こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

狂 う 惑 星

2012-09-30 08:27:03 | Weblog
北極の氷が全部

融けてしまったとしても

海面水位のそれによる上昇は

生じない

北極の氷山は

海に浮いているものであるからだ

そこが南極とは

大いに異なっている点


北極海に浮いている氷山が液化すると

北氷洋の水温は

下がって冷える

熱平衡を目指して

安定化しようとするからだ


個体から液体となった氷の水は

海水の温度を下げて冷やし

比重を増やして

海底へと沈み込む

この温度差の発生こそが

海流の

原点


海流は液化した氷山氷河から

冷たい水がその重みで海へと沈み込んだことにより

海底の栄養塩類を

海洋表面へと

最終的に押し上げる


海洋深層水は

海底を這う冷たい水の流れが

沈んでいる栄養塩類を攪拌し

海面近くへと押し上げることで

プランクトンをはじめとする

魚介類の食物連鎖を成り立たせ

日本海溝からせり上がり

豊かな漁場を

列島の周辺に生み出している

上昇する海流のあるところには

魚が多く集まる


温暖化が進んで融けるべき氷山が消えてしまうと

海流は消える

海洋生物はこの影響を大きく受け

短期間でその多くが

死滅してしまうことになるだろう

温暖化という大気圏で発生した現象は

この意味で

気候の変動を上回る被害を

地表と海洋とを問わず

避けがたいさまざまな影響を

生命全体に

より強く与えるものとなる


人類が石油の消費を急ぐと

巡り巡って

魚介類が死に

それから陸上の生命が失われはじめる

やがて

人類も絶滅する

というプログラムを

文明は起動させてしまった

だが

内容の変更は不可能ではない


温暖化が有害なのは

温室効果ガスの濃度が高まって

気候の変動が起きるからだけではなく

生命の多くが死に絶えてしまう

ということが

既に

分かっているからなのだ


北極海の氷山は

ことし

急速に退縮した

その規模は

研究者の予測を大きく超えるものだった

変化の推移がみせる傾斜は

予断を許さない

水準にある


地下資源の大量消費は

二酸化炭素を大量に発生させ

決済通貨であるドルの需要を

必要以上に押し上げさせた

ドルの供給を抑制すればドル高となることから

アメリカはドル安政策

即ち円高政策

を取らざるを得なかった

大量に供給されたドルが

過剰流動性を生み

ドル余り現象を背景とするリーマンショックを

国際経済へと導いた


金融危機はその段階で産み落とされたもの

ユーロ危機へとそれが発展し

信用の形成でなりたっていた国際経済を

いま

まさに

大きく揺さぶろうとしはじめている


基軸通貨となったドルの供給益があればこそ

アメリカは世界の保安官役を

買って出ることが許された

世界の平和は

石油の消費を促すことで

保安官の責務を果たすための対価を

ドルの発行権をもつ国に集めさせる

という仕組みで

国際経済を成り立たせている


ドル余り現象は

基軸通貨を供給する側の国が

生み出してきたもの

余ったドルを回収して

安全な通貨へと置き換えることで

過剰流動性を消しながら

為替差益を積み増す

という行為が

通貨インフレを防遏し

アメリカにドルの追加発行を

制限なく行うことを

可能ならしめている


政府日銀が円高対策を

未だに有効化することができていない

という事実は

円高を阻止することが

日米同盟にとって

決してプラスではない

ということをよく承知していた

その事実を

訴えるためのものになっている


為替市場に介入する以外の対策を

日本の金融当局がとることは

許されない

と勝手にそう思い込んでいる

その事実をドル資本が察知していたからこそ

ドルの捨て場所として

日本市場が最初に選ばれたのだった

止まらない円高には

相応の理由があるのだ


日本経済にとって最も有害な行為は

円高圧力の放置

なのである

この点を改善しない限り

景気が浮揚することなどあり得ない


円高の黙認という姿勢が

国家財政に累損の一方的増加

を与え続けさせている

問題認識能力がもし金融当局にあったのなら

有効な為替対策を講じることに

障碍はなかった

必要なのは不退転の

決意


温暖化を止める名目で

節電に走ることもなかったであろう

交流送電に於ける節電とは

化石燃料の消費を

意図的に続けることにより

ドルの需要を高める

という目的を達成するための方便

以外のないものでもない

その結果

電力会社は電力の販売量を強制的に減らされ

電力料金を値上げせざるを得なくなっていったのだった

