元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

まだまだ休みます(汗)

2006-02-21 18:07:03 | その他
 引っ越し先の光ファイバ工事がおよそ2週間後とのことなので、まだまだブログの「閉店状態」は続きそうです(本日は出先からアクセスしています ^^;)。3月上旬には「復活」できると思うので、どうぞ御了承のほどを・・・・。


 あ、それとカズさんコメント有り難う。リンクの件、こちらからも宜しくお願い致します。ではまたー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しばらく休みます

2006-02-10 18:07:39 | その他
 引っ越しのため、たぶん一週間ばかり更新できなくなると思います(引っ越し先の光ファイバの工事日程が未定なので・・・・^^;)。

 それではよろしく ->ALL。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「プライベート・ライアン」

2006-02-10 07:09:55 | 映画の感想(は行)
 (原題:Saving Private Ryan )98年作品。とてもよく出来た戦争アクション映画だと思う。ほとんど「コンバット」だ。これを“反戦映画の秀作”みたいな持ち上げ方をしている評論家っていったい何なんだろう。反戦だからいいのか? 好戦だからダメだと? 戦争が悲惨で避けねばならないことだというのは誰だって知っている。今どき“反戦じゃない奴”って世界中探してもそんなに多くない。反戦とか好戦とか、そんなイデオロギーじみたものを優先して作品を断定してどうするんだ。たかが娯楽映画に。

 さて、冒頭の大々的な戦闘シーンに話題沸騰であるが、確かに凄いと思う。ただ、スピルバーグにしては慣れないことをやってるなあという気も大いにある。大半が手持ちカメラの画面、しかもチラチラとした落ち着かない画像編集(?)がほどこされているため、臨場感はある。ただ、「プラトーン」やら「キリング・フィールド」のような切迫した印象は希薄(技術的な面はさておいて)。“ハリウッド得意のスペクタクル場面が展開してるなァ。金かかったろうなァ”というのが正直な感想だ。“冒頭のドキュメンタリー・タッチとその後の活劇っぽい展開に違和感がある”なんて評している批評家の文章も散見されたけど、じゃあ全編これ実録風にすればよかったのか? それで客が来るか? 言っておくが、これを作ったのはサメや恐竜や宇宙人の映画でひと山当てた奴である。アンジェイ・ワイダやオリヴァー・ストーンではない。評する相手を間違っているとしか言いようがないね。

 一人の二等兵を救い出すために将校はじめ8人の強者が活躍するという設定からしてもろフィクションである。「荒野の七人」や「ワイルドバンチ」と同じ次元である。こうなると“実はこの二等兵は大変な軍事機密を握っていて・・・・”みたいな筋書きにしたいところだが、それじゃウソっぽさが顕著になって、マーケティング上支障が出る(笑)。戦争の不条理をテイストとして盛り込む方か得策で、あまり内面描写がうまくないスピルバーグが監督することを考えれば、この映画の設定・ストーリーでOKだったんじゃないかと思う。つまり、実録物の雰囲気を前振りしておいて、実は活劇を前面に出すという方法は正解だったということだ。ヘンに映画の中心を“人物”に持ってくると、「シンドラーのリスト」みたいな大甘映画に終わる可能性もあったしね。

 戦争アクションとして見ると、これはもう楽しめる。クライマックスの橋の攻防戦なんてワクワクしながら観た。トム・ハンクスはじめ戦争映画っぽい面構えとはほど遠いキャスティングと、描写に少し「フルメタル・ジャケット」入っていた点は不満だが、まあ許そう。

 それにしても、ドイツ軍の兵器のディテールが考証されているのには納得した。ちゃんとタイガー戦車に乗っている。「バルジ大作戦」みたいに、アメリカ製シャーマン戦車にハーケンクロイツ付けて“ドイツ軍だよーん”と居直っている態度がないのは良い(笑)。スピルバーグは「太陽の帝国」での日本軍の描写がヒドかったので、少し心配したのだが・・・・。まあ、兵器オタクの皆さんからは“ここが違うぞー!”と細かいところの指摘が出るのかもしれんけど(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「白い風船」

2006-02-09 20:49:00 | 映画の感想(さ行)
 95年のカンヌ映画祭で新人賞を受賞したイランのジャハル・パナヒ監督作品で、セールス・ポイントは脚本をアッバス・キアロスタミが担当していること。子役の使い方にかけては神業的なイラン映画の真髄(?)をたっぷり見せてくれる。

