こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

危 険 行 為

2013-10-27 08:41:38 | Weblog
バブル化した経済に引導を渡し

その上

失われた10年を

倍の

20年へと拡大させただけでなく

200兆円の規模に過ぎなかった国の借金を

同じ期間に相当する僅か20年間で

5倍の1000兆円を超えるほどにまで

急拡大させてきた

霞が関と永田町に棲み分けている

おろかな者供が

またしても

デフレ経済から抜け出すための経済政策を

立案実施することとなり

量的緩和の急拡大に着手し

結果として

円安と株高とを

急速に導いた


その直後

株価の急峻な上昇が

長期金利を引き挙げる原因となり

株価の水準を

政府系ファンドに引き下げさせた

その時から

日本の株価は

一定の範囲の中に

安定した状態で

ちんまりと

収まるようなものとなったのだった


制御されている株式市場に

どのような意味があるのか

不明なのだが

市場経済のダイナミズムを否定するこの行為が

何らかの反動を

生む

であろうということは

想像するに難くない


消費増税が決まって

企業減税と

投資減税なども

やがて実行へと移される


減税効果で

企業が労働賃金の増加に応じるようになるのなら

国民の可処分所得は増えて

消費市場に

懐かしい

あの活力が舞い戻る

という前提で企業減税の実施を

内閣は謀っている


国民所得が増えるということは

日本製品の生産コストが高くなる

ということを

そのまま

意味する

途上国の労働単価が急速に引き上げられ

価格競争力を失った新興市場では

資本の流出という現象を顕在化させるに至った


企業減税で労働賃金の引き上げが実施されると

それだけで

日本製品の価格競争力は

コストアップが進み

総体的に低下する

アベノミクスは

国際経済における価値の移動がもつその変化の意味を

まったく要素化していない条件の下で

策定されたもの

つまり

複数の疎漏が

要因として潜んでいる政策

ということになる


国際競争力が落ちれば

その影響は

国際収支の結果となって

一年後に

数字の形で表れる


円安を誘導しておきながら

結果として

貿易赤字を計上してきたという記録が

ことしもまた

更新された


投資減税に至っては

株価に上限となる天井を設定しておきながら

市場参加者を増やすために

減税という名のコマセを撒き

犠牲者となる投資家の数を

徒に増やすだけのこと


バブル経済を崩壊させたその理由を知らずに

経済を成長させる政策の立案し

異次元と自ら称する

穴だらけの経済政策に

胸を張ってみせる

その愚かさの意味に気付かない


実にあさはかなことである


経済学を理解したということが

経済を知っている

ということにはならない

経済を知らずにいたからこそ

バブル経済を発生させていながら

その事実に気付くこともできず

安易な対症療法を勝手に導入して

日本経済に致命傷を負わせる

という世間周知の拙い結果を

この国に引き出した


行き着いたその先に待っていたのが

デフレスパイラルという現在の状態であり

失われた20年と呼ばれる

止まらない凋落の時代だった

さらに

1000兆円を突破した債務の総額

という実に愚劣極まりない

塚を為す

これまでの失敗の数々


経済政策の決定に携わる者供に

バブル経済を崩壊させた経緯を

問い質してみるがよい

まともに回答しようと試みた者は

未だに不在

という事実を再確認して終わるのみ


説明が複雑になり

時間が足りない

という理由で

メカニズムの解説を

意図的に避けるのが通例なのだ


理解と認識が正しいものであるならば

要点を一つに絞ることは

容易なわざ

つまり

ひとことで説明することに

何の問題もない

情報が未整理になっているからこそ

説明に時間がかかるだけのこと


バブルの発生機序と

その崩壊過程を説明できない経済通は

まがいもの

その程度の人物に

有効な経済政策を立案できるはずがない


アベノミクスが内包する欠陥とは

現状認識能力を欠く

資格のない者どもが

これまでやってこなかった投資規模の

単なる拡大

という変化に飛びついた

だけ

という余りにも皮相なその点に

集約されている


資質を持たないものに

政策を決定させてはならない


失われた20年とは

その事実を指し示すためのもの

アベノミクスがどのような結果を生むのか

