こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

愚 の 骨 頂 ①

2014-05-25 08:04:21 | Weblog
地下資源を必要としない電源は

エネルギーコストを

最低の水準へと

間違いなく

引き下げる


エネルギー問題の壁

を突破することができた国は

それだけで

自給自足する経済

を成り立たせることができるようになり

ただ一国だけで

友好国の繁栄を伴って

平和状態の誘導を実現する

その指導的役割を果たす

義務を負う


電気などというものは

必要なら

いくらでも

簡単に手に入るようなもの


その方法を秘密にしておくことができるなら

全世界から

経済的に孤立した状態であったとしても

過不足

のない暮らし

を営むことは

容易


農耕は工場生産へとその形態をシフトさせ

土地を立体化することで

効率の良い生産を

確保する道を開くことが

可能になる


移動体のすべては 

それ自体に宿る円運動の能力で

自走式電源となり

駐車場はビルの中心にできた

デッドスペースを活用でき

排気ガスを一切ださない電気自動車が

家の中でさえ

電源として使えるような

多機能性を文明へと与えることだろう


高地では

酸素濃度が薄くなるため

内燃機関は出力性能を低下させてしまうのだが

電気自動車は

酸素がゼロの環境であっても

走り続けることが

できる

地球以外の惑星でも

移動体

として使えるものとなる


電気自動車の欠陥は

固定電源から充電しなければならない

というその点にあった


移動体に搭載する方式の

小型軽量の電源は

走った以上の電力を

発生させるものとなる

特別な改造を施すことで

エネルギーゲインを高め

収支を常に黒字化させる

ことを可能ならしめる


農耕の産業化

を推進することに応用すると

平地面積には余裕ができ

その他の用途に転用できるようになった土地が

経済的に有利な条件で

手に入る

土地のもつ生産性向上は

国の活性を

いうまでもなく引き上げる


有害で高価な地下資源に拘っている人類は

資源の有限性を自覚するようになったとき

囲い込みへと奔って

エネルギー資源の確保に

やたら熱中する

というパターンを延々と繰り返す

その様は

中国が今やっている

南シナ海に於けるその行動

によく映し出されている


兆候は竹島の帰属を巡る韓国政府の言動の変化や

尖閣諸島の領有にこだわる中国政府の行動の変化となって

30年近く前から

既に顕在化させていた記録に見える


地下資源を用いない発電方法ができたとき

既存のエネルギーモデルは

一瞬にして相対化され

無価値化する 


この命運は

夙に

確定している


地下資源を燃やしたことによって

大気中の酸素と

その組成成分である

炭素と水素をを個別に化合させ

二酸化炭素と水を

同時に二次生産し

温暖化と集中豪雨

干ばつと洪水による被害の規模を

毎年拡大させている


問題のもつ本質に気付くなら

あたらしいエネルギーの創出法の開発が

真っ先に必要である

という程度の認識はもてたはず


問題のすがた形を

見ることができていなければ

エネルギーを巡る諸問題だけでなく

ドル余り現象を

生み出してドル供給国の首を

自らの手で締めさせている

その愚かな行為を

承知することはできていた


地下資源を一切用いない

それ故に環境負荷がなく

それでいて

最も低廉な電源の登場は

世界の歴史を

大きく

変えてしまうものとなる


温室効果ガスは紫外線で

100%分解できるようになり

降水量の増加なども引き起こさない

吹き荒れるようになった強風はおさまり

地すべりによる地形の変更も収まる


食料の自給自足はすべての国で達成され

養殖した海産物を

内陸部で

新鮮なまま

摂取することが当たり前の時代が

やがて地表へと訪れる


エネルギー効率が向上すると

生産効率にも良い影響が及び

物流効率は最大に合理化され

消費効率にも大きく貢献する

という好循環が

生まれでる


繁栄する社会は

武力による闘争を遠ざける

対立は市場の規模を拡大せず

却って圧縮するだけのものとなり果てる


健全な経済成長を保っているためには