化石燃料の消費が実際に減っていたのであれば

電気料金を値上げする必要はまったくなく

反対に値下げされていなければならなかった

二酸化炭素の発生量は

当然のことながら

低下へと転じていた筈なのだ

現実は

二酸化炭素の濃度を一貫して上げ続けている

ここに判断の誤りが

明瞭に窺える


石油・石炭

天然ガスを燃やし続けている必要性は

認識が正当なものであればあるほど

つまりより早く消えていた

といえる

効果のない対策を続けてきたということが

国の借金を膨大なものへと

短期間で引き上げたのだ

気象条件はますます悪化するようになり

強風は吹き荒れ

単位時間あたりの降水量は

信じ難いほど

急速に増加した


ドルを基軸としておくための

石油を巡る一連の無効な措置が

地表の温室効果を高めただけでなく

石油消費国の財政を

劣化させるよう強く促していた

国民は貧困に喘ぎ

石油消費国のすべてが

赤字化する一方

という財政状態へと陥った


ドルを供給する組織である

国際金融資本だけが

莫大な利益を得て

その手段であるドルを発行する国

であるアメリカをさえ

税収不足による財政難で苦しませている

イラクとアフガニスタンで実施された戦闘で

アメリカは増税せずに

戦費の調達を

海外市場へと求める準備を進めていた

その手段として

石油市場を高値へと誘導することで

ドルの発行量を成り行きで

増やす

という方法が選ばれた


当時既に過剰発行されていたドルが

アメリカにマネーサプライを非公開とすることを強い

過剰流動性を積み上げさせて

アメリカの国内市場に

サブプライムローンのフェフォルトを

引き起こすに至らしめた

信用経済に対する不信感の増大は

要するに

国際経済の混乱に代表される

黙過すべからざる不具合の多方が

イラク戦争の開始に起因して生み出されたもの

ということに帰着する話であった

その意味でアメリカの選択が犯したその罪は

極めて重い


9.11を引き起こしたのは

それを可能にした

ナニモノカの関与があったから

平和になってしまったのでは都合が悪い

いわゆる軍産複合体制と

石油の利権を独占してきた勢力とが

意図せずに

導いたこと

という可能性が極めて高い


これら一見無関係に見える個々様々な経過が

国際経済に巨大な負の圧力を

かけていた

問題を問題としてみようとしてこなかった文明は

自らの認識能力の拙さにより

その麗しい生息環境を

失わせるための資本を

積極的に使うことを

善しとするに至った


止まらない温暖化は

実効なき対策の到達点

不健全化した認識能力が

引き寄せたその結果なのだ

誤った判断の関与が

温暖化する惑星に

その危機がより早くくるよう加速させただけでなく

ドル余り現象が

貧困化を前提とする

富の偏在を

アメリカへと集約させるよう促していた

人類はこれら一連の経過が示す事実と

その流れに潜む隠された意味とに

未だ一向に気づかない


狂気の沙汰

というべきか
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か ら く り 

2012-09-23 07:34:47 | Weblog
円高はドル安のこと

ドルの価値が下がっているのは

円を大量に買い続けているその行為が

結果として

為替相場に変化を与えたことを示す

数字の移動

ドルの通貨価値が

高ければ高いほど

アメリカにとっては

一般的に

利益となる

取引相手によっては

ドルの価値が下がっている方が

メリットとなるケースがある

このための意図的なドル売り戦略を

ドル安政策と呼ぶようになった



ドルの需要が高まると

ドル高になるのは

ものの道理

世界の貿易産業は

あらゆる国で使える便利な通貨である

ドルで決済することを原則とするようになる

TPPは円高を必然的に加速する

ドル安政策は

日本経済に

決定的なダメージを既に与えている


ドルの通貨価値が高くなっているのなら

高いドルで安くなっている自国通貨や

外貨の全てを

効率よく買い戻したり

仕入れたりすることが

できる

ドルを保有する期間の限界能力が

為替差益を左右する

輸出産業には

ドルを緩衝装置とすることにより

輸出競争力が削がれたとしても

埋め合わせる対抗手段がまだ残されている

対抗手段が戦術化されたことは

だが一度もない

これが富の偏在をアメリカに許していた


貿易黒字国が溜め込んだその利益を圧縮させるには

その国の通貨を選択的に買い続けて

通貨価値を強制的に高くする

という方法が有効だ

ドルを供給して外貨を得た側の組織

であるドル資本は