という今後の経過を見ていれば

日本経済の置かれている危うさの意味が

明確にみえてくる

消費税の税率が更に3%も引き上げられて

8%になったとき

総需要にどのような変化が起きるのか

を実際に見るまでは

誤った政策のもつ危険性に

国民の多くはまったく気付かない


問題を問題として察知することができたときには

既に手遅れ

国会はそんなことを毎年繰り返してきた

それは

まさしく

自業自得の反復行動

学習効果が不在の議事堂に

これ以上

頼るべきではもうあるまい


20年がまるまる経過した後になっても

バブル経済の持つ経過と意味とが

総括されたことはない

問題はここにある


認識能力のないものが

その事実を自覚せず

権威筋の意見を容れて

各種の政策を勇んで実施してきた

結果の検証が行われたことはかつてなく

習慣的に

同じ過ちを何度もなんども

繰り返している


これほど危険極まりない公的な行為は

ほかに

あるまい
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自 然 淘 汰

2013-10-20 09:22:16 | Weblog
経済活動というものが

実に活発な展開をみせていた

かつてのごとき

成長が続いている

時代

には

力による問題解決

という方法の選択が一般化するようになっており

世界の保安官

であることを自負するアメリカは

勇躍して

最新の兵器で武装した

世界一強い米軍を

紛争地へと

積極的に派兵して

力によるカリソメの平和と

それによる見かけ上の安定統治

と呼ぶべき状態を

そこに成り立たせておくための主体

となる役割を

率先して果たしてきた

その枠組みを

通用させなくする

時代の変化が

この度

唐突に訪れた


アメリカという名で呼ばれる国が持つ

イメージとしての

要するに実体のない

威光を

ことあるごとに

世界中に見せつけてきた過去が

いまはもう

役に立たないものとなった

ということになる


その経過の一部始終には

ドル経済圏の拡大を許し

武力による偽りの平和

という不安定な状態の便宜的な温存を

導くための

政治と経済の反応場

に於ける

身勝手な都合の関与が

表裏一体となって生じていた


財政から豊かさが緩慢に失われていき

いまになって

やっと

損失をしか生まずにいた過去の経緯のもつ意味が

改めて

問い直されようとする直前の段階が

にわかに出現する運びとなった


不毛な経過を繰り返してきた時代を通じて

経済は低迷を余儀なくされ

勝者となる国家がない中で

国際金融資本だけが

一人栄華を誇っている


世界を指導する役割を担う国に

最大の戦闘能力が保持されているにせよ

戦争を遂行するに足る経済能力を失ったとき

アメリカは保安官に求められている

武力の行使を

直ちに決断実行することに

ためらい

を見せるようになった


あらたに生じたこの変化は

紛争解決のための従来のアプローチを

もっとも穏便なものへと改めた

そして

武力の行使で失われてきた多くの損失を

これ以上

無駄に発生させないという点で

きわめて合理的な

あたらしい解

の存在を

世界に対して

示すものとなったのだった


国家がもつべき健全な財政を悪化させ

議会運営の場面で円滑さを欠くようになり

政党政治が本質的にもつ限界を

執拗に見せつけられた米国民は

将来に対する危機感を

強く持たざるを得なくなった


アメリカの常套手段となっていた

武力による間髪を容れぬ軍事介入を

実施しないで済む道を

模索する契機ともなったのではあるのだが

保守的な気質をもつ大多数が

問題の本質を覆い隠したまま

不都合な要因を目にする機会を

意図せずに遠ざけようとしていることには

関心がないようだ


シリアに於ける化学兵器の使用

を巡る行き詰った状況から

世界が抜け出すための措置として

力に頼らない解決の方法というものが

国連で注目される結果となった


軍事力に恃もうとする政府のすべては

やがて

経済的に

必ず

行き詰る

アメリカの置かれているその状況は

経過の事実のもつ意味を

明確に物語る


イラク侵攻をイラク戦争へと変えた

共和党ブッシュ政権の勝利への執着が

エネルギーコストを長期間高めさせ

世界経済から豊かさを

奪い去る最大の原因となっていた


地下資源の決済を実施するための通貨

であるドルの供給と回収を目的とする

国際金融資本だけがどんどん肥え太っていき

世界中の資源消費国のすべてが