経常収支が黒字になっていなければならない

自給自足体制の確立は

国民の暮らしを健全化させ

判断の正当性を担保する


学力のみの向上にひたすら拘り

思考力をナオザリにしてきた一連の過去が

国民から判断するための健全な能力を退化させ

財政赤字を増長させていながら

それをものともしない

不健全な財政を許容する社会をつくりあげ

破局への道をひた走る日本というこの国を

生み出した


高等教育を受けてきた者たちは

おしなべて優れた頭脳をもっている

その能力を活かすためには

知識の使い方を

よく知っていなければならない


学力重視に偏った教育は

個体の選別を容易にしはしたが

反面

思考力を発揮する機会を

悉く取り上げてきた

知識はあっても

その使い方が分からない

という人材でこの国は溢れている


発電原理を知れば

地下資源を不要とする発電が

可能である

という程度のことは

小学生でも理解するだろう


議会制民主主義が頓挫した時

国民投票が唯一の残された手段となる

そのとき

国民に膨大な知識があったとしても

それがもつ本来の意味を理解していなければ

いまの体制がそうであるように

健全な判断をすることが

極めて困難

というマスを生み出す状態を生む


投票年齢の若年化は公平性という意味で有効だが

思考力を涵養しない現在の教育制度の下では

誤った判断の温床となりかねないものとなる

分母の質的低下は

全体の判断を狂わせる


批判精神に基づいた

健全な思考力を涵養するには

学力重視の教育ではなく

創造学習の機会

を多く設ける必要があるのだ


競争社会を煽って

選抜方法を先鋭化すればするほど

思考力に欠けた

明晰な頭脳をもつ人材が

国中に溢れでる


国家の逼迫する現状は

戦後教育の結果以外の何物でもなく

画一的で標準化されたカリキュラムが生む同質性が

国民の意志の総量に

影響を及ぼすほどになっている


どんなに頭が良い人でも

その使い方が悪かったら

最悪の結果が

いずれやってくる

現況はその良き証拠

高い教育を受けた階級が

この国を劣化させていながら

その事実に気付いていない

これに勝る恐怖はなかろう


問題の姿を見ることができていたのなら

あたらしいエネルギー創出法を編み出し

日本が世界の指導者となることは

20年前の時点で

夙にできていた


失った時間を

惜しむ

愚かさの結果とは

実に

このようなもの
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虎 視 眈 々

2014-05-18 06:14:06 | Weblog
地球に働く宇宙の作用は

「調節」

を目的として

機能する


人口が70億人

を突破する

と騒がれるより前から

温暖化

という現象は

ひそかに進み始めるようになっており

何をどうやったとしても

その最大の成分

である二酸化炭素を

減らすことが

まったくできていない文明は

愚かなことに

実効不在の諸対策を

性懲りもなく

あれこれ講じて

すっかり

手を打った積りとなり

満ち足りた気分で

時世を

安閑と過ごしている


異常気象が頻繁に発生するような状勢となり

生命に

多大なる負圧



今かけているのは

指導者一般に通底する

思考力の低下に伴う

認識能力の欠如

という状態が

禍いへと転化したもの


天変地異のあれこれ



イノチを落とすケースが

このところ

頓に増えている

そこへ

独立を果たそうとする地域が

世界各地に群発し

新国家となることを目指し

既に内戦状態にある

シリアや南スーダン

などの他

独立後の安定しない状態を

いま尚続けているアチェが

低迷状態となったまま

独立の対価

である経済不振に

喘ぎ苦しんでいる


それに加えて

対立を避けようとする気のまったくない

ロシアとウクライナの境界に位置する

クリミア半島と

そこに隣接する

複数の州

を含む一帯だけでなく

中国に目下編入されている

多くの自治区

などが民族の自決権確保を目指して

このところ急速に

蠢めきはじめている


アジアの海域では

地下資源の帰属を巡る主導権争いに

中国共産党政府が

火を点ける行動をとったことにより

いらぬ争いを

東シナ海ばかりでなく

南シナ海に於いても拡大させ