高くなっている外貨で

値を意図的に引き下げて

制御裏に安くしたドルを

有利な条件で

効率よく

買い戻すことができるようになる


ドル安になっている国の通貨は

相対的な位置関係から

その価値を高めつづけるものとなる

止まらない円高は

このようにして長期間

ある意志の下

人為的に維持されてきたことを示す


ドル安への誘導は

過剰流動性を貿易黒字国へと押し付けることによって

いとも容易に

実現できる


貿易黒字国の利益は

ドルの供給者が

それを

集中的に売りつけることを通じて

日本なら

円高という状態を簡単に導ける

その上で

元のドルへと戻せば

ドルとしての価値のボリュームを

簡単に

日本市場を経ることにより

安全に膨らますことが

容易にできる


通貨交換を行う過程の往復で

為替差益が生まれるような傾斜を意図的に与えてやると

ドルを供給する側の立場にある

国際金融資本の収益は

自動的

かつ

必然的に

労することなく

巨大化する


このメカニズムが

世界各国からローカル通貨の流動性の厚みを奪い

カネの回らない

枯れた市場となることを強要し

貧困化を促している

ドル資本の収益率の桁外れな高さは

その事実をよく伝えていた


対象とされた国の政府をして

増税せざるを得ないほど

財政状態を悪化させ

国民の暮らしを圧迫する

その

主たる動因となっていた


高いドルを買わされる立場の国は即ちインフレになり

安いドルを買わされる立場の国は即ちデフレとなる


政府日銀がこの事実を承知の上で

円高を止める抜本策を

講じていなかった

唯一やったことといえば

為替市場への

介入行為

という米国債を積みますだけの意味のない措置ただ一つ

この資本は円安へと戻らない限り

永遠に取り戻すことができない

塩漬けとなる定めの資本をひたすら増やしながら

国の財政から

選択肢を取り除いていく


その効果はしかも

一時的なものであるに過ぎない

時が経てば

円高が繰り返し引き起こされ

その度に

公的機関が円を売って

使い道のないドルを

大量に買い込まざるを得なかった

ドルの始末に事欠いていていたドル資本は

手持ちの円を効率よくドル転させるために

余っているドルを回収し

敢えて安売りすることによって

円の価値を相対的に上昇させてきた


海外市場で余っているドルを

円で仕入れている国際金融資本という組織は

ドルの属性となった過剰流動性を消しながら

為替差益を積みますことで

利益を拡大させてきた


為替市場に介入した国では

ドル建ての長期債を買うための原資を

国内から調達してこなければならない

円が高くなっている限り

ドル建ての債権を売却することは

できない

値の下がっているドルで

価値を引き上げられている円を買い戻すことは

国に損失を与える

という愚かな行為


輸出産業は獲得した利益の大部分を

一瞬の突風とでも呼ぶべき為替差損で失い

国は国家予算の一部分を

ドル建ての公債を買うために

使わざるを得ないよう誘導される


ドル安という状態は

過剰発行された基軸通貨であるドルを

円や人民元などの

価値を高め続ける通貨へと替えることで

過剰流動性を消し去りながら

安全な投資を進めるための

措置

という意味を併せもつ


円の供給者が民間に不在であったということが

ドル資本をして

円の売り手であることを許し続けている

ドルを売りつける側と

円を売りつける側とが

同じ組織である場合

その交換レートは

意図的に

価値の制御を可能にする


円の供給を国内で担当し

ドルで効率よく投資する民間の組織が

もし日本に作られていたのであれば

一方的に推移する傾斜を保つ

この理由なき円高という状態が

40年以上の長きに亘って

持続する筈がない

そこには種と仕掛けとが

予め埋め込まれていて

ドルを必要とする国が

このからくりに気づけなくなるよう

入念な試行錯誤が

隠密裏に繰り返されていた


同じレベルの認識の齟齬が

交流送電に於いても同様に見受けられる

日本の国民を貧困の淵へと追い込んだ

その主因は

考える力を培ってこなかった

教育のあり方そのものの中にある


為政者に認識能力が備わっていないとき

国民は一斉に苦しまざるを得なくなる

自覚のない

無知に基づくあらゆる判断は

きわめて有害な経過を

その国の市場と経済へともたらす

バブル経済の発生と終焉は

誤った判断がきっかとなって起きている

20年後の国会に於いても

変節を一向に恥じない輩を

生み出した

という事実を記録に残したほどである


20年たってもまったく改善しない

低迷しつづける粗末な景気というものは

経済対策の誤りを端的に