一様に豊かさを徐々に失っていったことにより

現状の貧しさに

世界中が耐えなければならない時代となったのだった

その対策としてこれまで採用されてきたのが

消費税率の変更という

よく知られてる

おなじみの措置だった


エネルギー資源を輸入した国は

おしなべて

貧しくなる運命へと陥落する

それは

資源産出国が

どこの国でも通用する便利な通貨

である汎用性を身に付けたドルでの決済を

要求しているからに他ならない


ドルの供給を請け負っている

国際金融資本の一部分が

ドルと引き換えに得た外貨を用いて

ローカル市場で

積極的にそれを運用し

利益を最大化させたものを

速やかに回収する

その行為が為替市場で

差益を通貨交換の往復

の悉くで生み出しているからこそ

所謂ドル資本

と呼ばれてきた

現在の

国際金融資本の利益の積み増し

に大きく貢献する

という経過を生んできた


ローカル市場で回るべき資本が消え

資本提供者の本国

であるアメリカへと

ドルが無事帰還を果たしたとき

そこで経済を回すための手段となっているべき

地域固有の資本が失われ

ローカル市場を提供してきた国家と国民は

同時に貧しくなってゆく

というメカニズムへと嵌り込む


国家というものは

財政の悪化を増税で乗り切ることしか知らず

国債をやたらと発行して

国内で回るべき資本を埋め戻そうとする

税収を向上させるには

経済を活性化させる必要がある

のだが

それにはエネルギー消費の増大が不可欠

こうして

温暖化とそれに伴う環境の劣化

そして貧困の増大が避けがたい要因となったことにより

国債の信用力が失われると

世界恐慌の前駆症状というべき事態が

どこかの国で突発的に発生する

情勢が生じるようになったのだった


リーマンショックとEU危機は

ドル余り現象の結果の一つとして

与えられたもの

サブプライムローンと呼ばれた異常な貸越し競争が

膨大な規模の不良債権を現実化させ

G7をG20へと拡大させた

その後三年の歳月が経過したとき

ギリシャの経済基盤が

EUの基準を満たしていない事実が発覚し

その国債が一斉に信用を失って

長期金利を引き上げるという変化を生じさせた


この経過がきっかけとなり

財政がもつべき健全性

への信用をなくした国の債券が売られ

金融市場に於いて

信用経済を成り立たせていた

背骨にあたる部分の脆弱さ

が俄かに問題化することとなったのだった

これがEU危機を生んだ周辺の事情


いずれの変化も

拡大したドル経済圏の内部で

引き起こされたことである


エネルギー資源を輸入しなければ

経済成長は生まれない

財政を健全化しようと努めれば

経済全体を賦活しなければならない

それにはエネルギーが必要なのだ

地下資源を燃やして電力を確保する過程で

ドルの過剰流動性が顕在化することとなり

温室効果ガスの濃度上昇

という負の変化も同時に問題化させてきた


文明はこれら一連の劣化するためのプロセスを

実効を伴わない無意味な対策を講じることて

乗り切った積りになっていた

まことに無能かつ無責任なことである


二酸化炭素の大気中濃度は

相変わらず

一貫して増加しつづけており

付加価値税の税率も

同様に国民の暮らしを圧迫し続けるような経過を

辿っている


問題の本質は

エネルギーを確保するための手段を

誤って選択したというそのことにある

自然エネルギーと呼ばれる再生可能エネルギーでは

安定した電力を確保することがそもそもできず

経済に寄与する電力の供給源とは

到底成り得ない

その事実を理解することができず

曖昧な思い込みでしかない

勝手な認識をもちこみ

発電能力のデータだけをみて

安定供給するための基本的条件の内容を

まったく見ようとしてこなかった


問題の本質が見えていたのであれば

偏った豊かさ

を国際金融資本などの1%に過ぎない新興勢力に与えるために

対極となることを強いられた貧困の世界規模の蔓延と

それによるバイアスがもたらす経済と財政危機

および

気候変動を加速する一方の温暖化と

降水量の増加と洪水の頻発などを

未然に防ぐ

程度のことは夙にできていた


考える力を文明が失った時

自然界からの警告を意味する

淘汰

がおきることになっている
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な ら わ し

2013-10-13 09:50:29 | Weblog
文明は

いま

破滅へと至る一本道を

急ぎ足で

辿っている