力による領有権の確保



繰り広げようとするまでの状況へて達している


中越関係は対立をひときわ募らせ

まさに

戦闘状態へと

これから

突入

しようとする直前の段階へと

迫っている


増えすぎた人口を調節するための力が

地球全域に

いま

かけられている

という風に見ることができる


これら一連の経過は

対立を経て

欲望に基づいた

ナショナリズムを鼓舞するものへと発展していき

互いに相手が沈黙する時がくるまで

優位性を争って

交戦するための機会を

虎視眈眈と窺う

という状況へと

既に

嵌り込んでいる


世界各地で

民族の自決を目指すための闘争が

繰り広げられ

地下資源を確保しようとして

領土と領海

そして帰属を巡る正当性を

それぞれ互いに争っている

という図式


これまで危ういながらも

均衡状態を保っていた国際関係は

あやふやで

ふたしか

なものへと遷移し

力に頼る政治が

支配する

剣呑な

世の中を作り出そうとして

息を凝らしながら

時に備えて

身構えている


日本では

状況の変化に引きずられるがまま

となっており

有効に機能していた憲法を

解釈を変更することによって

戦闘または交戦を可能

とする

内部環境を作り上げようと

活発化した勢力が

機運の高まりを

いまやおそし

と待っている


係争地での武力行使が可能となれば

論理や法秩序を超越して

力の強い側が

勝利する

ことになる


その意味で

将来の起きるべき戦闘について

話題にすることを

意図的に避けている勢力が

憲法解釈の範囲拡大へと奔ってる


日本の再軍備

という当面の壁は

人口調節という点で

惑星の利益にかなう

ものとなるだろう

それが何を意味するのかということを

国民はそれぞれの立場で

冷静に考慮する必要性をもっている


混乱する世界を善しとする地球人は一人も存在せず

個々人を代表する立場となった時の政府が

勝手な理屈を関連付けて

行為の正当化



大々的に世界中で行おうと

いま目論んでいる最中だ


とりわけ

中越関係は共産党政権同士の対立となっており

中国型の

帝国主義的な共産主義と

ベトナム型の

非帝国主義的な共産主義とが

地下資源の所有を巡り

相争う

という構図を際立たせている


朝鮮半島では北の核

を始末する必要に駆られている国が

機に乗じて

強制的な変化

を容認する構えに

合理性を与えようとしている


不用意に惹起された混乱は

必要以上に

惑星の人口調節を

急がせるものとなる


日本が目指すべきは

TPPによるドル経済圏の拡大などではなく

かつての

五族協和による

大東亜共栄圏

の再構築

というものでなければならない

そこには

八紘一宇

という概念は既に取り除かれている


優れた理念である大東亜共栄圏構想を

短絡的な行為で

棒に振ったのは

軍国主義というその方法の拙さ

にあったのだが

歴史的必然から逃れる術は

当時存在していなかった


過去を正しく眺めることができたとき

進むべき新たな道が

みえてくる

地下資源を排除するあたらしいエネルギー創出法は

その時のために

用意されていたもの

私利私欲のために

この手段を

勝手に用いてはならない


情勢の変化は

未来へとつづく

プログラムを起動するそのタイミングを

推し量るための

最適な

方法

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生 者 必 滅

2014-05-11 09:45:22 | Weblog
公共工事というものに

経済を成長させる能力

がまだある

と思うべきでは

もう

あるまい


かつての神通力は

失せた


経済を成長させる公共工事とは

それをすることによって

人とものの移動が

新たに生まれる

ときにのみ

有効なものとなり得る


インフラが既に完備されている現況で

既存の設備を

どれほど更新していったところで

新規の需要が

新たに

生まれでるようなことは

ない


劣化してしまった公共財が

天候異変で

二次災害を生まないようにする

程度の補強工事に

どれほど多くの資本を投入したところで

後ろ向きの投資

にしかなりようがない