国民へと伝えるためのものなのだ

経済学を理解していても

経済を知っているということにはならない

学問と現場との間には

乗り越え難い懸隔がある


知識は経験に及ばない

知育偏重の教育制度というものは

生起する事象の意味を伝えることなく

項目の一方的拡大へと徒に走らせる

考えるための時間を割いて

役に立たない知識を習得するための競争に

明け暮れているこの現実が

景気の低迷を

国民に強いている


知識の量で認識の質を測ることは

つまり

できない

劣った知識階級は

国を返ってダメにする


思考力の不足は

健全な批判精神を損なう

批判するには

健全性の自覚が

裏付けとして担保されていなければならない

安逸な暮らしに流されがちな生活態度を

無批判にただ続けさせること

だけしか

できなくなっているのは

健全性の不在に起因する

現状の拙さには

それなりの意味と

理由とが

ちゃんとあったからなのだ


国の劣化は

政治の劣化

官僚と為政者の劣化は

知識の量で選抜を重ねてきた近代史と

それを促してきた固有の風土とが

重なり合って作り出した

負の相乗効果が導いたもの

原因は内部にあるのだ


劣った現実を改善するには

これまでの認識を一旦棚にあげ

改めて再点検しなければならない

優秀な学歴と成績を誇る

知識だけで構成される指導的役割を担う階級は

失われた10年という期間を

ただ倍の20年へと拡大させただけだった

その事実にさえ

未だに

まったく気付いていないのだ

ここにこの国の不幸のタネが

根を伸ばそうと身構えている


不具合のみなもとは

教育のあり方に潜むその欠陥にある

メカニズムの実態を知るだけで

国の状態は大きく改善されるだろう

知識は認識に遠く及ばない

使い方を授けないモノとしての知識は

教育投資を無効なものにする


産業界は知識ではなく

考えるための能力の保持を

採用するための基準とするべきだったのだ

知っているかどうかだけが採用判断の基準なら

それはクイズと変わらない

企業の活性が一律に衰えているその裏には

共通する根源的な理由がある

国の経過が示す急峻な劣化という現状が

そのよい傍証となっている

中央官庁には教育システムのスクリーニングを

優れた成績で通過してきた秀でた人材が

あまた在籍している

国の大いなる劣化が産み落とされたのは

指導的立場にあるもの達の

判断の浅薄さと

それに準拠した誤った決断の

結果であった


確認すべき唯一の項目とは

保有する知識を

活用するために必要なこととは何か

を問うための試練でなければならない

試練を試験で済ませてきた

促成栽培の近代史が

現代史の基礎

それは知識の量では

決して推し量ることができないもの

実行力があっても

判断するための認識能力に不備があったのでは

所期の成果を引き出すことは

できない

これがこの国を長期間低迷させている

最大の理由


知識の量を比較することで得られるものは

そう多くない

国会と官僚組織とは

相補関係の維持で成り立っている

国会が正しい判断を下すためには

有効な知識を活用することが

正しく

できていなければならない

不幸なことに

それがこの20年間まったくなされていなかった

バブルの機序と崩壊過程について

有効な報告が今以てゼロなのだ


判断を誤り続けてきたその結果

1000兆円を突破する債務と

失われた20年という期間とが

国と国民とに残された


現実の相を悟ることが

未来への出発点

自覚なき判断は

生命にとって有害なものとなるばかり

それは刷り込まれた機械的な反応の結果であり

洗脳状態にひとしい経過を

これから先の時代に於いても

生み出し続けるものとなる
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調 整 能 力

2012-09-16 08:39:23 | Weblog
ドルが基軸通貨となっている時代が続くかぎり

富のすべては北アメリカ大陸を

目指す

この仕組みは

延々とどこまでも伸びてゆく


エネルギー資源を購入するためには

ドルを買って

それで決済することが必要となる

資源国は地球の全域で

遍く使える通貨となった

ドルと引換でなければ

地下資源の輸出には応じない

ドルはあらゆる国で

あらゆるものを買うことができる

特殊な通貨


ドルの発行権をもつアメリカだけが

その恩恵を受ける権利を享受している


国際経済のあり方を

北米大陸へと偏らせてきたものとは

アメリカのローカル通貨であったドルを

世界で通用する

汎用通貨へと押し上げた

過去の意思決定にあった

