主党のクリントン政権がその後二期八年続き

ロシアという大国の市場をドル経済圏へと組み入れ

二億五千万人規模の市場を創出したのと同じ結果を獲得した

急速に拡大したドル経済圏は

ブッシュジュニアに財政黒字という好結果を引き継いだ

その後の経過は

9.11を起点とする一連の報道記録に示されている

黒字化していた米国の財政は

中東での駐留期間を延長したことにより

再び赤字財政へと落ち込んでいった


戦費をドルの新規発行によって長期間賄っていくために

ドルで決済することになっていた原油相場に

投機資金を呼び込み

国際的なインフレを引き寄せた

過剰供給したドルの処分方法として

サブプライムローン市場にドルの過剰流動性を蝟集させ

国内市場の活性化を図ったのだったが

それが不良債権化したことを契機として

ドルの供給に携わってきた国際金融資本に

巨額の損失を負わせる結果を導いた


これらの経過を振り返れば

どこに不具合の原因が潜んでいたのかということを

突きとめることができるはず

問題というのは一連の経緯に対して

世界中が無関心であり続けていた

というその点にあった


ドルを基軸通貨としていた時代には

その通貨価値を裏付けている石油の消費から離れることはできない

人類は己の首を締め付けることがわかっている化石燃料の消費を

これからもやめることが

できない

アメリカ風の安全保障政策の有害性は

温暖化と軍拡だけでなく

貧困の拡大という現象さえも現実化させてしまっていた

文明は歴史の事実に学ぶときを いま 迎えている


通貨価値の不在を埋めあわせていたのが 

信用であった

それが俄かに失われたとき

国際経済は最大の変革を余儀なくされる

ドルの信認が不信へと変化した最初のケースは

金融危機という事態

次のギリシャに於ける巨額の財政赤字の発覚は

ユーロ経済圏そのものへの不信感を改めてうみだした

最初のドル・クライシスでアメリカは

流通させるためのドルの量的確保を最優先し

かろうじて窮状を脱したものの

安寧は17カ月しか続かなかった


この同じ過ちを繰り返す愚を犯してはならない


先進諸国の中央銀行がドルの供給に直接携わる体勢をとり

現実化した信用不安を

基軸通貨の流通拡大で瞬時に断つ

という方法が再演されたのだったが

薬効はまだ見えない


IMF体制の存続そのものに

不信任が突きつけられたということなのだが

その点はこれまで同様に見過ごされている


長期化したイラク戦争が

ドルの過剰流動性を一方的に高めさせ

それを投資機会としてきた国と組織に

それぞれ抱え込ませた損失の大きさが

金融システム全体に危機感を募らせた

盤石であるかにみえたドル経済圏構想は

思わぬところから綻びが広がろうとしている


金相場の上昇は

ドル通貨の在り方に対する不信任

本質へと回帰するよう促していた

地球規模の経済破綻が現象化する前に

ドル経済圏がもつ固有の課題を速やかに調査し

それに学んだ

あたらしい

健全な地球通貨を

今から準備しておくべきだと考える

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難 局 観 測

2010-05-08 09:22:00 | Weblog
石油にとって代わるエネルギーを見出した国は

ドルを基軸通貨の座から追い落とす
 
あらゆる資源について検討が加えられたのだったが

価格性能比で石油に優るものは

なかった

ドル経済圏が現在も成り立っているのは

低廉で無害な資源の開発に

成功した事例が皆無だったからである


高価なエネルギーであったのでは

購買力のある地域にしか浸透しない

温暖化は地球全体の課題

そこで

自然資源からなる再生可能エネルギーに注目が集まった

太陽光発電や風力発電だけでなく

水の流れを利用するマイクロ水力発電なども有望視されていたのだったが

汎用性に乏しかった


普遍性が高いエネルギーでなければ

温室効果を希釈する効果は

得られない

出力変動や負荷変動の影響を受けるシステムであったのなら

安定したエネルギーを引き出すことはできない

コスト負担が高まるのを承知の上で

蓄電ユニットを増設しなければ問題は解決しない


交流電流では周波数変動にも留意する必要がある

自然エネルギーでは出力変動があり

日照密度の変化や

吹く風の勢いなどの移り変わりの影響を大きくうける