有効需要に結びつかない公共工事というものは

新規の需要創出に寄与する能力それ自体がなく

二次災害を回避するための

保険

の役割しか果たせない


失われた20年と呼ばれていた時代の

公共工事には

経済を牽引するに足る

需要の創出能力が

おしなべて

欠けていた


効果のない対策を連ねていながら

現実の貧しさを見ようとせず

根拠の乏しい

希望としての経済回復を

ただ待ちわびていた

だけ

そんな暮らしが

もう

20年以上にわたって

続いている


円安効果を享受できるのは

輸出産業に連なる

系列を為す企業に過ぎず

国民の大多数は

理不尽なインフレ誘導政策に

苦しみ喘ぐ

ことしかできずにいる


高度経済成長期となっていた

ベルエポック

と呼ばれる過去の一連の華々しい実績から

公共工事が経済成長に重要だ

とする理解で

専ら実効性を検証することなく

公共工事の類が

精力的に実施され

それによる累々たる損失の山が

国の借金を

きわめて

膨大な規模のものへと押し上げた


損失にしかならない公共工事であったからこそ

国の債務である借金が

嵩んでいく一方となったのであり

累積債務の総額が

20年ほどの間に

1000兆円超

という規模にまで

短期間で

膨らんでしまうこととなったのだ


これまでのように

経済に寄与することができる

公共工事であったのなら

人とものの移動に伴う

新規の需要が直ちに発生していなければならず

それによって需給関係は大いに刺激され

財の移動が

帯同して活発化

するようになっていた筈だ


所期の効果が不在の政策を

実施していたその期間のことを

失われた20年と呼ぶ

経済成長は停滞し

デフレ効果で経済は委縮し

時の経過とともに疲弊していった

国家予算は増大する一方のままとなり

歳出欠陥をより一層募らせて

はかばかしい効果が何一つ得られないまま

相変わらず

不毛な投資を繰り返し続けることで

国会と国民とが

共に満ち足りている

という錯誤の時代がやってきた


このような状態が続けられていたのだったからこそ

経済は一向に浮揚せず

環境は劣化の一途を

邁進するようになっていた

過去に産み落とした損失の合計が

国の累積債務の規模の巨大さに

あらわれている


国会には問題認識能力それ自体がなく

国民の血税を

党益と省益の確保のために

専ら予算化する

という展開を繰り広げ

違和感なく

最善を尽くしたと思い込んでいる

これほど愚かな行為は

ほかに例えるものがない


日銀は単年度の一般会計予算と同等規模の流動性を

市中へと意欲的に供給し

円安効果を導くことを決定したが

それによって輸入物価は

おしなべて上昇し

国民は消費増税の実施に

折悪く遭遇し

可処分所得をひたすら失っていき

需要創出となるべきところを

需要消失へと反転させた

企業は金融緩和で

内部留保に執着する義務を解かれ

設備投資を進めながら

労働分配率の改編に

取り組むことが可能となった


株式市場は資本を集約する機能を

既に失ってしまい

マネーゲームの主戦場と化すばかり

パワープレイヤーたちが跋扈跳梁し

善意の一般投資家が持ち寄った資本を

金融資本に

ただ

持ち去らせるがままに放置した


政府系の投資ファンドが株価を高値に誘導すると

対抗勢力が引き上げられた株価を

意図的に引き下げ

それぞれの傾斜で

有利な条件となるタイミングで

売買を繰り返しながら

利益の獲得競争を

世界中で展開するようになっている


この変化が顕在化したことによって

国の富を金融資本の所有へと帰せしめることが

ゲームの主眼目となり

資本効率を競うための市場が

金融資本によって

効率よく運営されるようになっている


こうして国際収支から

健全性を奪い去らせるようになっていき

株式市場は経済指標としての役割を夙に失い

金融資本供の暗躍する市場を創設して

尤もらしい説明をして

したり顔で

経済を云々する輩を増やしている



日本の株価には

重い天井



金融資本の手によって

夙に

設定されている

上値の重い状況が

アベノミクスがロケットスタートで発進して以降

ずっと

つづくようになっている

この状態が

国家の損失

とその安定的増加

を意味しているということに