世界の経済を成り立たせている最大の因子は

基軸通貨として機能しているドルと

その発行権をもつアメリカ

と呼ばれている国


地下資源の決済は

世界中どこでも使える

汎用性のあるドルが指定され

エネルギー需要を満たすためには

ドルを買って

代金の清算を行うことが

義務化した


ドルの需要があるのに

供給を怠っていると

通貨の価値は高くなる

反対に供給が過剰になると

ドルの価値は低下して

過剰流動性が顕在化する


アメリカの歴史には

王侯貴族の類は不在

そのことが

民主主義の先進国へと

アメリカを位置づけた


民主主義という名の

よく知られているシステムがもつ固有の欠陥が

議会運営のかけひきを巡って

俄かに浮上する事態を

迎える時代がやってきた


国が使うための新年度の予算案の決議を

議会制度に備わっている

意思決定のその方法が

駆け引きの道具として用いられたことにより

官公庁の休止可能な分野の

すべて



予算の執行が

一時的に

一部停止される事態となった

公的機関の活動が

すなわち

成り立たなくなった

ということなのだ


公務員の多くが自宅待機を迫られ

仕事があるのに

何一つ

遂行することができない

という状況が

米国の公的機関へと与えられた


新年度の予算案が議会で可決されなければ

国債の利払いを実施することもできず

債券を新規に発行することも

当然できない

ドル建ての公債は

その価値を失い

資産としての機能性を

放棄せざるを得なくなる


国が背負った借金の返済を

実施することができない

という債務不履行(デフォルト)に国家が陥った時

最も安全な資産だとされていた米国債が

一瞬にして

ただの紙切れと化す


通貨発行権を用いて

債務保証の代わりとして

困難な状況を乗り切ることが

仮にできたとしても

アメリカのもつ

絶大な信用

で成り立っている

世界経済というものは

極めて深刻な影響を

地球全域で

被る


議会制民主主義の手法が

市場経済を成り立たせているそのメカニズムを

自らの手で

破壊する

ということ


信用を失ったドル資産から

安全な通貨への乗り換えが急務となり

為替市場はドルの崩落に備えるための

新たな資産となる何か

を求めて

活発に変化する


アメリカに自浄能力が不在なら

基軸通貨の発行権は

失われる

代わりを務められる通貨は

現状で

まだ

ない

そこで

どこかの国の通貨が

暫定的にドルの代理を務め

国際的な決済業務に

支障がでないよう

特段の配慮が

市場から

IMF体制の枠組みに

求められるようになる


世界中のあらゆる国で通用する通貨でなければ

基軸通貨とはなり得ない

エネルギー資源の産出国が

汎用性の高い通貨であったドルを歓迎したことから

ドルがポンドに代わって

戦後の基軸通貨としての役割を

円滑に果たす時代が永らく続いていた


ドルという名の通貨に与えられていた信用が

米議会による対立の激化で

失われた時

世界の資本は

特定の通貨または

安全な金融資産を求めて

右往左往するようになる


中国の経済バブルは

既に終わりの始まりを迎え

ドルが信用を失墜した時点で

最も多くのドル資産を保有する中国の信用も

また

同時に失われてしまうだろう


人民元を信用する中国人は

いない

流通している自国の紙幣が

信頼できないものであるからこそ

安定した価値を持つ貴金属をもちたがる

中国ではそのような歴史的経過が

数千年に亘って残されている


一方

ユーロの脆弱性は

G7をG20へと拡大させた

リーマンショック後のEU危機で

明白になっている


米政府がデフォルトを宣言したとき

ユーロでも人民元でもない

その他の通貨が

ドルの役割を担うよう

文明全体から求められるようになる


通貨価値を裏付けるものが

ドルショック以降

金から石油へとシフトしたことから

ドルの通貨価値を保障する機能を

地下資源を取引する決済システム全体が

アメリカにだけ認めることを許していた

その枠組みのことを

IMF体制と呼ぶ


地下資源の殆んどは

炭化水素からできている

このため

環境負荷があることを承知の上で

大量に消費することで

経済活動を活発化させてきた

産油国が原油の輸出に応じられる通貨

でなければ

ドルの代わりを果たすことは

できない


国際経済はアメリカが金本位制から一方的に離脱したときから

金の持つ絶対量の束縛から解放され

青天井で流通可能な通貨となった