このため 安定した出力が得られない

太陽光は日差しのある晴れた日には有効なのだが

日没後はまったくものの役に立たない

風力は気圧の差によって回転速度が大きく変化する

知られていなかった低周波振動の影響が

人体に重大な影響を及ぼすケースのあることが明らかとなった

飛ぶ鳥を瞬時に破壊する事例は あまた


再生可能エネルギーは

単独の状態で存立していることがそもそもできない

交流送電の支援が不可欠なのだ

蓄電ユニットのあるシステムだけが

独立した状態の電源を分散配置する効能をもっている

気候がもっと凶暴化し

それが続くようになったら

蓄電容量を拡大しなければ電力不足を引き起こす

自然エネルギーでは安定した電源を成り立たせる保証がない

そこで

交流送電との併用というモデルに落ち着くこととなったのだった

二酸化炭素が減っていなかったのは

複数の発電システムが稼働を続けていたからであった


交流送電では

需要が減っても

機敏に

発電出力を調整する能力に欠けていた

周波数を安定に保っている必要というものがあったからである

発電機の出力を落とすにはその回転数を減らせばよいのだが

毎分三千回転することで50ヘルツの交流を生み出している地域では

発電出力を半分に減らすと

周波数は25ヘルツにまで低下することになる

この周波数変動がおきるために

電力業界では需要の有無にかかわらず

一定の回転運動を維持していなければならなかったのだった


消費者が節電することによって

需要を減らすという負荷変動を誘起したところで

発電機には何の影響も及ぼしていなかった

つまり

省エネ節電や自然エネルギーをどんなに普及させたとしても

交流送電と併用されているかぎり

発電所で生み出している二酸化炭素は減らせない

ということなのだ

できなかったことを可能にした事例は

産業活動が抑制されていた不況の年であった

景気の低迷期にだけ

電力業界が発生させた二酸化炭素は減っていた

このことは

温暖化を止めるには経済成長を犠牲にしなければならない

ということを伝えていた


文明の課題は経済を成長させながら

二酸化炭素の発生を抑制する

という相反する行為の並立と推進にある

現状では太陽電池の普及を急ぐだけで

火力発電所の稼働率の変化には注目していなかった

このため温室効果は募るばかりという循環に

国全体が嵌り込んでしまうこととなった


出力変動に課題のある自然エネルギーを

出力調整ができない交流送電に繋いでも

相乗効果を引き出すことはできない

未解決の課題はそのまま温存され

費用だけがどんどん嵩んでいくようになっていた

電力会社では太陽電池の導入費用を国民すべてに押し付けて

役に立たない太陽電池の普及を免罪符として利用しているほどである

国はそれで温暖化が止まると信じ

財政支出の交付割合を可能な限り切り詰め

環境対策の費用を毎年増額して捻出するようになっていった


その効果を検証したという事実はどこにもなく

名目の数値を積み上げて

それで二酸化炭素を減らしたことにした

対策費が徒に増やされていくという経過が残され

温暖化は止まらなかった

こんなことを何年も繰り返してきた結果

二酸化炭素の排出量は減らず

累計では逆に増えていた

このようにして

国力は年ごとに衰えていくようになったのである


現実認識を誤ると

取り返しのつかない事態を招く

財政収支の悪化は危険水域に達している

国の破産は目前にまで迫ってきているのだが

それに対する危機感など

国内にはまったくみうけられない

きのうギリシャで起きたことが

あす

日本で起きないという保証は 

どこにも ない


予兆の段階は既に過ぎ去った

実効のある対策でなければ

この難局を乗り切ることはできない


こちらを立てればあちらが立たず

あちらを立てればこちらが立たない

という

トレードオフの関係で環境と経済は成り立っている

困難な課題を止揚することができたとき

ドルに代わる

あたらしい基軸通貨が

世界のどこかで産声をあげるだろう 
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経 済 力 学

2010-05-02 07:16:48 | Weblog
国と地方公共団体の累積赤字の総額は

夙に

一千兆円の大台を超えていた