第二次世界大戦太平洋戦線が集結する

その13ヶ月前のこと

あたらしい枠組みを策定したその場所の名に因んで

それはブレトンウッズ体制と呼ばれるようになった

その後

金本位制からアメリカが一方的に離脱したことから

価値基準となるあらたなベンチマークを求めて

指標を金から石油の利権へと置き換えた

その枠組みの裏付けを

国際通貨基金が担うようになったことから

爾来IMF体制と呼ばれるようになり

現在へと至っている


ドルの通貨価値を支えているものが

石油の決済を前提とする

金から石油

そして信用へと代わっていったことにより

ドルの信任が揺らぐようなことがあると

IMFが直ちにバックアップして

ドルが基軸通貨の地位にあることを

世界中に伝えてきた


EUの一部で債務に関する情報が

意図的に隠されていたことが発覚したことにより

ユーロの通貨価値が急速に下落した

ドルを供給する立場のドル資本は

当然のことながら

ドルと交換して得たユーロを大量にもっている


通貨変動のリスクを避ける目的で

最も安全だとされている日本の円が

緊急に

ユーロで買われて高くなる

という経過が

その頃から何度も繰り返されている


ドル資本はアメリカが必要以上に供給したドルの

過剰流動性の始末を

日本の円を買うことで帳消しにしていた

ドル安政策でドル資本が円を買いすすめると

ドル安円高が誘導される

日本にしてみれば

欲しくもないドルを大量に買わされることから

円の供給に応じる金融資本は現れなかった

ドルの有効な投資先が

米国債以外にはなかったからである

その虚をついて

ドル資本が手持ちの円を売ることによって

円ドル相場のなりゆきを

己の都合で制御する仕組みが

作り出されていたのだった


バブル景気は85年暮れから90年3月末日にかけて

生じていた経済現象のことである

85年秋にはG5がこぞってドル売りをする

という強調介入が実施された

ドルを売って獲得した通貨が円だったことから

日本市場には巨額のドルだけでなく

供給済の円が再投資される状況が作られていた

それが不動産取引へと転用されていったことにより

絶対に値下がりしない

という土地神話を土台として

不動産に対する投機が始まったのだった


バブルが崩壊した後については

買われた円が

企業買収などの目的に専ら使われるようになっていった

バブル景気を煽った経済評論家たちはその後息を潜め

死んだふりを未だに続けている

外国籍の資本を集約するためのパンダ的存在となったホリエモンは

最終的に犯罪行為と認定され

結審後直ちに服役することとなったのだった


問題というのは

これら一連の経過から

金融当局が何も学んで居なかった

という点にある


アメリカはドル余り現象を解消する目的で

ドルを安売りする必要性に駆られていた

売ったドルで円を買うより

人民元にした方が

不動産関連の市場で

かつて味わった濃密な甘味を再び堪能することができる

人民元を集中的に買えば

中国政府は高くなった自国通貨を引き下げる目的で

ドルを大量に買わざるを得なくなる


中国が買い取ったドルは

最も安全だとされるドル建ての長期債へと投資される

その結果

僅か三年で中国が持つ外貨準備高は

日本のそれを追い抜いて

二倍の差をつけるほどまでに肥大させる

という結果を中国へと与えたのだった


この経過から何かを学びとった中国は

ドル建ての公債を買うことによって

米政府を背後から経済支援するよりも

かねてから懸案となっていた自国海軍の増強へと

その余剰資本を振り向けた


アメリカがドルの供給量を増やせば増やすほど

中国の軍事力が増える

という風と桶屋の関係が

太平洋を挟んで

いつしか築き出されていたのだった


TPPは現状で

この不健全な相関関係を

より加速させるものとなる


基軸通貨となるものは

すべての国の通貨に対して

公平に

中立性を保つものでなければならない

アメリカにだけ優越性を与えている現在の通貨交換システムは

共通の市場を

結果として育もうとしなくなる

貧富の差を拡大する一方となる展開を

ひたすら生み続けるようになるからだ


すべての富はアメリカを目指す

この国際経済にかかっているバイアスを解消するためには

どこの国の通貨でもない

人造のあらたな共通通貨を

前もって

作りだしておかなければならない


ドルを基軸通貨とする現体制のままでは

あらゆる経済対策は

1%の富める成分を太らせるその一方で

99%の無辜の民を

一律に貧困状態へと追い落とす

自国通貨を売ってドルを買った国の市場は

ドル資本が支配するその割合を

短期間で高めてゆき

その市場を枯れさせて

流動性の厚みを消す