気付く人は

まだ

少ない


金融当局が事実関係を承知していたのであれば

富の漏出を放任していたということになり

反対に

承知することができていなかったのであれば

認識能力の欠如と

それによる意図的な怠慢が

富の海外への移転を黙過させ

国民から豊かさをひらすら奪う

という展開を盤石なものにする


当事者のすべてが

国際的な略奪の主犯

であったということになる

とてもシンプルな はなし なのだ


ドルの過剰流動性はあらゆる通貨へと姿を変えた後

為替差の傾斜を利用して

最終的に円市場を経て

元の姿であるドルへと

戻され

投資家へと

獲得した利益を

効率よく

還元するための原資となり

無辜のドル通貨

へと戻すことにより

一切の罪咎を浄化し

はれて解放された身分へと

ドルの価値を復権させる


もとを糺せば

地下資源と陳腐化した米国製の兵器を

世界中が輸入することで

生み出した

ドルに対する

特徴的な偏り



経済不均衡と

環境劣化の

共通原因となっていた


文明が地下資源を消費し続けている限り

気候の変動と貧困の蔓延は

とまらない


だが

地下資源を消費しない

エネルギーモデルが登場する時代になると

状況は一変する


その方法は複数ある

ドルの需要を低下させれば

ドル余り現象はおきない

世界標準となる基軸通貨は

どこかの国のローカル通貨

であってはならない


特定のバイアスが通貨価値間に発生すると

1%のための利益を

99%が底辺で支える

という構造から抜け出せなくなる

現状が既にそうなっている


環境負荷のないエネルギーモデルは

エネルギーコストを最低下させ

あらゆる地域で

自給自足体制を成り立たせ

国際収支に健全性を呼び込む

基礎となる


問題の所在を文明が見失っていると

人類の生息環境は劣化し

生命を維持するための麗しい環境は

失われてしまうことになる


地球には寿命がある

太陽系の惑星は

恒星がエネルギーを失い

膨張していったその果てに

赤色巨星となる過程のどこかで

軌道ごと

取り込まれて恒星の一部とならざるを得ず

冷えて錆びついた

一つの死んだ星となる

定め

45億年後の地球は

太陽の一部へと

取り込まれている


温暖化を放置しているのであれば

21世紀中に

生命は環境の変化に

適応することが

できなくなる


未来の宇宙に待ち受けているものとは

すなわち

静謐

だけである
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権 威 主 義 ②

2014-05-04 08:53:24 | Weblog
日本人がもつその一般的な価値基準

とは

絶対的な存在

または

それに準ずる地位にある誰か

による

第三者からの判断

の上に成り立っている

共通の認識

ということになるだろう


個人の価値基準というものは重視されず

大勢の赴くところを参考にして

己の価値とする

という風土と文化が

歴史の結果として

意識の奥深くにまで

染み透っている

スタンダードの不在を

自覚することができていないと

周囲を見回して

大方の意向に盲従することで

安堵する


個としての独自の基準があっても

それに周囲は重きを置かず

全体がもつ認識の一致

或いは

不一致

と思しきものを追い求めて

ひたすら

靡こうとする意識を抱えて

身構えている

まるで

それは

草や藻のような

揺らぐもの

それが

日本人に通有する

一般的特徴だといえる


天皇が国の方針を定める意思決定

に直接関わっていた時代には

それを補佐する要職に

武家の代表や軍の上層部などの組織が

絶対的な存在

の代理人

という立場で

執権

またはそれに等しい要職に就く

慣わしになっていた


この国の歴史というものは

閲してきたあらゆる時代を通じて

さまざまに

作られてきたのだが

その結果として

個としての価値基準となるものが失われ

家に代表される集合体

の利益を優先する暮らしに平和を見出し

日夜その維持に勤みながらやってきた


国民は歴史的に絶対的存在である

天皇の意志に追随することで

安寧と繁栄を得

日本語とそれが生む固有の文化とを

時間をかけて

今日まで

着実に育て上げるよう努めてきた