この経過がドル余り現象の生みの親


議会制民主主義の先進国であるアメリカで

ドルの持つ機能を操作する権能を確保することが

意思決定の手段として

戦略的に使われるようになったとき

国際経済を破綻させる原動力へと

その性質が反転する


つまり

民主的な制度それ自体が

国際経済の行く手を阻む装置と化す

ということなのだ


想定しうる最悪の事態を事前に回避するためには

米議会で多数派を占める野党勢力が

少数派で成り立っている政権与党に

一定の譲歩を実施することが

滞りなく

できていなければならない


駆け引きは大詰めの段階へと夙に差し掛かっており

予算案が仮に可決されたとしても

その後すぐ

国債発行枠がもつ上限の引き上げも

また

迫っている


いずれにしても

国際経済の今後は

米議会での審議の結末が

左右する

オバマ政権がデフォルトを宣言すれば

アメリカがもつドルの発行権は

債務の返済を急がせるための手段

へと変化する


地下資源の産出国が

基軸通貨としてのドルの関与を見限ったとき

国際経済の枠組みは

一新されることとなる


アメリカは世界の指導国の立場から

破産管財人による監視を受ける立場の国へと陥落する

そのとき

IMF体制もまた

無傷ではいられまい


両者は相互に

補完しあうという濃密な関係

で成り立っている

隆盛を極めた信用経済は成り立たなくなり

金や原油などの現物資産の担保がなければ

国際的な決済業務を遂行することも

できなくなる


日本でも国会が

赤字国債を発行するための特例措置法案を否決したとき

同じ結果に見舞われる


いうなれば

民主主義という制度を

恣意的に扱ってきた国の議会のすべてが

経済ダイナミックスの破滅を

自らに強いる

という顛末を生む


世に

これを

自業自得

と呼ぶ慣わしになっている
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消 費 増 税

2013-10-06 06:48:23 | Weblog
バブル経済を成り立たせていた

強烈で野太い

資本の流れ



1990年(平成二年)四月一日

に天井となる大枠

が強制的に設定された

これにより

土地投機によって獲得した資産を売却してからでなければ

新しい仕入れを行うことができなくなり

先行投資する術を失った不動産市場では

緩やかに

行き先を失った道を引き帰さざるを得なくなり

一斉に値を下げる負の螺旋を

出現させることとなった


当時

資産デフレ

と呼ばれていた状態が

六年ほど続き

それまで3%だった消費税が

紆余曲折を経て

漸く5%へと増やされた

1997年(平成九年)四月一日のことである


日本経済を苦しめている真性のデフレが始まってから

ことし(平成25年)で15年

が経過する

15年前のことなら

平成10年に相当する


消費税が2%引き上げられてから

一年のラグを措いて

その後15年の長きに亘って

緩慢な

デフレスパイラルの状態が

今も尚維持されている


経済がデフレ化してから経過した時間と

消費税を2%引き上げた後の期間とが

目に見えるように顕在化するまでの期間と

それは正確に一致する


来年の四月一日には

その消費税が更に3%増やされて

合計8%へと達することが確定した


デフレが続いていた15年の間

量的緩和は一再ならず実施されていたのだったが

効果と呼べるものはなかった

そこで

日銀が異次元と形容する

大規模な金融緩和が実施され

為替市場では円の供給量が増やされたことにより

円高圧力を希釈する効果が

たちどころに表れた


同時に株価の上昇も起きたのだったが

その変化が余りにも急であったことから

手持ちの債券を売って

株券へと乗り換える動きを急増させてしまったのだった


債券市場では必要以上の売り物がでると

吸収することができなくなり

価格の下落と金利の上昇とが

同時におきる


スーパーの生鮮食品が

閉店時間が近付くにつれて

徐々に値を下げていくのと

何ら変わりのないことが

債券市場でも起きるのだ


長期金利は10年物国債の金利に連動するものであるため

債権の売り物が増えると

長期金利は自動的に上昇する

国債の金利が上がれば

翌年の国家予算に占める国債費の割合も

自動的に増加する

長期金利の上昇は

国の運営にとって

ひとく重い足枷

となるものなのだ


銀行の定期預金の利率にも反映されるため

預金者と金融機関

年金基金や保険業界などにとっては

収益を増やすチャンスでもあるのだが