これが貧困化のメカニズム


ドルの発行量をアメリカが増やすためには

石油の消費を増やすようにすればよい

温暖化が石油の取引市場の拡大を抑制しても

コストを高くする方向へと誘導することにより

ドルの需要を増加させることが可能になる


イラク戦争当時

ハリケーンカトリーナが石油価格を押し上げるための

方便として使われていたことがある

原油精製能力が不足するという見通しを

エネルギー省の長官が公表すると

ガソリンの価格がたちまち高騰した

という単純な展開を示すケースは山ほどある


世界の石油取引は

アメリカの市場であるWTIでの実績を参考に決められる

このことは

アメリカがドルの需給調整を決定する権利をもつ

ということを示していたのだった


円高が日本経済にとって有害であることを承知していながら

金融当局はアメリカとドル資本に対して

為替介入以外の方法を執ろうとしなかった

アメリカに敵対する姿勢をとることが

霞ヶ関と永田町では

戦後一貫してできなくなっていたからである


喧嘩のやり方を知らない政府を戴かなければならない国民は

総じて不幸になるものなのだ

これが日本を

アメリカの擬似的な植民地へと変えていたのだった


問題の本質を知れば

喧嘩することができる政府の必要性は

自明となる

2200万程度の人口をもつ北朝鮮が

1億3000万人弱の日本を飛び越えて

3億人弱の人口を有するアメリカと

対等に外交交渉を進めることが

難なくできるようになっている

そこに見られるのは

ネゴシエーション能力の差だけなのである


アメリカに帰順しているだけが政府の仕事ではないはずだ

諌めたり

批判したりすることがあっても

よい


健全な二国間関係系は

率直な意見交換から始まる

折衝を重ねていくことによって

すり合わせを充分な時間をかけて行い

利害調整をすることが可能になる


力の強い者や声の大きい者が幅を効かせ

権威に従って嬉々としている政府だったのでは

国民が浮かばれない

平和憲法を武器にする

という選択肢もあったのだが

それに気づいた者はいなかった

正攻法に拘り

憲法改正を目指すことにしか

考えが及んでいなかったのは

紛れもない事実


不正な認識は

望ましからざる顛末を導く

一触即発の関係へと事態をこじれさせるその前に

問題点を忌憚なく指摘しあえる両国関係を

すべての国家は

築いていくその努力を

根気よく

続けていなければならない

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無 為 無 策

2012-09-09 08:55:43 | Weblog
交流送電では

電力消費をどんなに抑えたとしても

発電所の稼働率を抑制する効果を

狙い通りに引き出せない


消費者が使う電力は

トランスの二次側の低圧コイルに

電気製品のスイッチが入ったときにだけ発生する

誘導電流というものであるからだ

消費電流を回路へと導き入れるためには

トランスの一次側高圧コイルに

磁場変化を誘発させるための電流

すなわち

励磁電流と呼ばれる高圧を帯びた電荷の移動が

常に

安定した状態で

維持されていなければならない


励磁電流のない変圧器に

誘導電流は発生しない

磁場変化のないところに

起電力は生じない

電流は流れという変化があることによって

磁場を生み

それを常時変化させている

電流がそこにあるからこそ

起電力を引き出すことができている

静電気がエネルギーとして有効でなかったのは

帯電状態で

そこに静止していたからであった

電流の持つそのダイナミズムがあればこそ

磁場変化を安定裏に保たせておくことができるのだ

変化する磁場と静磁場とでは

起電力に大きな違いが生じる


低圧側のコイルに誘導発生した電流が

励磁電流を量的に上回る需要を生み出すと

安定していた電力供給が

俄に維持できなくなってしまうようになる

広域停電が起きるのはそんなとき

電圧が不安定化して乱れると

電気製品はその影響を大きく受ける

モーターは回転数が定まらず

照明はその明るさを維持することができなくなる

精密制御で成り立っている生産設備は

使い物にならないオシャカを

その状態のまま

大量生産しつづける


電力会社ではこうなることを避けるために

励磁電流の供給を即座に遮断してしまう

家庭用のブレーカーが

電気製品を使いすぎたときに

自動的に落ちるように

高圧送電でも

同じ仕組みで

電流を即座に遮断する機構がはたらく

これが広域停電を引き起こすメカニズム

発電所により近い方の高圧変電所で

電流の遮断が発生すると

電気の供給を受けられなくなる地域は

下流全域の

より拡大したものになる