 大晦日、7歳の女の子ラジェは市場でカラフルで大きな金魚を見かけ、欲しくてたまらなくなる。でも何かと物いりな年末の時期、金魚ごときに出す金はないと母親は相手にしない。そこで10歳の兄が助け舟を出し、見事に母親から金を出させることに成功。金を握りしめて市場に走るラジェだが、途中、意地悪な蛇使いのおじさんに邪魔されたり、お菓子屋の店頭に並ぶ美味しそうなケーキに心を動かされたり・・・・。果たして彼女は無事に金魚を買って帰ることができるのでしょうか(笑)。

キャストは全員素人で、ドキュメンタリーに近い自然さを出すために演技指導はほとんどしていない。しかし脚本通り物語がスムーズに運ぶのは、キアロスタミの必殺技の“キャストを取り巻く状況をドラマそのものにする”が効いているためだ。ラジェに扮する子役は本当に金魚が欲しくなり、本当に道中で悪戦苦闘するのである。

 こういう展開を見ていると、ドラマのために必死で大仰なプロットを作ろうとするハリウッド映画のやり口がアホらしくなってくる。大げさな設定よりも、日常の何気ないやり取りの中にこそ大いなるスペクタクル性が内包されているのだ。

 やっとたどり着いた市場で彼女はお金を落としたことに気付く。見知らぬおばさんの手助けでお金を見つけるが、その瞬間お金は他の店の前の溝へ落ちてしまう。店の主は休暇でいない。大晦日なので誰もが家路を急ぎ、子供の相手なんかしてくれない。さて、どうなるか・・・・(^^)。

 また、正月になっても帰るところがない帰還兵士や、身寄りの無い風船売りの少年の登場は、単なる児童映画に終わらせない社会派的な深みをも作品に与えている。そしてホロ苦いラストの見事なこと。

 それにしても、ヒロインの兄はどうやって母親から金を出させたのだろう? 劇中ではセリフは意図的に聞こえなくしてあるし・・・・気になるなぁ(^_^;)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長期金利と名目経済成長率

2006-02-09 20:45:23 | 時事ネタ
 2005年末の経済財政諮問会議で、長期金利より名目経済成長率を高めに見通している従来の政府見解に対して「楽観的すぎる」との異論が相次いだらしい。これまでより成長率を厳しく見れば歳入の伸びは鈍り、金利を高く見れば国債の利払いによる歳出はより増える。このため、異論に沿って見解を見直すと、財政再建の見通しも厳しくはじく必要がある。(2006年1月4日 朝日新聞)

 たぶんマスコミとしては、関係者をこの「長期金利が名目GDP成長率より高くなる派」と「同、低くなる派」とに単純分割して“さて、どちらが勝つかなァ”と高みの見物を決め込むつもりだろうが、ハッキリ言ってマスコミも経済財政諮問会議のメンバーの連中も脳天気に過ぎるスタンスである。

 彼らはそもそも問題の意味すら分かっていないのだろう。確かに長期的スパンで見れば、長期金利は名目成長率にインフレ率が上乗せされた水準にあり、よって物価水準がプラスにシフトしてゆく限り長期金利のほうが名目成長率よりも高くなる。対して実際の成長率が高く見込まれた高度経済成長期などには、名目成長率が長期金利を上回る局面があった。しかし、こんなのは単なる「結果論」あるいは「現象面」での話でしかない。当事者としてそれを“どっちが高くなるのかなァ”と“予想”しているだけで果たして良いのか。

 “予想”なんてのは評論家に任せておけばいい。経済財政諮問会議のメンバーがやるべきことは、長期金利と名目成長率を“予想”することではなく、実際に“どうするか”、つまりは、名目GDP成長率をどうやって上げるかを提案しなければ話にならない。

 竹中平蔵は“4%は伸びるんじゃないか”と寝ぼけたことを言ってるが、名目GDP成長率をアップさせる具体的施策を何も実施せず、デフレ基調を放置して名目成長率がそんなに上向くはずがないではないか(注:名目成長率=実質成長率+インフレ率)。まさか構造改革の促進とやらで何とかなると思っているんじゃないだろうな。竹中の脳内で構築された“サプライサイド経済学”ではそうなるのかもしれんが、実体経済において構造改革(生産性向上)が国の経済マクロを押し上げた事例など(少なくとも我が国では)存在しない。

 本気で名目GDP成長率を上げようと思うのなら、やるべきことは“過去の歴史”が証明している。だが、政治家もマスコミも(意識的か無意識的かは知らないが)それを完全に無視している。“長期金利が名目GDP成長率より高くなるのかなァ。ならば増税も仕方ないなァ”という“予想”の世界で遊んでいるうちに、国民生活は苦しくなる一方だ。いい加減、茶番はやめてもらいたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ダーク・ウォーター」