国債を発行する当事者である国家にとっては

債務負担をただ単に増加させる

という望ましからざる結果を招くものとなる

次第


国にとって長期金利の上昇は

借金を増やす行為以外の

なにものでもない


株式市場が加熱すると

国の支払利息が増えるという

風と桶屋のあの関係から

異常な規模の量的緩和で

運用可能な資本を篤くした政府系の多くのファンドが

株価の安定化を目指すことを

市場から迫られた

という経緯が記録に残る


株価の変動幅を一定の範囲に収斂させるようになったのは

長期金利の上昇を要素化していなかった

日銀の決断に

認識の誤りが関与していたからだった

株価は動意づいても

政府系ファンドというパワープレイヤーからの掣肘を受け

不自然な値動きをする機会を

これまでに

何度となく増やしていた


裏を返せば

政府系ファンドが株価の誘導をやっている限り

隙に乗じて

利益を増やすことが可能になった

ということでもある

ここでも

国民の血税は

外資を潤すための資本となることを

またしても

強いられている


まことに愚かなことである


物事の本質が見えていないと

損失だけが与えられるという

粗末な身分から

永遠に

抜け出すことが

できない


経済を推進する動力源となるものは

消費者の心理以外には存在しない

これを無視して

数字をいじって満足する経済政策がもつ誤りの連鎖が

国の借金を

失われた20年という短い期間に

200兆円から五倍の1000兆円以上へと

急速に膨張させてしまった

ということになる話なのだ


財政は

行政機関と国会とが

利益共同体なることで成り立つものであることから

国家予算にシーリングを設定することを

ことのほか

忌み嫌う

それは

国民が消費税から

生理的に距離を置きたがるのと

実によく似た共通の反応だといえる


官僚は国の借金を増やしてでも

可処分所得に相当する短年度予算の増額を迫り

国会は予算の規模を審議するふりをして

敢えて微調整を加えることで仕事をした気分で

毎年

赤字財政を積み増すことにしかならない

官僚主導の国家予算案を

形式的に国会で可決する

その習慣的な役割を

毎年演じていきていながら

問題に潜むその意味がもつ本質

に気付くことが

いまだにできない状態にある


国会が官僚に制御されている状態の国は

最終的に

行き詰る

また

民主主義の模範とされてきたアメリカの二大政党制もまた

ねじれ状態を突き詰めていった挙句の果てに

デフォルトの危機を

自らの手で引き寄せるまでに至った


どちらにも制度上の欠陥が潜んでおり

脆弱化した部分から

圧力を外部へと逃がすための



をこじあけて

内圧を開放しようとする


消費者である国民の心理を要素化できないすべての政府は

必ず

崖に直面する

上に位置する者は

そこから落下するしかなく

下に位置する者は

昇る手掛かりを失って

だだ立ち竦む


ことと次第によっては

ドル経済圏の持続が困難になることさえ

あり得る

だが

破局を回避する手段はまだ

複数残されている


国民の意志を正しく反映するには

直接民主制しかなく

それには議会制民主主義の破綻が必要となる

健全な教育を目指す努力が国に不在なら

直接民主主義であっとしても

烏合の衆

と何一つ変わらない


問題認識能力が欠けている意思決定機関というものは

国の将来へと続く道を

率先して誤る

それは

債務の規模と返済意思との齟齬に

よく映し出されている

債務の拡大を続けていなければならない政府は

どのような体制であったとしても

国民に多大なる負担を強いる


国の債務は国民の債権

でもあることを

失念してはなるまい

債務者は国会の成員である政治家であり

国家公務員である官僚のすべてである

返済義務を負っているのは

まさしく国民ではない

債権を回収するのが

国民の義務


国の借金を未来の子孫に残す

というよく引き合いに出されるものの言い方は

論理のすり替えを

如実に物語るものとなっている

たったこれだけの単純な事実を

不明確なままにしておいたということが

消費税率を小刻みに

何度も引き上げさせる

その最大の動因になっている


国民は国会議員と官僚とに

債務の返済を

義務として

課さなければならない

やるべきことを放置したままにしておくと

債務者一同は更に野放図になり

国民を甘く見る
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