原因が分かっている電流の途絶である場合

復旧させることは容易である

ブレーカーのレバーを押し上げてやるだけで

電気は再び使えるように復帰する


広域停電を恐れる必要は

従ってない

ということだったのである

それは電力会社の管理能力の問題

であるに過ぎないからだ


原発を再起動させるほどの理由は

固より 

そこにはなかったのだった

交流送電を成り立たせているその仕組みを知れば

広域停電が突発的に起きたとしても

電力供給の復旧は容易である

産業用設備の電気回路に

一定の時間

誘導電流が発生しないようにしてやるだけのこと

その方法は

スイッチをオフの状態に保たせておくだけでよい


消費者がこぞって節電したところで

発電所が生み出している励磁電流を

量的に制御することができなければ

化石燃料の消費割合を減らす効果はつまり得られない


節電と化石燃料の輸入量との間にある

隠蔽された特殊な関係を

確かめたとする報告は一例も存在したことがない

電力業界が

交流送電の成り立ちについて

情報を隠し続けているからだ

都合の悪い情報を

隠蔽し続けてきたということが

国民に効果のない節電を強制させ

地下資源の輸入量を減らすことなく

一定の水準に

年間を通じて保たせている

国による温暖化防止対策のすべてには

実効が不在であった

悉く

まさしく当然の帰結である


無効な需要を生み出すために

貴重な国税を

省エネ節電と原発の電源確保のために

徒に費やしてきた

有効需要でなければ

景気を回復させる原動力とはなり得ない


その結果として

国の借金が20年という短い期間で

200兆円から

五倍の1000兆円へと達してしまうこととなったのだった

この時代のことを

失われた20年というのである


この貧しい経過の裏には

発電で消費した化石燃料の二次生成物である一酸化炭素

COが

節電することにより

1kwhあたり0.34kg減ったこととする

と予め制定されていた法律に

問題があるということが

見えてくるだろう

温暖化が法律で改善するという理由は

ない


発電で消費した化石燃料が

節電すると元の資源へと戻ることなど

あり得ないことなのだ

この単純なことにさえ

一向に気づかない

国が劣化し続けている訳はここにある


節電したことで等量の二酸化炭素が減ったとする事実を

確認した者とは

誰のことだったのだろうか

国民は

国会と電力業界とに

騙されて続けていたのだった


無駄な行為を延々と連ねてきた

ということが

現状の拙さを生み出したその

最大の原因


励磁電流を減らせば

誘導可能な電流も同じ割合で低下する

二酸化炭素の発生量を減らすには

励磁電流の生産量を抑制しなければならない

それは広域停電を引き起こす確率を

ただ一方的に高める

行為


使用率とは

励磁電流に対する誘導電流の割合のこと

100%の使用率は

電気製品のスイッチを入れる消費者が

一人増えたというだけで

広域停電の原因となり得る

という意味をもつ


自家発電をどんなに増やしていったとしても

発電所の稼働率に影響が及ばなかったのであれば

二酸化炭素を増やし続けるだけのこと

地表の二酸化炭素濃度は

既に400ppmを昨年突破し

更にその濃度を高めつづけている


気象条件の急激な変化は

交流送電の仕組みを確認しようとしてこなかった文明が

自らの手で引き寄せたもの

問題の所在を知れば

有効な対策が何か

という程度のことは容易にしぼり込めていた


無知は最大の 敵

教育はその役割を果たしてこなかった

知識を与えることに熱心で

その有効な使い方を伝えようとしてこなかった

重要なのは知識の量ではなく

使い方を考えさせる

ということでなければならない


設問の意図に対する理解が不充分なら

問題を解決へと導くことは

即ち

できない
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再 鎖 国 化

2012-09-02 07:26:20 | Weblog
エネルギーを自給し

かつ

自足することを可能にする体制とは

誘導法則を利用することにより

比較的容易に

実現させることができる

だが

それにはチョットした工夫が

要る


磁束密度を高めるには

電気が流れる道を

単に束ねてやればよい

コイルはそのために作られたもの

磁場変化と磁束密度とを

人為的に生み出す目的をもっている


電流が進む方向に対して

時計回りで磁場が展開されている

アンペールが

右ねじの法則と呼んだもの

それは

夙に知られていたことである


束ねてある電線に電流を流すと

そこは