温和で従順なその麗しい国民がもつ資質は

権威の代行組織による

恣意的な制御の対象となるよう

容易に誘導可能なものとなっており

それが災いして

唯一の被爆体験を

強いられる

という

比肩すべきものとてない

巨大な

悲しみの連鎖という経過を

世界史に刻みつける結末を

70年前の夏に残した


国民は権威に従うことが善であり

お上に従順でありつづけてさえいれば

なにごともうまくいく

と信じさせられてきた


至高の権威者が

戦後

象徴的存在へと変化したことによって

国民はカリスマを失って

占領国であるアメリカ型の支配体制に

率先して順応し

戦後の高度成長期の推進役となってきた


この変化に伴って

価値の基準は

新しい権威者となった

アメリカ型の 

それ

多くの場合

経済的には自由主義

を基本とする

政治的には民主主義

と呼ばれてきた新体制

の上に成り立っている

後付けの

特別に

付与された価値らしきもの

を民族の判断基準とすることに

同意することが

民族の発展に寄与した

とする時代が必然的に作られた


それは敗戦国となるその日まで

日本には一度も存在したことのない

封建主義からの解放

を意味する自由という名の価値を

きらびやかな装いとして見せていた


権威主義という土台の上に構築された封建主義

の桎梏から解放され

はれて制約のない身となった

日の本の民は

そうなった段階にあっても

解放された自由を持てあまし

個人としての価値の基準を

積極的に手に入れようとはしなかった

大勢の赴くところをみて

己の価値基準だと

率先して錯誤した

その弊習が

亡霊となって

この国土全域を蔽っている


日本という国に棲むひとびとは

個人としてよりも

全体としての調和を

より重んじる


事の善悪や

好き嫌い

などは価値基準の一つとして認められてはいたのだが

個としての価値が多様なものになっていってからでも

全体の和

を乱すものなら

それを価値とは看做さない


この傾斜が災いとなったケースが

残されていた

権威筋が安全だと宣言していた原発が

水素爆発を起こして

呆気なく

木っ端みじんに吹き飛んだ

あれ以来国民は

権威の示す判断に

とても懐疑的になることができるようになった


だが

核以外の分野では

相変わらず

権威からのご託宣が

盲目的に追随するための絶大な条件

という牢固たる姿勢を

今以て

根強く保持することを

当然視してもいる


権威というものは

古来

天皇制の周辺に跋扈する

ものとなっていた


国会では国民の代表を自任する政党の一部が

公共放送の事業者に

公正な情報伝達を阻むことさえ

平然として

やっていたことがある

その結果

番組の内容は事前に変更され

本来の内容とは違う仕上がりとなった

10年前の2004年のことである


同じ種類の問題が

再び

NHK会長の発言の端々に

繰り返しみられる

権威主義者というものは

自らが権威的立場に就いたとき

権威主義者を目指す者を

再生産する役割を果たすのだ

保守に固執したがるという特異な傾きは

権威主義の結果として

与えられたもの


現状を快適だと思うものは

問題のある制度を温存する行為を意味する

保守に拘る

改善すべき点が皆無といえない状況で

保守を標榜するのは

愚かさの証明にしかならない


問題のある制度を保守することが

どのような意味をもつ行為なのか

ということを

何一つ考慮していないのだ

この点で

批判の対象とされるための存在

という価値を自ら担っている


解決すべき課題をゼロにすることができたとき

はじめて

保守すべきその体制が

整う


誰かのもつ価値判断が

己の価値基準より

普遍的で正当なもの

とする根拠は

見つからない

そして

原発が水素の爆風で

吹き飛んだ


権威は疑うためにこそ

存在することを

許されている

その権威に国民が盲従するようになったとき

この上ない不幸な結末が

被曝体験となって

またもや訪れたのだった


反証を前提とするという意味で

権威主義というものは

はじめから

とても疑わしいものであったのだ
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