2006-02-08 06:50:04 | 映画の感想(た行)
 意外にもオリジナルの「仄暗い水の底から」より面白い。何より日本版での“保育園に預けるべき子供をわざわざ幼稚園に通わせて、それがヒロインの心労と怪異現象に繋がっていく”というアホな設定がないのが良い。

 さらに、ただ優柔不断で愚かなだけの主人公(黒木瞳)が“語るに落ちる”ようなラストの境遇に陥っていくのを脱力して眺めるしかない「仄暗い~」に対し、いくら逆境にあるとはいえ合理的スタンスを崩さないアメリカ女性が、どうして終盤ああいう行動を取らざるを得なかったのかが納得出来るシチュエーションを用意しているのもポイントが高い。

 たぶん製作側は日本版の脚本の不備を一つ一つ潰していったのだろう。リメイクに当たっての冷静な態度だと思う。

 映像タッチもオリジナルに勝っている。舞台になる“ロープウェイでないと渡れないニューヨーク近郊の島”というのは世間から隔絶された異界(しかも、人界のすぐ近くにある)という雰囲気を醸し出しているし、そこに建つ古ぼけたアパートもホラー映画好きには堪えられない大道具だ。ましてや管理人がピート・ポスルスウェイトときては嬉しくなる。

 「モーターサイクル・ダイアリーズ」等で知られるウォルター・サレスの演出は堅実で、無理・無駄がない。子役の扱い方は「セントラル・ステーション」と同じく手慣れたものだ。

 それにしても、シングルマザーのヒロインに扮するジェニファー・コネリーはこういう“ロクでもない男と付き合って苦労する女”を演じさせると絶品である。今後はこの道を究めてほしい(爆)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「男たちの大和 YAMATO」

2006-02-07 06:45:00 | 映画の感想(あ行)
 期待していなかったが、面白く観た。何より余計なイデオロギー色が一切ないのが良い。

 あの戦争が聖戦か侵略か、戦争責任はどこにあるか、沖縄戦の真実はどうだetc.そんなことには全く言及しておらず、それどころか米軍側に正面からカメラを向ける部分も皆無だ。作者の目は徹底して乗組員と彼らを待つ家族・恋人たちに注がれる。

 決して常軌を逸していたわけでも、軍国主義に冒されていたわけでもなく、敗色濃厚だということも知りつつ、ただ一途に“国を守りたい”という意思だけで戦地に赴く男達。そしてそれを見守る家族。その純粋さが切ない感動を呼ぶ。

 佐藤純彌の演出タッチはあまり垢抜けておらず、特に登場人物達が大和に乗り込むまでの各キャラクターの動かし方は古くさい。だが、物語を大和の生き残りを父に持つ女性(鈴木京香)が父の同僚だった船長(仲代達矢)から当時のことを聞かされるという、いわば回想形式になっていることで(現代の場面も適宜挿入されることにより)あまり気にならなくなっている。

 戦闘場面は文句なし。邦画でよくこれだけ頑張ったものだと思う。だが、そこで予算を使い切ったのか、大和の全景さえ映せなかったのは痛い。そして沖縄水上特攻作戦に参加した艦艇は大和以外にも何隻かいたはずだが、それらの影も形もない。いまひとつの脚本のフォローが必要だった。

 出演者陣は中村獅童および松山ケンイチはじめとする年若い兵士役は悪くなかったが、反町隆史は相変わらずの大根。何とかして欲しかった。それより主人公達を送り出す立場を演じた蒼井優と寺島しのぶが印象的で、彼女たちのエピソードを入れたことにより、戦争の悲劇の描写がより一層深まったと言えよう。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「輪廻」

2006-02-06 06:55:53 | 映画の感想(ら行)

 ハリウッドで「THE JUON/呪怨」を興行的に成功させた清水崇監督の“凱旋”第一作だが、どうにも釈然としない出来。

 「呪怨」シリーズみたいに“呪いの家に近づいた者に災いがふりかかる”という単純極まりない構図ならば、多少筋書きに無理があろうとも、怪異現象を場当たり的に並べていけば何とかサマになる。対して輪廻転生をネタにした本作は“誰が誰の生まれ変わりで、それはどういう基準でそうなったのか”といった最低限の理詰めの展開が必要になるはずだが、それが全く成されていない。

 まずは輪廻についてのウンチクの披露から始めるべきところを、早々に「呪怨」シリーズと同様の“ショッカー場面の釣瓶打ち”に移行してしまうのでは進歩がない。

 35年前の大量無差別殺人事件の犠牲者は転生したのか怨霊になったのかハッキリせず、現在の時制で頻発する失踪事件との因果関係も不明だし、そもそも映画監督役の椎名桔平は年齢面で矛盾してしまうではないか(爆)。