国単独での累損の合計が

いまや

そのレベルに近づきつつある

日本の国債を外国人が買うという行為は

リスクの高い投資とされてから既に久しい

国が赤字の泥沼にはまってしまったのは

経済を知らない者が

政策を決定するようになったから

不正な認識が横行する時代が続くと

国家は大きく劣化していき

その事実に気づくことさえできなくなる


政治家の判断は

シンクタンクがだした見通しに基づき

時の権威に諮って得た

毒にも薬にもならない

まことに無難で

妥当な



と大方が認めるものに堕していた

国民の貧困がその証明


誰からも責任を問われない立場で

赤字国債の増発が

連綿と

続けられるようになっていた

国の累損がこれほど巨額なものになってしまったのは

一にかかって

為政者の

不明にある


意志決定権は

国会にあるのだから

すべての議員が責任を負うべきことなのだ


過去に起きた選択の誤りを

総括するプロセスがこれまでの政治には欠けていた

原因を絶たずに同じプロセスを繰り返してきたために

財政赤字は

どんどん膨らむ一方でありつづけていた


消費税を引き上げる決定をする前に

因果関係を検証しておかなければならない

国の財政が逼迫するようになったのは

どこに問題があったことなのか

という事実関係の確認をしておかなければならない


歴代の前政権が拵えた国の借金に

現政権が苦しむのは民主政治の習い

判断の齟齬がもつその意味の違いを見ていなかったからこそ

今になって

改めて苦しむことになったのだ


経済を理解していることと

経済力学を分かっていることとは

同じでは

ない

ドル経済圏に偏ったシステムは

ドルの通貨価値を裏付けている石油の消費を促し

温暖化対策に苦慮する文明を生み出した

軍拡は止まることなく

貧困化する状況も拡大の一途を辿っている


貧困がテロを生み

テロに対応するための軍事予算が増やされてゆく

増え続けて止まない軍事費を

増税なしで賄うためには

ドルの追加発行を実施しなければならない

借金大国であるアメリカに融資したがる国は

ないからだ

総ての国がドル建ての債権を大量に抱え込んでいる

処分できない在外資産の増加は

その分だけ国内で回るべきカネを薄くする

産業は利益の厚みをはぎ取られ

労働者は

収入の増加よりも

企業の存続を願うようになっていった


会社を延命させるリストラが

盛んに行われ

労働人口は流動化していった

その受け皿になったのが派遣業

労働者は収入を減らして

日々の負担に苦しむようになり

デフレを再燃させる状態を

必然的に引き寄せた

企業は再生を目指して体勢を立て直すことが可能になり

労働市場を開拓した派遣業者は増収増益で潤った


国の政策判断に誤りがあったために

国民は貧困に喘ぐようになったのだ

経済力学を知らずに

経済理論のみに頼ってきたということが

巨額の累積赤字を国に生み出させていた

その穴埋めに消費税を引き上げようとするのは

どう考えても筋が通らない

国民に苛税を強いることによって

この難局を乗り切れると思うこと自体が

不遜であり

不埒である


正しい認識から遠ざかれば

遠ざかるほど

国と国民は苦しみ

ドル経済圏の盟主であるアメリカを

栄えさせる


止まらなかった温暖化は

エネルギー資源の在り方を

再検討することによって

現象化することを躊躇するだろう

ドル安政策がもつその課題を

総てのドル資産を持つ国が

理解するようになれば

基軸通貨のあるべき姿はおのずから

見えてくる


問題のかたちが見えていないと

いつまでたっても

状況の変化に対応することはできない

温暖化と貧困化とは一対のものであり

軍拡と国家の赤字は

表と裏

の関係をなしている

どんな場合でも犠牲にされてきたのは

その国の民


民主政治は選挙によって成り立ち

国会議員は投票によって決められる

投票した者が

最終責任を負わなければならない

これを因果応報という

政治の質を向上させるには

有権者が先に進化しなければならない

劣った政治にうんざりしているのは

日本だけではないのだ

教育の在り方に潜む欠陥が

認識の誤りを生み

その事実を悟らせない風土を

地球全域につくりあげていた 
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