磁束密度が増加した状態となる


束ねてある電線に大きな電流を流したままにすると

そこから発火することがある

電流は磁場の変化を

常に伴う

という性質を本来もっている


見えないが磁場を帯同している電流は

位置の変化をそこにつくりだす

それが交流電流であれば

異なったベクトルをもつ二つの電流が

単一の電線をシェアしあう

その電流は互いに

相手の異質な領域に

決して踏み込まない

節度を守ることで

交流電流は安定に成り立っている


磁場変化の量は

直流より

交流電流の方が二倍多い

このことは高い起電力がそこにある

という意味をもつ


電流が増やせるというのは

交流電流のもつこの性質を利用すれば

簡単にできること


これ以上踏み込んだ説明をすることができない

現状で時期尚早

尚相当の時間を要する

認識のレベルが高まったとき

すべての秘密が明かされる


エネルギーの自給自足体制は

日本だけで行うことをよしとする

安易な技術移転は

状況を却って困難なものにする


日本にしかない技術であるからこそ

それを経済成長に活かすことができるのだ

資本の回収を急いで

販売量を増やそうとすると

知られてはならない根幹の技術まで

海外に流出させてしまうことになる

この事実が生み出した損害は

累々たる山を既に築いているほどだ

同じ失敗を

もう

これ以上繰り返してはなるまい


環境負荷のない低廉で

良質なエネルギーは

日本をより安全な国にする

再生不要エネルギーで作られた製品は

将来予定されている環境税

または炭素税の課税対象とされることがない

地下資源なしで

電流を

制限なく

直接生み出せるものであるからだ


電気エネルギーはすべての国が

例外なく必要とする

根源的なものである

それ故に

国際関係を複雑化させている各種の要因を

飛び越えさせる能力をもつ


健全なエネルギーを必要とする国は

日本からあらゆるものを

輸入してこなければならない

環境を汚すエネルギーで作られた製品は

市場を形成することが

次第に困難な状況に直面するようになる


地下資源を輸入するために

世界中がドルを買って決済する仕組みが作られているように

エネルギーの素を保有する国の通貨は

世界中の市場で流通するものとなる

エネルギーを制する者は

世界を制する


再生不要エネルギーとは

資源を何一つ必要としない

良質なエネルギー


それは誘導法則を工夫して

発電に応用することを可能にする

それほど難しいことではなく

比較的簡単に得られるようなもの

それだけに

この方法を日本以外の国に

知られてはならない


トップランナーがガラパゴス化することによって

世界が必要とするエネルギーの創出法を

日本にだけ陸封しておくことで

この国を

世界の生産基地へと

復帰させていく必要がある


円高になる事態を避けながら

国際経済を健全化させていくには

現在の枠組みが招いたその結果に

学ぶことができていなければならない

石油ドル本位制は

ドル余り現象を生み出しただけでなく

信用経済に対する負圧を

国際社会に対してより強くかけるようになっている

資本の論理は近い将来

行き詰まり

変身することを

市場から迫られる

EUではその前駆症状が

既に起きている


来るべき変革に

日本は今から備えておかなければならない

それはエネルギーの健全化

を前提とすることにより

充分可能なこととなる


地球の未来は

日本のする決断の行方ひとつにかかっている

未来へと向かうための

あたらしい枠組みとは

環境と経済の問題を止揚することができた国にだけ

最初に適用することが許される


日本が世界を指導する役割を果たすようになったとき

この惑星に

恒久平和が訪れるよう配慮しなければならない

技術立国は国際市場を急拡大させたが

その結果として

ドル余り現象と

温暖化現象とを同時に生み出していた

止まらない円高は

過剰に供給されるようになったドルが

作り出したもの

それを実施させているものの正体が

ドル安政策というものであったのだった


日本はドルの供給国であるアメリカに

戦後一度も抗うことができなかった

諌めることもできていなかった

止まらない円高は

その結果として国民に与えられたもの

だが

エネルギーと食料の自給自足体制の実現は

あらゆる国家を

日本の理念で制御することを

可能ならしめるための基礎となる

この技術をいま

俄に公開することができないワケは

そこにある


資本の論理



平和の論理

残るのは

果してどっち?
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