 過去と現在と記録フィルムの3つが同時進行するクライマックスのアイデアは悪くないが、それまでの展開が底抜けなのでさっぱり盛り上がらず。とにかく脚本を練り直せと言いたい。

 唯一の成果がヒロイン役の優香の大熱演。いつもの彼女のキャラクターとは正反対の役柄に果敢にチャレンジしており、それが結構サマになっている(特に絶叫シーンは見もの)。もっと映画に出て欲しい人材だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ミルドレッド」

2006-02-05 18:42:33 | 映画の感想(ま行)
 (原題:Unhook The Stars)96年アメリカ作品。夫に先立たれ、溺愛していた息子は家を出て独立し、素行の悪い娘も家を飛び出し、仕方なく一人暮らしを始めたミルドレッド(ジーナ・ローランズ)。向かいに住むモニカ(マリサ・トメイ)から6歳になる男の子の世話を頼まれ、久々に生活に張りがでてくる彼女だが、息子夫婦からはもうトシなんだから引っ越して同居しようと言われ、初老の身を実感せざるを得なくなる。

 故ジョン・カサヴェテスの息子ニック・カサヴェテスが実母のローランズを主演に撮った監督デビュー作だ。

 J・カサヴェテスとローランズによる作品は「グロリア」(79年)ぐらいしか観ていないが、その子供が演出家として世に出るとは月日の流れを感じずにはいられない。母親が主人公だからというわけでもないだろうが、このヒロイン像は実に等身大で無理がなく感心させられた。娘の代わりに新聞配達をやったり近所の子供の面倒を見たり、60歳になっても元気だけど、すでに自分は引退の時期に来ていることを感じとっている。

 別居していた夫とヨリを戻したモニカ親子がミルドレッドを必要としていなくなったり、酒場で知り合ったトラック運転手(特別出演ジェラール・ドパルデュー)に恋してもイマイチ踏み込めなかったり、普段の彼女が快活であるだけに、身の程を知って寂しく引いてしまうヒロインの心情が痛いほどわかる。

 ただ、そのあたりを突き放して描いていないのがポイントだ。周囲に流されず、しかし淡々と受け入れて生きる女性像は作者の母親を見る目と重なってくるのだろう。一生懸命に子供たちを育てても、愛情は“押しつけ”としか捉えられないこともあり、やがて彼らは出て行く。時は経ち、退場が近くなっても、それでも新しい人生を求めて旅立つミルドレッドに心からの共感を寄せている作者の姿勢は快い。

 ローランズは貫禄の演技。M・トメイも自然体で悪くない。寒色系を活かしたフェルドン・パパマイケルのカメラが効果的だが、どことなく非アメリカ映画系のような印象を受けるのは、プロデューサーがパトリス・ルコントやエミール・クストリッツァの諸作を手掛けたルネ・クレトマンだからだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「路上の霊魂」

2006-02-05 08:10:53 | 映画の感想(ら行)
 1921年製作。「日輪」(26年)や「霧笛」(34年)で知られる村田実監督作品で、当時の演劇界の大物・小山内薫が主催した松竹キネマの第一回作品。

 山奥の伐採場の経営者とその息子の家族、別荘に滞在する富豪の一家とそこに迷い込んだ二人の浮浪者。二つのシチュエーションを平行して描く。

 伐採場の主人の息子は、その昔将来を嘱望されたバイオリニストだった。しかし、自分勝手な性格から婚約者を捨て、別に女を作って家出する。今や落ちぶれ、ボロボロになって、妻と娘を抱えて父のもとへ帰ろうとしたのだ。ところが、父親は彼を許さない。吹雪の中を追い出される息子とその家族。そして悲劇的な結末に到る。

 飢え死に寸前で富豪の別荘にたどり着いた浮浪者は、食料を盗もうとして使用人に見つかり、折檻を受けようとするが、哀れに思った家人は彼らをもてなしてやる。時はクリスマスの夜。二人はパーティに参加し、幸せな時間を過ごして、翌日元気にまた旅立っていく。

 片や肉親であるにもかかわらず相手を許さない偏狭な心が悲劇を生み、一方は赤の他人に対しても慈善の心を持つことの大切さが描かれる。非常に寓話的・教訓的な話であるが、ふたつのエピソードを交差させても絶対融合させずに進めるという、当時としては画期的な手法、そしてキャラクター設定の見事さと随所にあらわれる編集の妙味が、ドラマを盛り上げていく。

 1921年といえば日本映画の黎明期であり、当時すでにこれほど意欲的な作品が生まれていたことは驚きである。私は当作を某映画祭で観たが、画質が思ったよりいいのも感心した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする